資金調達のために事業者ローンの利用を検討している人はいませんか?
着実に必要な資金を確保するために、審査が甘く確実に融資してくれる事業者ローンがいいと思っている事業者もいるでしょう。

激甘と言えるような事業者ローンがあれば、申し込みたいところです。
激甘の事業者ローンにはどのような特徴があるのでしょうか?

「激甘」といわれると資金繰りに行き詰っている事業者の中には、ついつい手を出してしまう人もいるでしょう。
しかしそれは甘い蜜で、実際は闇金だったということも起こりえます。
闇金に手を出すと後々苦しむことになるので、闇金に引っかからない方法についても紹介します。

審査激甘な事業者ローンは果たしてあるの?

どんな人でも融資してもらえるような審査激甘な事業者ローンがあれば、経営者としてはありがたいでしょう。
しかしそもそも審査激甘な事業者ローンなど、果たしてあるのでしょうか?

審査激甘な事業者ローンはあり得ない

結論から言いますが、審査が激甘な事業者ローンなどありえないと思ってください。
激甘な審査基準で貸し出した場合、返済能力のない法人も出てきます。
となると債権回収ができなくなって損失を被ってしまいます。
債権回収ができない案件をたくさん抱えてれば、当然のことながらその貸金業者は経営が立ち行かなくなります。

ですから本当に貸したお金を返済してくれるか、法人やその経営者の信用力はきちんとチェックします。
信用力に問題のある人にお金を貸し出すマネは、きちんとした貸金業者では絶対にしません。
以下のような信用力や返済能力に問題のある法人は、申し込んでも審査落ちの憂き目に遭う可能性が高いです。

 赤字決算が続いている
 債務超過の状態が続いている
 リスケの真っただ中
 税金滞納がある
 金融事故がある

国の補助金制度を利用してみる

上で紹介したような信用力に問題のある法人に対しては、貸金業者も融資を渋る可能性が高いです。
特に金融事故のあるブラックの法人は、民間業者からの借入のハードルはかなり高いと思ってください。

それでも何とかして資金調達して、経営を続けたければ国の補助金を活用することも検討しましょう。
国では、経営支援のための補助金制度を設けているからです。

例えば「経営改善計画策定支援」(405事業)と呼ばれる補助金制度があります。
こちらはコロナ禍の中で財務上の問題を抱えている中小企業などを対象にした制度です。
自分たちで経営改善計画を立てるのが難しい企業に対して、認定経営革新等支援機関が経営改善計画策定をサポートします。
窮地に陥っている法人の経営改善を推し進めることで、事業再生や再チャレンジを促すことが目的です。

こちらの補助金制度では、経営改善計画策定支援の費用のうち2/3を国が支援してくれます。
補助金なので借金ではないのがミソです。
つまり後日返済義務が生じないわけです。

他にも皆さんが利用できるような補助金制度があるかもしれません。
ホームページなどを確認して、活用できるものがないか確認しましょう。

審査の甘めな事業者ローンはある

誰でも借り入れできるような激甘な事業者ローンはここまで見てきたように、ありえません。
ただし審査基準は各貸金業者が独自に設定しているので、あるところでは融資を受けられなくても別のところに申し込んだら借入できたという話は珍しくありません。

すべての貸金業者が同じような審査基準にしていると、顧客を獲得できない恐れがあります。
皆さんがお金を借りる時のことを考えてみてください。
知名度の高くない中小の貸金業者よりもコマーシャルで高い知名度を誇り、日本全国に事業所を展開している大手の貸金業者を利用するでしょう。
その方が安心だからです。

同じ審査基準では中小の貸金業者など知名度のあまり高くないところは、大手と比較して不利です。
そこで大手の貸金業者で審査落ちしてしまった人を対象に、サービスを展開します。
大手よりも審査基準を甘くすることで、新規顧客を獲得できるわけです。

このように顧客獲得のために、審査を甘めに設定している貸金業者は少なくありません。
もし自分たちのスペックで融資を受けられるかどうか自信がなければ、このような審査の甘めの事業者ローンを利用しましょう。
ただし激甘でだれでも借りられるようなまっとうな営業をしている貸金業者はありません。
激甘というよりも「審査が柔軟な」ところと思ってください。

審査の甘い事業者ローンの特徴とは?

