事業を営む上で、運転資金は必要不可欠なものです。日々の諸経費の支払い、仕入れ、原料費、人件費、突発的な支出等、運転資金がないと事業が回りません。
経営上、自己資本や内部留保をしっかり確保して、借入によらないで、経営上の「遊び」として運転資金を確保しておくのが王道ですが、すべての会社にそれはできません。
必要に応じて金融機関から運転資金を借入して、需要に充てることが必要になります。しかし、借入には審査が必要です。審査には時間がかかります。運転資金の支払いは待ってくれません。困りました。
そうした経営上の事情も考えて、どこから借入によって資金調達すればよいのか考えることが大切です。
今回は、運転資金の借入について、借入先別の特徴などをまとめました。みなさんの会社、事業所で運転資金が必要になった場合、どこから調達すべきなのか、参考にしていただければ幸いです。
目次
運転資金の借入先
運転資金を調達する場合、借入する方法とそれ以外の方法があります。後者については、ファクタリングやクラウドファンディング、株式発行などいくつか有力な方法がありますが、今回は借入がテーマなので触れません。
借入に限定して、どのような選択肢があるのか考えていきましょう。
なお「借入」ということは、融資になるため「利息制限法」が適用されます。かつて、利息制限法と出資法の金利差を利用した「グレーゾーン金利」が問題になりましたが、今は同じ金利になったため、その問題は解消されました。
借入の場合、その金額が100万円以上だと上限金利は15%です(100万円未満は18%か15%が上限)。つまり、上限金利を超える借入(金利20.1%など)は問答無用で違法になります。そうした金利を提示する金融機関は悪徳業者、ヤミ金融なので利用してはいけません。
そのことを踏まえて借入先について考えていきます。
民間金融機関からの融資
オーソドックスな資金調達方法です。融資メニューはバラエティーに富んでいて、みなさんの会社の経営状況や担保や保証人の有無次第で、借入可能額なども大きく変わります。
銀行、信用金庫が該当します。
大手銀行、メガバンクは大手企業が顧客なので中小企業や個人事業主は借入の難易度が高いかもしれません。
地方銀行や信用金庫など地域に根差した金融機関の方が、中小企業向け融資に積極的です。個々の事情についても斟酌してくれる可能性があり、まずこちらに融資を問い合わせてください。
以前より多少なりとも取引があれば、運転資金の融資について審査時間を短縮できます。いきなり、初めての利用の場合は、本当に事業を行っているかなど細かい審査があります。
融資を受ける金融機関次第で迅速な運転資金調達も可能になりますが、それでもビジネスローン(後述)には早さの面で及びません。また、金利は政府系金融機関よりも高いことが多く、良くも悪くも中途半端な印象です。
急ぐならばビジネスローン、金利重視ならば政府系金融機関にまず行くべきです。昔からのお付き合いのある民間金融機関があれば、多少の無理は聞いてくれる可能性があります。今、運転資金が必要なくても、少額の借入をしておくのは1つの戦略です。
不要不急ではない設備資金を少額借入するなどして、実績を作っておくこともできます。
民間金融機関と自治体が組んでいる融資に「自治体の制度融資」というものがあります。これは、お住まいの、あるいは事業所のある自治体が、利子補給(支払利息の一部を補助)したり、優遇金利を設定したりしているものです。税金で利息分を補填している融資です。
住民税の支払い実績に問題がないならば、政府系金融機関と同じくらいの金利で借入できます。運転資金にも対応していますので、利用を検討してみてください。ただし、自治体の審査がプラスされるので、融資実行までの時間はさらにかかってしまいます。
次項で述べる政府系金融機関と同じように、金利が低い借入については、審査に時間がかかることは頭に入れておいてください。
迅速な運転資金の調達を求めている場合は、金利が多少高くても審査を早めに通してくれる方法を選ぶべきでしょう。
政府系金融機関からの借入
銀行でも信金でもなく、政府系金融機関からの借入です。
大きく分けると
- 日本政策金融公庫
- 商工会議所・商工会の「マル経融資」
に分かれます。
事業を営んでいる人の運転資金、設備資金に利用できます。
利率も0%台から1%で非常に低く、支払利息について重荷になりません。
