法人がお金を借りる際には、銀行融資や信用金庫、日本政策金融公庫の融資、ビジネスローンなど、さまざまな借り入れ方法があります。それぞれの融資方法で適用される金利や利率は異なり、利率によって将来の返済負担や支払う利息額が大きく変わるため、借入前にしっかりと比較・検討することが重要です。
融資を受ける際には、借入できるかどうかだけでなく、借入後に毎月どのくらいの返済が必要になるのかも確認しておく必要があります。利息の支払いは元金返済とあわせて行われるため、利率が高いと総返済額が増え、資金繰りに影響を与える可能性があります。そのため、低金利の融資を優先的に検討することや、利率の上限を確認することは非常に大切です。なかにはゼロ金利や無利息で利用できる融資商品もあり、こうした条件の融資は利息負担を抑えたい法人にとって大きなメリットとなります。
また、利息や元金の返済は会計上の処理も必要です。借入金の元金は負債として貸借対照表に計上し、利息は費用として損益計算書に計上します。これにより、正しい会計処理ができ、資金繰りや税務申告でも正確な数字を管理できます。さらに、融資の種類によっては返済期間の据置やつなぎ融資の利用など、資金繰りを円滑にする工夫も可能です。
ここでは、法人融資における金利の相場や利息の計算方法、さらに借入金や利息の会計処理方法まで詳しく紹介します。ゼロ金利や無利息の融資も視野に入れることで、初めて融資を受ける法人経営者でも無理のない返済計画を立てられるよう参考にしてください。
目次
商品別の金利相場について紹介
法人が借入する場合、いくつかの商品や借入先が考えられます。
主なものとして、以下のような選択肢が考えられるでしょう。
1. 日本政策金融公庫からの融資
2. 銀行融資
3. ビジネスローン
どれで資金調達するかで、金利が変わっていきます。
金利もしっかり見たうえで、融資先をどうするか検討しましょう。
日本政策金融公庫からの融資
日本政策金融公庫は、政府系の金融機関として中小企業やスタートアップを対象に法人向け融資を行っています。銀行融資のように過去の業績や長年の取引実績が必須ではないため、創業間もない事業者や実績の少ない企業でも積極的に融資を受けられる点が大きな特徴です。資金繰りが厳しいときや、新規事業の立ち上げに伴う運転資金・設備資金の確保に非常に有効な選択肢となります。
日本政策金融公庫の金利は公式ホームページで常に確認することができます。2023年2月時点では、担保なしの融資であれば基準利率は2.03%~3.15%、担保ありの場合は1.08%~2.80%となっており、概ね1%~3%の範囲で収まる傾向があります。ただし、利率は金融情勢や市場の動向によって変化するため、最新の情報を確認することが重要です。
さらに、日本政策金融公庫には「特別利率(特利)」という制度があります。特利は融資契約時に一定の条件を満たすことで適用され、通常の基準利率よりも低めの金利が設定されるため、利息の支払い負担を軽減することが可能です。特利の適用条件は多岐にわたり、担保の有無、法人代表者が連帯保証人となるかどうか、代表者の年齢や経歴、事業内容、返済期間や融資額などさまざまな要素によって判断されます。2023年2月時点では、特利はA~Uまで幅広く設定されており、どの特利が適用されるかはケースバイケースです。
融資を検討する際には、まず自社が適用可能な特利があるかどうか、日本政策金融公庫に直接問い合わせることをおすすめします。特利が適用されれば、毎月の返済負担を軽減しながら、必要な資金を円滑に調達することが可能です。また、特利の適用可否を事前に確認することで、返済計画を立てやすくなり、資金繰りの安定にもつながります。
銀行融資
法人が資金を調達する方法として、まず多くの人が思い浮かべるのが銀行融資です。銀行融資は、都市銀行や地方銀行、信用金庫など各金融機関によって利率の設定が異なります。そのため、同じ法人でも借入先によって適用される金利は変わることがある点に注意が必要です。
銀行融資の金利は、一般的に1%台後半から3.5%程度で設定される傾向があります。これは、企業の規模や過去の業績、信用力、借入履歴などを総合的に評価したうえで決定されます。つまり、安定した売上や財務状況がある企業ほど、比較的低い金利で融資を受けられる可能性が高いのです。反対に、業歴の短い企業や新規事業者の場合、金利はやや高めに設定されることがあります。
