今年の5月、千葉県で「後払い・ツケ払い現金化」事業者が初摘発されました。

その後も北海道や東京都などで同類の事業者の摘発が相次ぐなど、最近になって「後払い・ツケ払い現金化」と呼ばれる悪質金融サービスに対する警戒が全国的に強まっています。

商品の「後払い・ツケ払い」は、日本最大のフリマアプリでも取り入れられるなどしているため、何の違法性もないように思われるかと思いますが、問題視されるのは、そのサービスを活用した「現金化」の内容です。

では、「後払い・ツケ払い現金化」とは、どのような内容の金融サービスなのでしょうか。

廃れた「給料ファクタリング」と台頭する「後払い・ツケ払い現金化」

廃れた「給料ファクタリング」と台頭する「後払い・ツケ払い現金化」

一昨年ほど前から、給料ファクタリングと呼ばれる金融サービスの提供が広がりました。

給料ファクタリングとは、受け取り予定の給料を債権として給料ファクタリング事業者に譲渡することにより、実際の給料日よりも早く給料を受け取れるという金融サービスです

借金をすることなく気軽に現金を取得できるサービスとして利用者が拡大した給料ファクタリングでしたが、差し引かれる利用手数料の設定に違法性がみられるとして様々な方面から注意喚起がされてきました。

結果として、いくつかの提供事業者が摘発されたほか、金融庁が正式に「違法な闇金融」と断定する見解を発したことなどが影響し、急速に提供事業者は減少。

現在でも少数の提供事業者が存在するものの、実質的に事業スキームの崩壊に至っているといえます。

こうして給料ファクタリングは鳴りを潜めることになりましたが、廃れた給料ファクタリングに代わって、また新たな悪質金融サービスが台頭しました。

それが「後払い・ツケ払い現金化」です。

名称もサービス内容も異なれど、「後払い・ツケ払い現金化」も給料ファクタリングと同様に、その利用手数料に大きな違法性を抱えており、金融庁が利用を控えるよう警告を発しています。

「後払い・ツケ払い現金化」のサービス内容

「後払い・ツケ払い現金化」のサービス内容

「後払い・ツケ払い現金化」のサービス内容はいたってシンプルです。

まずは申し込みサイトから利用申請し、提供事業者の指示する商品を後払いで購入。

そのキャッシュバックとして利用者に現金を支払い、現金を受け取った利用者は指定された期日までに後払い代金を清算するというものです。

また、買取業者を称した事業者が「アマゾンギフト券」や「全国百貨店共通商品券」などを後払いで購入させた後にそれらを買い取り、現金を支払うものや、後払いで購入させた商品のレビューや口コミをSNSやブログへ投稿依頼し、宣伝協力費という名目で現金を支払うものも存在します。

いずれのサービスも手続きが非常に簡易的であるほか、指定口座への入金も申し込みからわずか数分〜数時間で完了するという迅速性も相まって、現金の不足に悩む消費者からの利用が拡大傾向にあるのです。

年利が1,000%を超える悪徳サービスも

年利が1,000%を超える悪徳サービスも

上記の解説のみを読む限りでは、便利で気軽に利用できる金融サービスなのではないかと思われる人もいることでしょう。

しかし、「後払い・ツケ払い現金化」の多くは、利用者に支払う金額と後払い金額に大きな差があり、さらにその差額を年利に換算してみると、驚くべき違法性が明らかになります。

たとえば、18万円の商品の後払い購入を指示され、10万円の支払いを受けた場合、差額は8万円となります。

この差額を年利に換算するとなんと973%。

「後払い・ツケ払い現金化」は「貸金」とは異なるサービス内容ではあるものの、サービスの性質上、提供事業者は実質的に利息を回収しているとみなすことができる上に、利息制限法で上限年利が20%と定められていることを踏まえれば、「悪徳金融サービス」と断定せざるをえないのは明確です。

また「後払い・ツケ払い現金化」の提供事業者の多くは貸金業登録を怠っていることからも、出資法に違反した紛れもない闇金業者であることがわかります。

もっとも、すべての「後払い・ツケ払い現金化」事業者が、上記でご紹介したような超高額な取引手数料を課しているわけではありませんが、それでも相場は年利30%〜50%ほどですので、一度利用すると、得をするどころか自転車操業に陥る恐れがありますので注意が必要です。

嫌がらせや個人情報流出の可能性も

嫌がらせや個人情報流出の可能性も

「後払い・ツケ払い現金化」事業者は、その実態は多くが「闇金業者」であるから、もしも清算に遅れが生じるようなことになれば、自宅だけでなく職場への電話も繰り返すといった、嫌がらせ行為を繰り返すケースも多々みられるようです。

また、申し込み時に提出した個人情報を、繋がりのある闇金業者に売却され、電話やメールでの営業活動に利用される可能性も考えられます。

まとめ

まとめ

昨今では、新型コロナウイルスの感染症拡大の影響もあり収入の減少や失業によって金銭的な悩みを抱えている人が増加していると思われます。

「後払い・ツケ払い現金化」事業者は、SNSやホームページ上で「簡単に現金を得られる方法」といった宣伝文句を並べ、このような弱みにつけこむような勧誘活動を続けています。

実際に国民生活センターや警察には、「後払い・ツケ払い現金化」の利用によって法外な取引手数料を要求された人からの問い合わせが増加傾向にあるようです。

繰り返しになりますが、「後払い・ツケ払い現金化」は違法性の強い悪徳金融サービスであり、提供事業者の多くは闇金業者です。

一時的に現金を取得できるのは確かですが、法外な取引手数料を上乗せした後払い代金の支払いに苦しめられる恐れもありますので、利用は絶対に控えるべきだといえます。