銀行融資と比較して審査が甘め、申し込んでから融資実行までスピーディなビジネスローンを利用する法人は少なくありません。
ただし審査は甘めといっても、100%誰でも借りられるものではありません。
ローン会社から優良な事業者と評価を受けなければ、借入は難しいです。

ではローン会社から優良な事業者と思ってもらうためには、どのようなところに注意すればいいのでしょうか?
優良法人と認められ、融資を受けるためにどのようなところがポイントになるかまとめましたので申し込む際の参考にしてください。

優良法人としてビジネスローンを利用するポイント

ビジネスローンの審査を通過するためには、ローン会社から優良業者で信頼できると思われないといけません。
ではどのようなところが優良法人と思われるのか、以下のポイントをまずは満たす必要があります。

1.税金を支払っている
2.信用情報に傷がない
3.財務状況が良好
4.返済能力を示せる
5.担保がある

以上なぜこれらの特徴を持っていると、優良法人と思われるのかについて解説します。

税金を支払っている

税金をきちんと期日内に納税していることは、優良会社の必要条件といえます。
納税は国民の義務です。
逆に言うと、もし納税をきちんとしていない法人だとビジネスローンの審査に通るのはかなり厳しくなると思ってください。

もし税金の滞納や納税漏れがあれば、ビジネスローンに申し込む前にきちんと納税を済ませておいてください。
ビジネスローンの審査で優良企業と認められるためには数か月前から税金などの必要な支払いの期日を意識して、滞納しないように気をつけたいところです。

信用情報に傷がない

信用情報に傷がないことも、優良企業とローン会社から認定されるために欠かせない条件です。
信用情報は信用情報機関で照会できるので、問題のある情報はすぐに判明してしまいます。

ただし中小の貸金業者の中には、独自審査を実施しているところもあります。
このような貸金業者の中には、信用情報に多少傷があっても柔軟に対応してくれる可能性があります。
しかしそれでも、審査通過するのはかなり厳しくなると思ってください。

ビジネスローンで借入するにあたって、代表者保証が必要な商品も少なくありません。
法人が融資を受けるにあたって、その代表者が連帯保証人になるのが代表者保証です。
この場合、法人が経営不振で債務を抱えたまま倒産した場合、代表者には返済義務がまだ残ります。

ですから代表者の信用情報も審査の際にチェックされます。
もし代表者の信用情報に金融事故などのブラック情報が載っていると、審査通過するのは厳しくなります。
ブラック情報とは具体的に長期の延滞や債務整理を行ったなどです。
法人の代表者がブラックリストに載っていると、ビジネスローンの融資を受けるのは難しくなります。
他の方法で資金調達することも検討してください。

財務状況が良好

法人の財務状況が良好なのも、優良な企業であるとローン会社から認定されるために欠かせないことです。
黒字経営ができていれば、収益を確保できています。
そのような優良企業にお金を貸し出しても、債権の回収できる可能性は高いです。

逆に債務超過状態に陥っていると、債権回収に不安ありとなってしまいビジネスローンでも審査通過するのは難しくなります。
もし債務超過に陥っているのであれば、その状況から脱するにはどうすればいいか考えましょう。

債務超過の状況を改善する方法にはいくつかあります。
まずは収益アップです。
収益アップすれば利益が増し、債務超過状況から脱することができます。

そのためには経営状況を見直すことです。
無駄になっている部分がないか、人事が生産性を阻害していないかなど洗い出してみましょう。
無駄をなくして、経営をスリム化することで収益効率が増し、黒字経営に転換する可能性はあります。

もし資産を持っているのであれば、使っていないものを売却してみるのも一つの方法です。
使用していない事業用の車両や機械、権利だけ持っていて使い道のない空き地などはどんどん売却するといいでしょう。
このような使っていない資産のことを遊休資産といいますが、売却することで現金化できます。
また土地など固定資産税などのランニングコストがかかりますが、手放すことでこれらのコストも削減できるわけです。

