経営者にとって頭痛のタネになる問題は、さまざまとあります。
その中でもやはり無視できないのは、資金繰りではないでしょうか。
急な出費を強いられた、売掛金が当初の予定通りに回収できずに、緊急事態でお金が必要になる事態もあるかもしれません。
そのような場合に利用を一考してほしい資金調達法に、法人向けのビジネスローンがあります。

ビジネスローンは銀行融資や公的支援と比較して、スピーディにお金を融通してくれるところが魅力です。
最短即日融資にも対応してくれるような、ビジネスローンもあるほどです。
今回は資金繰りの危機的状況で、即日融資してくれるビジネスローンを利用するメリットや、注意点についてまとめました。
いざというときの参考にしてください。

種類別・法人が即日融資を受けられるかどうか検証

法人が資金調達するにあたって、さまざまな方法があります。
主な方法として、以下のような調達方法が考えられるでしょう。
1. 銀行融資
2. 日本政策金融公庫
3. 事業者カードローン
4. ビジネスローン

それぞれ即日融資は可能かどうかについて、検討してみました。

銀行融資の即日融資は絶望的

銀行融資は法人が資金を確保するために、考えつく方法かもしれません。
しかし結論からいうと、法人が銀行融資で即日借り入れるのはまず不可能と考えてください。

銀行融資の場合、事業者や法人の信用力や事業計画書が妥当かなど、広範囲にわたって検討する必要があります。
そうするとどうしても、時間がかかってしまうのです。
早くても数週間、時間がかかると1か月前後融資実行されるまでに、時間を要することもありえます。

もし即日借り入れを希望するのであれば、銀行融資は選択肢から外さざるを得ません。

日本政策金融公庫も同様

法人の資金調達方法として日本政策金融公庫から借り入れする方法もあります。
銀行融資の場合、法人の業歴や財務状況などを見て融資の可否を判断するのです。
そうすると業歴の浅いベンチャー系や、経営基盤が安定していない中小企業などの法人は、なかなか融資を受けられない傾向が見られます。

日本政策金融公庫の場合、このような民間からの融資を引き出しにくい法人に対して、積極的に融資を行っているのが特色です。
とくに創業資金を積極的に貸し出しているので、起業家にとってはありがたい存在です。
しかし即日融資のような、スピーディな貸し出しは行っていません。

事前相談や面接などのプロセスがあり、慎重に審査を進めるので融資実行までに、どうしても時間がかかってしまいます。
審査期間の目安として、最短でも3週間から1か月程度かかると考えてください。
場合によっては、2~3か月かかることも珍しくありません。
即日融資を希望する場合、残念ながら選択肢から外さざるを得ません。

事業者カードローンは即日融資は可能だが……

事業者カードローンは文字通り、事業者向けのキャッシングサービスです。
銀行や消費者金融で、サービス提供しているところもあります。
保証人や担保が不要で借入できるのが特徴です。

事業者カードローンは審査スピードが速く、手軽に借入できるのが魅力といわれています。
ただし事業者ローンの場合、まとまった資金を借りるのは難しいので注意が必要です。

事業者ローンによって限度額はまちまちなものの、おおよそ数十万円、借りられても500万円くらいが上限です。
また総量規制の対象なので、事業者の年収の1/3を超えた借り入れ申し込みには対応できません。
もしそれなりの額の現金が必要であれば、事業者カードローンも選択肢として活用しにくいでしょう。

ビジネスローンはおすすめ

ビジネスローンもビジネス用途における、資金の融資を行うための法人向けサービスです。
法人のほかにも、個人事業主も対象にしている商品も少なくありません。
運転資金や設備投資する際に、活用している法人が多いのです。

ビジネスローンの魅力は、審査のスピーディさにあります。
即日融資に対応しているサービスも少なくありません。

なぜスピーディな貸し出しができるのか、それはスコアリングシステムを導入しているからです。
コンピューターで申し込み情報や信用情報の照会を行っているので、審査時間を短縮化できます。

