栃木県でビジネスローンを自社の事業資金調達に活用したい。
栃木県で自社に合ったビジネスローンを選ぶには、まず栃木県経済の状況を知るところから始めましょう。そうすれば、自社が位置する栃木県の現況や、利用可能なビジネスローンの内容も、より吸収しやすくなるはずです。そこでこの記事は、銀行員が融資審査をする視点で解説しています。栃木県でビジネスローンを検討している人や、栃木で利用可能なビジネスローンはどこで取り扱っていて、どんな内容なのか?を知りたい人などは、ぜひ参考にしてください。

栃木県経済の現状は?〜ビジネスローンを栃木県で事業資金に活用するために必要な知識として

栃木県でビジネスローンを検討するときには、まず栃木県の経済がどういった状態なのか?を知ることが重要です。なぜかと言えば、自社がある栃木県がこれからどうなるのか?など経済状況が融資商品、融資の内容に大きく影響するからです。

栃木県の特徴と経済状況

(政府統計資料等より筆者調べ)

《地理的特徴》
 栃木県は関東地方に属し、群馬・茨城と合わせ「北関東地方」と呼ばれている
東北地方と首都圏の中間に位置し、東北新幹線や東北自動車道など主要交通網で関東と東北を結ぶ役割を果たしている

 栃木県の面積は6,4万k㎡で全国第20位
東西約84km、南北約98kmで、関東地方において最大の県
県内は14市11町で構成(村はない)

 県内は以下のようにエリアが分かれ、それぞれの地区で特色を持つ
「県北エリア」日光・那須など
「県央エリア」宇都宮市を中心
「県南エリア」小山市や佐野市など
県北エリアは日光連山などの山々が多く、県央エリア・県南エリアは関東平野の北部という位置から、現在も市街化が進んでいる

 都心から宇都宮まで車で2時間、新幹線なら約1時間弱と比較的近く、また首都圏へ移動する際は東北自動車道など、栃木県民の主要な移動手段は車となっているので、自動車保有率は全国3位と上位である

《人口、経済規模》
 人口は約190万人(令和4年現在)、人口規模は全国で19番目(令和2年国勢調査)

 経済規模を示す県内総生産は全国で15位(ちなみに上位は東京、大阪、愛知、神奈川、埼玉、兵庫、千葉、北海道、福岡、静岡、茨城、広島、京都、宮城そして栃木の順番)

 県民所得は6兆 545億円(令和2年) 1人当たりの県民所得は全国平均を約15万円上回っている

《産業》
 栃木県の製造品出荷額は約8.2兆円と全国屈指の規模で、製造業が県内経済を牽引する「ものづくり県」になっている
その中でも自動車・航空・産業用輸送機械、医療関連が特に集積している
またその他の特徴として
◯県内総生産における製造業の割合は高く全国3位(平成26年)
◯工場が立地する件数:全国6位(平成29年)
◯工場面積全国2位(平成29年)
といったように製造業が盛んな県と言える

 益子焼、結城紬など栃木県伝統工芸品(57品目)の保存にも努めている

栃木県経済の今後は?

政府や県、シンクタンク等による栃木県経済の今後の展望は、主に以下のとおりです。

 <栃木県経済・今後の展望>
《県内経済全体》
 コロナ禍をようやく脱し、栃木県内経済は全体で「持ち直し」の動きが続いている
 いっぽう生産活動は一進一退の動きで、全体的には「横ばい」で推移
 小売業販売額では前年を上回る推移で、個人消費は「堅調な推移」が続く
 個人消費も「緩やかな回復」基調

《雇用情勢》
 非製造業などを中心に人手不足問題が顕在化し、サービス供給が滞る恐れがある
 企業からも人手不足の声が多く聞かれる状況
 また、より良い労働条件を求め自発的離職の増加もあり、労働者にとっては有利な雇用情勢がしばらく続くと思われる

《設備投資》
 設備投資は「横ばい」
 設備投資を実施した、あるいは近年中に予定している企業の割合は、製造業では上昇しているいっぽう、非製造業では低下傾向になるなど、業種感でばらつきあり
 今後の設備投資も急速・大幅な伸びは見込めない状況

《住宅着工数》
 建築費や原材料の上昇が阻害要因となり、住宅着工が減少していると考えられ、今後も好調な推移は望めない状況
 そのため団地など、公共投資による新設住宅着工戸数は前年を下回る状況が続く

栃木県で利用できるビジネスローン〜ビジネスローンを栃木県で事業資金に活用する具体策

栃木県にある金融機関と消費者金融は以下の通りです。
(*金融機関は全国規模のメガバンク、及びJA・ろうきんなどは除くノンバンクは消費者金融大手以外の、地元中小消費者金融)