さらに、銀行融資では借入期間によっても金利が変動するのが一般的です。借入期間が長くなると、銀行側のリスクも増えるため、利率が高めに設定されることが多くなります。逆に短期間で返済できる場合は、金利を低めに設定してくれるケースがあります。そのため、利息負担をできるだけ少なくしたい場合は、借入期間をなるべく短く設定することが重要です。
また、返済計画を立てる際には、毎月の元金返済額と利息の合計が資金繰りにどのような影響を与えるかも考慮する必要があります。銀行融資は長期的に安定した資金調達手段ですが、利息の支払いも発生するため、返済計画を無理のない範囲で構築することが法人経営において大切です。
ビジネスローン
ビジネスローンは、法人や 個人 事業者向けに事業性資金の融資を行っているサービスのひとつです。銀行融資や日本政策金融公庫と比較すると、審査期間が非常に短く設定されているのが大きな特徴です。なかには、申し込み当日に融資実行が可能な即日対応サービスを提供しているところもあり、急な資金需要や緊急性の高い借入時に非常に重宝されます。
ビジネスローンは、融資の利便性が高い反面、ほかの融資方法と比較すると金利がやや高めに設定されている点には注意が必要です。ビジネスローンはさまざまな機関で提供されており、都市銀行や地方銀行、信用金庫、さらには消費者金融やノンバンクなど、多様な選択肢があります。
具体的な金利相場を見てみると、メガバンクの提供するビジネスローンは、おおむね1%台から14%程度の範囲に収まります。地銀や信用金庫の場合は、3%から15%程度が相場といわれています。一方、ノンバンク系のビジネスローンは、5%から18%程度の金利設定が多く、銀行系よりもやや高めに設定されることが一般的です。
初めてビジネスローンを利用する場合、過去の返済実績がないため、金融機関はリスクを考慮して上限金利を適用することが多くなります。そのため、14%から18%といった比較的高い利率で利息を支払う必要があるケースもあります。借入額が大きくなる場合や長期で返済する場合は、利息の総額も増えるため、事前に返済シミュレーションを行い、資金繰りへの影響を把握しておくことが重要です。
ビジネスローンは、返済実績を積むことで次回以降の借入がしやすくなったり、金利が低くなる可能性もあります。したがって、短期的な資金需要の解消だけでなく、長期的な資金調達戦略としても上手に活用することが大切です。
金利に幅がある理由
法人融資の商品概要を見てみると、金利が「○%~○%」といったように、利率へ一定の幅を持たせています。
その金融商品の融資を受けた場合、金利の範囲内で利率が設定される形です。
上限金利と下限金利とでは、10%以上の差の設定されていることもあります。
10%も差があると、利息の支払い額もかなり大きな差が生じるのです。
また金融商品によっても金利に違いが見られます。
ところでなぜ金利に幅を設けているのでしょうか。
幅をもたせているのには理由があるので、主な項目についてここで紹介します。
債権回収のリスクが理由
ビジネスローンや法人向け融資で金利に幅が設けられている理由のひとつは、貸付先の債権回収リスクに応じているからです。金融機関は融資を行う際に、「貸したお金が確実に返ってくるかどうか」を慎重に見極めています。もし債権回収が難しい、あるいは回収不能になる可能性が高いと判断された場合、金融機関は損失リスクを補うために、金利を高めに設定するのです。
具体的には、債権回収リスクが高い法人や事業者に対しては、通常よりも利息を多く取ることで、万一の不良債権が発生した場合でも、金融機関全体としての損失を最小限に抑える仕組みになっています。逆に、返済能力や信用力が高いと判断される場合は、金利を低めに設定されるケースもあります。
また、初めて融資を申し込む場合は、金融機関にとってその法人や事業者の返済実績がないため、信用力が未知数です。そのため、ほとんどの場合、上限金利またはそれに近い利率が適用される傾向があります。これは金融機関がリスクを考慮した安全策であり、返済実績を積むことで、将来的に金利が低くなる可能性もあります。
