会社を経営している人にとって、資金繰りの役に立つのがビジネスローンです。
スピーディな融資で審査も甘めなので、今すぐに現金が必要になった時などに重宝します。

ビジネスローンはいろいろなところで取り扱っています。
銀行も提供していますし、消費者金融をはじめとした貸金業者でも多くのところで提供しているサービスです。
貸金業者のビジネスローンも場合によっては活用することで、資金繰りの窮地から脱することもできるでしょう。

ここでは貸金業者のビジネスローンにはどのような特徴があるかについて解説します。
どんな時に利用すればいいのか、シミュレーションする際の材料にしてください。

ビジネスローンの種類

ビジネスローンはどこが運営しているかによって、3種類に分類できます。
その3種類とは、以下のような系統です。

1.銀行
2.信販会社
3.消費者金融

それぞれ異なる特徴を有しています。
ビジネスローンを利用する際には、どれ系の商品にするかで候補を絞り込むのも一考です。

銀行

銀行でビジネスローンを提供しているところは少なくありません。
メガバンクはもちろんのこと、地方銀行や信用組合、信用金庫でも提供しているところは多くなっています。

銀行のビジネスローンといわれると、いわゆる銀行融資と何が違うのかと思う人もいるでしょう。
ビジネスローンの場合、銀行融資と比較すると審査が簡素で融資までの期間がスピーディなところが特色です。

銀行融資の場合、審査だけでも1か月近くかかってしまう可能性もあります。
しかし銀行ビジネスローンの場合、かかっても1週間から10日くらいで融資実行されます。
今すぐにお金が必要、銀行融資の審査結果が出るまで待っていられないという場合にはビジネスローンを利用するといいでしょう。

信販会社

信販会社の提供しているビジネスローンのことです。
信販会社とは、いわゆるクレジットカードを取り扱っている企業のことだと思ってください。

信販系のビジネスローンの特徴として、クレジットカードとの組み合わせで提供されることの多い点が挙げられます。
クレジットカードを持っている人も多いでしょうが、近年ではショッピングするとポイントが貯まるでしょう。
法人用カードも同様で普段の買い物でポイント獲得でき、資金不足の状態ではビジネスローンで借入も可能です。

お金を借りるというよりも、もっと総合的に金融サービスを利用したいと思っているのであれば信販系ビジネスローンの活用を検討しましょう。

消費者金融

消費者金融系のビジネスローンは、一般的には貸金業者のビジネスローンといわれます。
ビジネスローンを取り扱っているサイトもありますが、その中で「ノンバンク系のビジネスローン」と表記しているところも少なくありません。
ノンバンク系も消費者金融系とほぼイコールと思っていいでしょう。

ビジネスローンの中では、審査は最も甘めといわれています。
審査スピードも速く、今すぐに現金が必要な緊急事態時に活用するといいでしょう。
一方で高金利になりがちなので、返済計画を綿密に立てておくのがおすすめです。

ビジネスローンを取り扱っている業者をみると、日本全国にチェーン展開しているような大手が中心です。
そのほかにもビジネスローンを専門的に取り扱っている貸金業者も見られます。

貸金業者系のビジネスローンのメリット

消費者金融、貸金業者系のビジネスローンにはいろいろなメリットがあります。
主なメリットとして、以下のようなポイントが挙げられます。

1.審査スピードが速い
2.審査基準が甘め
3.個人事業主でも借りられる
4.総量規制の対象外

審査基準が甘くスピーディなので、突発的な支払いが起きて手持ちがないときなどに重宝します。

審査スピードが速い

貸金業者系のビジネスローンのメリットとして大きいのは、審査がスピーディな点が挙げられます。
銀行系は銀行融資と比較して早いといっても、数日は審査に時間がかかります。
しかし貸金系の場合、最短で即日融資に対応しているところも少なくありません。

