中小企業、特に零細企業の資金繰りは常に不安定な状態に置かれています。元請け先からの仕事が急に途絶えれば、運転資金がなくなってしまい、経営がいきなり窮地に追い込まれてしまいます。

小売業や飲食業などBtoCの仕事を行っている人は、景気の波や天候、世の中の事件などに大いに左右されてしまいます。

資金繰りに困ったときには、運転資金を融資によって調達するのが良いのですが、銀行や資金の融資は時間がかかり、審査も厳しく、中小企業にとってはかなり高いハードルになります。

そうした中小企業向け融資として「商工ローン」というものがあります。商工ローンとはどのようなものなのでしょうか?また、よく聞く「ビジネスローン」とは違うのでしょうか?今回は商工ローンについて解説していきます。

商工ローンとは何?

商工ローンとは、融資の中でもノンバンク、つまり銀行(バンク)以外の金融機関(=消費者金融)は主に中小零細企業に対して行う融資の一形態を指すものです。

かつての「商工ローン」はイメージがネガティブで、その理由として30%近い金利を取り、担保なども求め、非常に借りる側に不利な契約をする融資の代名詞でした。

しかし、過払い金請求などの流れの中で、出資法と利息制限法の上限金利が20%に統一され、いわゆる「グレーゾーン金利」の問題が解消した中で、完全に健全化しました。

ノンバンク(消費者金融)が個人ではなく、事業者(法人、個人事業主)に対して融資を行う中で、商工ローンは以前とは異なり法令順守をしてしっかりした融資になりました。

現在「商工ローン」と呼ばれるものは、以下のような特徴を持ちます。

  • ノンバンク(消費者金融)が行う事業者向けローン
  • 融資の審査が銀行融資よりも優しい
  • 無担保融資
  • 保証人(連帯保証人)あり
  • 連帯保証は「根保証」が多い
  • 金利が高い(ほぼ利息制限法上限の15%~20%)

消費者金融が行う融資で、銀行の通常融資と比べて審査は緩いが金利は高く、ほぼ上限。さらに連帯保証人をつける融資(ローン)。これが現在の商工ローンの一般的な定義になります。

商工ローンとビジネスローンの違い

法的に「商工ローン」と「ビジネスローン」が定義されているわけではありません。どちらも、通常の融資と比べて審査が早く(≒緩く)、即日~1週間程度で資金調達できるが利率が高い借入になります。

ただし、実際の融資の場面では、両者は異なるものとして運用されている傾向にあります。繰り返しますが、商工ローンもビジネスローンも法的な定義ではありません。

両者の違いについてまとめてみました。

融資の主体

上記のように、商工ローンを行うのはノンバンク(消費者金融)です。一方、ビジネスローンの場合、ノンバンク(消費者金融)に加えて、銀行のローンも含めることがあります。

保証人の有無

商工ローンは保証人(連帯保証人)付きの融資です。一方、ビジネスローンは無担保、無保証人の融資が原則です。

無担保は共通していますが、保証人の有無が最大の違いです。しかも、商工ローンの場合、連帯保証人が根保証にも同意します。これが大きなデメリットになります(後述)。

世間的なイメージ

かつての「商工ローン」のイメージを持っている人の中には、良い感情を持たない人もいるかもしれません。こればかりは、時間が経つのを待つしかなさそうです。ビジネスローンは、イメージ的にはフラットです。

現在、商工ローンはビジネスローンと内容はほぼ同じであり、上限金利についても利息制限法をしっかり守っています。

商工ローンのメリットとデメリット

商工ローンのメリットとデメリットをまとめました。

商工ローンのメリット

まずメリットです。これはビジネスローンにも共通するメリットになります。

通常融資と比較し審査が通りやすい

商工ローンはビジネスローンと同様、通常融資とは異なる審査基準を設けています。スコア制で、通常融資ほど決算書などを厳格に審査しません。

迅速融資が可能

審査が早いので、資金調達までの時間が短縮できます。通常融資ならば半月~1か月かかるところ、1週間以内、最短即日の融資も可能です。

総量規制の対象外になる

商工ローンはノンバンク(消費者金融)が行いますが、事業者向けのローンなので、個人のカードローンのように「年収の3分の1」を限度とする「総量規制」の対象外になります。

商工ローンのデメリット

商工ローンの場合、デメリットも意識しなければなりません。

金利が高い

おそらくほとんどの商工ローンは、利息制限法上限の金利を設定しているはずです。通常融資と比較してかなり高い利息を支払うことになります。

融資可能限度額が低い

商工ローン、ビジネスローンに共通しますが、融資可能額上限が1000万円ほどと低くなっています。

数千万円の資金調達はできず、もし必要な場合は、複数の商工ローンに申し込むことになります。当然、複数の金融機関からの借入は信用情報上マイナスになりますし、ここでストップがかかる可能性もあります。

連帯保証人が必要になる

次項で述べますが、ビジネスローンとの大きな違いで、商工ローンは連帯保証人が必要になります。

銀行からの評価が下がるリスク

融資の種類を問わず、ノンバンク、消費者金融と取引があると、銀行や信金から融資を受ける際にマイナス評価になります。

金利の高いノンバンクではなく、金利の低い銀行を利用できない事情があるのか?と思われてしまいます。銀行を納得させられる理由付けが大切になります。

商工ローンの連帯保証人をどう考えるか?デメリットもあるが融資が出やすいことも・・

商工ローンとビジネスローンを比較して大きな違いは、連帯保証人と根保証です。商工ローンを借りる場合、誰かに連帯保証人になってもらいます。借入した人が返済できないと、連帯保証人が家や財産を売っても返済しなければならない、よく知られた展開になります。

連帯保証は根保証なので、当初設定した根保証額いっぱいまで借入でき、根保証額全てを連帯保証人が返済しなくてはならない事態も生じます。

根保証設定後は、利用者がいくら借りたのか、連帯保証人が知らないこともあり得ます。

利用者はそうしたリスクを連帯保証人にお願いするので、ここがネックになります。

しかし、無担保無保証融資と比べて、無担保有保証融資になるので、商工ローン側とすれば、いざという時の(連帯保証人の)保険があるので、ビジネスローンと比べても融資を出しやすいメリットもあります。

連帯保証人をお願いするのは大変ですので、そのあたりをどのように考えるのか、なってくれそうな人がいるなら商工ローンも選択肢に入ります。無理ならば、ビジネスローンや通常融資にしましょう。

商工中金は商工ローンとは違う

「商工中金」という金融機関があります。名前が似ていますが、商工中金からの借入は「商工ローン」ではありません。

商工中金は政府系金融機関であり、ノンバンクどころか「国がお金を出して経営しているバンク」です。

融資の利率も1%台であり、上限金利いっぱいの商工ローン(やビジネスローン)とは全く違います。一方で、審査基準も厳しく、融資までに時間がかかります。

商工中金から融資を受けるためには「商工中金株主団体」という各種業界団体へ入会していることが条件になり、誰でも利用できるわけではありません。限られた人向けに国が行っている融資であり、ノンバンクが行う商工ローンとは異なるものとご認識ください。

両者はまったく違うものであることは知っておいてください。

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商工ローンは融資が出やすいメリットと、連帯保証人というデメリットがあります。資金調達をお考えの方は、ビジネスローン会社である、アクト・ウィル株式会社をおすすめします。

アクト・ウィル株式会社は無担保、無保証人の通常のビジネスローンのほか、不動産担保融資、動産担保融資、車担保融資など多様なメニューを用意しています。一部、より借入がしやすいように保証人付きのローンメニューもありますが、商工ローンのように必須ではありません。

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