和歌山県は近畿地方に属しており、首都圏とは離れた場所に位置しています。しかし、大阪などの経済圏から距離が近いために、多くの事業者がいる都市でもあります。ビジネスローンを利用する事業者も多く、どんなビジネスローンがあるかも資金調達の際には重要です。この記事では和歌山県のビジネスローンについて、その特徴やどんなものがあるのかなどを解説していきましょう。
目次
そもそもビジネスローンってどんなローンなのか
まずは、そもそもビジネスローンとはどういったものなのかを紹介していきましょう。資金調達をしたことがない人や借り入れをしたことがない人は、ビジネスローンというモノがどういったものなのかを知らない人も多いでしょう。銀行の融資や消費者金融などは一般的ですが、資金調達先としてビジネスローンとはどういった特徴があるのかも知っておいた方がいい情報です。そこで、ここではビジネスローンについて知っておいた方がいい事を簡単にまとめるので、参考にしてみてください。
ビジネスローンは「事業用のローン」
ビジネスローンは、いわゆる「事業性ローン」となっています。その名の通り、「ビジネス」に用途が限定されている事が最大の特徴です。しかし、実はビジネスローンは、事業用であれば細かい用途にそれほど厳格な制約がありません。
銀行の融資であれば、かなり厳格に使用する用途が制限されます。ビジネスローンは運転資金として借り入れても、設備資金に使用しても問題はありません。用途などに関して途中報告なども存在しないために、事業用の資金としてなら幅広い用途に使っても問題視される事はないのです
ビジネスローンは事業用の資金なので、申し込みの際には確定申告書類など事業の内容が分かる書類が必要です。しかし、銀行で事業用資金の融資を受ける時には、さらに多くの書類が必要で、多い場合には10種類以上の書類の提出が要求される事もあります。そのため、事業用の資金の調達においてはビジネスローンが手続きの簡単な金融商品となっています。
ビジネスローンは金利が高い
ビジネスローンの注意点として覚えておいた方がいいのが、金利が高いという事です。金利は元本に対する利息の事であり、各金融機関によって異なった金利が設定されています。金利については、銀行や信用金庫、公的な機関の金利の方が圧倒的に低いのです。銀行の融資などでは0パーセントから2パーセントほどの金利を設定する場合もあります。
しかし、銀行でもビジネスローンだと5パーセント前後の金利を設定している事も多く、プロパー融資とビジネスローンでは金利という面で大きな乖離があります。
さらに、ノンバンクの金融機関の金利は15パーセント以上になる事も多く、最大で18パーセントの金利が設定される事もあるのです。金利が高いという事は、総返済額が大きくなってしまう事を意味しているために、返済が負担になってしまう可能性は知っておかなければいけません。ビジネスローンを借り入れる際に最も気にしておかなければいけないのが、「金利が何パーセントなのか」という事は覚えておきましょう。
ビジネスローンのメリットはスピーディーな融資
ビジネスローンを利用する人は、スピーディーな融資を最大の魅力に挙げる事が多くなっています。実際に、ビジネスローンでも即日融資を実現している金融機関は数多くあるのです。こうしたスピーディーな融資は銀行系ではなく、ノンバンクの金融機関において実現しています。
銀行系のビジネスローンでは申し込みや審査に際して反社チェックなどが必ず行われるために、即日の融資は厳しくなっています。しかし、ノンバンクはそうした審査はそれほど厳格ではなく、機械的に融資の審査が行える「スコアリング審査」を導入している事もスピーディーな融資を可能にしているのです。
銀行の融資では煩雑な手続きが多くなってしまうために、手続きの簡略化という点においてもビジネスローンを選択する人が多くなっています。融資の交渉や書類の手続きなどが苦手な方は、最初にノンバンクのビジネスローンを利用して経験を積むといいでしょう。
和歌山のビジネスローンの概要