なぜこんなに早いのか、それは審査の手法が異なるからです。
貸金業者では、スコアリングシステムと呼ばれる審査手順を採用しています。

申し込みした法人やその代表者の属性別に点数をつけます。
合計点数が基準を超えていれば審査通過、融資という流れです。
スコアリングシステムはコンピューターで処理するので、大変スピーディなのです。

想定外の出費を強いられた、売掛金の回収が遅れ支払期日が迫っているといった時間的猶予のないときに活用するといいでしょう。

審査基準が甘め

ビジネスローンの審査を運営会社別に比較してみると、消費者金融系は最も審査基準が低いといわれています。
もちろん審査基準は各会社で独自に設定しているので、難易度の高めの貸金業者もあります。
しかし一般的には審査の甘いところが多いといわれています。

というのも貸金業者は審査が厳しいといわれる銀行系のビジネスローンの審査に通らない法人をターゲットにしているからです。
まったく同じ審査基準にしてしまうと、銀行の方にお客さんを取られてしまって経営が立ちいかなくなります。
そこであえて銀行よりも審査を緩めにして、銀行で審査落ちした法人相手に商売しているわけです。

もし銀行のビジネスローンの審査に落ちたとしても「もうお金が借りられない」とあきらめないでください。
銀行はダメでも、貸金業者のビジネスローンであればお金を融通してくれるところがあるかもしれません。

個人事業主でも借りられる

ビジネスローンは事業性資金を融資する金融サービスです。
ですから法人はもちろんのこと、個人事業主も融資の対象です。
しかし現実でみると、個人事業主はサービス対象外、審査を厳しめにしているローン会社も多いのです。

法人と比較すると、個人事業主はどうしても経済的な基盤が脆弱です。
このため「融資しても債権回収できないのでは?」と思われてしまって、融資を渋る傾向が見られます。

しかし貸金業者系のビジネスローンであれば、個人事業主にも貸し出しているところが多いのです。
申し込み手順も簡単で、気軽に借入できるところはメリットといえます。

総量規制の対象外

貸金業者の場合、総量規制に引っかかるのではないかと思う人もいるでしょう。
貸金業者の提供するビジネスローンでも、総量規制の対象外です。

総量規制とは申込者の年収の1/3を超えて貸し付けてはいけないという規定です。
貸金業法の中に盛り込まれている項目です。
年収240万円の方は、80万円を超えて借入はできないわけです。
多重債務に陥り借金で首が回らなくなる事態を回避するための対策です。

貸金業法の総量規制の中には「例外貸付」と呼ばれる制度があります。
利用者の利益保護の観点で支障のない貸付契約のことです。
合理的に返済が期待できて、資金需要の理由が健全であることが認められれば、総量規制の枠を超えて貸付が可能です。

法人を対象にした貸付は例外貸付として認められ、総量規制の対象外です。
個人事業主は総量規制の原則対象になります。
しかし返済能力が十分あると事業計画や収支計画などの資料をチェックし判断されれば、総量規制を超えた融資も可能です。

ただし総量規制を超える貸付では、審査も厳しくなります。
本当に債権回収できるのか厳格にチェックされる点は、あらかじめ理解しておいてください。

貸金業者系のビジネスローンのデメリット

貸金業者のビジネスローンはメリットもありますが、一方でデメリットもあります。
どのような点に注意すべきか、主なものとして以下のような項目が挙げられます。

1.金利は高め
2.限度額は低め
3.悪徳業者の潜んでいる可能性

融資条件は緩めですが、返済条件は厳しくなるのでその点は理解しておきましょう。

金利は高め

貸金業者のビジネスローンは、特に銀行系と比較すると金利は高めになりがちなので注意しましょう。
銀行の場合、低いものだと1%台の金利で借入できる場合もあります。
上限金利でもせいぜい15%くらいと思ってください。