【地方金融機関】
 地方銀行(第1地銀)1
 地方銀行(第2地銀)1
 信用金庫6

【地元中小消費者金融】
 地元中小消費者金融6(*)
(*登録を受けた正規業者で日本貸金業協会の会員の数 ただし貸金業者の登録があるすべての業者が融資を扱っているわけではありません)

栃木のビジネスローン【ノンバンク・消費者金融大手】

栃木県でビジネスローンを扱う、全国規模のノンバンク・消費者金融大手のビジネスローンは主に以下のような内容です。(*ここでは個人事業主向けをピックアップしています)

<栃木県・消費者金融大手Aビジネスローン>
● 利用者:個人事業主
● 借入金額:最大300万円まで
● 金利:最大年17.8%
● 返済年数(回数):80回まで
● 担保・連帯保証人:原則不要

<栃木県・消費者金融大手Bビジネスローン>
● 利用者:個人事業主
● 借入金額:最大300万円まで
● 金利:最大年18.0%
● 返済年数(回数):89回まで
● 担保・連帯保証人:原則不要

<栃木県・消費者金融大手Cビジネスローンの例>
● 利用者:個人事業主、法人の代表者(個人)
● 借入金額:最大1千万円まで
● 金利:最大年18.0%
● 返済年数(回数):60回まで
● 担保・連帯保証人:原則不要

栃木のビジネスローン【地元中小消費者金融】

栃木県の地元中小消費者金融で扱っているビジネスローンは以下の内容です。

<栃木県・地元中小消費者金融Dビジネスローン>
● 利用者:個人事業主
● 借入金額:最大100万円まで
● 金利:最大年18.0%
● 返済年数(回数):96回まで
● 担保・連帯保証人:原則不要

<栃木県・地元中小消費者金融Eビジネスローン>
● 利用者:個人事業主
● 借入金額:最大2千万円まで
● 金利:最大年15.0%
● 返済年数(回数):60回まで
● 担保・連帯保証人:原則不要

地元中小消費者金融の場合、融資の内容等に関する情報量が少ないので、いちがいに大手と比べてどうなのか?などが見えにくいところがありますので、利用条件などはご自身で確認してください。

栃木のビジネスローン【金融機関】

栃木県の地方金融機関で利用できるビジネスローンは、以下のようになっています。

<栃木県・銀行Fビジネスローン>
● 利用者:個人事業主、法人
● 借入金額:最大500万円まで
● 金利:最大年14.0%
● 返済年数(回数):120回まで
● 担保・連帯保証人:原則不要

<栃木県・銀行Gビジネスローン>
● 利用者:個人事業主、法人
● 借入金額:最大1千万円まで
● 金利:最大年12.0%
● 返済年数(回数):120回まで
● 担保・連帯保証人:原則不要

栃木のビジネスローン【制度融資】

県や市町村などがサポートする低利な融資が制度融資です。栃木県でもさまざまな制度融資があります。

 <栃木県県制度融資・「小規模企業資金」>
● 利用者:個人事業主、法人
● 借入金額:最大3千万円まで
● 金利:最大年1.8%
● 返済年数(回数):120回まで
● 担保・連帯保証人:原則不要
● 信用保証協会の保証が必須

 <栃木県県制度融資・「産業政策推進資金」>
● 利用者:個人事業主、法人(県の推進政策により認可を受けるなど条件あり)
● 借入金額:最大1億円まで
● 金利:最大年2.2%
● 返済年数(回数):120回まで
● 担保・連帯保証人:原則不要
● 信用保証協会の保証が必須

 <栃木県日光市制度融資・「日光市中小企業振興資金・運転資金」>
● 利用者:個人事業主、法人
● 借入金額:最大2千万円まで
● 金利:最大年2.0%
● 返済年数(回数):84回まで
● 担保・連帯保証人:原則不要
● 信用保証協会の保証が必須

ビジネスローンを栃木県で事業資金に活用する~まとめ

今回は栃木県のビジネスローンについて説明しました。栃木県経済は上向きになっているとは言っても、先行きは決して明るい話ばかりではありません。
しかしながら、それだからこそビジネスローンを上手に利用するには、なんといっても情報をしっかり把握することが重要になってきます。たとえばビジネスローンでも「栃木県 ビジネスローン」でネット検索してノンバンクの融資を見ると、ビジネスローンの名前でも「不動産担保ローン」(不動産を担保にした事業性融資)も含まれることがありますが、これは担保にできる不動産がない人は利用できません。このようにネット検索一つをとっても情報収集と、その情報の中身・質も大事になってきますので、この記事が参考になれば幸いです。