さらに、金利は融資期間や借入額、担保の有無、連帯保証人の設定状況など、複数の条件によっても変動します。長期の借入や担保なしの場合は、より高めに設定されることが一般的です。したがって、初めて融資を受ける場合は、上限金利を前提として返済計画を立てることが重要であり、無理のない資金計画を作ることが融資活用のポイントとなります。
審査難易度と金利の関係
一般的な傾向として、審査難易度の高い融資商品は、低金利になりやすいという特徴があります。法人融資の場合、日本政策金融公庫や銀行が提供する融資商品は、いずれも比較的低金利で設定されていることが多いです。これは、審査の過程で法人の信用力や返済能力をしっかり確認するため、貸し倒れのリスクが低いと判断されることによります。そのため、金融機関としても安心して低金利で融資できるのです。
一方で、ビジネスローンは、銀行融資や公的融資に比べると金利が高めに設定される傾向があります。理由はシンプルで、審査のスピードが圧倒的に速いためです。日本政策金融公庫や銀行融資の場合、申し込みから融資実行までおおむね1か月程度かかります。これは、法人の財務状況、過去の実績、事業計画などを丹念に確認するためであり、慎重な審査を経ることで、貸し倒れリスクを抑えて低金利で貸し出すことが可能になるわけです。
これに対して、ビジネスローンは審査期間が非常に短く、通常であれば1週間から10日程度、早い貸金業者であれば即日融資を行う場合もあります。審査が短いということは、法人の信用力や財務状況、事業の安定性を十分に精査できないことを意味します。そのため、返済不履行になるリスクはどうしても高くなるのです。
金融機関はこのリスクを考慮して、ビジネスローンなどでは金利を高めに設定します。言い換えれば、「スピーディーにお金を貸す代わりに、リスク分を金利でカバーする」という仕組みです。したがって、法人が融資を選ぶ際には、低金利で慎重な審査を受けるか、高金利でもスピーディーに融資を受けるかのバランスを考えることが重要です。返済計画や資金繰りの状況に応じて、どの融資方法が最適か判断することが、資金調達を成功させるポイントといえます。
利息の計算方法について解説
融資を受けた場合、元金の返済と利息の支払いを今後行っていく必要があります。
利息は自分で計算も可能です。
ここでは利息の計算方法と返済方法について解説します。
利息の基本的な計算方法
上記で紹介したように、法人融資やビジネスローン、日本政策金融公庫の融資など、各商品の金利の相場について解説しました。融資の金利は、各金融機関のホームページや商品案内のパンフレットに記載されていることがほとんどです。これらの記載されている利率は、基本的には「年利」、つまり1年間借りた場合に適用される利率を指しています。
利息の計算をするときには、この年利をもとに計算することが基本です。たとえば、1年間ではなく一定期間だけ借り入れをした場合には、日割りで利息を計算する必要があります。計算式はシンプルで、以下のようになります。
借入額 × 利率 ÷ 365日 × 借入日数
この計算式を用いることで、融資を受けている期間に応じた利息額を正確に算出することができます。日数によって利息が変わるので、返済期間や借入日数を把握しておくことが大切です。
また、ローン商品を見ていると、金利欄に「実質年率」という表記を見かけることがあります。実質年率とは、単純な利息だけでなく、事務手数料や保証料、各種諸費用も含めて計算した利率のことです。つまり、実際に融資を受けた際に負担する総額の目安となる数字です。
この実質年率を確認することで、単純な年利だけで判断するよりも、より現実的に返済負担を把握できます。法人融資の場合、金利の差が数%でも融資額が大きければ総額の利息負担はかなり変わってきます。そのため、利率の種類や計算方法を正しく理解して、資金計画や返済計画に反映させることが重要です。
法人融資の主要な返済方法について
法人が融資を受ける際には、借入金額や利率と同じくらい「返済方法」も重要なポイントです。返済方法によって、毎月の支払額や利息の負担、さらに総返済額が大きく変わるからです。返済方法は大きく分けて「元金均等返済」と「元利均等返済」の2種類があります。それぞれの特徴を理解して、自社の資金繰りに合った方法を選ぶことが大切です。
