ビジネスローンは最短即日融資に対応しているところもあり、急に現金が必要になった時に重宝します。
しかし一方で、ほかの事業性資金を借り入れる方法と比較して金利が高めといわれます。

ビジネスローンの金利相場はどのくらいでしょうか?
金利相場がわかれば、より低金利で貸し付けてくれる商品も見分けやすくなります。

またこちら側の工夫次第で、金利を低く抑える方法もあります。
低金利で借り入れるコツについても以下で紹介しますので、ビジネスローンを利用する際に参考にしてください。

ビジネスローンの金利はどのくらい?相場について紹介

ビジネスローンの金利は高い、このようなイメージを持っていませんか?
実際のところ、ビジネスローンの金利がどのくらいか、まずは見ていきましょう。

ビジネスローンの金利相場は1%台~18.0%

ビジネスローンの金利相場は見出しの通り、低ければ1%台もあれば18.0%と利息制限法ぎりぎりの利率の商品も見られます。
かなり幅があると思われるでしょうが、これはいろいろなところで提供されている商品だからです。
金融機関からノンバンクまで、ビジネスローンを提供しているところは多岐にわたります。

総じて金融機関の方が低金利です。
メガバンクの提供しているビジネスローンは1%台から14.0%といったところが相場です。
一方地方銀行になると3.0%〜15.0%が相場となり、やや高くなります。

ノンバンクは5.0%〜18.0%といったところが相場で、さらに高い傾向です。
ただ金融機関は原則即日融資には対応していませんが、ノンバンクは対応しているところもあります。
今日明日中に現金が必要だけれども手持ちがないといった、切迫した事態ならノンバンクのビジネスローンを利用するのも一考です。

ほかの金融商品と金利を比較してみた

ビジネスローンの金利相場についてみていきましたが、実際のところどれほど高いのでしょうか?
そこで事業性資金の借入が可能なほかの金融商品と比較してみました。

一般的にビジネスローンのほかの借入方法として、日本政策金融公庫と銀行融資が考えられるでしょう。
日本政策金融公庫は国が出資している金融機関で、事業者向けの貸付を行っています。
業種や事業規模などでさまざまな貸付を行っていますが、大体金利相場は2%〜3%台です。

さらにいくつかの条件を満たせば特別利率が適用されます。
特別利率はさらに低利で、1%前後の金利で借入できる場合もあります。

銀行融資の場合、プロパー融資と信用保証協会の保証付き融資の2種類に分類されます。
よく「銀行融資」という場合、たいていはプロパー融資を指すものと思ってください。

プロパー融資とは銀行が直接審査し、直接貸し付けるスタイルです。
もし債務不履行になれば、その損失を被る銀行にとってはリスキーな貸付です。
よって銀行も細部にわたって厳しく審査します。

信用性の高い法人を厳選して貸し付けるので、金利は低めです。
1%〜3%といったところが相場です。

一方信用保証協会の保証付き融資の場合、信用保証協会が債務者の返済が難しくなった時に肩代わりする融資方法となっています。
銀行からしてみれば、貸し付けたお金が不良債権化するリスクが低いです。
このため、金利も低く2%前後が相場といわれています。

ただし信用保証協会に保証料を支払わないといけません。
保証料は0.1%〜0.8%が相場といわれているので、保証料が金利に上乗せされます。

いずれの商品も相場が一桁台です。
10%を超える金利で貸し付ける場合も少なくないビジネスローンと比較して、かなり低金利といえます。

ビジネスローンの金利が高い理由

ここまで見てきたように、ビジネスローンはほかの金融商品と比較してかなり高い金利設定になっています。
なぜ金利が高いのか、それにはいくつか理由があります。
主な理由として、以下のような項目が挙げられます。

1.審査がスピーディ
2.審査が甘い
3.貸し倒れリスクが高い

以上、なぜその理由が金利の高くなる根拠なのか、詳しく説明しましょう。
簡単に言えば審査が甘めで信用力に多少難のある法人にも貸し付けているので、リスクマネジメントとして金利を高めに設定しています。

審査がスピーディ

まずビジネスローンは審査がスピーディなためです。
銀行融資の場合早くても2週間、かかれば1カ月以上融資実行されるまで時間のかかる場合もあります。
一方ビジネスローンはかかっても3〜5営業日、ノンバンクの中には最短即日融資にも対応しているところがあるくらいです。

銀行融資の場合、時間をかけてじっくりと審査します。
細部にわたって法人をチェックして、経営状態が安定しているか、今後の事業見込みは有望なのか慎重に判断できます。
しかしビジネスローンは審査期間が短いので、そこまで細かく審査できません。
審査基準が甘いので、金利を高くする必要があるわけです。

