新型コロナウイルスの感染拡大により、人体への健康被害に対して不安が高まるとともに、経済への影響も顕著に表れ始めています。
中でも、海外からの訪日旅行者の激減による消費の低下によって観光業や宿泊業、小売業といったインバウンド事業者は特に大きな損失を被っているほか、中国からの資材調達の滞りによる影響で、製造業などでは工場の稼働停止を余儀なくされるケースも発生しています。
今後も、事業内容によっては大きな損失が見込まれそうな経済情勢が続きそうですが、そのような状況で最も不安視されるのが運転資金や取引先への支払い資金の確保といった事業資金面の問題ではないでしょうか。
近年、政府も様々な金融支援策を発表していますが、国や各自治体が提供する融資や補助金・助成金といった資金サポートは、審査に時間を要し実際の入金までに時間がかかるため、緊急時の資金調達に適しているとは言い難い点があります。
そこで、今回のような事業資金の調達と確保に関わる緊急事態にぜひ活用を検討してほしい手段がビジネスローンです。
特にノンバンクと呼ばれる事業者が提供するビジネスローンは、審査スピードも早く、銀行融資や補助金・助成金の受給などの公的資金の活用よりも審査基準は優しめであるため素早く効率的に資金を調達できるメリットがあります。
しかし、ノンバンクのビジネスローンに対して「ヤミ金まがいのサービスではないか」「銀行融資に比べて信用性に欠ける」などといったネガティブな意見をお持ちの事業者様も多く、中には「サービス内容そのものが理解できない」などの理由により、利用を敬遠されがちです。
では、ノンバンクのビジネスローンとは一体どんなサービスなのか。メリットやデメリットも踏まえて解説していきます。
目次
ビジネスローンとはどんな資金調達法?
ビジネスローンとは、その名の通り、事業者専用の融資商品です。
主に「一時的な運転資金(つなぎ資金)」や「設備投資による事業の拡大」「取引先への支払い資金」などの確保や充足を目的に活用できます。
ですので、ビジネスローンは「事業融資」「事業者ローン」などの呼び方もでき、最近では法人だけでなく、フリーランスなどの個人事業主や法人以外の各団体を専門にした金融商品も数多くリリースされています。
ビジネスローンを提供する事業者は?
ビジネスローンは、事業者向けの融資商品ですので、ほぼすべての金融系の事業者が提供しているといえます。
具体的には以下のような事業者です。
・ 銀行
・ 信用金庫
・ 政府系金融機関
・ 消費者金融
・ 信販会社
・ リース会社
・ クレジットカード会社
・ ビジネスローン専門事業者
一般的に「ビジネスローン」というと、いわゆるノンバンク(消費者金融・信販会社・リース会社・クレジットカード会社・ビジネスローン専門業者)といった非銀行系の事業者のみが提供する融資商品だと思われがちですが、銀行系(銀行・信用金庫・政府系金融機関)が提供する事業融資商品も、それぞれのサービスの名称は違えど、内容は基本的に同じであるため、これらもあわせて「ビジネローン」と呼ぶこともできます。
なお、この記事では、銀行系とノンバンク系の差別化を図るため、ここからはノンバンク系の事業者が提供する事業融資を「ビジネスローン」と呼んでご紹介していきます。
ノンバンク系ビジネスローンのメリット
①スピーディーな事業資金の調達が可能
ノンバンク系のビジネスローンにおいて最大のメリットといえるのが、銀行や政府系金融機関の事業融資よりも早く資金調達が可能な点です。
銀行や政府系金融機関の事業融資を利用する場合、実際に現金を取得するまでの期間は平均的に3週間以上、融資条件によっては1ヶ月以上かかる場合もあり、緊急を要する資金調達が必要なケースには不向きです。
対するノンバンクのビジネスローンは、銀行や政府系金融機関の事業融資に比べて審査基準が緩めに設定されているため、スピーディーに審査結果を開示できます。
そのため、遅くても1週間、ビジネスローンの専門事業者であれば、申し込み時間次第で最短即日の現金取得が可能です。
②個人事業主も総量規制の心配なし
消費者金融の借り入れやカードローンなどを利用した経験がある方ならご存知かと思いますが、個人向けの借り入れを利用した場合、貸金業法で定められている総量規制が適用されます。
総量規制は、利用者の年収の3分の1を超える貸付けを規制する制度です。
しかし、ビジネスローンの利用においてはこの総量規制の例外の取り扱いとなる「例外貸付」となるため、ビジネスローン会社の判断次第では年収の3分の1を超える借り入れができます。