まず「元金均等返済」とは、借入金を返済回数で均等に分割し、毎月同じ額の元金を返済していく方法です。元金に加えて、その時点の借入残高に応じた利息も毎月支払う形になるため、返済初期は利息が高く、総返済額も大きくなります。しかし、返済を重ねるにつれて元金が減るため、利息の支払いも段階的に減少します。その結果、月々の返済額は徐々に少なくなっていき、長期的には総利息額を抑えることが可能です。
一方「元利均等返済」は、毎月の返済額が一定で変わらない方式です。毎月支払う金額には元金返済と利息支払いが含まれており、返済初期は利息の割合が大きく、元金返済は少なめです。しかし、返済を続けるうちに元金の割合が増えていき、利息の負担は徐々に軽減されます。元利均等返済のメリットは、毎月の返済額が一定なので資金繰りを計画的に立てやすい点です。資金繰りが厳しい法人や、毎月の支出を安定させたい場合に適しています。
注意したいのは、同じ借入額・同じ利率であっても、元金均等返済と元利均等返済では総利息額や返済期間に差が出る点です。元金均等返済は初期の返済額が大きいものの総利息額は少なく済み、元利均等返済は月々の支払いは一定ですが総利息額がやや多くなる傾向があります。そのため、自社の事業のキャッシュフロー状況や今後の収益予測に応じて、どちらの返済方法を選ぶかを慎重に判断することが重要です。
さらに、元利均等返済の場合でも「繰り上げ返済」を活用すれば、元金が早く減る分、総利息額を抑えることができます。法人の場合、運転資金が潤沢になったタイミングで部分的に返済することで、資金効率を高めながら返済負担を軽減できるのです。このように返済方法の選択と活用方法次第で、利息負担や資金繰りへの影響は大きく変わるため、借入前に十分検討することが求められます。
融資を受けた場合の仕訳方法とは?
融資を受けてお金が入ってきた、返済時に融資先にお金を支払った場合、会計処理しなければなりません。
この場合どのような形で仕訳すればよいか困る人も多いでしょう。
借入金に関する仕訳は、以下のタイミングで処理する必要が出ていきます。
1. 融資を受けた場合
2. 返済した場合
3. 長期の借入の返済期限が1年以内になった場合
それぞれどのように処理すればよいかについて以下で解説しますので、融資を受けた際の参考にしてください。
融資を受けた場合
法人が融資を受け、借入金が自社の口座に振り込まれた場合には、必ず会計上の処理を行う必要があります。まず、借入金が入金された際の「借方」は、銀行口座に入った資金を反映するために「預金」として処理します。法人の場合、複数の銀行口座を保有しているケースも少なくありません。そのため、どの口座に振り込まれたのかを正確に指定しておくことが重要です。会計上、口座を間違えると資金管理が複雑になり、資金繰りや決算作業にも影響が出てしまうからです。
一方、「貸方」は借入金を示す勘定科目で処理します。一般的には「短期借入金」または「長期借入金」として処理するのが基本です。短期借入金は1年以内に返済が見込まれる借入金、長期借入金は1年を超えて返済する予定の借入金に分類されます。融資を受けたときの契約内容や返済期間に応じて、正しい勘定科目を選択しましょう。
例えば、運転資金として融資を受け、返済期間が1年未満の場合は「短期借入金」として処理します。設備投資や大型プロジェクトの資金として長期融資を受ける場合は「長期借入金」として処理するのが適切です。これにより、貸借対照表(バランスシート)上で正しく負債として計上され、財務状況を正確に把握できます。
また、借入金の利息や手数料も会計処理が必要です。利息は費用として「支払利息」勘定に計上し、返済に伴う手数料は「支払手数料」勘定などで処理します。こうすることで、損益計算書上でも正確に経費が反映され、法人の利益計算や資金繰りの管理が円滑に行えるようになります。
会計処理を正確に行うことで、返済状況の把握や、銀行や金融機関への報告もスムーズに行えます。また、税務申告や年度末の決算作業でも正確な数字を提示できるため、法人経営において非常に重要な作業となります。融資を受けたら、入金の都度、必ず会計処理を行い、資金管理と財務管理を徹底しましょう。
返済した場合