審査が甘い

もともと日本政策金融公庫や銀行融資と比較して、審査基準を甘めに設定しているところが多いです。
そもそもビジネスローンは、銀行融資の審査に落ちてしまった法人を対象にした商品といわれています。
銀行と同じ審査基準にしていては、自分のところにお客さんは流れてきません。

そこで審査を甘めに設定して、法人が利用しやすくしています。
実際銀行の審査では否決されてしまった法人が、ビジネスローンでは審査通過して借入できたという事例も少なくありません。

貸し倒れリスクが高い

ビジネスローンは銀行などと比較して審査が甘めに設定される傾向がみられる点は、先に紹介した通りです。
金融機関や公的機関の融資審査に落ちている法人、すなわち経営状態や業績が好調ではないところも貸付対象になりえます。
そうなれば、返済が滞ったり、最悪貸し倒れになったりするリスクはどうしても出てきます。

そこで金利を高くして、利息の支払いを多くして貸し倒れになった際の損失をできるだけ最小限に抑える必要があるわけです。
経営状態の良くない法人の場合、資金繰りに窮しているところも多いでしょう。
金利は高いけれども「今すぐ現金が必要」という法人に即日融資など、フレキシブルな貸付を行えるようにしているのがビジネスローンです。

低金利のビジネスローンの選び方

日本政策金融公庫や銀行融資と比較して、ビジネスローンの金利は高めです。
しかしビジネスローンで借り入れるにしても、できるだけ低金利のところを利用したいと思うでしょう。
ビジネスローンの商品はバラエティに富んでいるので、中でも低金利商品はあります。
低金利のビジネスローンの選び方のポイントとして、以下のような点をチェックしてください。

1.上限金利の低い商品
2.借入限度額が多額
3.銀行系のビジネスローン

以上のポイントを押さえて申し込み先を絞り込めば、低金利で借入できるでしょう。

上限金利の低い商品

ビジネスローンの金利を見ると「○~○%」と利率に幅を持たせているものがほとんどです。
下限金利を見ると一桁台の商品も多いので「何だ、結構低金利じゃないか」と思う人もいるかもしれません。
しかし初回申し込みで、下限金利が適用されるケースはまずないと思ってください。

金利幅の中でどの利率を適用するか、審査の中で企業の経営状態や信頼性などで判断します。
初回申し込みの段階では、きちんと期日通りに返済できるだけの信用力のある企業かどうかは未知数です。
そこで通常は上限金利による融資になるわけです。

低金利のビジネスローンで借り入れるためには、上限金利の低いところを選ぶ必要があります。
上限金利の低いビジネスローンで借り入れれば、利息の支払いを少しでも減らせ、返済負担も軽減できるわけです。

借入限度額が多額

ビジネスローンの特徴として、主に小口融資向けの商品である点も挙げられます。
銀行融資の場合、何千万円や1億円を超える貸付も条件次第では可能です。

一方ビジネスローンの場合、数十万円や数百万円単位の貸付が主流です。
一般的には借入限度額を300万円とか500万円くらいにしている商品が中心です。

しかし中には1,000万円程度の貸付に対応しているビジネスローンもあります。
借入限度額が大きいビジネスローンはそれだけ貸し付けられるだけの資金力があると推定されます。
資金力があるので、たとえ不良債権化してもそのダメージはそこまで大きくありません。

経営に支障をきたす危険性は低いです。
よって低金利で貸し付けても問題ないわけです。

また借入の申し込みをする際には、自分たちが希望する金額を融資してもらえるかという視点で候補を絞り込んでください。
例えば600万円の資金調達が必要で、500万円までしか融資できないビジネスローンに申し込んだ場合、もう100万円を別のところで借り入れなければいけません。
複数のところから借り入れると、「よほど資金繰りに窮している」と見られかねません。

法人の信用力が下がり、今後融資を申し込んでも審査が厳しくなってしまいます。
今後のことを考えて、借入先を一本化できるように限度額の大きめのビジネスローンを選ぶことも大事です。

銀行系のビジネスローン

ビジネスローンは銀行系とノンバンク系の2種類に分類できます。
低金利で借り入れたければ、銀行系ビジネスローンの方がおすすめです。
銀行は預金業務を行っているので、資金が潤沢です。

資金力があるので、低金利で大口の融資にも対応できます。
ただし銀行のビジネスローンの場合、即日融資はまず期待できないと思ってください。

銀行ビジネスローンはノンバンクよりも慎重に審査をするからです。
信用力が十分な法人を厳選して貸し付けているので、低金利での融資が可能なわけです。
ただしせいぜいかかっても1週間程度と、銀行融資と比較してかなりスピーディに融資してくれます。