どの事業者ローンでも一定の信用力がなければ、融資を受けるのは難しくなります。
しかし借り入れやすい審査の甘めな事業者ローンはあります。

ただ「うちの事業者ローンは甘いです!」や「激甘の審査で融資をいたします」のような売り文句を出している事業者ローンはないでしょう。
それでも貸し付け条件を見てみると、審査の難易度はある程度推測できます。
審査の甘い事業者ローンの特徴として、以下のような項目が挙げられます。

1.上限金利が高い
2.消費者金融系の事業者ローン
3.事業者ローン専業の貸金業者
4.担保や保証人を用意する必要がない
5.中小の金融機関

それぞれなぜ審査が甘いといえるのか、その理由について以下で詳しく見ていきます。

上限金利が高い

事業者ローンの審査の難易度は適用金利を比較すると、ある程度推測できます。
事業者ローンを見てみると、「○○~○○%」といったようにある程度金利に幅を持たせているのが一般的です。
利用者の信用力を見て、この中のどれを適用するか決めます。

通常初めて申し込む際には金利幅の中でも最も高い利率である上限金利かそれに近い利率が適用されます。
初めてなので信用力や返済能力に関して、全くの未知数だからです。

上限金利がほかの事業者ローンと比較して高ければ、審査の甘い業者である可能性が高いです。
審査が甘く債権回収できなかった場合のリスクマネージメントとして、あえて金利を高めに設定しているわけです。
利息払いが多くなるので、たとえ返済できなくなったとしても損失を最小限に抑えられます。

もしより確実に融資を受けたければ、上限金利の高めの事業者ローンを利用することです。
ただし金利が高ければ、おのずと利息の支払い額も大きくなります。
返済期間が長くなると利息の支払い負担も大きくなるので、早めの返済に努めましょう。

消費者金融系の事業者ローン

事業者ローンのサービスを提供している業者をみると、金融機関や信販会社、消費者金融といろいろな系列が見られます。
一般的に消費者金融系の事業者ローンは審査が甘めといわれています。
これは先ほど紹介した上限金利を見てもわかります。

銀行の事業者ローンの場合、上限金利はせいぜい13~15%といったところが相場です。
一方消費者金融系の事業者ローンを見てみると、18%と利息制限法ぎりぎりの設定になっているところが多いです。

また審査スピードも早いのが消費者金融系の特色の一つです。
銀行系の事業者ローンの場合、さすがに申し込んだ当日借入するのは不可能です。
一方消費者金融系の事業者ローンを見てみると、最短即日融資に対応しているところもあります。

消費者金融系では、スコアリングシステムといってコンピューターを使ったオートマチックな審査手続きを導入しているからです。
素早く融資の可否の判断ができるということはそんなに深く申込者のチェックを行っていない、審査が甘いと解釈できるわけです。
もし急な出費や当初想定されていた売掛金の回収ができずに今すぐ現金が必要な際には、審査が甘くスピーディな消費者金融系の中から借入先を絞り込むといいでしょう。

事業者ローン専業の貸金業者

貸金業者を見てみると、事業者ローンに特化してサービス提供しているところと個人向けの融資も実施しているところがあります。
両者を比較した場合、事業者ローン専業の貸金業者を利用するのがおすすめです。

事業者ローン専門の業者の場合、基本的にそれしか商品がありません。
貸金業者はお金を貸してなんぼのビジネスです。
事業者ローンをどんどん貸し付けていかないと、利息払いが受けられず収益が出ません。

ですから事業者ローン専業の貸金業者は審査の甘めの可能性が高いです。
事業者ローン専業の貸金業者はいくつかあります。
より確実にお金を借りたいと思っているのであれば、事業者ローン専門の業者の中から候補を絞り込んでいきましょう。