したがって、事業資金の確保が個人の所得によってダイレクトに左右される個人事業主であっても、ビジネスローン会社が事業計画や収支計画、資金計画を踏まえて返済可能であると判断すれば大口の融資を受けることも不可能ではなくなります。
③融資可能額の幅が広い
ノンバンクのビジネスローンは使用用途の制限がない契約が主流であるため、一度融資を受けられれば、取得した資金の使用用途は基本的に事業主の自由です。
さらにノンバンクのビジネスローンは、融資可能額の幅が広いため、小口から大口までの資金調達が可能であり、一時的な運転資金から大規模な設備投資や事業拡大など様々な用途に自由に活用できます。
特に、当社のようなビジネスローン専門事業者は、融資商品によっては、10万円から最高1億円程度までの幅広い融資額を設定している業者もいます。
ノンバンク系ビジネスローンのデメリット
①高い金利
ノンバンク系ビジネスローンのデメリットの一つ目が「金利が高い」ことです。
銀行や政府系金融機関であれば、1%前後から最大9%ほどの金利(年率)で事業融資を受けることができますが、ノンバンクのビジネスローンでは15%〜18%が一般的です。
法定金利(上限金利)は利息制限法の水準(元本10万円未満:20%、元本10万円以上100万円未満:18%、元本100万円以上:15%)となりますので、ノンバンク系のビジネスローンを利用すれば、この水準いっぱいの金利を求められることになります。
そのため、高額の融資を受けて返済期間を長く設定すれば、返済時の金利が重くのしかかり、場合によっては経営を救うためにビジネスローンを組んだが、かえって経営を揺るがすほどの大きなリスクを背負うことにもなりかねません。
②銀行系や政府系金融機関の融資審査に影響
ノンバンク系のビジネスローンを利用して借り入れした場合は、当然ながら決算書の借入内訳に借り入れ額と利用事業者名が記載されます。
銀行系や政府系金融機関の融資審査では、このようなノンバンク系のビジネスローンの利用を、何らかのマイナス事情を持っていると判断される場合があるため、審査結果に影響を与えることがあります。
ですので、将来的に銀行系や政府系金融機関からの融資を希望するのであれば、利用を慎重に検討する必要があるといえます。
ビジネスローンの審査通過のポイント
ノンバンク系ビジネスローンは銀行や政府系金融機関の融資よりも審査基準が低いことは先にも述べた通りです。
とは言っても、やはり融資審査は不安がつきものです。
では、ビジネスローンの審査ではどのような点を重視されるのでしょうか。
①現状の事業規模と資産状況
第一に注目される点は、やはり現在の事業規模と資産状況です。
これらの要素は返済能力の可否を見極める上では欠かせない審査ポイントであり、ビジネスローンの借り入れ可能額や返済期間は、現在の事業規模と資産状況で80%ほど決まるといっても過言ではありません。
②事業の将来性
ノンバンク系ビジネスローンの審査において現在の事業規模と資産状況が重視されることは間違いないですが、必ずしもそれだけが審査通過のポイントとはなりません。
現状の事業規模や資産状況が十分でない場合には、事業の将来的な成長性も審査で重視されるポイントです。
融資によって事業の拡大が期待できるようであれば、審査通過や融資額のアップにつながります。
③事業主の信用度
ノンバンク系ビジネスローン事業者が見る審査ポイントは企業だけが対象となるわけではありません。
事業主の人柄や経歴は重要な審査ポイントとなりますので、申し込みの際に大柄な態度をとったり、経歴を詐称するような不誠実な対応があれば審査の通過も難しくなります。
緊急の資金調達はビジネスローンで
ノンバンクのビジネスローンは、申し込みから現金取得までのスピードが早く、審査基準も銀行融資に比べれば甘いため、緊急度の高い事業資金問題の解決には最適の手段であるといえます。
一方で、ノンバンクのビジネスローンの利用によって将来的に銀行系や政府系金融機関の事業融資審査に影響を与える、返済時の金利が高く事業の収支次第では大きなリスクになりかねないといったデメリットがあることも事実です。
ですが、まだまだ収束の見えない新型コロナウイルスの影響のように、不意に訪れる資金問題に対しては、やはり銀行系の融資よりもスピード性のあるノンバンクのビジネスローンがおすすめです。
アクト・ウィルでは、ビジネスローンのネックとなる金利の交渉にも柔軟に応じますので、まずはお気軽にご相談ください。