みなさんの会社で、もしもチラシの作成が必要になった場合、どのようにして対応しますか。

社内のスタッフがエクセルやワードを使って作成する場合もあれば、デザイン会社や広告代代理店といった専門業者に制作を依頼する場合もあるかと思います。

ですが、「デザインのプロではないスタッフが作成するものは完成度が低くて満足できない」、または「専門事業者に依頼するのには予算的に厳しい」といったような不満や迷いが生じることもあることでしょう。

そのような際に利用したいのが「クラウドソーシング」です。

聞いたことがないという人も多いかもしれませんが、「クラウドソーシング」を利用すれば、より完成度の高いチラシを作成できるだけでなく、専門業者に制作を依頼するよりもコストを低く抑えることも十分に可能になります。

そこで今回は「クラウドソーシング」とはどのようなものか、またその利用によって考えられるメリットやデメリットについて解説します。

クラウドソーシングとは?

クラウドソーシングとは?

「クラウドソーシング」とは、インターネット上で企業や個人が不特定多数の人に仕事を発注できる業務形態です。

似たような言葉として、外部から人材を募って業務の一部を任せる「アウトソーシング」がありますが、「クラウドソーシング」はインターネット上で「アウトソーシング」におけるすべてのプロセスを完了させる形態という認識で良いかと思います。

最近の代表的な「クラウドソーシング」のサービスには「ランサーズ」「クラウドワークス」がありますが、これらの名称だけは聞いたことがあるという人も少なくないのではないでしょうか。

クラウドソーシングの基本的な3つの発注方式

クラウドソーシングの基本的な3つの発注方式

「クラウドソーシング」には主に3つの発注形式があります。

一つは「プロジェクト形式」です。
「プロジェクト形式」は、発注者が委託したい業務内容を開示し、それに対して受注者が「見積金額」や「制作期間」などの希望や提案を添えて申し込むという形式です。

発注者側は、複数の応募者から寄せられる希望や提案を見比べ、最も適した受注者を選別した上で、業務を委託することになります。

二つ目は「コンペ形式」です。
「コンペ形式」は、不特定多数の人から提案や制作物を募り、集まったものの中から発注者が気に入ったものを選ぶという形式です。

受注者を選別したのちに作業に移ってもらう「プロジェクト形式」に対して、「コンペ形式」はあらかじめ作業を行ってもらったのちに受注者を選別するという流れになります。

三つ目は「タスク形式」です。
「タスク形式」は、あらかじめ業務に参加可能な人数を設定し、参加するすべての受注者から提案や制作物を募る形式です。

ただし「コンペ形式」のように一点のみを選別することはできず、業務に参加した受注者全員に報酬を支払う必要があります。

依頼可能な業務と参加者の特徴

依頼可能な業務と参加者の特徴

では、「クラウドソーシング」ではどのような案件を依頼できるのか、またどのような人が受注者として参加しているのでしょうか。

「クラウドソーシング」で依頼できる業務はサービスによって様々ですが、基本的には以下のようなものが挙げられます。

・デザイン制作(チラシやポスター・看板・パッケージ・web媒体など)
・システム・アプリ開発、サーバー構築
・文章作成(ブログ記事・キャッチコピー・翻訳など)
・イラスト制作
・映像編集
・写真撮影
・商品企画
・データ入力

一方、受注者として参加しているのは上記のような業務を専門的に行うフリーランスはもちろん、副業目的の会社員、さらには学生や主婦がアルバイトやパート感覚で利用しているなど、プロやアマチュアを問わず様々な業種の人や幅広い年齢層の人が存在します。

「クラウドソーシング」のメリット

「クラウドソーシング」のメリット

次に企業が「クラウドソーシング」を利用して外部委託すると、生じるメリットについて解説していきます。

・専門的なスキルを気軽に募れる

例えば冒頭で挙げたような急遽チラシの作成が必要になるケースであれば、「プロジェクト形式」でデザイン制作を売りにする人を募り、最適な受注者を選定して作業を依頼するなど、自社にはない専門的なスキルを必要に応じて気軽に利用することが可能です。

・人件費や育成費の削減につながる

「クラウドソーシング」を利用すれば、ピンポイントで外部に業務を依頼できるので、わざわざ業務に応じて新たな人材を雇う必要はなくなるほか、育成にかかる費用も削減することができます。

・法人に依頼するよりもコストを抑えられる

一概には言い切れませんが、法人の専門業者に業務を依頼するよりも、「クラウドソーシング」の参加者に依頼する方がコストを抑えられる傾向にあります。

例えばチラシ制作を依頼する場合、法人のデザイン会社に依頼すると10万円かかるところ、「クラウドソーシング」ではその半額の5万円で発注できるようなケースもしばしばあります。

「クラウドソーシング」のデメリット

「クラウドソーシング」のデメリット

・社内人材の成長や経験につながらない

人件費や育成費の削減につながる反面、「クラウドソーシング」に利用によって業務を外部委託すると、社内スタッフはその業務を遂行する機会を失うことになります。
社内人材の成長や経験につながらず、結果として「企業力」の向上の機会を逃す場合があることを理解しておかなければなりません。

・作業途中に音信不通になる受注者も存在する

「コンペ形式」や「タスク形式」ではさほど問題にはなりませんが、「プロジェクト形式」によって一対一で契約したにもかかわらず、業務途中で放棄し音信不通となってしまう受注者も残念ながら存在します。
もちろんこのような場合に報酬を支払う必要はありませんが、作業の停滞によって納品や完了時期に遅れが生じる可能性もあるので注意が必要です。

まとめ

まとめ

今回は「クラウドソーシング」について解説しました。

インターネット上で企業や個人が不特定多数の人に仕事を発注できる業務形態である「クラウドソーシング」は、ピンポイントで気軽に専門スキルを利用できるほか、人件費や育成費といったコスト削減や業務の効率化にも役立ちます。

それぞれのサービスによって依頼できる業務や参加者の特徴は様々ですので、まずは各サービスのサイトをのぞいてみるのはいかがでしょうか。