企業が資金調達したい場合、株式発行などを除くと、金融機関からの融資に頼るケースがほとんどです。

融資とひと言で言ってもお金を貸す機関はさまざまであり、その融資内容も異なります。企業はそれぞれの状況に応じて受ける融資を取捨選択し、最も経営に対してふさわしいものを選ぶことで、適切なタイミングで資金調達し、事業改善、経営改善につなげられます。

今回は企業が融資を受ける際にどのようなメニューがあるのか解説します。

公的融資

民間金融機関ではなく、公的機関の融資になります。大きく分けると、日本政策金融公庫の単独融資と、商工会議所、商工会議所と日本政策金融公庫が連携した「マル経融資」になります。

日本政策金融公庫の創業融資

日本政策金融公庫という、以前は「国民生活金融公庫」と呼ばれていた政府系金融機関が、いくつかの政府系金融機関と合併してできたところです。

こちらが政府系金融機関で、税金が投入され、中小企業の資金繰りなどに対応しています。

日本政策金融公庫の創業融資は創業時の立場などによって複数の中から選べます。開業資金向け「新規開業資金」(新創業融資)、通常の融資である「一般貸付」、災害やコロナなどの影響を受けた人向けの特別貸し付けなど20種類近いメニューがあります。

それぞれ金利が非常に低く、1%~2%台で推移しています。政府からお金を投入しているので、借主が支払う利息が極めて少額で済みます。

また、担保を提供できる場合、金利は1%を切ります(0.数%)。非常に有利な融資ですが、審査に時間がかかります。

審査基準は民間金融機関(特に銀行や信金)よりもかなり緩めです。国の政策として、税金を投入して中小企業(個人事業主含む)の倒産を防ぐための位置づけ(自己破産や生活保護に至らせない)なので、民間では貸せないようなところにも融資します。当然貸し倒れも多くなりますが、それを税金で補填します。

時間に余裕があれば、日本政策金融公庫の融資を検討してみてください。金利が圧倒的に低いです。

商工会議所、商工会の「マル経融資」

全国の商工会議所、商工会と政府系金融機関(日本政策金融公庫)がタッグを組んで行うのが「マル経融資」(小規模事業者経営改善資金融資制度)です。上記、日本政策金融公庫の融資に商工会議所の推薦が付いたものになります。

お金を融資するのは日本政策金融公庫で商工会議所、商工会ではありません。商工会議所、商工会の人が「この人にお金を貸しても大丈夫」という推薦状を書きます。これがあると日本政策金融公庫に直接融資を申し込んだ場合と比較して、さらに金利が低くなります。

・参考 2022年11月5日現在

日本政策金融公庫 通常貸付利率 2%~3.05%
マル経融資 利率 1.15%

ただでさえ低い日本政策金融公庫の利率よりもさらに半分近い超低金利になっています。

最新の利率はここでチェック

東京商工会議所「マル経融資」

毎月変動しますが(据え置きになる月もあり)、2%を超えることはあまりないと思います。今の経済状態ならば、ほぼ1%前後で推移すると思います。

1%前後という利率がどのくらい低いかというと、

  • 銀行や信金等の担保や保証人がある融資:低くて2%代
  • 銀行や信金等の担保や保証人がない融資:4%以上のケースが多い
  • 「借りやすい」といわれる新興の金融機関(ノンバンク、ビジネスローン)の場合:10%以上

となります。

カードローンは利息制限法ギリギリ(15%~18%)がほとんどですから

マル経融資のメリットは、超低金利に加えて

  • 担保がいらない
  • 保証人もいらない
  • 1年以上営業していれば申告途中でも対象になる

というメリットがあります。担保も保証人も必要なくて、金利1%で国から融資を受けられます。

無担保、無保証人のマル経融資利率<担保ありの優良都銀の通常融資利率

なので、いかにマル経融資が得かお分かりいただけるはずです。

ただし、マル経融資を申し込む際には、商工会議所や商工会から「経営指導員」を受けていることが条件になります。商工会議所の会員になり、経営相談などを受けることが必要です。

抜け道はあるのですが、一見さんだといろいろ手続きが必要です。つまり、金利はすごく低いが、時間がかかり、以前から商工会議所の経営指導を受けている必要がある(抜け道はあり)、というものです。

資金調達に困り、数日以内に融資が必要だ、という場合には利用できません。

民間金融機関の通常融資

銀行や信用金庫、信用組合などの融資です。融資と聞くと政府系金融機関ではなく、こちらをイメージされることが多いはずです。

銀行、信用金庫の証書貸付

我々が最初にイメージする「お金を借りる」方法です。通常の銀行融資がこれに該当します。

銀行に申し込みをして、審査の末、その借入目的に合致したローンを企業が借りられます。審査は銀行法で決まっていて、時間をかけて厳格に行います。借入が多い、赤字決算が続いているような場合、融資が下りない可能性もあります。

具体的には

融資には目的があり、それ以外の用途(例えばギャンブルや投資)がバレると、以後借りられなくなる可能性があります。

民間金融の融資は

  1. 無担保、無保証人
  2. 有担保、無保証人
  3. 有担保、有保証人

の3パターンがメインです。担保は不動産になるのですが、最近登場した「動産担保融資」という新しい形態の融資について後述します。

ABL融資(動産・売掛金担保融資)

ABL融資とは通常の担保付き融資で担保として提供される不動産(土地、建物等)に代わり、動産や売掛債権を担保として提供する融資、およびその融資による資金調達方法を指します。動産担保融資(アセット・ベースト・レンディング)の頭文字をとって「ABL融資」と名付けられています。

