事業資金を融資でまかなおうと思っても、銀行の融資審査に落ちてしまうことがあります。落ちるということは、提出した資料に何か問題があったということです。それは代表者や企業の信用情報かもしれませんし、決算書や事業計画書などの経営内容によるものかもしれません。
何が原因かわからなかったり、審査される内容に自信がなかったりする場合には、審査なしの融資を検討したくなるでしょう。では、審査なしの融資は存在するのでしょうか。

審査なしで融資を受けることは可能なのか

残念ながら、審査なしで融資を受けることはほぼ無理です。
融資における審査は、返済可能かどうかを判断するために大切なものです。そのため、審査なしで融資をしてくれる金融機関はほとんど存在しません。返済されなければ損害を受けるからです。

また貸金業法第十三条 において、貸金業者は融資をする相手の返済能力を調査するように義務付けられています。そのため、貸金業者が審査なしでビジネスローンを提供している場合、違法の可能性があります。
銀行や貸金業者から審査なしで融資を受けることは難しいと考えてください。

しかし審査なしとまではいかなくても、審査が比較的簡単な融資は存在します。詳しく見ていきましょう。

審査なしを望むならビジネスローン

審査なしではありませんが、審査が比較的簡単な借り入れはビジネスローンです。
ビジネスローンは個人事業主や法人が契約できるローンで、銀行や消費者金融などが提供しています。銀行で通常受けられる融資は審査が厳しく、準備が必要です。さらに融資までの時間がかかり、急ぎの借り入れには向きません。

しかしビジネスローンであれば、審査が比較的簡単で最短即日の融資にも対応しています。消費者金融などノンバンクが提供しているビジネスローンは、とくに審査に通りやすいとされています。銀行融資の審査が通らなかった時には、ノンバンクのビジネスローンが選択肢となるでしょう。

ノンバンクとは

ノンバンクとは、銀行系以外の金融機関です。お金を貸すことをメインとした貸金業者で、貸金業法に基づいて都道府県に貸金業者として登録されています。

しかし審査なしを謳う業者には、貸金業者として登録されていない違法な業者が紛れている可能性もあります。トラブルに巻き込まれないよう注意してください。
貸金業者として登録されているかどうかは金融庁のホームページから検索できます。
また、貸金業者として登録されていながら違法な行為をする業者も存在します。取引業者が怪しいと感じた時には消費者センター等に相談しましょう。

審査なしに近いビジネスローンの見分け方

ビジネスローンは種類がとても豊富です。一般的なビジネスローンは無担保・無保証で融資限度額も低いものが多いですが、担保を利用した高額融資を受け付けている業者もあります。選択肢の多さはノンバンクが提供するビジネスローンのメリットです。状況に応じて利用しやすそうな業者を探してみてください。
では、審査なしに近いビジネスローンの特徴を見ていきましょう。

ビジネスローンを専門としている

ビジネスローンを専門とした業者はそれ相応のノウハウがあり、独自の審査基準を持っていることがあります。審査なしとはいかなくても、銀行の審査よりも柔軟な基準であることが一般的です。

即日の融資に対応している

審査なしに近いビジネスローンは、即日融資などスピーディーな対応をしています。審査項目が多ければ多いほど審査に時間がかかりますが、審査項目が少ないほど審査は短時間で終わります。

提出書類が少ない

審査なしに近いビジネスローンは、提出する書類も少なくなります。ただし提出する書類がまったくない場合には、信用情報を重要視している可能性が高く、注意が必要です。

信用情報とは、クレジットカード・ローンの申し込みや利用状況をまとめた情報です。滞納や未納があった場合にもその情報は一定期間記録されています。信用情報に事故があると、銀行などからの融資はほぼ受けられません。
逆に提出書類がある場合にはそちらも併せて評価してもらえるため、信用情報に事故があっても審査に通る可能性があります。提出書類があるからといって融資に不利になるわけではありません。信用情報に自信がない場合には決算書や事業計画書などを提出した方が良いこともあります。

上限金利が高い

貸し倒れを防ぐため、審査を甘くする代わりに金利を高くしていることがあります。上限金利の高いビジネスローンはそれだけ審査なしに近いと言えます。ただし金利が高すぎる場合には違法な業者の可能性もあります。貸金業の登録がされているか確認しましょう。

審査なしではないけれど、ビジネスローンを借りやすくする方法

審査なしではありませんが、審査内容に自信がなくても次の内容に注意することでビジネスローンが借りやすくなります。

担保を利用する

無担保・無保証で提供されているビジネスローンが多いですが、担保を利用することで借りやすくなることもあります。担保を受け付けているかどうかは業者によって違うので、問い合わせてみると良いでしょう。
担保として利用できる可能性があるものは、不動産や売掛債権などです。

税金の未納がある場合には完済する

税金の未納がある場合にも返済能力がないと判断されることがあります。税金の支払いが難しい場合には税務署へ相談し、対応方法を検討してください。税務署の許可を得て支払いの対応をしている場合には、それを貸金業者に伝えることで考慮してもらえる可能性があります。

融資希望額を少なく設定する

企業の信用に見合わない金額のビジネスローンは組めません。審査に自信がない場合には少額の融資を検討しましょう。

申込内容に不備がないようにする

審査内容に不安があるからと言って虚偽の申告をしたり、申込内容に誤りがあったりすると、審査に通過しにくくなります。正確な情報で審査してもらいましょう。

信用保証の審査に対応する

無担保・無保証であることが多いビジネスローンは、契約時に信用保証会社の保証を利用することがあります。信用保証とは、保証会社に手数料を支払うことで保証人となってもらう制度です。万が一の際には保証会社に債務を立て替えてもらい、保証会社へと返済していくことになります。信用保証会社の審査に通るよう、準備をすると良いでしょう。

ビジネスローンの代わりに利用できる資金調達方法

審査なしでビジネスローンを組むことはできません。どうしても審査なしで資金調達をしたい場合には、ビジネスローン以外の方法も検討してください。

ファクタリングを利用する

所有している売掛債権を現金化する方法がファクタリングです。
売掛金の支払い期日前に現金として利用できます。ファクタリングにも審査はありますが、売掛先である取引先企業の信用が重視されます。売掛金が確実に支払われるかどうかを判断するためです。ファクタリングを利用しようとしている側の信用度は取引先ほど重視されないため、審査なしでの融資を希望する場合に利用しやすい方法と言えるでしょう。

友人・知人から借りる

経営者の貸し付けや、友人・知人からの借り入れであれば審査なしで資金調達が可能です。個人から借り入れをおこなう場合には、トラブルを避けるために借用書を用意するようにしましょう。

審査なしでビジネスローンを借りる方法のまとめ

審査なしで融資を受けることはほぼできません。しかし審査なしではありませんが、ビジネスローンであれば比較的簡単に利用できます。ノンバンクのビジネスローンを利用すると良いでしょう。審査を通りやすくするには、担保の利用や希望額を少なくする方法があります。また、どうしても審査なしを希望する場合には、ファクタリングなど別の方法を検討してください。