事業計画書の作成
資金面の心配や各種手続きを心配される前に、まず行ってほしいのが「事業計画書の作成」です。
事業計画書とは、「どのような事業を行う会社を設立するのか」、「調達・確保の必要がある経営資源」「市場におけるポジションニングの明確化や具体的なアクション」「予測できる売上高をはじめとする事業の将来的なビジョン」といった、事業の計画や戦略を策定して、事細かく記載する書類です。
当社へご相談される方の中には、事業計画書を作成することなく思いつきのように会社設立を決意し、唐突に資金サポートを求められる方が少なからずいらっしゃいます。
ですが、銀行や政府系金融機関の融資、補助金や助成金の受給はもちろん、ノンバンクの利用においても、事業計画を明確に記した「事業計画書」の提出が大前提であり、これがなければ相談の段階で門前払いを受けてしまう可能性があります。
会社設立前だけでなく、設立後であっても資金調達の際には欠かせない「事業計画書」ですが、これは決して各種金融機関から資金サポートを受けるためだけに作成する書類ではありません。
「事業計画書」は、会社設立後に事業を進めるにあたっての方向性と可能性を指し示す指針となるものです。
ですので、会社の設立を思い立たれるたであれば、大まかでも構わないので、まずは「事業計画書」を作成することから始めてみましょう。
基本事項の決定
「基本事項の決定」とは、簡単に言うと会社のプロフィールを決めることです。
具体的には、
・ 会社名(商号) ・ 本社所在地 ・ 設立年月日 ・ 事業内容 ・ 資本金額 ・ 連絡先 ・ 株式会社の場合は発行予定の株式数
などが挙げられます。 本社所在地や連絡先、資本金額といったすぐには決められない項目もありますので、登記申請予定日までに徐々に進めていけば問題ありません。発起人や有限責任社員の決定
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、会社を設立する際には形態によって「発起人」か「有限責任社員」を決定しなければなりません。
株式会社を設立する場合は、1名以上の発起人を決定します。
発起人とは、会社を設立する上での企画者で、会社の基本規約を定めた「定款」に署名します。
また、発起人になるにあたっての資格に制限はありません、最低でも1株以上の株式を引き受ける必要があります。
一方、合同会社と合資会社を設立する際には、1人以上の有限責任社員が必要になります。
有限責任社員とは、出資する者を指します。
ただし、合同会社の有限責任社員は出資とともに業務執行にも携わりますが、合資会社では出資のみを行います。
また、合資会社を設立する場合は有限責任社員の他にも、出資と業務執行に携わる無限責任社員を1名以上決めなければなりません。
各種印鑑の用意と印鑑証明書の取得
会社を設立するとなれば、あらゆる場面で印鑑が必要になります。
用意するべき印鑑は会社における実印の役割がある代表者印に加え、金融機関に登録する銀行印、契約書や請求書、領収書といった、会社名義で発行する書類に押印するための角印の3種類です。
このうち、代表者印は法人設立登記の際に法務局で登録する必要があるのですが、登録時には3ヶ月以内に発行した代表者個人の印鑑証明書も提出しなければなりませんので、こちらも登記前には取得しておきましょう。
定款の作成と提出
定款とは一言で言うと会社の基本規約です。「会社の憲法」とも呼ばれ、商号や事業内容、本社所在地のほか、事業年度の期間や出資内容などの基本事項を規定します。
定款には、「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3つの記載事項があり、「絶対的記載事項」については必ず記載しなければなりません。
定款の作成後は、本社所在地を管轄する公証役場に提出して認証を受ける必要がありますが、合同会社を設立する場合は提出が不要です。
また、定款には40000円の収入印紙が必要になることも認識しておきましょう。
出資金の支払い
出資金の支払いは、会社が指定する銀行口座への振り込みによって行われます。
登記時には出資金の調達を証明する必要がありますので、出資金を振り込む発起人や出資者に対しては、必ず「残高証明書」の発行をお願いしておきます。
登記申請と会社設立の完了
ここまでの準備が整えば、残す手続きは登記申請のみです。
登記申請の際は、定款とともに法人設立登記の申請書を作成して提出する必要がありますが、定款に記載した事項と同じものを記入する程度ですので、難しい作業ではありません。
記載した申請書の提出先は、本社所在地を管轄する法務局です。
記載内容に問題がなければ、およそ1週間で登記は完了。
晴れて、新会社の設立を果たしたこととなります。
