事業資金を工面したいのに融資が受けられない場合、審査が通りやすい金融業者を探すのが一般的です。

中には、「闇金」で借りるのは怖いから「ソフト闇金」を利用することを検討している方もいるかもしれません。

しかし、「ソフト」という言葉に惑わされて気軽に利用してしまうのは大変危険です。

今回は、ソフト闇金の特徴や注意点などを解説していくので、利用する前にぜひ参考にしてください。

また、ソフト闇金以外の資金調達方法についても紹介するので、自分に合った方法で事業資金を用意しましょう。

ソフト闇金とは

ソフト闇金は、闇金の中でも利用者への対応が丁寧な業者を指します。

「闇金」と聞くと、取り立てが厳しかったり違法な高金利で貸し付けたりするイメージを持つ方も多いでしょう。それに対して「ソフト闇金」は、ハードな取り立てがなく親身に相談に乗ってくれるケースが多いのが特徴です。

しかし、対応が丁寧なだけで闇金であることに変わりありません。ソフト闇金は違法業者だということに注意してください。

「ソフト」という言葉や接客態度に惑わされず、利用する金融業者はしっかり見極めましょう。

ソフト闇金のビジネスローンの注意点

ソフト金融のビジネスローンを利用する際の注意点について解説します。
利用者のリスクが大きいので、ソフト闇金で借入するのは極力避けましょう。

法外な利息を払わされる

ソフト闇金も闇金と同様に、法外な利息を請求されるケースがほとんどです。

10日間の借入で30%以上の利息がつく場合も珍しくありません。
たとえば、「10日で30%」の金利で借入した場合の10日後の返済総額を考えてみましょう。
・10万円:13万円(+3万円)
・50万円:65万円(+15万円)
・100万円:130万円(+30万円)

これだけ金利が高いと、借入期間や金額によっては完済が非常に難しくなってしまいます。

返済できないと嫌がらせを受ける場合がある

なかなか返済ができない場合に、嫌がらせを受ける可能性があります。

ソフト闇金は、暴力的な取り立てが行われるケースが少ない代わりに、返済できない債務者を精神的に追い詰めるような嫌がらせをする業者も存在します。

親族や友人に対して弁済を求めたり、滞納している事実をバラされたりするリスクもあり注意が必要です。

執拗な嫌がらせに困った場合は、弁護士や司法書士に相談して解決しましょう。

詐欺の可能性がある

借入の際に、保証金を用意するように指示を受けたら要注意です。

借入する前に保証金を振り込ませて融資を行わずに音信不通になる場合が多く、このような手口を「融資保証金詐欺」と言います。

融資保証金詐欺の特徴は以下です。
・融資額の5〜10%ほどの金額を借入前に入金するよう求める
・電話・FAX・メールなど、さまざまな手段で勧誘してくる

ソフト闇金は違法業者のため、このような詐欺行為を平気でしてくるので注意しましょう。

個人情報が流出するリスクが高い

ソフト闇金で借入する際に提示した身分証などから、個人情報が流出する恐れがあります。

特に、延滞など利用上のトラブルがあった場合に、他の闇金業者や犯罪組織に個人情報が開示されてしまうリスクは避けられません。

実際に、利用規約を守らなかった場合に個人情報を流出させることを宣言している業者も存在するようです。

最悪の場合、犯罪に巻き込まれてしまう可能性もあるので、ソフト闇金業者とは最初から関わらないようにしましょう。

ソフト闇金のビジネスローンの特徴

ソフト闇金のビジネスローンの特徴を紹介するので、悪徳業者の見極めに役立ててください。

異常に低い金利

法外な金利での借入は誰もが避けると思いますが、異常なほど金利が低い場合にも注意が必要です。

通常、一般の貸金業者は審査が通りやすい代わりに銀行より金利が高い傾向があります。しかし、銀行と同水準の1〜2%ほどの金利での貸付を謳っている場合は詐欺を疑ったほうが良いでしょう。

超低金利をアピールして利用を促している場合があるので、利率だけで業者を選ばないように気をつけてください。

審査がない

信用情報に自信がない方にとって審査がないのは一見良さそうに感じます。
しかし、他の融資を断られた人をターゲットにしている悪徳業者は少なくありません。

以下のような内容をアピールしていたら要注意です。
・ブラックリストに載っていても利用できる
・在籍確認はなし
・即日融資

そのほか、スマホで手続きが完結するなどの利便性を売りにしている場合も、申し込みのハードルを下げる手口の可能性があります。

会社情報の記載がない

ソフト闇金は、電話やメールで貸付を行っているケースが多く、実店舗を持たない傾向があります。

よくあるのは、ホームページがなく代表者や固定電話の番号が確認できないケースです。また、ホームページがあっても、実在しない住所を記載しているということも少なからずあるようです。
このような場合、警察に目をつけられないように対策していると考えられます。

少しでも怪しいと思ったら、Googleマップなどで住所検索してみて業者が実在するか調べてみましょう。

勧誘がくる

誰でも借りられることを謳って、メール・FAX・チラシなどで勧誘してくる場合は悪徳業者の可能性が高いです。

優良な貸金業者であれば、このような勧誘をしなくても利用者が集まるでしょう。
しかし、違法な貸付を行っているとリピーターがつきにくく、常に新規顧客を獲得する必要があるため、利用実績がない法人に向けて執拗に勧誘していると考えられます。