今日明日にお金が必要といった切迫した状況ではない、早く借り入れたいけれども多少スケジュール的に余裕がある場合には低金利の銀行ビジネスローンを利用しましょう。

低金利でビジネスローンを借りるポイントを解説

低金利でビジネスローンを借りるためにはどこで借りるかも重要ですが、「どう借りるか」も大切です。
つまりこちら側の工夫次第で、金利を低く抑えて借り入れられます。
金利を抑えるコツとして、以下のようなポイントが考えられます。

1.借入限度額いっぱいまで借り入れる
2.担保もしくは保証人を用意する
3.キャンペーンを活用する

なぜ上で紹介した3つのポイントが金利を低く抑えられるかについて、以下で詳しく解説します。
ビジネスローンを利用する際の参考にしてください。

借入限度額いっぱいまで借り入れる

借入限度額ギリギリまで借り入れると金利を低く抑えられます。
ビジネスローンに限らず、ローン商品は高額の借入をすれば金利も低くなる仕組みになっているからです。

それは利息制限法が関係しています。
利息制限法はお金を貸し付ける際に設定できる上限金利について定めた法律です。
元本金額が10万円未満の場合の上限金利は、年利20%です。
10万円以上100万円未満なら18%、100万円以上だと15%が上下金利になります。

ただし必要ないのに借入限度額ギリギリまで借りる必要はありません。
より多くお金を借りれば、それだけ返済総額も大きくなるからです。

また借入限度額ギリギリなど多額の借入を希望すれば、その分審査も厳しくなります。
ローン会社としても多額の貸付をすれば、それだけ債権回収できなくなるリスクも高まるからです。
あくまでも必要な時に限度額ギリギリの希望借入額で申し込んでください。

担保もしくは保証人を用意する

ビジネスローンは原則担保も保証人もつけないで、借入が可能です。
こちらも利便性が高いということで、ビジネスローンが支持されている理由の一つです。
ただし担保もしくは保証人を用意できるのであれば、低金利での借り入れが可能です。

ローン会社としてみれば、もし債務者が返済不能になった場合、担保を差し押さえる、もしくは保証人に返済請求することができます。
つまり債権回収不能のリスクが低くなるわけです。
よって金利を低くして、法人にとってより有利な条件で貸付できるわけです。

担保は一般的には不動産を用意するのが一般的です。
不動産は法人名義で保有しているもののほかに、経営者や役員が個人的に保有している不動産も担保として差し出せます。
ただしもし返済不能になった場合、担保になっている不動産はローン会社に持っていかれるリスクのあることも理解しておきましょう。

保証人を用意することで、金利を低く抑えることができます。
ただし法人代表者を保証人にはできません。
基本的にビジネスローンを借り入れる際に、法人代表者は連帯保証人扱いになっているからです。

もし法人代表者を連帯保証人にしていないと、計画的に会社をつぶすようなこともされかねないからです。
たとえ法人が倒産しても、代表者を連帯保証人にしておけば個人に返済を求められるわけです。
計画倒産を防止するためにも、ビジネスローンを借りる際には代表者が連帯保証人になっているものと考えてください。

ほかの役員や家族など保証人になれるような人はいないか検討しましょう。
ただし保証人となれば、会社が返済不能になった場合にその人が肩代わりをしなければなりません。
そのリスクもしっかり説明したうえで、保証人になってくれるかどうか確認してください。

キャンペーンを活用する

ビジネスローンの中には、期間限定のキャンペーンを実施している場合もあるかもしれません。
キャンペーン期間中に申し込むと、何らかの恩恵が受けられる可能性があります。
ビジネスローンで借り入れようと思っているのであれば、どこかキャンペーンを実施しているところはないかチェックしてみるといいでしょう。

キャンペーン内容はローン会社によってまちまちです。
しかし多いのは一定期間無利息で借入できるものや従来よりも数パーセント金利が優遇されるキャンペーンなどです。
前者であれば、無利息期間中に完済できれば利息を一切支払わずに済みます。
後者の場合、2%優遇であれば利息の支払いをかなり抑制できます。

そのほかにもキャッシュバックキャンペーンを行っていたところがありました。
数カ月間利息分が全額キャッシュバックされれば、実質無利息で借入できたのと同じです。

またお金がもらえるキャンペーンが実施されたこともありました。
ビジネスローンに申し込んで借入すれば、現金がもらえるというキャンペーンです。
数千円程度もらえるキャンペーンも過去にはあったので、このようなキャンペーンの有無で借入先を検討するのも一考です。

低金利のビジネスローンを利用するにあたっての注意点

後々の返済のことを考えると、低金利のビジネスローンを利用したほうが利息の支払い額も少なくなるのでおすすめです。
ただし低金利の商品はビジネスローンの中でも審査は厳しめです。
準備を怠ると審査落ちしてしまって、資金調達できない恐れも出てきます。