アクト・ウィルでは、会社設立や個人事業主の法人化を目指す方々を総合的にサポートできる体制を、今後さらに整えていく予定です。創業を検討されている方、会社員から独立を考えている方、すでに事業を運営しているものの将来的な成長や信用力向上のために法人化を検討している方など、それぞれの状況に応じた支援を行っています。
現在の会社法では、資本金が1円でも会社を設立できる制度となっており、以前と比べると会社設立のハードルは大きく下がりました。しかしその一方で、定款に貼付する収入印紙や登録免許税など、法人登記までには一定の金額が必ず発生するという点は、事前にしっかりと理解しておく必要があります。安い・簡単といったイメージだけで進めてしまうと、後から「こんなに費用がかかるとは思わなかった」「想定以上に手間がかかった」と後悔してしまうケースも少なくありません。
そのため、会社設立を成功させるためには、事前の情報収集と準備が極めて重要です。会社設立はゴールではなく、あくまで事業運営のスタート地点であり、設立後には各種届出、税金の申告、決算対応、社会保険の加入、金融機関口座の開設など、多くの実務が待っています。これらを見据えたうえで、どのような手順で進めるのかを整理することが成功への第一歩となります。
まず、会社設立において最初に検討すべき重要なポイントが「事業目的」です。事業目的は定款や法人登記に必ず記載される事項であり、業種や事業内容を対外的に示す役割を果たします。金融機関との契約、取引先との信用構築、許認可取得の可否などにも影響するため、テンプレートをそのまま使うのではなく、自社の実態に合った書き方を心がけることが重要です。事業目的の設定は、会社設立ガイドの中でも特に注意点が多い項目の一つといえるでしょう。
次に、本店住所の決定です。本店は法人登記における必須項目であり、登記事項証明書(謄本)にも記載されます。自宅を本店住所とするケース、賃貸オフィスやレンタルオフィスを利用するケースなど種類はさまざまですが、経費や信用面、将来的な事業拡大を考慮して慎重に検討することが大切です。本店の住所は後から変更することも可能ですが、変更には再度登記が必要となり、余計な費用や手間がかかります。
その後、定款の作成、代表取締役の選任、出資金の払い込みなどを経て、法務局での法人登記申請を行います。法人登記が完了することで、会社は法的に成立し、代表としての責任も正式に発生します。この段階で会社名義の銀行口座を開設し、事業用資金の管理を行うことになりますが、口座開設の際には謄本や代表者の本人確認書類が必要となるため、事前にリスト化して準備しておくとスムーズです。
また、会社設立後には、税務署・都道府県・市区町村への各種届出が必要となります。法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届など、提出すべき書類は一般的に複数存在します。これらを提出しないまま事業を進めてしまうと、節税制度が活用できなかったり、税金面で不利になったりする可能性があります。提出方法も、窓口持参だけでなく、郵送やネット申請など複数の選択肢があるため、自社に合った方法を選ぶことがポイントです。
さらに、役員や従業員を雇用する場合には、社会保険への加入も重要な手続きとなります。社会保険は法人の場合、原則として強制加入となる制度であり、未加入のまま運営を続けると後から指導や是正を求められるリスクがあります。社会保険料は経費として計上できる一方で、会社・個人双方に負担が生じるため、事前に金額の目安を把握し、資金計画に組み込んでおくことが大切です。
こうした複雑な手続きをすべて自分で行うことも可能ですが、失敗やミスを防ぐために専門家を活用するのも有効な対策です。法人登記を中心にサポートする司法書士、事業目的や許認可関連を扱う行政書士、税金や決算、節税対策まで含めて相談できる税理士など、それぞれの専門家には役割の違いがあります。どこまで依頼するのか、どの専門家に相談するのが良いのかを検討することで、手間を大幅に削減することができます。
専門家に依頼するメリットデメリットとしては、費用がかかる反面、正確性やスピードが向上し、結果的に成功確率が高まる点が挙げられます。初回相談が無料のサービスも多く、クラウド型の支援サービスやネット完結型の会社設立支援など、選択肢も広がっています。安いからという理由だけで判断せず、サービス内容やサポート範囲を確認することが重要です。
以下、本記事のまとめとしてお伝えしたいのは、会社設立は「制度を理解し、準備を整え、正しい手順で進める」ことで、決して難しいものではないという点です。事前に注意点を把握し、必要に応じて専門家の力を借りながら進めることで、無駄な経費やトラブルを防ぎ、良いスタートを切ることができます。
アクト・ウィルでは、会社設立や法人化を検討されている方に向けて、事業計画書の作成支援、定款作成のアドバイス、専門家のご紹介など、実務に即したサービスを提供しています。創業という大きな一歩を成功につなげるための参考として、ぜひお気軽にご相談ください。 