しかもビジネスローンは事業者用カードローンと違って、ある程度まとまった借り入れにも対応しています。
業者によって多少の差はあるものの、1,000万円程度の融資には柔軟に対応してくれるでしょう。
また総量規制の対象外なので、経営者の収入の1/3を超えて借り入れもできます。
もしビジネスユースの資金、しかもまとまった現金が今すぐ必要であれば、ビジネスローンは有力な候補になるでしょう。

即日融資のビジネスローンを借りるために押さえておきたいポイント

ビジネスローンであれば、即日融資も十分可能です。
ただし可能であって、かならず借りられるわけではありません。

確実に即日融資を受けるためには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
主なものとして、以下のような事柄があげられるでしょう。

1. 申し込みは正午前まで
2. 必要書類は事前準備
3. 申し込みフォームは最終確認を忘れずに
4. 保険として別のビジネスローンの利用も検討すべき
5. 審査落ちしたときの対策は同時並行で

それぞれなぜ重要なのかについて、ここで詳しく解説します。

申し込みは正午前まで

ビジネスローンの即日融資は、原則法人用口座への振り込みです。
つまり銀行の営業時間内にローン会社が融資実行してくれないと、即日融資は無理となります。

ご存じのように銀行の営業時間は、平日15時までです。
つまり平日15時までには、振り込み実行をしてもらわないと元も子もありません。

ビジネスローンでも、もちろん審査を行います。
スピーディとはいっても、審査には多少なりとも時間がかかります。
審査で融資可能となってから振り込み手続きをしますが、この事務的処理にも多少の時間は必要です。

またもしかすると申し込み手続きに不備が見つかって、再度申し込まないといけない事態も想定できます。
そう考えると確実にその日にて借入できるようにするためには、申し込み手続きは少なくとも、お昼前までに済ませておきたいところです。
できるだけ午前中の早い段階で、申し込み手続きを済ませるのがおすすめです。

必要書類は事前準備

ビジネスローンでは申込書のほかにも、いくつか必要書類を提出しなければなりません。
スムーズに申し込み手続きを完了させるためには、あらかじめ必要書類を用意しておきましょう。

ビジネスローンは銀行融資と比較して、提出すべき書類は少なめとなっています。
しかしそれでも、いくつか提出しなければならない資料があります。

一般的には法人の場合、代表者の身分証明書と登記事項証明書、直近2期分の決算書が必要です。
法人の登記事項証明書は法務局で、手続きしなければなりません。
最近ではオンライン請求も可能なものの、それでも多少時間がかかります。

またローン会社によっては、上で紹介したもののほかにも追加で、提出しなければならない資料もあるかもしれません。
申し込もうと思っているビジネスローンのホームページをチェックして、必要書類は何か、前もって把握しておきましょう。

申し込みフォームは最終確認を忘れずに

申し込みフォームに法人情報などの必要事項を入力し、送信して手続きは完了です。
しかしフォームの作成が完了したら、いったん確認作業を挟んでください。
もしかすると入力ミスや変換ミスによって、誤った情報が含まれているかもしれないからです。

もし情報に何らかの不備があった場合、電話確認手続きが入ります。
電話で本人に、不備の部分の確認をとる必要があるからです。
電話確認の連絡がきたときにこちらが電話に出られないと、後回しにされます。
即日融資に間に合わなくなる事態も、想定できるでしょう。

パソコンやスマホ入力に慣れていない、苦手な経営者であればいったん間違いがないか、確認しましょう。
入力に慣れている人も慌てていると、ケアレスミスを犯している可能性もあります。
最終確認をしてから送信ボタンを押しましょう。

保険として別のビジネスローンの利用も検討すべき

ビジネスローンの審査基準は、業界で統一の決まりはありません。
各ローン会社で独自の基準を設けて、それにのっとって審査を実施しています。
このためあるところでは審査落ちでも、ほかに申し込めば借り入れられる事態も十分想定できます。

もし確実にその日のうちに現金を確保したければ、複数のビジネスローンに申し込むのも一考です。
複数のところに申し込んでおけば、あるところでは融資を断られても、別のところで借入できるかもしれないからです。

