目次
ファクタリングはやばい?理由や相談先・代わりの資金調達手段を紹介
資金繰りが厳しく、ファクタリングを検討しているものの、「やばい」「危険」といった噂を耳にして、不安や疑念を抱えていませんか。
しかし、ファクタリングが「やばい」と言われるのには明確な理由があり、その正体と仕組みを正しく知れば、安全に活用できます。
本記事では、ファクタリングにまつわる危険性の真実から、安全な優良業者の見分け方、万が一のトラブルに陥った際の相談先まで解説します。
まずは正しい知識を身につけ、資金繰り改善への一歩を踏み出しましょう。
ファクタリングは「やばい」金融サービスではない
結論から申し上げますと、ファクタリングは「やばい」金融サービスではありません。
正しく理解し、適切な業者を選んで利用すれば、資金繰りに悩む経営者にとって非常に有効で、合法的に資金調達できる手段です。
しかし、ファクタリングの仕組みを悪用する悪質な業者や、ファクタリングの特性を理解せずに利用し、かえって資金繰りを悪化させてしまうケースが存在します。
そのため、ファクタリングには「やばい」というネガティブなイメージがあるのです。
ファクタリングサービス自体を危険視するのではなく、仕組みとリスクを正しく学んだ上での取引が、何よりも重要です。
ファクタリングが「やばい」と言われる本当の理由3選
ファクタリングにネガティブなイメージが付きまとうのには、明確な理由が存在します。
以下では、多くの経営者が不安に感じる3つの核心的な理由と、その背景を詳しく解説します。
手数料の高さ|貸金業ではない手数料体系であるため
ファクタリングの手数料が、銀行融資の金利に比べて高いと感じられるのは、手数料体系が貸金業法の規制を受けない独自の仕組みだからです。
ファクタリングは金銭の貸付ではないため、利息制限法に定められた上限金利は適用されません。
手数料は、売掛先の信用力や、債権回収にかかる手間などを考慮して、ファクタリング会社が個別に設定します。
特に、取引先に通知せず契約する2者間ファクタリングは、ファクタリング会社が負う未回収リスクが高くなるため、手数料も高くなりやすいです。
そのため、手数料が高いと感じても、複数の会社から見積もりを取って比較検討しましょう。
違法性|ファクタリングを装った悪質業者が存在するため
ファクタリング自体は合法な取引ですが、ファクタリングを装いながら、実質的に高金利の貸付を行う悪質な業者が存在します。
この業者の存在が「違法」「闇金」などの、イメージを生む原因です。
悪質な業者は、ファクタリング契約と見せかけて資金を提供し、手数料の名目で法外な利息を請求します。
上記は貸金業にあたりますが、多くは国や都道府県への貸金業登録をしていない、いわゆるヤミ金融業者です。
したがって、ファクタリングを利用する際は、契約内容を慎重に確認し、実質的な貸付契約の取引となっていないかを確認しましょう。
倒産リスク|繰り返しの利用により手数料負担が多くなるため
ファクタリングは、手軽さから安易に繰り返し利用してしまうと、手数料の負担が雪だるま式に膨らみます。
その結果、かえって資金繰りを圧迫し、最悪の場合、倒産のリスクを高めることになりかねません。
利用の際には、必ず手数料が発生するため、売掛金の満額が手元に入るわけではありません。
その場しのぎでファクタリングを繰り返すと、徐々にキャッシュフローが悪化する悪循環に陥ります。
ファクタリングを利用するなら、同時にコスト削減や売上向上などにも取り組みましょう。
経営体質の根本的な改善が、倒産リスクを避けるために重要です。
本当に信頼できる優良ファクタリング会社の3つの特徴
悪質な業者を避け、安心してファクタリングを利用するためには、信頼できる優良業者の見極めが不可欠です。
本項では、優良なファクタリング会社の3つの特徴を紹介します。
契約実績が豊富で特定の業種に強みがある
優良なファクタリング会社は、長年の運営によって豊富な契約実績を積み重ねています。
公式サイトなどで、過去の取引件数や買取総額などを公開している会社は、それだけ多くの経営者から信頼されてきた証拠と判断できるでしょう。
また、特定の業種(建設業、運送業、IT業など)に特化している会社も狙い目です。
業界の商慣習や資金繰りの特性を深く理解しているため、よりスムーズで的確な審査や、経営状況に即した柔軟な提案が期待できます。
自社の業種に強みを持つ会社を選ぶと、心強いビジネスパートナーとなる可能性もあります。
手数料体系や見積書の内容が明確
信頼できる業者は、手数料体系をウェブサイトなどで明確に公開しており、隠れた費用を請求しません。
手数料の上限・下限の表記や、手数料が変動する条件などが分かりやすく説明されているか確認しましょう。
さらに重要なのが、見積書の透明性です。
優良な会社が提示する見積書には、ファクタリング手数料の他に、登記費用・印紙代・交通費などの諸経費の内訳が、詳細に記載されています。
一方で、「手数料一式」などと曖昧な記載で済ませる業者は、後から不当な追加費用を請求してくる可能性があるため、絶対に避けるべきです。
担当者の対応が早く専門知識に基づいた提案をしてくれる
担当者の質は、ファクタリング会社の質を表します。
以下の対応をしてくれる担当者がいるファクタリング会社は、信頼度が高いでしょう。
問い合わせへのレスポンスが早い
言葉遣いが丁寧
質問に専門知識に基づいて的確に答えてくれる
特に、手続きを進めるだけでなく、利用者の経営状況や資金繰りの悩みに合わせ、利用者の利益を考えた提案をしてくれる担当者は、非常に心強いです。