担保や保証人を用意する必要がない

事業者ローンは基本的に無担保・無保証人の商品です。
これがいわゆる銀行融資よりも借りやすいといわれている理由の一つです。

しかし中には融資の際に担保や保証人を用意するように言われる場合もあります。
銀行系の事業者ローンでそのような条件の付けられることが多いです。

無担保・無保証人の事業者ローンは積極的に審査を行っている可能性が高いです。
申込人の法人代表者の信用が十分であれば、融資を受けられるかもしれません。
また審査が甘いだけでなく、柔軟に対応してくれるところが多いといわれている点もおすすめポイントです。

中小の金融機関

「消費者金融系ではなく、やっぱり金融機関の事業者ローンを利用したい!」と思っている法人代表もいるでしょう。
その場合、メガバンクなどの大手ではなく中小の金融機関の事業者ローンに申し込むといいです。

中小の金融機関、具体的には信用組合や信用金庫のようなところになるでしょう。
これらは地域密着型の営業を展開していることで知られています。
債権を回収できるかどうかはもちろん重視されますが、一方で地域経済を支えるのも信用組合や信用金庫の役割の一つです。
メガバンクでは融資を受けられなかったような法人でも、信用組合や信用金庫なら融資してくれる可能性はあります。

ただし中小でも金融機関は金融機関です。
審査のハードルは決して低くありません。
メガバンクのような大手と比較すれば、やや審査が甘くなるかなくらいの感覚で利用してください。

激甘な事業者ローンは要注意!闇金の可能性も

「激甘」を謳っているような事業者ローンがあった場合、利用は慎重でなければなりません。
もしかするといわゆる闇金業者の可能性があるからです。
資金繰りが危機的状況で切羽詰まっていると、ついつい激甘の言葉に引っかかりやすくなります。
しかしどんなに切羽詰まっていても、冷静に借入先を見極める目は必要です。

激甘は法律違反の可能性

「審査が甘い」など審査のことについて宣伝コピーとして使用するのは、認められていません。
貸金業法16条に「誇大広告の禁止等」という項目があります。
返済能力のない人でも貸し出しする、借入が容易であるといったなどの誤った情報で誘引するような行為は禁止です。

ですから「審査が激甘でだれでも借り入れできる!」などと宣伝すると、こちらの法律に違反していることになります。
貸金業法を順守しない業者は、悪徳業者で闇金の可能性が高いです。

審査が激甘と言ってくるような違法業者を頼っても、後々大変なことになります。
暴利によって債務がどんどん膨らんで、最終的には会社の経営が立ちいかなくなる公算大です。

闇金を見分けるには?

「審査が激甘といった口コミを見かけたけれども闇金だったらどうしよう…」このように思うこともあるかもしれません。
最近では闇金業者もその手口が巧妙化してきているといわれています。
一見するとごく普通の貸金業者のように見えるけれども、実は闇金業者だったといった話も時折聞かれます。

もし借入先に対して不安があれば、貸金業の登録番号が記載されているかどうか確認してください。
まっとうな貸金業者であれば、ホームページやチラシのどこかに登録番号が記載されているはずです。
もし該当する番号があれば論外です。

登録番号が書かれていても、それだけで安心するのは時期尚早です。
もしかするとでたらめな番号を記載して、お客さんをだましている可能性も考えられます。
そこで活用してほしいのが、「登録貸金業者情報検索サービス」です。
こちらは金融庁が提供しているサービスで、番号を入力すれば確かに登録されている業者かどうか確認できます。

そのほかにも金融庁では「違法な金融業者情報」と呼ばれるPDFファイルを公開しています。
さらに管轄団体の日本貸金業協会の公式サイトでも、闇金業者の検索ができます。
このようなデータベースを駆使して、闇金業者に手を出さないように注意しましょう。

法人を対象にした闇金業者は少ない

ここまで「事業者ローンの闇金業者に注意!」と紹介してきました。
しかし個人と比較すると、法人を相手に悪徳営業を仕掛けてくる業者はあまり多くありません。
そこまで極度に恐れる必要はありません。

法人相手に闇金が営業をかけるのは、昨今の規制強化でなかなか難しくなっています。
しかも激甘といった言葉に引っかかる法人の中には、正規の手段で借入できなくなっているところも結構あります。
相手が闇金と分かったうえでそれでも目先のお金が欲しくて、申し込みする法人の代表者もいます。

