ノンバンクの選び方について、ノンバンクは銀行以外の金融機関が行っている融資方法です。最初に銀行の融資との違いを理解しましょう。ノンバンクは銀行より審査が緩めと言われていますが、選び方を間違えてしまうと、高い金利を長期間払う羽目になったり、違法な闇金業者に巻き込まれてトラブルになったりします。今回はノンバンクと銀行の違い、選び方と注意点について解説します。

ノンバンクとは銀行以外の金融機関

ノンバンクとは、銀行以外の金融機関で、大きな違いは預貯金機能を持っているかどうかになります。銀行には、大手や地方、ネット銀行のほかにも、信用金庫、信用組合、農協(JAバンク)なども含まれます。なお、証券会社や保険会社も預貯金機能が無い金融機関で融資なども行っていますが、ノンバンクには該当しません。具体的なノンバンクは以下の所が該当します。

1.消費者金融
2.クレジットカード会社
3.信販会社
4.リース会社
5.ベンチャー・キャピタル

以下、詳しくみていきましょう。

1.消費者金融

消費者金融はノンバンクの代表格です。かつてはサラ金などと呼ばれていたノンバンクで、悪いイメージがありましたが、最近は銀行系の傘下に収まり、法律により利息も以前より低くなっています。急な出費がでたときに利用するのにとても便利です。

2.クレジットカード会社

クレジットカード会社もノンバンク系です。ショッピングとは別にキャッシング枠を設けているカードの場合は、限度額まで現金の引き出しが可能です。キャッシングは以前は一括返済が中心でしたが、最近はリボ払いのところも多く、消費者金融同様に利用しやすいです。

3.信販会社

信販会社はローン会社で高額商品を購入する際に建て替えて毎月利息込みで返済するサービスを行っています。信販会社も現金の融資を行うようになっています。

4.リース会社

リース会社もノンバンクのひとつです。設備を長期に貸し出し(リース)することで毎月決まった料金をリース会社に支払います。事実上の融資と同じ状態でありながら、現金の融資では無いので借入枠が温存できるというメリットがあります。

5.ベンチャー・キャピタル

未上場のベンチャー企業に出資し、株式を取得しておき企業が株式を公開(上場)し、株価が上がった時に株式を売却して利益を得る会社です。あくまで出資なので融資ではないのと、将来株式公開以上の成長が認められる企業でないと資金提供はしてもらえません。

ノンバンクと銀行の違いとは

ノンバンクと銀行には預貯金機能の有無以外にも複数の違いがあります。

1.法律が違う(総量規制がある)
2.金利が違う
3.借入までの時間が違う
4.借入の目的が問われない

以下、4点について詳しくみていきましょう。

1.法律が違う(総量規制がある)

ノンバンクと銀行では関係する法律が違います。ノンバンクは貸金業法に対して銀行は銀行法で管理されています。貸金業法には総量規制と呼ばれる年収の3分の1までの融資という決まりごとがありますが、銀行法には総量規制は含まれていないので、銀行が企業に成長性があり、十分資金回収できると判断すれば、いくらでも融資してくれます。

2.金利が違う

一般的にノンバンクは金利が高めで、特に最初に借りる場合は、18%という利息の制限法ぎりぎりの金利が設定されています。銀行は上限金利が少し低めで、信頼関係や融資額の高さによっては3%以下という低金利での融資があります。

3.借入までの時間が違う

金融機関や金融商品によっても違いがありますが、一般的に銀行は審査に時間がかかり最短でも融資まで数日先になるのに対して、ノンバンクは審査が早く最速で即日融資をしてもらえます。

4.借入の目的が問われない

一般的に銀行の融資の場合は、住宅や自動車といった目的別の融資制度があり、目的以外の理由で融資を受けた資金を利用することはできません。しかし、ノンバンクのカードローンの場合は、使途目的が自由で問われることはありません。

ノンバンクのメリット

ノンバンクからの融資をうまく選ぶと結構多くのメリットがあります。

1.提出書類が少なく審査が早い
2.赤字や税金の滞納中でも利用できる可能性がある
3.金利は見直されることが多い
4.即日融資がある

これらのメリットについて、以下に詳しく解説します。

1.提出書類が少なく審査が早い

ノンバンクの融資の場合は、提出する書類が少ないメリットがあります。基本的に安定収入があって信用情報に記録(ブラックリスト)が無ければ借りられるため、提出書類が少ないのと審査が早いというメリットがあります。

2.赤字や税金の滞納中でも利用できる可能性がある

銀行の融資の場合、赤字だったり税金が滞納していたりという事態であれば、ほぼ融資は受けられません。しかしノンバンクの場合は、絶対ではありませんが、条件さえ整えば審査に通って融資が受けられる可能性があります。

3.金利は見直されることが多い

最初のうちは高い金利になりますが、実績がついてくれば金利が見直されることが多いです。また初回に限り30日間無利息といったキャンペーンがあるのもノンバンク系融資の特徴です。