強引に契約を迫ったり、メリットばかりを強調したりするのではなく、リスクについても説明してくれる誠実な対応であるか見極めましょう。
「やばい」ファクタリング業者と契約してしまった際の相談先
万が一、悪質な業者と契約してしまっても、決して一人で抱え込む必要はありません。
以下では、悪質なファクタリング業者と契約してしまった際に相談できる窓口を紹介します。
金融庁「金融サービス利用者相談室」
万が一、ファクタリング業者との間でトラブルが発生した場合、金融庁の「金融サービス利用者相談室」が最初の相談窓口として有効です。
この窓口は、金融サービス全般に関する利用者からの相談や、情報提供を受け付けており、中立的な立場からアドバイスを提供してくれます。
ファクタリングを装った違法な貸付(偽装ファクタリング)や、ヤミ金融業者とのトラブルについて相談すれば、相手が正規の貸金業登録業者か情報提供を受けられます。
他にも、問題解決のために、連携すべき他の専門機関(弁護士会など)を紹介してもらえるのです。
対処の方法がわからず困惑した際に、まず頼るべき公的な窓口として覚えておきましょう。
日本貸金業協会「貸金業相談・紛争解決センター」
トラブルの相手が貸金業としての性質がある場合、日本貸金業協会の「貸金業相談・紛争解決センター」への相談が有効です。
貸金業相談・紛争解決センターは、貸金業に関する相談や苦情対応、当事者間の紛争解決を目的として設立された専門機関です。
例えば、以下の状況において、具体的な解決策や対処法についてのアドバイスを受けられます。
ファクタリング業者から実質的な貸付を受け、返済を巡ってトラブルになった場合
貸金業法で禁止されているような脅迫的・威圧的な取り立て行為を受けた場合
相手が悪質な貸金業者である疑いが強いケースにおいて、非常に頼りになる相談先の一つです。
全国の弁護士会・法テラス
ファクタリングに関するトラブルが、当事者間の話し合いで解決できない法的な問題に発展した場合は、弁護士への相談が最も確実な解決策となります。
各都道府県の弁護士会では、無料または比較的安価な費用で利用できる法律相談会を定期的に開催しています。
また、経済的な事情で、弁護士への依頼が難しい場合には、「法テラス(日本司法支援センター)」の利用を検討しましょう。
収入などの条件を満たせば、無料の法律相談を受けられます。
さらに、弁護士費用の立替え制度の利用も可能で、金銭的な不安を抱えずに法的な手続きを進められるでしょう。
ファクタリング以外の資金調達方法
ファクタリングが、自社にとって必ずしも最適な選択肢とは限りません。
手数料の負担を避けたい場合や、長期的な運転資金が必要な場合には、他の資金調達方法も検討すべきです。
以下では、経営者が知っておくべき代表的な方法を3つご紹介します。
日本政策金融公庫の融資
ファクタリング以外の資金調達方法として、まず検討すべきは日本政策金融公庫からの融資です。
日本政策金融公庫は、政府が100%出資する金融機関であり、中小企業や小規模事業者の支援を目的としています。
民間の金融機関に比べて金利が低く設定されており、無担保・無保証で利用できる制度が充実している点が魅力です。
創業間もない企業や、一時的に赤字決算となっている企業に対しても、事業の将来性などを考慮して柔軟に融資を検討してくれる可能性があります。
ただし、申し込みから融資実行までの期間は、数週間から1ヶ月以上が一般的なため、緊急の資金需要には対応が難しいという側面も理解しておく必要があります。
信用保証協会の保証付き融資
自社の信用力だけでは、民間金融機関からの融資が難しい場合に有効なのが、信用保証協会の「保証付き融資」です。
中小企業が融資を受ける際に、信用保証協会が公的な保証人となり、金融機関側の貸し倒れリスクを軽減する制度です。
信用保証協会が保証人となると、金融機関は融資の審査ハードルを下げられます。
そのため、実績の少ない企業や担保がない企業でも、融資を受けられる可能性が高まるのです。
利用にあたっては、金利とは別に信用保証料を支払う必要がありますが、金融機関からのプロパー融資(保証なしの融資)を断られた際の、有力な選択肢となるでしょう。
ビジネスローン
銀行やノンバンク(消費者金融、信販会社など)が提供する事業者向けのローンがビジネスローンです。
ビジネスローンのメリットは、審査スピードの速さです。
公的融資とは異なり、申し込みから最短即日で融資が実行される商品も多く、突発的な資金需要に迅速に対応できます。
その反面、金利は公的融資に比べて高く設定されているため、長期的な借入には向いていません。
必要な金額と必要な期間を見極め、あくまで短期的なつなぎ資金としての活用がおすすめです。
ファクタリングと同様にスピード感が求められる場面で、融資を選択肢したい場合の候補となります。
ファクタリングは「やばい」サービスではない!正しい使い方で資金繰りを改善しよう
結論として、ファクタリングは決して危険なサービスではありません。
ネガティブなイメージは、一部の悪質業者と、仕組みを理解しないまま利用するリスクに起因します。
手数料の仕組みや違法業者の手口を正しく理解し、契約実績や担当者の質といったポイントから、優良なファクタリング会社の見極めが安全な活用のための鍵です。
ファクタリングは、あくまで計画的に、そして経営体質の改善と並行して利用すると、企業の資金繰りを改善する力強い味方となり得ます。
本記事が資金繰りの不安を解消し、健全な経営に向けた正しい一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。