政府系金融機関で国がお金を出して運営しているので、つぶれることはなく、社会的信用度も極めて高いです。
商工会議所の「マル経融資」が、その日本政策金融公庫と各地の商工会議所、商工会が組んで行っている融資です。直接日本政策金融公庫から借入するよりもさらに金利が低くなっています。
商工会議所の経営指導員のアドバイス、コンサルティングを受けることが条件になっていて、より経営に失敗するリスクが低いので、金利をさらに下げてもリスクヘッジできるという判断です。
良いことばかりに思えますが、審査に時間がかかります。したがって急な運転資金需要に対する借入には向きません。
審査の難易度は低く、民間金融機関で借入できない、断られた事業者でも審査に通り、借入できる可能性があります。ヤミ金融などに手を出す前にまず政府系金融機関に相談してください。
ビジネスローンから借入する
消費者金融やカード会社など「ノンバンク」が行う事業用融資として「ビジネスローン」というものがあります。通常の金融機関からの借入と比較して、審査が緩く、融資決定まで早く決まるので、迅速に運転資金を借入したい事業者にはありがたい存在です。
通常の金融機関からの融資が難しい、経営があまりよくない事業者でも借りられる可能性があります。
ビジネスローンと銀行や信金からの借入を比較すると、以下の特徴があります。
【ビジネスローンからの融資の特徴】
- 金利:高い(利息制限法上限金利の場合も)
- 審査時間:短い(即日融資も可能)
- 審査の厳しさ:やさしい(スコアリングシステム)
- 借入可能額:少ない(多くて1000万円)
- 信用情報照会:あり
- 担保、保証人:原則なし
- 訳アリの法人の借入:比較的可能
ビジネスローンは金利が通常の融資よりも高いので、気軽に借入するものではなく、緊急時に金額を絞って利用するのが賢い利用法です。
上限金利に近いものもあるので、支払利息の負担も考慮して借入してください。
過剰に利用するのではなく、数百万円、急いで運転資金を用意したい場合などに有効です。これくらいなら支払利息も何とかなるはずです。
ビジネスローンの中には、もっと金利が低く、審査難易度も低い、担保や保証人付きのものもあります。もし、担保や保証人を用意できるなら、検討してみてください。
とにかく運転資金の借入を急ぎたい、多少金利が高くても今お金が必要、直近の事業実績が悪くて融資の審査が不安、そうした事業者にとっては、ビジネスローンは有力な借入の選択肢になります。
まとめ:運転資金は会社の血液、潤滑油!その資金調達として アクト・ウィル株式会社からのビジネスローン借入を検討しよう
運転資金を確保することは、突発的な事態に対応し、臨機応変な対応を可能にします。突然仕入れが止まる、外部要因で物価が高騰する、急な先払いの仕事に打診がある、そうした事態に直面した場合、運転資金は会社の血液、潤滑油として不可欠です。
本来は、企業の自己資本として、現預金を貯めておくことが望ましいのですが、実際にそれができるところは少なく、借入によらなければならなくなります。
借入する場合、ネックになるのがその審査の長さです。借入で資金を確保するのに、半月~1か月かかってしまっては急な運転資金の調達に間に合いません。今週中に500万円必要になるという事態も、会社経営をしていればあり得ることです。
そのような場合の運転資金調達は融資の審査を待っていては間に合いません。そこで、迅速な運転資金の借入ができるビジネスローンが選択肢に入ります。
上限約1000万円と高額ではありませんが、急に必要となった運転資金に限定すれば適切な金額です。借入しすぎもよくなく、「必要最低限の輸血」と考えると、納得できます。
金利が高いのは仕方なく、それよりも審査が早く緩いメリットを享受しましょう。使い方次第で非常に有効な借入となります。
アクト・ウィル株式会社はそうしたビジネスローンの1つです。
無担保、無保証人の通常のビジネスローン以外にも、より審査が通りやすい不動産担保融資、動産担保融資、車担保融資、保証人付き融資などもあります。
アクト・ウィル株式会社の特徴として、借入した融資を口座振り込みする以外に、スタッフが現金をお客様の手元にお届けする方法も選択できます。
すぐに最大1000万円の資金が必要な場合、現金でほしい場合、これは非常に助かります。現金をそのまま取引先に持ち込むインパクトは大きいですね。
ビジネスローンを緊急時の運転資金借入先として知っていただき、適切に利用してみてください。