ビジネスローンについての情報が分かったところで、さっそく、和歌山県のビジネスローンの特徴を見ていきましょう。和歌山県は地域産業としては観光、農業、漁業などが盛んです。地方の金融機関は営業エリアの事業者をサポートする制度が整っている場合が多いのです。ここでは和歌山県のビジネスローンを借り入れる際に知っておいた方がいいポイントを以下の3つのポイントに絞って解説しましょう。
一般的には、和歌山県のビジネスローンの特徴は以下のモノがあります。
・地域密着型の金融機関が多い
・地域支援の特化プラン
・和歌山での融資先選びのポイント
地域密着型の金融機関が多い
先述した通り、地域密着型の金融機関が多いのは、地方の金融機関の特徴と言えます。地域密着型の金融機関とは具体的には、地方銀行や信用金庫の事です。こうした金融機関は、地域経済や地元企業との連携を重視しているために、営業エリアの事業者にとっては利用しやすい金融機関なのです。
紀陽銀行やきのくに信用金庫などの金融機関は、和歌山県内の事業者の動向や市場の動きにも詳しいために、より効率的な融資を可能にしています。地元企業向けの融資に積極的な姿勢なので、中小企業でもまとまった金額のビジネスローンを借り入れる事も十分に考えられるのです。
地域支援の特化プラン
地域支援の特区プランもビジネスローンを利用する際には、知っておいた方がいいでしょう。和歌山県独自の助成制度や融資保証は、ビジネスローンを借り入れる事ができなかった場合にも有効です。ビジネスローンを借り入れる事ができなくても、地方自治体や商工会議所などの担当者と相談する事で融資やサポートを受ける事ができるのです。また、ビジネスローンの融資額では足りない場合でも、地域支援の特化プランと組み合わせる事によって資金調達を円滑に活用できます。
和歌山での融資先選びのポイント
和歌山県のビジネスローンを利用する際の融資先選びには悩むこともあるでしょう。ビジネスローンを選ぶ際には、金利の比較と適用金利の条件を比較する事が重要です。ネット上でもこうした条件を比較するサイトもあり、ビジネスローンを借り入れる際にはこうしたサイトを利用する事で安心して借り入れできます。
もう一つは返済期間の設定と余裕ある資金計画をしっかりと立てる事です。ビジネスローンの返済が遅延すると、信用情報に傷がつくために避けなければいけない事態です。仮に和歌山県で信用情報に傷がつくと、全国の金融機関で借り入れできない状況になります。信用情報会社は全国で同じ会社を使用している場合がほとんどのため、ブラックリストに登録されてしまうと銀行や大手の消費者金融などでは借入できないという状況になるのです。
こうした点は和歌山県以外で借り入れする際にも気を付けた方がいいポイントなので、融資先選びは慎重に行う事が重要です。
和歌山のビジネスローンの具体例とは?
和歌山県のビジネスローンの具体例を紹介していきましょう。ビジネスローンには銀行系やノンバンク系など様々な金融機関のものがありますが、和歌山県でビジネスローンを契約するのであれば地方の金融機関が有利に働く可能性があります。ここでは紀陽銀行、きのくに信用金庫、ノンバンクの融資という3つの金融機関を例として見ていきます。
紀陽銀行
株式会社紀陽銀行(きようぎんこう)は、和歌山県に本店を置く唯一の地方銀行となっています。紀陽銀行のビジネスローンの例として、「紀陽オーナー500(カードローン型)」という金融商品を見ていきましょう。事業用資金として使用すれば、原則自由と言われています。
運転資金・設備資金など事業に関わっているのであれば、事業資金への転貸利用もできると謳われています。キャッシュカード一体型という事で、借入と返済が簡単に済むという点も借りるハードルを下げています。金利は5.8パーセント、7.8パーセント、14.9パーセントの3つが用意されていて、審査の結果で金利が変わる形式をとっています。融資限度額は500万円で、WEBでの申し込みが可能という事で、中小企業でも借りやすいローンです。
きのくに信用金庫
きのくに信用金庫は和歌山県和歌山市に本店を置く信用金庫となっています。きのくに信用金庫のビジネスローンの一例として、「パーフェクトフリーBIZ」です。「パーフェクトフリーBIZ」は事業用ローンであり、事業資金として運転資金や設備資金に使用する事が前提です。