ただし複数のところに申し込むのはよいものの、一気に手続きするのはおすすめできません。
ビジネスローンの審査では、信用情報機関への照会が欠かせないからです。
同時に申し込んでしまうと、信用情報機関に照会依頼が殺到してしまいます。

信用情報機関としてみれば、同じところから複数照会依頼が来るとよほどお金に困っている法人なのではないかと、思われてしまいます。
その結果法人の信用が下がって、審査に自ら通りにくい状況に追い込んでしまいかねません。

そのためにはひとつのところに申し込んで、ダメなら別のところにすぐ申し込めるような態勢を整えておきましょう。
ここでポイントになるのが、審査に時間のかからないところから申し込むことです。
審査結果を早く伝えてくれれば、ダメでもすぐに別のところに申込できます。
こうして融資可能なローン会社の見つかる確率も、高まるわけです。

審査がスピーディなところは「最短○○分で審査!」のように、キャッチコピーにしているでしょう。
審査の速さを謳っているローン会社はないか、検索してみましょう。
審査が重ならないよう、複数のところに申し込むことは忘れないでください。

審査落ちしたときの対策は同時並行で

さまざまな対策をしてビジネスローンに申し込んでも、それでも即日融資を受けられない事態も、考えられなくはありません。
その場合のための対処法も検討しておくべきです。

ビジネスローンによる借り入れができなくても、ほかの即日可能な資金調達の方法もあります。
たとえば売掛金のある法人なら、ファクタリングを利用する手立ても選択肢のひとつです。
ファクタリングは法人の抱えている売掛金を、現金化する買取サービスです。

ファクタリングでも最短即日現金化を謳っているところも、多くあります。
しかも売掛金の買取なので取引先が信用できるか、債権がいくらあるかを審査されるだけです。
法人や代表者の信用力は関係ありません。
ビジネスローンで審査落ちしてもファクタリングなら、資金調達できる可能性はあります。

また手形割引を利用する方法も考えられます。
長期の法人取引の支払いを、繰り延べするための手段です。
法人の保有する商業手形を一種の担保にして、お金を借りられる手法ともいえます。

最悪の場合、家族や知人にお金を借りる方法もあるでしょう。
しかしまとまった金額を借りて後々返済できないとなると、その人間関係がおかしくなる恐れもあります。
返済計画など十分検討したうえで、知り合いにお願いしましょう。

即日融資と即日審査の違いを把握しておく

即日融資を希望して手続きしたけれども、即日の資金確保に失敗する法人も少なくありません。
その中でしばしばみられるのが「即日融資」と「即日審査」の、勘違いとなります。

ビジネスローンの中には、即日審査を謳っているところがあります。
即日審査とは文字通り、すぐに審査してくれることです。
審査通過すればすぐに融資実行してくれるはず、即日融資にも対応してくれるはずと考える法人も、出てくるでしょう。

ただし審査をすぐに始めてくれたとしても、審査通過できるのは即日とは限らないのです。
また審査をすぐやってくれても、はじかれてしまっては意味がありません。

即日審査といっても即日融資には対応してくれるとは限らないことは、頭に入れておいてください。
そのうえで即日融資を謳っているローン会社へ、申し込むことも重要です。

即日融資を確実に・審査を通りやすくする方法はある?

即日融資が可能なビジネスローンでも、審査に通らなければ元も子もありません。
しかし法人の代表者の中には本当に審査をクリアできるのだろうかと、不安に感じている方もいるでしょう。
ここではより確実に即日融資を受けられるため、審査を通りやすくするコツについてまとめました。

利用対象者をチェックする

各ビジネスローンのホームページを見てみると、商品概要のページがあるでしょう。
そこには借入限度額や金利などの、情報が記載されています。
そして申し込み可能な対象法人についても記載されているでしょう。

申し込み条件をチェックすれば、どの層をメインターゲットにしているビジネスローンかがわかります。
ビジネスローンによって、ターゲット層は微妙に異なります。
個人事業主をターゲットにしたものもあれば、法人をメインにした商品もあるでしょう。