低金利のビジネスローンを確実に利用するためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
1.不備のないようにする
2.先方を説得できる資料を準備しておく
3.複数の候補を残しておく
4.高金利のビジネスローンの利用も視野に入れる
以上、なぜ確実に借り入れるために必要なことなのか、以下で詳しく紹介します。

不備のないようにする

ビジネスローンの審査に落ちてしまう法人もありますが、その理由はただのケアレスミスだったという事例も決して少なくありません。
必要書類に不備があった、申し込みフォームに記入ミスなどが見つかったといったものです。
本来であれば、審査通過できるだけのスペックだった場合には余計にもったいないです。

まずは申し込みに必要になる書類に抜かりのないように準備してください。
一般的には法人代表者の本人確認書類と直近数期分の決算書、商業登記簿謄本などが必要です。
ただしビジネスローンによって必要な書類は異なりますので、申し込もうと思っているローン会社の公式ホームページを確認してください。

また近年はWeb申込に対応しているところも多いです。
来店しなくてもスマホやパソコンで手続きでき、24時間いつでも対応しているので本業が多忙な法人代表者にとって重宝するサービスです。

しかしネット申し込みでは、申し込みフォームにミスが起こりやすくなっているので注意が必要です。
入力ミスだけでなく、漢字の変換ミスで誤字脱字が起きてしまうこともあり得ます。
申し込みフォームの記入が完了したらすぐ送信するのではなく、いったん間違えているところはないか確認するといいでしょう。

先方を説得できる資料を準備しておく

ビジネスローンの審査は簡単に言えば、貸したお金を返してくれるかどうか確認するために行われます。
確実に返済できる、今後の事業できちんと収益が出せると先方が納得すれば、審査通過できる可能性は高いです。
そのためには事業計画書や返済計画書を作成して、提出するのがおすすめです。

事業計画書とは今後の事業内容や資金計画などを盛り込んだ資料を指します。
一方返済計画書は借入金に対して、いつどのように返済していくかまとめた資料です。
この両者が説得力のある内容であれば、ローン会社も信頼して貸し出せるでしょう。

そのためには客観的な見通しで説明することが大事です。
事業の見通しを売上など客観的な数字で指し示すことが大事です。

ちなみにローン会社によっては事業計画書や返済計画書など、オリジナルの書式が用意されている場合もあります。
書式が指摘されているのであれば、それに倣って書類を作成してください。

複数の候補を残しておく

最初に申し込んだところで確実に資金調達できる保証はありません。
とくに低金利にこだわって申し込み先を決めると、審査難易度が高く審査が否決される恐れも高まります。

最初から1つのローン会社に絞ってしまうと融資を断られた場合、一から次の申し込み先を見つけないといけません。
そうなると申し込みに手間取ってしまいます。

そこで滑り止めではありませんが、最初のローン会社でダメだったら別のところといった感じで複数候補を決めておきましょう。
目安としては3つのローン会社を候補として残しておけば、審査落ちになっても次の申し込みに向けてスムーズに動けます。

ただし複数のローン会社に一括で申し込むのは控えてください。
ローン会社は申し込み情報に関して信用情報を通じて、把握しているからです。
同時に複数の会社に申し込んでいることも、たちどころにしてわかります。

同時に複数のところに申し込んでいることがわかれば、「かなりお金に困っている法人なのでは?」と思われかねません。
資金繰りに窮してひっ迫している法人に貸し付けても、債権回収できない恐れがあります。
ネガティブに受け取られ、融資を断られてしまうかもしれません。

一つずつローン会社に申し込んで、ダメだった場合に次のところに申し込むようにしてください。

高金利のビジネスローンの利用も視野に入れる

もしどうしてもビジネスローンで資金調達を希望するのであれば、高金利商品も申し込むことを視野に入れておきましょう。
低金利だけを候補にしていると、審査難易度が高いので法人の経営状態によってはどこも融資してくれない可能性が出てきます。

そこで低金利のビジネスローンにいくつか申し込んで審査落ちになった時のために、高金利への申し込みも検討しましょう。
高金利の場合、返済時の負担は大きい一方で審査難易度は緩めです。
低金利では審査に落ちても、高金利の商品であれば貸し付けてくれるところも出てくるかもしれません。

低金利ビジネスローンのまとめ

ビジネスローンはほかの事業性資金を借り入れる方法、日本政策金融公庫や銀行融資と比較して金利は高めです。
しかし個別の商品を見てみると、ビジネスローンの中でも低めの利率で提供されているものもあります。
返済の負担を少しでも軽くしたければ、低金利のビジネスローンに申し込むといいでしょう。