大阪の法人が借入を行う方法について解説します。大阪府内に法人や事業所がある場合、借入れ方法として、大阪府制度融資が活用できます。制度の中には様々な内容や条件、利用できる業種が細かく決められているので、今回詳しく紹介します。また残念ながら対象外だったり審査に落ちたりした場合の資金調達方法についても解説します。
目次
大阪の法人借り入れに便利な大阪府制度融資とは
大阪府内に事業所を持つ法人企業などが借り入れる際に条件が整えば借り入れ可能なのが大阪府制度融資です。条件はいろいろありますが、条件がうまくいけば大口の融資を低利息で受けられる制度なので、大いに活用したいところです。
大阪府制度融資にはどんなものがある
大阪府制度融資には大きく4つの種類があります。大阪府の行政窓口から大阪府信用保証協会を経由して金融機関にあっせんする「あっせん方式」と、大阪府などの行政が認定後に、指定された金融機関に申し込んだのち、大阪信用保証協会との協議の末に融資を受ける「金融機関経由方式」があります。
1.新規開業・開業5年未満に有利な「開業・スタートアップ応援資金」
2.小規模企業者の方向け「小規模企業サポート資金」
3.新たな取り組みにチャレンジする方向け「チャレンジ応援資金」
4.災害・経済情勢悪化の影響を受けている方向け
以下、詳しく内容を見ていきましょう。
1.新規開業・開業5年未満に有利な「開業・スタートアップ応援資金」
これから開業を考えている方や、開業して5年未満の新しい法人・事業者向けに用意した融資制度です。5年以内の開業資金と地域支援ネットワーク型があり、いずれも最大3500万円で、10年以内の返済が条件で担保は不要で1.2%のとても安い年利です。
2.小規模企業者の方向け「小規模企業サポート資金」
法人の中でも小規模企業者の方向けの融資方法で、小規模資金地域支援ネットワーク、市町村連携型などがあります。融資額は2000万円で10年以内の返済で年1.4%の金利です。なお市町村連携型は市町村により条件が異なります。
3.新たな取り組みにチャレンジする方向け「チャレンジ応援資金」
新たな取り組みに挑戦しようという法人・事業者向けの融資がチャレンジ応援資金です。内容は法認定型、金融機関提案型、設備投資応援融資(一般型、DX・カーボンニュートラル型、計画認定型、市町村連携型)、SDGsビジネス支援資金があります。融資金額は無担保なら8000万円で担保がありなら最大2億円という大口の融資が受けられます。
4.災害・経済情勢悪化の影響を受けている方向け
災害や経営情勢悪化のために資金繰りに苦しんでいる人向けの資金で経営安定サポート資金や新型コロナウイルス感染症関連資金などが用意されています。条件次第で最大2億円(無担保で8000万円)の融資が受けられます。
大阪府制度融資の対象となる方
上記、大阪府制度融資の対象者はすべての法人事業者ではありません。
1.中小企業者
2.協同組合等
3.小規模企業者
上記、3つの法人事業者が対象です。詳しくみていきましょう。
1.中小企業者
中小企業者は業種(製造業、卸売業、小売業、サービス業など)により資本金の金額や常時使用する従業員数の上限に違いがあります。そのため自分の業種が大阪府制度融資の対象となる資本金や常時使用する従業員以下であるか確認したうえで対象に入っていれば相談してみましょう。
2.協同組合等
協同組合等とは、中小企業等協同組合、協業組合、商工組合、商店街振興組合、生活衛生同業組合を指します。
3.小規模企業者
小規模企業者とは、中小企業よりもさらに規模の小さな法人や個人が対象となっています。旅館と娯楽業を除く商業やサービス業なら5人以下、それ以外の業種なら20人以下という従業員数のところが対象です。
大阪府制度融資の制度利用ができない方
また原則として、制度利用ができない業種や法人が一定数存在します。
1.農林漁業
2.金融・保険業
3.風俗営業・正風俗関連特殊営業
4.宗教法人
5.学校法人
6一般社団法人
7.一般財団法人
