担保がいらない資金調達法としてビジネスローンを認識している人も多いでしょう。この担保や保証人が不要な事が、ビジネスローンの魅力の一つです。しかし、中には担保有りのビジネスローンもあります。銀行の通常の融資よりもスピード感のある高額な融資を可能にしており、中小企業にとってはチェックしておきたい資金調達方法です。この記事では、有担保型ビジネスローンに関して様々な情報を解説していきます。
目次
有担保型ビジネスローンとは
ビジネスローンは若年層でも安心してローンを組めるという事も利点でしたが、一定以上の規模の会社にとっては物足りない融資額になってしまう場合も多くあります。
しかし、ビジネスローンの中には中規模程度の会社でもしっかりとした金額のビジネスローンが組めるものがあります。それが何らかの担保を用意する事であり、融資の金額を引き上げたいならば、こうした担保を準備する事を検討した方がいいでしょう。
有担保型ビジネスローンのメリッとデメリット
有担保の場合には、審査のスピード感が無くなってしまいますが、その代わりに、高額な融資も可能になります。担保有りにも無しにも良い点と悪い点があり、自分自身に合ったビジネスローンを選択するといいでしょう。
有担保型ビジネスローンのメリット
事業を行う上で、なるべく自社の方針に合った資金調達法を利用する事は重要です。そのためにはその資金調達法がどんなメリットが持っているのかを知っておく必要があります。有担保であるビジネスローンにも様々な利点があり、利用したいと考えているならしっかりとメリットを理解しておいた方がいいでしょう。次のポイントが、このタイプのメリットとなっています。
・有担保次第で高額の融資も可能
・審査は銀行よりは通りやすい
・金利が低い
まずは、担保によって融資金額が高額になるというメリットを紹介していきます。担保があると、しっかりとした金額を融資してもらえます。無担保型のビジネスローンでは、それほどの高額な融資は期待できません。ビジネスローンの強みは素早い融資と低金利にあります。これらを実現するために、低い融資額を設定しているという面があるのです。
しかし、有担保型であれば、より高額な融資を可能にします。不動産担保融資などでは、億単位のローンを組む事も不可能ではないため、こうしたモノが用意できるのであれば、有担保型のビジネスローンを選択肢に入れるといいでしょう。
担保を用意すると、その資産価値の審査に入ります。しかし、審査は銀行よりは通りやすいというメリットが存在します。銀行の融資であると、高額で長期間の融資になるために、多くの審査ポイントが設けられています。
しかし、ビジネスローンの審査はどんな種類であっても銀行の融資ほど厳格なモノではありません。そのため、無担保型よりは時間がかかりますが、銀行よりは審査通過までに時間がかからないという事もメリットとして知っておきましょう。
金利が低いという事はこのタイプのビジネスローンの特徴の一つと言えます。有担保型は信用性が高いビジネスローンになります。特に、担保にしたものの価値が高いと、金利も低く設定される傾向にあります。金利が低いという事は月々の返済額が低くなるという利点があり、総返済額が小さくなります。中小企業にとっては経済的な圧迫が少なくなります。
有担保型ビジネスローンのデメリット
ここまでは利点を見ていきましたが、有担保型ビジネスローンにはデメリットがいくつか存在します。次の2点がデメリットです。この点は注意が必要なポイントとなるので、しっかりと解説していきます。
・消費者金融より審査時間が必要
・担保の所有権をなくす可能性がある
まずは、審査時間に関するデメリットです。消費者金融より審査時間が必要という事は覚悟しておかなければいけません。即日で手続きから融資までが終わるローンは少ない書類で審査が行われ、スコアリング審査などを使って機械的に審査が終わります。そのため、即日での融資が可能になっているのです。
しかし、このタイプのビジネスローンでは、担保の資産価値を決めるために審査に時間がかかってしまう事は避けられません。すぐに現金が欲しいという緊急性がある場合には、担保の審査が必要となるタイプのビジネスローンはお勧めできません。
こうした理由からこうしたタイプのビジネスローンを利用する場合には、時間的に余裕があるかどうかを見極めて審査を受ける事が重要です。