4.即日融資がある

ノンバンク系は、パソコンやスマホでの申し込みが簡単にできるようになっており、申し込んでからすぐに審査が始まり最速20分程度で審査結果が出るところもあります。そして午前中に申し込めばその比重に融資があり銀行口座に振り込まれます。

ノンバンクのデメリット

残念ながらノンバンクにはデメリットも存在します。

1.借入限度額が低い
2.金利が高い
3.総量規制がある
4.専業主婦は借りられない

上記のデメリットを理解することがノンバンクを上手に選ぶコツになります。詳しくみていきましょう。

1.借入限度額が低い

ノンバンクは銀行などの融資と比べて借入限度額が低いです。最も高いところでも800万が上限金利のため、数千万から億単位の融資も可能な銀行と比べると限度額が低いというデメリットがあります。

2.金利が高い

ノンバンク系は基本的に金利が高いのがデメリットです。ノンバンク系は銀行系では融資が受けられないような人も融資が受けられる商品で、どうしても資金回収が危うい人が含まれている場合があり、貸し倒れのリスクを考慮して金利を高めに設定しています。

3.総量規制がある

ノンバンク系は貸金業法によって管理されています。貸金業法には総量規制があるため、既に融資を受けている場合など、期待通りの融資額を受けられない可能性が高いです。

4.専業主婦は借りられない

ノンバンクの融資条件に毎月安定した収入という項目があります。パートやアルバイトをしていれば問題がありませんが、無職の専業主婦の場合は対象外となり融資は受けられません。銀行の場合、配偶者に毎月安定した収入があれば融資を受けられる場合があるので、専業主婦でも融資が受けられる場合があります。

ノンバンクの融資が向いている人

ノンバンクの融資が向いている人にはどんな人が該当するのでしょうか?

1.今すぐ借りたい方
2.少額を借りたい方
3.短期間で完済できる見込みがある方

上記3店について詳しくみていきましょう。

1.今すぐ借りたい方

すぐに資金が必要な方は、ノンバンクのカードローンはとても強い味方です。午前中に申し込み、審査が通れば即日融資をしてくれます。午後以降、夕方に申し込むと審査に通っても翌日融資になる場合があるので注意しましょう。

2.少額を借りたい方

少額の運転資金などに充当する場合には、ノンバンクはとても便利です。金利が高いのと総量規制やそもそもの借入限度額が低いので、大きな設備購入のような融資には向いていません。

3.短期間で完済できる見込みがある方

ノンバンクは短期で返済できるときに利用したほうが得策です。金利が高いので長期に借りると金利を多めに支払う羽目になります。

ノンバンクを選ぶときに注意すべき点

ノンバンクを選ぶときには安易に利用すると後で思っていたのと違うことになって後悔することになります。ノンバンクを選ぶ際に注意する点がいくつかあります。

1.返済計画をしっかりと決める
2.利息の仕組みを把握する
3.闇金・違法業者には注意する
4.個人信用情報に記録があると借り入れが困難
5.融資以外の資金調達方法もある

以下、詳しく注意点をみていきましょう。

1.返済計画をしっかりと決める

ノンバンクからの融資を受ける際には返済計画をあらかじめ決めておきましょう。金利が高いので無計画に借りると金利を多く払ってしまうことになります。

2.利息の仕組みを把握する

ノンバンクのカードローンの場合、指定された限度額以内であれば繰り返し借りることができます。そのため利息が予想以上に多く支払う恐れがあるので、利息の仕組みを把握したうえで利用しないと後で損をすることになります。

3.闇金・違法業者には注意する

ノンバンクの金融業者の中には、貸金業法に登録していない闇金業者がまぎれている場合があります。見た目は正統派の金融機関のように見せていますが、実は闇金の違法業者である場合もあり、後で大きなトラブルに巻き込まれる恐れがあります。できればあまり聞きなれない金融機関の場合は、闇金業者の可能性があるので、誰もが知っているような有名なところから借りるようにしましょう。

4.個人信用情報に記録があると借り入れが困難

ノンバンクは銀行などと比べると融資はやりやすいと言われています。しかし過去に金融事故を起こすなどをしていると個人の信用情報に記録(ブラックリスト)が残っていると、借入は困難です。いちど記録されると数年間は消えないのでそのような事故を起こさないようにしましょう。

5.融資以外の資金調達方法もある

ノンバンクの融資で資金調達が厳しい場合でも闇金に手を出してはいけません、融資以外の資金調達として売掛債権を現金化するファクタリングという方法もあります。ファクタリングなら融資ではなく借入金でも負債でもなく資産が移動するだけなので経営面でも健全です。

ノンバンク選び方まとめ

ノンバンクは短期でかつ少額で急ぎに現金が必要な時にとても便利な資金調達方法です。ただノンバンクには違法な闇金業者が紛れている場合があるので注意が必要です。その他にも金利が高いというデメリットがあるため、返済計画や利息の仕組みをしっかり理解しながら利用しないと金利を多く支払う結果になります。