返済能力を示せる

ローン会社が融資する前に審査するのは、貸したお金を返してもらえるだけの財力や信用力を有しているかどうか確認するためです。
優良会社であれば、ローン会社が納得できるような返済能力を指し示すことが可能でしょう。
客観的に見て納得できるような返済のめどを提示できれば、ローン会社も安心して融資できます。

ビジネスローンの審査の中で、返済能力について聞かれる可能性もあります。
この時に問題なく返済できるめどの付いていることを立証できるような資料を準備して提出しましょう。

そこで重要になるのが、事業計画書です。
事業計画書とは現在手掛けている事業内容、その事業で今後どれだけの利益を上げられるのか、どれくらい返済に振り分けられるかについて記載された資料です。
しかし事業計画書の内容がずさんであれば、ローン会社も信頼して融資できなくなります。

事業計画書を作成する際には、内容や数字に整合性が取れているかどうかチェックしましょう。
また誤字脱字があると、審査する側も「いい加減に作成しているのではないか?」と不安になってしまいます。
さらに誰が見てもわかるように簡潔な説明で作成するように心がけてください。

事業計画書は自分たちで作成することも可能です。
しかしもし内容に不安があれば、税理士や中小企業診断士をはじめとして専門家に見せるのも一考です。
専門家の観点から、より良い事業計画書に仕上げるためにはどこをどうすればいいかさまざまな助言が受けられるからです。

担保がある

ビジネスローンの融資の受けやすい優良企業の特徴の中の一つに、担保を用意できる点も見逃せません。
ローン会社の審査の中で融資できるかどうか微妙な法人があったとします。
そのような法人でも、担保を用意できるのであれば審査通過する可能性がぐっと上がります。

担保はもし債務者が借金の返済ができなくなった時に、それを差し押さえて現金化するなどで債権回収する方法です。
担保を用意できれば、ローン会社としては融資したお金が不良債権化するリスクが少なくなります。
担保は一般的には不動産を差し出す形になるでしょう。
何か不動産を持っているのであれば、こちらを担保に出すのも一考です。

安心して利用するために悪徳貸金業者の見分け方を解説

ビジネスローンを提供している業者は大小合わせると、かなりの数に上ります。
そのほとんどが貸金業法など、関連法規にのっとった融資を行っている優良業者です。
しかし一部悪質な営業を行っている貸金業者があるので、注意してください。

悪質な業者に引っかかってしまうと、法外な利息を取られてしまいます。
また違法な取り立てをしてきて、債務者を精神的に追い込むのも彼らの代表的な手口の一つです。

実は悪質な貸金業者を見分ける方法はいくつかあります。
しかもわかりやすいので、普段であればなかなか引っかからないでしょう。
ただ資金繰りに追われていて追い込まれていると、つい甘い誘いに乗ってしまう法人の代表者もいます。

ですから悪徳業者の代表的な手口やどのように対処すればいいかまとめました。
特に何度かビジネスローンの申し込みをしても融資を断られた場合に、悪徳業者がすっと懐に入ってくるので注意したほうがいいです。

悪徳業者の特徴とは?

悪徳業者の特徴として見逃せないのは、法外な利息を請求してくるところです。
貸金業者がお金を貸すにあたって利息の支払いを請求するのはいいですが、利率の上限が設けられています。
利息制限法といって、最高でも年利20%までで貸し付けないといけません。

しかし悪徳業者の場合、利息制限法を軽く超えるような金利設定になっています。
しかも返済が遅れた場合には執拗な取り立てをしてきます。
早朝深夜関係なく取り立てを仕掛けてくる、半ば脅迫するような文句で返済するように迫って法人代表を精神的に追い詰めるといったことをしがちです。
取り立てをする場合でも一定のルールがありますが、悪徳業者の場合お構いなしです。

さらに悪徳業者の場合、アナログな手法で勧誘することが多いです。
近年ではビジネスローンを提供している優良な貸金業者は、公式ホームページを持っている場合がほとんどです。
しかし悪徳業者の場合、公式ホームページを持たないケースが少なくありません。

