「宮城(仙台)でビジネスローンの資金調達をしたいが、どこに申し込めばいいのか?」
こうした疑問を持ったなら、まず宮城(仙台)でビジネスローンを有効に利用するために、この地域や経済状況にあっているか?と言う視点で考えてみましょう。
そこで今回は、宮城(仙台)の経済について考えて、それに続いて宮城(仙台)で利用可能なビジネスローンを銀行員の私が紹介します。
融資を審査する銀行員の視点で解説しますので、宮城(仙台)でビジネスローンを検討している人は、参考にしてください。
目次
宮城(仙台)で利用できるビジネスローン〜宮城(仙台)の経済状況は?
宮城(仙台)でビジネスローンを検討するためのスタートには、まず宮城(仙台)の経済状況について知ることが欠かせません。
その理由は「自社が営業基盤を置いている宮城(仙台)が今、どういった状況なのか?」「これからどうなっていくのか?」など、経済の状況はビジネスローンをはじめとした事業資金の調達に影響するからです。
宮城(仙台)の経済状況
宮城(仙台)の経済状況をまとめてみました。
・鉱工業生産指数が、食料品工業・業務用工業などの上昇に連動し2年連続上昇
・貸家や分譲住宅の着工増加により、住宅関連への投資は2年連続の増加
・都道府県の発注工事減少により、公共投資関連は7年連続減少
・百貨店やスーパーマーケットの販売額が4年ぶりに増加へ転じ、またコンビニエンスストアや量販店販売も加えた額では6年連続の増加となる
・車に関しては、新車登録及び届出台数が普通車・小型車とも5年連続の減少
・消費者物価指数(総合指数)は2年ぶりに上昇
これは電気・ガス料金や食料品値上げが要因となっている
・雇用については、有効求人倍率が 11 年連続で 1 倍を超えた
その一方で企業倒産については件数・負債総額ともに3年ぶりに増加
【*上記は令和4年(2022年)・統計資料等による筆者調べ】
数値やデータによっては、持ち直しや回復の兆しが見えるいっぽう、倒産件数が増加するなど、宮城(仙台)の経済が置かれている状況は、依然として厳しさが残っていると考えられます。
宮城(仙台)で利用できるビジネスローン~取扱い金融機関別・ビジネスローンの解説
ではここから、宮城(仙台)で利用できるビジネスローンについて解説していきます。
いわゆるビジネスローンは、消費者金融や信販会社などのノンバンク(地場の中小貸金業者も含む)が取り扱っている事業者向けの融資商品の総称ですが、最近は銀行などの金融機関にも「ビジネスローン」と名のつく事業資金融資があります。また事業資金調達の手段との位置づけより、制度融資も一緒に解説することにします。
(*記事中の特徴や融資の条件は筆者調べによるものです。実際に検討する際は、ご自身で必ず金融機関等に確認してください)
宮城(仙台)のビジネスローン1.金融機関
まず金融機関二関してですが、宮城(仙台)に本店・支店のある金融機関の数は以下の通りです。(筆者調べ)
<宮城(仙台)の金融機関>
メガバンク:4(みずほ・三菱UFJ・三井住友及び、りそな銀行)
地方銀行:2(第一地銀・1、第二地銀・1)
信金・信組:8(信金・5、信組・3)
(*その他金融機関:JA・漁協等は業種限定の融資取扱いのため今回含まず)
地元の金融機関は決して多くないので、ビジネスローンの選択もより重要になってきます。
上記金融機関で「ビジネスローン」と公開されている融資商品の概要は次のとおりです。
<金融機関のビジネスローン>
融資の種類は「証書貸付」「当座貸越」がある
利用可能な対象者は個人事業主、法人
保証会社の保証が付く(保証会社の審査もあり、通過した人が利用できる)
年齢は、例)申込時満18歳位以上・完済時満85歳以下など
資金使途は事業性資金(運転資金、設備資金、他金融機関融資の借換も)
融資金額は、例)10万円以上300万円以内(1万円単位)など
融資期間は、例)6ヶ月〜10年(6〜120回返済)までなど
融資利率は固定金利または変動金利で、例)5%台~14%台(実質年利)などで、審査結果により金融機関が決定
審査回答は、最短で申し込んだ翌営業日〜1週間程度とスピーディー
契約はインターネットを利用したWEB契約、または来店での契約
借入方法(融資利用)は主に以下のような方法がある
①振込:契約後に指定口座に振り込まれる
②カード:提携ATMで融資利用(インターネットバンキングも可能)