10万円から500万円までの間が融資が可能で、金利は5.80パーセントから14.50パーセントまで5段階に分けられています。審査の結果次第で、ノンバンクのビジネスローンと変わらない金利になってしまう事も考慮した方がいいでしょう。
原則として保証人や担保は不要で、こうした点は借りやすい特徴と言えるでしょう。商工会の会員や確定申告書が提出できる場合には、金利が優遇されるという制度もあり、地域密着型のビジネスローンを可能にしています。
ノンバンクの融資
和歌山県にいてもノンバンクのビジネスローンであれば、しっかりとした融資を受ける事ができます。WEB申し込みであれば、全国どこにいてもビジネスローンの契約を組む事ができます。ノンバンクであると15パーセント以上の金利もあるために、注意が必要です。
ノンバンクは借りやすく、返済の手順も簡単なので、資金調達の初心者でもしっかりと完済まで至る事ができるでしょう。融資額は500万円程度が一般的なので、事業用の資金として物足りない場合もあります。しかし、それ以上に手続きが簡単であったり、融資スピードが早かったりというメリットの方が中小企業の事業者にとっては魅力的でしょう。
和歌山のビジネスローンの知っておくべきポイント
ネットなどでは首都圏でビジネスローンを利用する事に関する情報は数多く集まっています。しかし、ビジネスローンを利用するのは首都圏の事業者だけではありません。ビジネスローンを利用する地方の事業者には知っておいた方がいいポイントがいくつか存在します。ここではそんな地方の事業者のために、和歌山のビジネスローンの知っておくべきポイントを3つ紹介していきます。
特定の産業向け融資
和歌山県には特定の産業(観光、農業、水産業など)向け融資も存在しています。和歌山県は海に隣接しており、自然も豊かなために観光、果樹農業、漁業などが盛んです。地方銀行や信用金庫などは特定の産業に向けたローンが準備されていて、「農業・漁業支援ローン」や「観光事業向けローン」といった金融商品があります。地方の金融機関のいい所は、営業エリア内の事業に精通している事です。そのため、営業エリアの事業者に向けた特別なビジネスローンや融資制度が実現できます。
地域の商工会議所と提携したビジネスローン
地域密着型のビジネスローンとしては、地域の商工会議所と提携したビジネスローンも重要です。和歌山県内の各自治体や商工会議所も、県内の事業者がビジネスを利用しやすいような制度を準備しています。
広義ではビジネスローンの一種である創業者融資制度もしっかりと準備され、「創業支援プログラム」などの優遇制度があります。こうした制度は金利が一定期間免除されたり、助成されたりするという特性を持っています。
また、災害などでビジネスの継続が難しくなった時には、「災害復旧資金」なども事業性のローンとして利用する事ができます。地域の商工会議所とのつながりは事業者にとっては有効である場合が多く、特に地方の事業者にとってはこうした人脈を保って事も重要です。
環境対応型のビジネスへの支援
和歌山県では環境対応型のビジネスへの支援も盛んに行っています。天候も安定していて、農業にも向いている環境は、太陽光や風力、波力などの再生エネルギー関連事業などにも適しています。地域活性化を目指す企業を支援するための制度も充実しています。
これもビジネスローンの一種で、太陽光パネルや省エネ設備導入のためにローンとして借り入れる事ができます。その際には、金利なども優遇されていて、環境対応型のビジネスを考えている事業者にとってはこの制度をしっかりと活用する事も考慮した方がいいでしょう。
和歌山のビジネスローンのまとめ
和歌山県は観光業、漁業、農業なども盛んな地域であり、銀行やノンバンクを問わず、地域密着型のビジネスローンが多くなっています。地方自治体との連携もしっかりと取っておいた方がよく、和歌山県で事業をする上でもこの点は抑えておいた方がいいでしょう。
紀陽銀行やきのくに信用金庫といった金融機関のビジネスローンを活用すると、返済も無理なく進める事ができるでしょう。この記事で紹介した和歌山のビジネスローンの情報も参考に資金調達をお考え下さい。