法人が融資の返済を行う場合、会計上は借方と貸方に分けて正確に仕訳する必要があります。まず借方ですが、返済する金額のうち元金部分は「短期借入金」または返済期間に応じて「長期借入金」という勘定科目に計上します。これは貸借対照表上で、負債として減少する金額を明確に示すためです。その下に、返済に伴う利息分を「支払利息」という勘定科目で記載します。支払利息は損益計算書上の費用として計上されるため、法人の利益計算や税務上の処理に影響します。
一方、貸方には返済に使用した口座の「預金」を記載します。法人が複数の銀行口座を持っている場合は、引き落とされた口座名や金融機関名も明記しておくと、後の会計チェックや資金管理がスムーズになります。借方の元金返済額と利息支払い額の合計を、貸方の預金に反映させる形です。
例えば、返済額が合計で100万円の場合、元金が90万円、利息が10万円なら、借方には「短期借入金 90万円」「支払利息 10万円」、貸方には「預金 100万円」と記載します。このように分けて記録することで、返済のうちどの部分が元金で、どの部分が利息かを明確に把握でき、資金繰りや財務管理がより正確に行えるようになります。また、決算時や税務申告時にも、正確な費用計上として利用できるため、法人経営において非常に重要な手続きです。
長期の借入の返済期限が1年以内になった場合
法人が長期借入金で融資を受けた場合、まず融資実行時の会計処理を正しく理解しておくことが大切です。融資を受けた時点では、借方に「借入金」という勘定科目を設定します。この「借入金」は貸借対照表上の負債として計上され、法人が返済義務を負っていることを示す項目となります。借方に計上することで、負債として金額が増える形になります。一方、貸方には実際に振り込まれた融資金を「預金」として記入します。複数口座を法人で持っている場合には、融資金が入金された口座名や金融機関も記載しておくと、資金管理や後の照合がスムーズになります。
次に、融資の返済を行う場合の会計処理です。返済時は融資を受けた時の処理と逆の形で記録します。具体的には、借方には「借入金」として返済した元金の金額を記載します。これは負債の減少を表す処理であり、貸借対照表上で借入金の残高が減っていくことになります。そして貸方には「預金」として、返済に使用した口座から引き落とされた金額を記載します。元金の返済だけでなく、利息を支払った場合は「支払利息」として借方に追加することで、正確に損益計算に反映されます。
このように、融資の受け取りと返済をそれぞれ借方・貸方で整理することで、法人の財務状況を正確に把握でき、資金繰りの管理や決算処理、税務申告の際にも役立ちます。長期借入金の会計処理を正しく行うことは、経営の安定や将来の資金計画を立てる上で非常に重要なステップです。
短期借入金と長期借入金について
融資を受けた際には、返済期間によって会計処理の方法が異なることに注意が必要です。この考え方は「ワン・イヤー・ルール」と呼ばれ、企業会計の基準として原則的に用いられています。簡単に言うと、決算日から1年以内に返済期限が到来する融資は短期借入金として処理し、それを超える場合は長期借入金として処理するというルールです。
短期借入金として処理する場合、返済期間が1年以内であるため、流動負債として貸借対照表に計上されます。流動負債は、1年以内に支払う義務がある負債として扱われるため、資金繰りの計画や短期のキャッシュフロー管理に直結します。したがって、短期借入金の残高や利息支払い予定を常に把握しておくことが重要です。
一方、返済期間が1年を超える融資は長期借入金として処理されます。長期借入金は固定負債として貸借対照表に計上され、返済期限まで時間があるため、短期的な資金繰りには直接影響しません。しかし長期的な資金計画や返済シミュレーションを立てる際には、利息負担や返済額を含めて管理しておく必要があります。また、短期借入金と長期借入金の区別は、企業の財務状況を分析する際に重要な指標となるため、経営判断や融資申し込みの際にも影響します。
このように、返済期間によって短期・長期の区分が変わることを理解しておくことで、正確な会計処理が可能になり、企業の資金管理や財務戦略をより円滑に進めることができます。
法人融資の返済は経費扱いにできるか?