法人メインでも中小企業を対象にしているのか、零細までターゲットに入れているかも異なります。
自分の会社が対象に含まれているビジネスローンに申し込めば、融資の認められる確率もアップします。

債務はできる限り減らしておく

ビジネスローンを利用しようと思っている法人の中には、すでに複数から借り入れているケースもあるでしょう。
もしすでに借金がある法人の場合、審査は厳しくなります。
既存の借入先の返済が優先され、自分のところの返済が滞ってしまうのではないかと懸念されるからです。

そこですでに債務を抱えているのであれば、できるだけ返済を進めておきましょう。
債務残高をゼロにできればよいものの、それが無理でも少しでも少なくしてから申し込みましょう。
ローン会社の心証もよくなります。

ビジネスローンの審査では法人の手掛けている事業の安定性や利益率、借入残高などを考慮して融資の可否を判断します。
法人経営の安定性や利益率は、今すぐどうこうできるものではありません。
しかし借入残高については、今すぐに頑張り次第で減らせる項目です。
資金繰りに余裕のある段階で、コツコツ返済を優先させると、審査通過の可能性も高まります。

担保があれば担保ローンを選ぶべし

もし法人や代表者が不動産など何かしらの担保をもっているのであれば、無担保ローンではなく担保を付けられるローンを選択するのも、おすすめです。
ビジネスローンは担保や保証人なしでも申し込めるものもあって、便利は便利です。
しかし法人の代表者の信用力が不十分だと、審査通過できない恐れが出てきます。

もし担保があれば、法人の代表者の信用力が不十分でも、融資の受けられる可能性が高まります。
ローン会社としても、たとえ返済が滞っても担保を押さえて売却すれば、債権回収も可能で融資しやすくなるからです。
法人の代表者の信用性プラス、担保の価値も加味されて審査されますので、通りやすくなるでしょう。

具体性のある事業計画書を作成する

ビジネスローンの審査では突き詰めていくと経営状況に問題ないか、信用情報に問題ないかについて、チェックするためのプロセスといえます。
法人の経営状況ですが、黒字であればそこは問題視されないかもしれません。
しかし中には赤字決算の法人で、ビジネスローンを利用したいと考えている人もいるでしょう。

赤字決算の法人の場合経営が順調とはいえないので、融資を受けるのは厳しくなります。
しかしきちんとした事業計画書を作成すれば、将来性を考慮して融資実行される可能性が出てきます。

直近の確定申告書の情報を加味して、事業の現状と見通しについて検討しましょう。
そしてどのように資金調達をして、今後収支がどのようになるのかを事業計画書の中で、盛り込んでみてください。
具体性のある計画書を作成できれば、たとえ赤字決算の状況でも融資してくれる、ビジネスローンは見つかるでしょう。

必要最低限の金額で申し込む

同じビジネスローンでも、借入希望額によって審査の難易度は変わっていきます。
基本的に借入希望額が大きくなれば、審査通過は難しくなると思ってください。
借入額が大きくなれば、それだけ債権回収できないリスクも大きくなるので、ある意味当然といえるでしょう。

そこで借入希望額を検討する際には、必要最低限の金額で申し込むことがポイントです。
これで少しでも審査通過できる可能性は膨らむでしょう。

申し込む前に必要資金をしっかり算出しておきましょう。
この見通しをあいまいにしていると、少し不安だからもう少し多く借り入れようと、なってしまいがちです。
結局自分の首を絞める結果につながるので、注意しましょう。

法人向けビジネスローンを即日融資する方法のまとめ

銀行融資と比較して、法人向けビジネスローンは簡単な手続きでスピーディに融資してくれるところが魅力です。
中には即日融資に対応しているローン会社もあるのが特徴です。
今すぐに現金が必要という危機的事態でも、フレキシブルに対応してもらえます。

ただし即日融資を受けられるためには、こちら側もあらかじめ準備しておく必要があります。
必要書類の手配や1日のうちでも、早めに手続きするなど工夫が必要です。
ここで紹介したポイントを押さえて、いざというときのためにビジネスローンの活用も、検討しておいてください。