担保の所有権をなくす可能性があるという事は忘れてはいけません。担保は返済が滞った時に、手放す事になります。無担保型のビジネスローンでは返済が滞っても信用情報に傷がつくというリスクはあります。それに加えて、担保を失うというリスクがプラスされます。それは不動産でも債権でも同じであり、何を担保にするかは担当者としっかりと相談の上で決める必要があるという事です。
有担保型ビジネスローンの種類
これまで紹介したタイプのビジネスローンは、どんなものを担保にするかによって、種類を分けることができます。有担保型のビジネスローンは以下の種類が一般的です。
・事業者向けの不動産担保ローン
・売掛債権を担保にしたローン
・診療報酬債権を担保にしたローン
このような3種類が考えられます。担保が必要なローンを知らない事業者も多いので、どんなものが担保として利用できるのかを知らない人も多くいます。債権が担保になるという事を知らない事業者も多く、実は債権というのが優良な担保になる事は中小企業の経営者であれば知っておいた方がいいです。なぜなら、その債権が優良な債権であれば、無担保のビジネスローンよりも高額な金利で融資が可能になるからです。
不動産を担保にする場合と債権を担保にする場合があり、いずれにしても返済が滞ってしまえば、失うというリスクが生まれます。ここではこれらの3種類のビジネスローンの情報を解説していきましょう。
事業者向けの不動産担保ローン
最高額の融資が受けられるのは、不動産を担保にしたローンです。一般的には、担保と言えば、不動産をイメージする人も多いでしょう。不動産価値の高い物件であれば、数千万円から1億円程度までのビジネスローンを組むことも可能です。不動産担保のローンのメリットは長期の借り入れが可能という事です。25年や30年といった長いスパンの借り入れは、中小企業にとっては助かります。
そのため、担保に適している不動産があれば、不動産担保のビジネスローンは非常に有益な資金調達法となっています。さらに、金利も固定金利タイプが多いために、景気の変動などの心配はいりません。
売掛債権を担保にしたローン
不動産などを私有していない事業者には、不動産担保型のビジネスローンを利用する事は当然できません。しかし、有担保型のビジネスローンを利用できないかというとそうではありません。売掛金などの債権を担保にする方法があるのです。
売掛債権を担保にしたローンも有益な方法です。売掛金などの売掛債権は担保として使うことができます。一般的には、借入期間は8ヶ月程度になる場合が多く、それほど長期のビジネスローンとしては運用できません。
そのため、売掛債権を担保にしたローンは、一時的な利用者向けのビジネスローンと言えます。企業の所有する機械設備や商品在庫などの動産を担保にするというのは、それほどのリスクが存在しません。さらに、まだ支払時期が来ていない売掛債権も担保として使用できる点が有益と言えます。
売掛債権担保は機械設備を多く所有している企業などが適しています。在庫を販売するまでに時間を要するビジネスをしている企業は、売掛債権担保を利用する事でしっかりとメリットがあります。デメリットとしては、在庫や設備の担保としての価値を算出するには、専門的な知識が必要となる場合があり、審査に時間がかかります。
診療報酬債権を担保にしたローン
保険医療機関の経営者や介護事業者専用のビジネスローンとなっていて、診療報酬債権が担保になる事を知らない人も多くいます。その対象となっているのは、診療報酬・調剤報酬・介護報酬であり、債権として担保に入れる事ができます。
診療報酬債権は国に準ずる機関が保証するために、金融機関にとっては優良な債権です。医療機関はこれを使い現金をすぐに手に入れることができるというメリットを、有効に生かすべきと言えます。診療報酬は極めて信頼性が高い担保のため、報酬月額の2倍から3倍までの金額でビジネスローンを組むことができます。さらに、固定金利で5年ほどの借入期間が設定されます。診療報酬債権を用意できる場合には、この資金調達法を利用する事も考えるいいでしょう。
有担保型ビジネスローンのまとめ
有担保型ビジネスローンは高額なローンを組めるというメリットがあります。中小企業では、こうしたビジネスローンは資金繰りの助けになります。無担保型とは違う点もあるので、有担保型を利用する時には注意が必要です。
こうしたローンは中小企業やベンチャー企業などが使う資金調達法としては有用です。有担保型ビジネスローンは様々な担保が考えられるため、自身が準備できる担保をしっかりと確認した上で、有担保型ビジネスローンを検討してみてください。