会計処理するにあたって、支出の中で経費になるかどうかは重要なポイントです。
経費として計上できれば、その分節税効果が期待できるからです。
もし融資を受けて返済した場合、経費扱いできるのでしょうか。
返済時の支出ですが、一部経費として計上できるものもあります。
元金返済は経費で計上できない
法人が融資を受けて返済を行う際に注意しなければならないのが、元金返済は経費として計上できないという点です。融資を受けた段階で、借入金はすでに貸借対照表上の負債として計上されています。つまり、会社の資産として現金が増える一方で、同額の負債が発生している状態です。この元金部分の返済は、負債を減少させる処理であり、損益計算書上の費用には含まれません。
融資を受けた後は、毎月決められた期日までに返済額を支払っていきます。元金返済を行うごとに、貸借対照表上の借入金は徐々に減少していきますが、この減少はあくまでも財務上の負債の整理であり、法人の損益に直接影響するものではありません。
一方で、利息の支払いについては損益計算書上の経費として計上可能です。利息分は「支払利息」として費用計上され、法人税計算に影響を与えるため、税務上も重要な項目です。元金返済と利息支払いの違いを正しく理解し、会計処理を誤らないようにすることが、法人の財務管理や資金計画を正確に行う上で欠かせません。
融資を受けた資金は、いずれ必ず返済する必要があります。返済義務を意識せずに経費として扱うと、損益計算や税務処理で間違いが生じる可能性があるため、元金と利息の区別を明確にしておくことが大切です。
利息支払いは経費として計上できる
法人が融資を受けて返済を行う際には、元金の返済だけでなく、必ず利息の支払いも発生します。この利息部分は、会計上で経費として扱うことが可能です。つまり、融資を受けた元金自体は負債として計上され、返済しても損益には影響しませんが、利息の支払いは法人の費用として計上され、損益計算書に反映されます。
具体的には、融資を受けた場合、毎月の返済額は「元金返済分」と「利息支払い分」に分かれます。元金返済は貸借対照表上の借入金を減少させる処理であり、法人の資産や負債のバランスに影響しますが、損益には直接関係ありません。一方で利息部分は、法人の財産が減少する支出として認識されるため、経費扱いとして法人税計算にも反映されるのです。
このように、融資を受ける場合は元金と利息を区別して理解することが重要です。利息を適切に経費計上することで、法人の損益管理や税務処理を正確に行うことができ、資金繰りや経営計画をより円滑に進めることが可能となります。
利息のことも意識して融資を受ける方法のまとめ
法人が融資を受ける場合、元金の返済に加えて利息の支払いも発生します。利息額は金利の利率によって決まるため、返済負担を軽減するためには、低金利の商品を優先的に申し込むことがおすすめです。なお、金利を比較する際には、融資開始時に適用される上限金利をチェックすることが重要で、下限金利だけで判断しないように注意しましょう。
さらに、コロナの影響で経営が不安定な場合や資金繰りが厳しい時には、返済期間を据置にできる制度を活用する方法もあります。また、運転資金として一時的に現金を確保したい場合は、つなぎ融資を活用することで資金ショートを防ぐことが可能です。会計処理の面では、利息の支払いは科目ごとに正しく計上することが求められます。