ではどのような方法で勧誘してくるか、電話やダイレクトメール、チラシなどです。
このような手法で「お金を借りませんか?」といわれた場合には要注意です。
しかしビジネスローンに申し込んで借りられなかった、資金ショートの恐れがある切羽詰まった状態だとついついこの手の誘いに乗ってしまう会社の経営者も結構います。

最近の悪徳商法を見てみると、一見大手の消費者金融の名前のような名称で営業しているケースも増えています。
悪徳業者はホームページを持たないことも多いのですが、この手の業者はホームページを持っている場合も珍しくありません。
しかも大手消費者金融のものと誤認してしまうような、本家のサイトと非常に似通っている場合もあります。
このような紛らわしい貸金業者に惑わされないように注意しましょう。

闇金を見分ける方法

経営が苦しくて、資金繰りが悪化していても闇金などの悪徳業者に手を出さないように注意しましょう。
闇金業者かどうか見分ける方法ですが、いくつかあります。
まずはいかにもこちら側が借りやすいような条件でも貸し出しを謳っている業者には要注意です。

「誰でも借りられます」「自己破産・ブラックの方でもOK」といった文句は該当する人からすれば魅力的でしょう。
しかし誰でも借りられるといったビジネスローンはあり得ません。
確かにビジネスローンは銀行融資を受けられない人を対象にしているので、銀行融資と比較するとやや条件は甘めです。
ただ審査はきちんと行いますし、条件に合致しない人には貸付は実行しません。

自己破産やブラックの方に融資をする貸金業者もまずありません。
過去に金融トラブルを起こした方への融資も債務不履行になって、自分たちが損失を被る危険性があるからです。

またお金を借りるにあたって、気になるのはやはり金利でしょう。
闇金業者の場合、この金利が記載されていない、あいまいな表記でわかりにくい傾向が見られます。
もし金利情報が明記されていなければ、そこでの借り入れは避けたほうがいいでしょう。

そのほかにも連絡先がどうなっているかも確認しておきたいところです。
住所や電話番号がどこにも書かれていない場合には闇金の公算大です。
電話番号は書かれていても「090」や「080」のような携帯電話の連絡先しか書かれていないところも要注意です。

そして絶対にチェックしたい方法として、登録番号が挙げられます。
貸金業者として営業するためには、貸金業法にのっとり届出をしなければなりません。
この時登録番号が交付されます。
チラシやホームページのどこにも登録番号が記載されていない場合、違法業者の可能性があるので注意しましょう。

また最近では貸金業者は登録番号を持っていることが広く知られるようになったので、闇金でもそれっぽい番号を記載している場合も出てきています。
しかしそれはでたらめな番号の可能性もあります。

そこで活用したいのが、金融庁のホームページにある「登録貸金情報検索サービス」です。
こちらに業者の記載している登録番号を入力すれば、実在するかどうかすぐにチェックできます。

このほかにも日本貸金業協会の公式サイトや金融庁で闇金業者情報を確認できます。
これから申し込もうと思っている業者が闇金登録されていないかチェックしましょう。
見方を変えれば、登録番号がきちんとある、闇金業者情報の登録がないのならまず優良な業者とみて間違いないと思っていいでしょう。

この特徴があれば優良業者

闇金業者は自ら「うちは闇金です」ということはありません。
ですからお金を借りる際にこちらが闇金かどうか見極める必要があります。

しかし闇金業者は貸金業界の中でもごく一部です。
大半は優良業者です。

優良業者かどうか見極める方法として、まず先ほど紹介した貸金業登録番号があるところはまず問題ないと思ってください。
ただし注意が必要なのは、カッコ内の数字です。
貸金業登録番号は「○○知事(もしくは各財務局) (○) 第○○○○○号」と表示されます。
かっこの部分がありますが、この中の数字は何度更新したかの回数を意味します。