闇金業者としてもそんなところに貸し付けたところで、債権回収はほとんど期待できません。
遅かれ早かれ破綻してしまう恐れが高いので、そのようなところにお金を貸し付けるのは危険すぎるというわけです。

また闇金の手法は、返済能力がもともとない債務者からお金を搾り取るアプローチです。
その中で債務者にいろいろな恐怖を与えることで、返済せざるを得ない状況に追い込んでいきます。
しかし法人はもともと人間ではないので、恐怖を与えるといってもやりようがありません。

例えば会社の従業員を脅かしたところで、そもそも彼らには返済義務はありません。
そんなことをしたら、逆に従業員が警察に通報して自分たちが捕まってしまう羽目になります。

また会社に執拗な取り立てをすれば、「あの会社は危ない」といううわさが業界に広まります。
すると会社が風評被害を受けてますますビジネスがやりにくくなって、結果的に倒産を早める結果につながりかねません。
このように事情もあって、法人相手だと闇金の持っているノウハウが生かせません。

個人で借りるのは危険

激甘とお客さんの興味を引いて、法外な金利で事業者ローンを貸し付ける闇金はそんなに多くありません。
ただ経営者個人に対して貸付を行う闇金業者はいますので、注意が必要です。

法人相手ではなく、経営者個人であればいろいろと追い込みをかけることも可能だからです。
例えば経営者に生命保険に加入するように迫ったり、経営者の家族に取り立てに行ったりなど様々なプレッシャーをかけられます。

なかなか資金調達ができなくて、追い込まれると闇金の甘い誘いに引っかかってしまう経営者も出てくるでしょう。
それこそ相手の思うつぼになってしまいます。
追い込まれていても「激甘」といった誘い文句に引っかからないように、常に自分を持ち続けてください。

事業者ローンが利用できない…そんな時の資金調達方法は?

いろいろと事業者ローンに申し込んでみたけれども、審査落ちになってしまう事業者もいるでしょう。
「もはやこれまで…」と思っている人もいるでしょうが、まだあきらめるのは早いです。
事業者ローン以外でも資金調達する方法はありますので、以下で紹介するサービスを活用してみてください。

ファクタリングの活用

もし売掛債権を持っているのであれば、ファクタリングサービスを利用するのも一考です。
通常数か月先になる売掛金の現金化を前倒しできるサービスです。

ファクタリングでも審査は行われます。
しかし事業者ローンと異なり、審査の対象は申込者ではありません。
メインとなるのは売掛債権の健全度、売掛先の企業の経営状況です。
事業者ローンの審査は通過できなくても、ファクタリングなら現金を手にできる可能性はあります。

クレジットカードの利用

法人の代表者であれば、何枚かクレジットカードを持っている人も多いでしょう。
このクレジットカードを使って、資金繰りを円滑にする方法もあります。

実は現在クレジットカードで支払いを先延ばしにするサービスが出てきています。
クレジットカード情報を登録すると、支払期日に業者が代行してそのお金を振り込んでくれるのが特徴です。
そして肩代わりしてもらった代金は、後日クレジットカードの代金支払いとして納める仕組みです。

クレジットカードの支払いは最長2カ月先です。
つまり支払い猶予を60日間延長できるので、その間に資金調達して資金繰りのピンチを乗り切ろうという試みです。
クレジットカードがあればだれでも利用できますし、決算書や事業計画書などの資料をまとめる必要もないのでいざというときに利用してみませんか?

まとめ:激甘な事業者ローンはなし・ただ審査の難易度は業者によりけり

事業者ローンは融資をするにあたって債権回収できるかどうか、審査を行います。
誰に対しても融資を行うような激甘な事業者ローンはありません。
もしあったとすれば、それは闇金業者の可能性があるのでうかつに手を出すべきではありません。

ただし激甘とまではいわないまでも比較的審査の甘めの事業者ローンはあります。
ここで紹介した特徴を踏まえ、審査の比較的緩い事業者ローンにターゲットを絞って申し込んでみませんか?