少しでも反応してしまうとしつこく勧誘を受ける可能性が高いので、無視するのが効果的です。

優良な貸金業者のチェックポイント

次に、悪徳業者を避けてビジネスローンを利用するためのチェックポイントを紹介していきます。

貸金業者の認可を受けている

貸金業者として営業するには、貸金業法に則って業務を行わなければいけません。
法律の範囲で貸金業を行っていると認められるには、貸金業者としての登録申請が必要です。

登録が完了すると「貸金業登録番号」が交付されるため、この番号を確認することで認可を受けて営業している業者か判断できます。まずは、貸金業者のホームページなどに登録番号の記載があるかチェックしてみてください。

番号を見つけたら、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で検索して業者の情報を確認してみましょう。

日本貸金業協会に加盟している

日本貸金業協会は、貸金業者の運営が適正に行われることを目的とした機関です。

貸金業を営む上で、日本貸金業協会に加盟することは必須ではありません。
しかし、日本貸金業協会の会員となることで、自主ルールや法令を遵守する「コンプライアンス態勢が整っている貸金業者」であることの証明になります。

より安心して利用できる貸金業者を探している場合は、協会員の証である「ゆずり葉マーク」を探してみましょう。

なるべく大手を選ぶ

名の知れた大手の業者を選ぶことで、悪徳業者と取引するリスクを回避できます。

小規模な貸金業者はコンプライアンス意識が低い場合もあり、厳しい取り立てが行われる可能性がないとは言い切れません。

しかし、大手であれば債務不履行時での対応体制が整っており、コンプライアンスに沿った対応が可能です。

また、大手は自社のホームページがある場合がほとんどなので、会社概要などの透明性が高く安心です。

ソフト闇金以外で審査が通りやすいビジネスローンの特徴

ソフト闇金以外で審査が通りやすいビジネスローンには、以下の特徴があります。

ノンバンクが提供している

銀行よりノンバンクのビジネスローンのほうが審査に通りやすい傾向があります。
銀行の融資は提出する書類や審査項目が多いですが、ノンバンクは独自の審査基準を設けている場合もあり、銀行よりも審査が厳しくないのが一般的です。

そのため、銀行のビジネスローンは融資までに1ヶ月ほどかかるケースもありますが、ノンバンクは最短即日で資金調達できます。

銀行と比較すると金利が高い傾向がありますが、急いで事業資金を調達したい方におすすめです。

有担保のローン

有担保ローンは、無担保のローンに比べて審査が通りやすいです。

借入の際に担保を用意することで、金融機関が資金を回収できないリスクに備えることができ、借入を認めてもらいやすくなります。

特に、不動産などの価値が高いものを担保にすると、融資を低金利で受けられる可能性があります。

ただし、車などの動産は担保として認められない場合もあるので注意しましょう。

上限金利が高い

上限金利の高さも、審査が通りやすい要因の一つです。
上限金利を高めに設定することで貸し倒れリスクの対策となるため、金利が高くつくことに目をつぶれば利用しやすいローンといえます。

ただし、上限金利は融資額によって年15〜20%と決まっているので、この基準を逸脱していないか必ず確認してください。

借入限度額が低い

借入限度額が比較的低く設定されている場合も、柔軟に審査してもらえる可能性があります。これは、返済能力を超えた貸付を行わないことで金融機関のリスクが抑えられるためです。

この場合も金利が高めであることが多いため、返済期間を短縮するなどして対策しましょう。

ソフト闇金のビジネスローンのほかに資金調達する方法

ソフト闇金のビジネスローンのほかに事業資金を調達する方法について解説します。

公的な機関を利用する

ほかに事業資金を調達する方法がない場合、公的機関を利用するのも一つの手です。

創業や経営強化など、自社に合わせた制度を選ぶことで有効に活用できます。
・日本政策金融公庫の融資
・地方自治体の補助金・助成金制度

ただし、自治体の補助金・助成金制度は基本的にあと払いなので注意してください。

日本政策金融公庫は、中小企業等の融資について相談に乗ってくれるので、ブラックリスト入りしていても諦めずに申し込んでみましょう。

ファクタリング

安全かつスピーディーに資金調達したい方には、ファクタリングをおすすめします。

ファクタリングは売掛債権を買い取るサービスのため、未来に受け取る資金を現金化するイメージです。

ファクタリングの大きな特徴として、審査対象が自社ではなく売掛先であるということが挙げられます。借入とは異なり負債として計上されないため、自社の信頼情報が保てるのもメリットです。

信頼情報に自信がない場合でも利用できる可能性があるので、検討してみてください。

ソフト闇金のビジネスローンのまとめ

ソフト闇金は、闇金より丁寧な対応が受けられます。
しかし、本質は闇金と変わらないので、「ソフト」という言葉に惑わされないように注意してください。

ソフト闇金は闇金と同じく、利用者にとってのリスクが大きいためおすすめしません。
今回紹介したソフト闇金以外の資金調達方法などを参考にして、資金繰りの改善を図りましょう。