担保:原則不要(審査によっては必要となるケースも)
保証人:原則不要(法人の代表者や、審査状況で保証人が必要となるケースも)
手数料:融資実行時に事務手数料、例)事務手数料11,000円(税込み)など
一般に金融機関の事業資金融資は、審査や融資利用まで1週間から1ヶ月など時間がかかる場合や、担保・保証人が必要になるケースもありますが、ビジネスローンはスピーディーな審査、担保・保証人不要など使い勝手の良さが魅力の一つと言えます。
宮城(仙台)のビジネスローン2.消費者金融大手など
まず消費者金融大手の内容で、こちらは全国共通のものとなります。
<消費者金融大手などのビジネスローン>
融資の種類はカードローンが多いが、証書貸付タイプもある
利用可能な対象者は個人事業主、法人
年齢は、例)個人事業主は満69歳まで、法人の代表者は満75歳までなど
資金使途は事業性資金なら自由
融資金額は、例)1万円以上1,000万円以内(1万円単位)など
融資期間は、例)5年(60回返済)までなど
融資利率は固定金利または変動金利で、例)3%台~18%台(実質年利)などで、審査結果により決定
審査回答は、最短で申し込んだその日とスピーディー
契約はインターネットを利用したWEB契約、または郵送など非対面の契約が主流
借入方法(融資利用)はカード形式が多い(スマホで融資利用も可能)
担保:原則不要(審査によっては必要となるケースも)
保証人:原則不要(法人の代表者や、審査状況で保証人が必要となるケースも)
手数料:原則不要(ただし契約用の収入印紙代・数千円が必要な場合も)
宮城(仙台)のビジネスローン3.中小貸金業
宮城県の知事登録がある貸金業者は18(筆者調べ)で、ホームページなどの公開情報が検索では見当たらなかったため、ここでは説明を割愛しますが、原則として大手消費者金融よりも、業況などさらに柔軟に対応する反面、金利は高めであると推測されます。
宮城(仙台)のビジネスローン4.制度融資
続いて制度融資(中小企業などに向け、都道府県などが主導で金融機関が融資する形式。
一般的に信用保証協会保証が原則で、金利は低利の固定金利のものもあるなど、親切な設計になっている)をひとつ紹介します。
<県制度融資「がんばる中小企業応援資金」の概略>
●対象
宮城県内で営業(事業所がある)個人・法人 事業許認可が必要な業種(飲食業など)は、その許認可を受けていることが条件
●資金使途
事業活性化、合理化を目的とした事業の見直しや、新たな試みに取り組むことで、経営基盤の強化を目指す中小企業者
(例)施設の耐震改修、海外展開、人材育成、新技術の開発
●融資額
3,000万円まで
●金利
金利は金融機関所定の金利
●返済期間
7年以内 運転資金・設備資金とも(据置は2年以内)
●担保と保証人
原則として不要(*取り扱い金融機関の審査によっては求められる場合もある)
●融資の保証
信用保証協会の保証が必要
宮城(仙台)でビジネスローンを利用するときのポイント
宮城(仙台)でビジネスローンを利用する時には、メリットもあれば注意点もありますので、いくつか説明します。
宮城(仙台)でビジネスローンを利用するときのポイント1.低金利で調達できる可能性があるメリット
宮城(仙台)の景気もまだまだ余談を許さない状況なので、中小企業者の支援として、ビジネスローンでも制度融資などを活用できれば、長期固定金利で年1%台、といった有利な借り入れも利用できる可能性があります。
宮城(仙台)でビジネスローンを利用するときのポイント2.金融機関が少ない点に注意が必要
記事の中で触れましたが、宮城(仙台)に基盤のある金融機関の数は少ないので、ビジネスローン利用に関しても、やはり数や機会が限定されてしまいます。
ビジネスローンで資金調達を考えている場合、金融機関に申し込みたいなら、時間的な余裕も含め慎重に考える必要があります。
宮城(仙台)で利用できるビジネスローン~まとめ
宮城(仙台)の経済は、他の地域と同じように、好転したとは言い切れない状況です。
そのため、事業に必要な資金調達をするには情報をしっかり把握することや、取引のある金融機関と連携することが重要です。記事でも触れていますが、金融機関の数が限定されている宮城(仙台)では、融資審査の柔軟性、スピードを考えると、やはりノンバンク系の消費者金融大手のビジネスローンを利用するのが、現実的で合理的だと思われます。この記事が参考になれば幸いです。