貸金業法では、3年に1度のペースで更新しなければなりません。
つまりカッコ内の数字が多ければ多いほど業歴が長い、それだけ利用者の間で信頼されている優良業者と推測できるわけです。

だからといって、すべてが悪徳業者とは限りません。
しかし中には問題のある貸付サービスを行って、お客さんからのクレームがついて名前を変えて何度も登録している業者の可能性はありますので注意してください。

また金利を明記している業者も優良店の可能性が高く、安心して申し込めるでしょう。
金利が利息制限法の上限を超えていなければ、ますます優良業者の可能性が高まります。
利息制限法では借入額は10万円未満で年利20%が上限です。
同様に10万円以上100万円未満で18%、100万円以上だと15%が上限金利になるのでこの条件を満たしているか確認しておきましょう。

また貸金業者には、表示義務と呼ばれる項目がいくつかあります。
お客さんが借入に関して誤解のないようにするために、表示すべき項目が決められています。
具体的には会社名や住所、貸金業登録番号、電話番号、借入額、金利、返済方式、返済期間、返済回数、担保に関する事項です。
これらがすべてホームページやパンフレットなどに明記されていれば、優良な貸金業者と思っていいでしょう。

中小企業でも優良なところはある

大手や金融機関のビジネスローンなら安心、中小であまり聞いたことのない名前のところは危ないと思っている法人の代表者はいませんか?
しかしこれは偏見です。
全国区ではなく、大手のように知名度がなくても中小企業で優良なビジネスローンサービスを提供しているところもたくさんあります。

中小企業の貸金業者でも貸金業の登録番号があり、法定金利でビジネスローンを提供しているところであれば安心です。
中には1店舗しか抱えていない貸金業者でビジネスローンを取り扱っているところもあります。
それでも優良業者はあります。

法人によっては、このような中小の貸金業者のビジネスローンを利用するのがおすすめな場合もあります。
一般的な傾向として、中小の貸金業者は大手の貸金業者や金融機関よりも審査が甘めといわれているからです。
これは貸金業者の経営上の戦略が関係しています。

中小の貸金業者は大手の貸金業者や金融機関を利用できなかった法人を相手にビジネスローンのビジネスを行います。
同じ条件で勝負すれば、大手や金融機関の方が知名度も高いのでどうしてもそちらにお客さんを取られてしまいます。
そこで大手の貸金業者や金融機関を利用できなかった法人をターゲットに商売するわけです。

そのためには、大手や金融機関よりも審査基準を緩めにしなければなりません。
ですから金融機関や大手の貸金業者のビジネスローンで審査落ちになっても、優良な中小の貸金業者であれば融資してもらえる可能性があるわけです。

ただし中小の貸金業者で優良であっても、注意すべきポイントがあります。
まず金利は高めです。
審査を緩くしているので、どうしても貸し付けたお金が回収できないリスクは高くなります。
そこで金利を高くして利息を多めにとることで、不良債権化しても損失を最小限に抑えられます。

また借入できる金額もあまり多くない点も理解しておきましょう。
中小の貸金業者は資金力も大手ほどではありません。
ですからまとまった借り入れは難しいと思っておきましょう。

優良とビジネスローンの関係についてのまとめ

ビジネスローンは信用力のある優良な企業でないと、お金を貸し付けません。
経済力があり、支払うべきものを遅滞なくきちんと支払っているところは優良企業と評価される可能性は高いです。
ビジネスローンに申し込んでも融資を受けられる可能性は高いです。

またビジネスローンを提供する貸金業者の中には悪質な営業を行っているところもある点には留意しなければなりません。
貸金業者の登録番号を持っているか、表示義務のある情報をきちんと掲載しているかで確認しましょう。
ただし大半のビジネスローンを提供している貸金業者は、コンプライアンスを重視している優良業者と思っていいでしょう。
しかし資金繰りで追いつめられると悪徳業者に引っかかってしまう恐れもありますので、頭の片隅にでも入れておいてください。