ビジネスローンと銀行ローンの違いについて、どちらも事業を行う際の資金調達に使われるローンですが、細かい点を見ると違うもので使い方を間違えると事業を進めるうえで大きなリスクを背負う恐れがあります。今回はビジネスローンと銀行ローンの違いを比較しながらそれぞれのメリット、デメリットを確認し、それぞれに適した使い方を解説しましょう。

ビジネスローンと銀行ローンの違い

ビジネスローンと銀行ローンは、似ていますが実は全くの別物です。実際の違いを両者を比較しながら紹介しましょう。

1.金融機関
2.金利
3.融資額(融資限度額)
4.審査にかかる時間
5.審査の難易度
6.融資額の使い方
7.保証人や担保の有無

主に次の内容が違います。詳しくみていきましょう。

1.金融機関

金融機関によって呼び方が違います。本来銀行では融資という言葉を使う場合が多く、ビジネスローンという表記は、消費者金融系など主にノンバンク系で用いられます。但し最近は銀行でもビジネスローン表記が増えており、以前ほどは違いはなくなりました。

2.金利

金利については銀行ローンとビジネスローンでは申込者の信用度などの違いはありますが、基本的にビジネスローンのほうが高めに設定しています。

3.融資額(融資限度額)

融資額は銀行ローンの場合は、申込者(企業)との信頼関係が高いと、億単位などほぼ無制限の融資に応じることがありますが、ビジネスローンでは融資限度額が決められており、高くても1000万円程度なので、設備投資などでの融資には不向きです。

4.審査にかかる時間

審査にかかる時間も両者では異なります。銀行ローンの場合は数日の審査機関が儲けられるのが一般的ですが、ビジネスローンの場合は最短即日なので急な出費の際にとても便利が良いです。

5.審査の難易度

審査の難易度も違います。利息が低い分銀行ローンのほうが審査が厳しめと言われています。とはいえ、ビジネスローンの審査が激甘というわけではなく、条件次第で落ちますので注意しましょう。

6.融資額の使い方

融資額の使い方も違います。銀行融資は一度融資を受けるとあとは返済を完済するまで続きます。しかし、ビジネスローンはカードローンと同じ当座貸越と呼ばれる融資方法を用いており、借入の極度額の範囲内なら返済をしながら何度でも借りられます。

7.保証人や担保の有無

銀行ローンは基本的に保証人や担保が求められることが多いです。ビジネスローンは無担保無保証で借りることができる場合が多いです。

銀行ローンと比べたビジネスローンのメリット

銀行ローンと比べた時のビジネスローンのメリットを見ていきましょう。これは銀行ローンのデメリットとも言えます。

1.融資の速度が早い
2.原則無担保無保証
3.審査に通りやすい
4.赤字で融資が受けられる可能性もある

上記、4項目について詳しくみていきます。

1.融資の速度が早い

ビジネスローンは融資の速度が早いのが大きなメリットです。最速で即日融資が可能なほどなので、困ったときにすぐ利用できるのは強みです。

2.原則無担保無保証

ビジネスローンは担保や保証人が不要というのは大きなメリットと言えます。特に開業間がないときに保証人も担保もないときに、ビジネスローンは大きな味方になります。

3.審査に通りやすい

ビジネスローンは、審査に通りやすいです。もちろん条件次第では審査に通らないこともありますが、一般的に銀行ローンは審査が厳しいので、ビジネスローンを申し込むと融資をしてもらえる可能性が高いです。

4.赤字で融資が受けられる可能性もある

銀行ローンではほぼ不可能なのが赤字決算での融資です。銀行は利益が出ている成長の可能性のある企業にお金を融通して確実に回収できる相手に融資をするので、赤字の時点で融資は困難です。しかしビジネスローンでは赤字という理由だけで断られることはなく、条件次第で融資が受けられる可能性があります。

銀行ローンと比べたビジネスローンのデメリット

次に銀行ローンと比べて、ビジネスローンのデメリットです。

1.金利が高め
2.借入限度額が低い
3.銀行ローンへの審査に影響
4.信用保証協会の保証が必要な場合も

次の内容について詳しくみていきましょう。

1.金利が高め

ビジネスローンは金利が高いです。条件次第ではカードローン並みに高い場合があるので、借りやすいですが返済が大変です。

2.借入限度額が低い

ビジネスローンは借入限度額が低いというデメリットがあります。銀行の場合は借入限度額が取引先によって変わりますが、無制限の場合もあるので、銀行ローンの場合は長期の設備投資などで活用できます。

3.銀行ローンへの審査に影響

ビジネスローンを頻繁に借りると銀行ローンへの審査に影響があると言われています。ビジネスローンを利用せざるを得ない場合でも少しにしてすぐに完済するようにしたほうが良いでしょう。

4.信用保証協会の保証が必要な場合も

ビジネスローンは無担保無保証ですが、申込者の条件次第では担保や保証人を求めてくる場合があります。保証人が見つからない場合は信用保証協会の保証が必要になりますが、その分手続きなどが煩わしくなります。

ビジネスローンと銀行ローンの使い分け方

ビジネスローンも銀行ローンもそれぞれメリットデメリットがあるので、両者をその時々でうまく使い分けると資金繰りに苦労せずに済みます。

ビジネスローンは急な資金調達と短期返済向き

ビジネスローンは、金利が高く限度額がありますが、即日融資が期待できる金融商品です。そのためどちらかと言えば短期のつなぎ資金に適していると言えます。どうしても急に必要になった資金をビジネスローンで調達しても、それをできるだけ早く返済すれば金利の高さもそれほど負担にはなりません。

銀行融資は高額で低金利で長期返済向き

銀行融資は審査に時間がかかりますが、金利が安く限度額がありません。そのため長期の設備投資などに向いている融資方法と言えます。思い切った新しいビジネスを起こす際に大きなお金が必要な時に事業計画をしっかりと用意し、返済計画も問題なければ大金を融資でき、それを計画通り長期にわたって返済することで銀行との信頼関係も自然と高まります。

ビジネスローンと銀行ローンの併用

ビジネスローンは銀行ローンとは基本的に併用はできません。ビジネスローンの使い方次第では銀行側の印象が悪くなり審査が厳しくなる恐れがあるからです。ただし、ビジネスローンを本当のつなぎで使用するなどすぐに返済するような状況であれば、銀行ローンとの併用も可能です。

ビジネスローンは銀行ローン同様に総量規制の対象ではない

ビジネスローンは、カード式で渡され限度額の範囲内であれば繰り返し融資を受けられることもあり、カードローンに似ています。しかしカードローンとビジネスローンは似て非なるもので、カードローンは使途自由で事業用の資金では本来使うものではありません。

そのため借りすぎを規制するために総量規制が設けられています。それに対してビジネスローンはあくまで事業用の資金のために用意されている金融商品のため、カードローンのような総量規制の対象ではありません。その点は銀行ローンと同じです。

ビジネスローンと銀行ローンの違いまとめ

ビジネスローンと銀行ローンは、どちらも事業用の資金を調達するための金融商品です。しかし、銀行ローンとビジネスローンは様々な違いがあり、デメリットやメリットもそれぞれ異なります。

具体的には短期のつなぎ資金にはビジネスローンが向いていて、長期の設備投資などには銀行ローンが向いているので、資金調達の目標を考えたうえで両者をうまく使い分けましょう。