従来型の不動産担保融資以上に幅広いものを担保として提供でき、融資で資金調達する幅が広がります。

これらを有している場合、取引先の金融機関や最寄りの金融機関に相談すれば、ABL融資を受けられる可能性があります

<動産>

  • 製品や商品の在庫
  • 仕掛品
  • 原材料
  • 車両、機械など

<売掛金等>

  • 売掛債権、売掛金
  • 受取手形

売掛債権は最近話題の「ファクタリング」で買い取ってもらえるものとほぼ同じだと考えてください。しかし、ABL融資は「融資」のカテゴリであり、関連法律の規制を受けます。ファクタリングとは似て非なるもので、ファクタリングよりも安全です。

企業の対外的な信用なども考えると、ファクタリングよりもABL融資を選ぶべきです。

銀行、信用金庫のカードローン

後述のビジネスローンに近いものです。銀行や信金からローンカードを受け取り、設定した限度額の範囲内で自由に借入ができる便利なローンです。事業目的で借入もできます。

ATMなどから返済もでき、お財布感覚で利用できます。一度借りても、完済しなくても限度額の範囲であれば、再度借入することもできます。

消費者金融のカードローンに比べると審査は厳しめで、時間もかかりますが、社会的信用度は高く、銀行や信金のカードローンを借りているからと言って、以後の別の借入や「信用スコア」が不利になることはありません。

金利は消費者金融(ノンバンク)のカードローンよりもやや低く抑えられており(高くて13%程度)、借入に多少時間がかかってもよいという人は、銀行系のカードローンに申し込んでみましょう。

また、銀行のカードローンは「総量規制」の対象外です。

年収の3分の1を超えた金額の借入や限度額の設定が可能です。

  • 銀行系カードローンは即日融資ができない
  • 銀行系カードローンの利率は消費者金融のカードローンより低い

ここを押さえておきましょう。

ビジネスローンは迅速な資金調達におすすめ

以上取り上げた融資は、いずれも実際に現金が振り込まれるまでに時間がかかってしまいます。数日、あるいは明日お金が必要な場合、審査が間に合いません。

そこで、急な資金調達を求められている企業におすすめの融資が「ビジネスローン」です。

ビジネスローンには下記の特徴があります。

  • 審査が緩め(審査方法が通常の融資と若干異なる)
  • 融資決定まで早い
  • 銀行が行う場合とノンバンク(消費者金融系、信販会社)が行う場合がある
  • 無担保、無保証人
  • 総量規制の対象外
  • 約1000万円が上限額
  • 赤字決算でも融資可能

ビジネスローンを行うのは、銀行、消費者金融、一部の信販会社です。融資なので、既存の金融規制(利息制限法上限など)を受けますが、独自のスコア制による審査で、最短即日融資も可能なスピード審査を行っています。

ビジネスローンの審査は、その他の融資と異なり、以下の流れで審査します。

  1. 決算書などの情報を入力する
  2. 同業他企業、類似の会社の融資データを探す
  3. 同業他企業の貸し倒れ率を算出する
  4. 申し込みした企業の推定貸し倒れ率を計算する
  5. 推定貸し倒れ率+ビジネスローン会社の利益を計算=A
  6. Aがビジネスローン金利の上限内なら審査通過
  7. Aがビジネスローン金利を超えるならば審査に落ちる
  8. 最終的な決定はビジネスローン会社の専門スタッフが行う

これにより、申し込みした際の貸し倒れ率をスコア化し、

貸し倒れ率+金融機関の利益<上限金利(で換算した金額)

融資が決まります。

融資審査のスピードが早く、赤字決算でも融資が出やすいので、既存金融機関の融資が難しい方もチャレンジしてみる価値があります。申し込み→審査→入金まで数日、1週間以内には決まることが多いので、急な資金調達が必要な方はぜひビジネスローンをご検討ください。

ただし、金利は高く、利息制限法上限(金額により15%~20%)のことが多いので、その負担に耐えられることが前提です。他の融資が難しい場合や、迅速な資金調達が必要な場合に、高めの金利を払って融資を受けるイメージになります。

使い方次第でとても有効な融資ですので、みなさまの企業が置かれている状況をよく見極めてください。

多様な融資の1つとしてビジネスローンをご検討ください!アクト・ウィル株式会社がおすすめ!

融資には「政府系金融機関融資」「民間金融機関の通常融資」「ビジネスローン」の3種類があり、それぞれ特徴があります。

迅速性や赤字決算でも融資を受けたい場合「ビジネスローン」が有力な選択肢になります。金利は高めですが、利用上限額もある程度決まっているので、金利の支払いで倒産してしまうリスクは低くなっています。

数日の支払い遅延が企業経営に重大な影響を与える場合、ビジネスローンによる迅速な融資はとても効果的です。

アクト・ウィル株式会社では手数料の安い無担保、無保証人の通常のビジネスローンのほか、不動産担保融資、動産担保融資、車担保融資など新しい形の融資にも対応しています。

アクト・ウィル株式会社のビジネスローンの大きな特徴として、買い取り代金の支払い方法を通常の口座振り込みだけではなく、社員が現金を企業側にお持ちする方法も可能です。これにより、銀行から引き出す手間も省けます。

他の融資で現金手渡しという手法をとっているところは非常に少ないので大きなメリットになります(もちろん、口座振り込みも可能です)

企業の多様な融資の方法の1つとして、審査が簡便で迅速性のあるビジネスローンを検討してください。そして、融資する会社の1つとしてアクト・ウィル株式会社ぜひご検討ください。