一方貸金業の場合、上限金利は18%と利息制限法ぎりぎりの利率に設定される場合が多いのです。
下限金利も5%程度で、銀行と比較すると高めです。

もし長期的な借り入れになると、それだけ余計に利息の支払いをしないといけません。
貸金のビジネスローンを利用する場合には、返済のめどが立っている状態で借り入れましょう。
お金が入ってきたら返済資金に優先的に充てて、できるだけ返済期間を短縮させることが重要です。

限度額は低め

融資限度額が低めなので、設備投資などまとまった資金を借入するのには不向きです。
貸金業のビジネスローンを見てみると、大体借入限度額の上限は300~500万円といったところが相場です。
銀行系の場合、1,000万円程度なら借り入れできる可能性のあるところも見られます。

少額の運転資金が必要、もしくは銀行融資の申し込みをしているけれども融資実行されるまでに必要な支払いを賄うためのつなぎ資金が必要といった場合におすすめです。
また個人事業主で、少し資金が足りないといった場合でも気軽に借入できるでしょう。

悪徳業者の潜んでいる可能性

貸金業者のほとんどは貸金業登録をして、法律にのっとって貸付を行っている業者です。
しかし中には一部貸金業者として登録していない悪徳業者が潜んでいるかもしれません。

もし悪徳業者に引っかかってしまうと暴利で取り立てにあってしまう恐れがあります。
執拗な取り立てによって、法人の運営が続けられなくなる事態も考えられます。

悪徳業者かどうかの見分け方はそんなに難しくありません。
貸金業者の届け出をすると、登録番号が与えられます。
登録番号はチラシやホームページのどこかに記載されているはずなので、チェックしましょう。

番号があったら安心、とは限りません。
適当な番号を掲げているだけという可能性もあるからです。
番号が本当に登録されているものか、金融庁の登録貸金業者情報検索入力ページを用意しています。
ここに番号を入力すれば、本当に登録しているかどうか確認できます。

少し面倒かもしれませんが、後々苦しむ羽目にならないためにもしっかり確認しておきましょう。

貸金業者のビジネスローンの選び方

大手や専業の貸金業者など、ビジネスローンを提供している業者は結構あります。
その中でどこに申し込めばいいか、初めて利用する際には迷ってしまうでしょう。
ビジネスローン選びをする際には、以下のポイントを比較しましょう。

1.金利
2.利用限度額
3.Web完結かどうか

それぞれなぜ比較する際に重要なのかについて解説します。

金利

のちの返済のことを考えて、金利の低めのところを選びましょう。
ビジネスローンの金利は「○~○%」といったように金利に幅を持たせているところが多くなっています。
初めて利用する際には上限金利の適用されることが多いのです。

そこで上限金利の低めの貸金業者の中から申し込み先を選ぶといいでしょう。
返済負担も軽減されるからです。

利用限度額

利用限度額の上限で比較するのも一つの方法です。
特にある程度まとまった資金を必要としている場合には上限を確認することです。

ただし審査結果によっては希望する額を借りられない場合もありますので注意してください。
数十万円程度の少額の借金であれば、利用限度額の多少はあまり重視する必要はないでしょう。

Web完結かどうか

貸金業者のビジネスローンの中には、Web完結のところも結構あります。
パソコンやスマホなどで申し込めるので、わざわざお店に行く必要がありません。
営業時間中に来店できないほど忙しい、近くにビジネスローンを取り扱っている貸金業者の店舗がない場合にはおすすめです。

Web完結の場合、24時間・365日好きなタイミングで申し込みできるのも魅力です。
ただし営業時間外の場合、審査や融資実行は翌営業日以降になりますのであらかじめ理解しておきましょう。

まとめ:貸金業者のビジネスローンもうまく活用しよう

貸金業者のビジネスローンは審査が緩めで、即日融資など審査もスピーディなのは魅力です。
しかし一方で金利は高めなので、返済期間が長くなると利息の支払いも大きくなります。

ビジネスローンを利用したら、できるだけ返済に手持ちの資金を優先的に回しましょう。
うまく活用すれば、資金繰りに役立つ金融商品なので必要な時にうまく活用してください。