8.社会福祉法人
9.保険媒介代理業
10.その他
以下、詳しくみていきましょう。
1.農林漁業
農林漁業を営んでいる方は大阪府制度融資の対象外です。農林漁業の方が融資を受ける場合には別に制度があるのでそちらで相談しましょう。
2.金融・保険業
金融や保険業を営んでいる法人や自営業者は大阪府制度融資の対象外です。保険媒介代行業や、クレジットカード業、カップ金融業、金融商品取引業、金融先物取引業、商品投資顧問業、金融代理業なども一部を除いて対象外となります。
3.風俗営業・正風俗関連特殊営業
風俗営業のうち公序良俗の観点から問題があると判断されれば大阪府制度融資の対象外です。また性風俗関連特殊営業を営んでいる事業者も同様です。
4.宗教法人
寺院や神社などの宗教法人も大阪府制度融資の対象外です。
5.学校法人
学校法人も大阪府制度融資の対象外です。学校法人の場合は私学事業団融資という方法があります。
6一般社団法人
一般社団法人は融資の対象外です。一般社団法人の資金調達は基金等を用いる必要があります。
7.一般財団法人
一般社団法人同様に一般財団法人も融資の対象外です。
8.社会福祉法人
社会福祉法人も大阪府制度融資の対象外となります。
9.保険媒介代理業
保険契約者に保険商品を紹介して保険会社との仲介を行う代理店である保険媒介代理業も大寡婦制度融資の対象外です。
10.その他
上記該当していない業種でも現時点で信用保証協会での返済が終わっていなかったり、返済が延滞していたりしていると対象外となります。また前回の保証資金が目的以外に流用していた、金融機関との都引き停止などの理由で申込できない場合があります。
大阪府制度融資の対象外になった法人の借入・資金調達方法
大阪府制度融資は金利が安くて大阪の法人・事業者の借入には魅力的な融資制度ですが、対象外となっている法人も多く、対象であっても書類などの審査が厳しいなど借入が困難な場合があります。そんな時にはほかの資金調達方法を検討しましょう。
1.信用金庫の事業者ローン
2.ノンバンク系のビジネスローン
3.不動産や有価証券を担保にしたローン
4.カードローン
5.手形割引
6.ファクタリング
上記、資金調達方法について詳しく見ていきます。
1.銀行や信用金庫の事業者ローン
銀行や信用金庫の事業者向けローンは、新規開業者の場合は難しいですがそうでない場合は借りられる方法のひとつとして有効な手段です。銀行でも全国的な大手銀行よりも、地域に根差した信用金庫や地方銀行のほうが地域のことを理解している分相談しやすいです。
2.ノンバンク系のビジネスローン
ノンバンク系のビジネスローンは、金利が高めだったり融資限度額に限りがあったりと厳しい制約がありますが、他のところでは審査が通らないような場合でも資金調達ができる可能性が高い融資方法です。特に法人の場合は法人だけを対象としているビジネスローン会社もあり、審査速度や資金調達の速度は早いので、急いでいるときにはとても役立ちます。
3.不動産や有価証券を担保にしたローン
もし担保になりそうな不動産や有価証券を持っていれば、担保を利用したローンを借り入れることもできます。担保がある分、条件が緩くなり金利などが下がったりする場合があるので、資金調達手段としては有望です。
4.カードローン
金額が小規模で問題がなければ個人用のカードローンという選択肢もあります。特に法人と性格上融資が困難な場合は、個人で資金調達するという選択肢もあります。但し総量規制があるので、原則年収の3分の1しか借りられません。
5.手形割引
受取手形があれば、手形を割り引いて現金化する方法があります。これは融資ではないので、余計な負債が増えないというメリットがあります。
6.ファクタリング
手形割引に似た方法として、売掛債権の現金化であるファクタリングも活用できます。ファクタリングも条件が整えば資金調達が早くできるメリットがあります。
大阪法人借入れのまとめ
大阪の法人で借入れを考えている場合、まずは大阪府制度融資を検討してみましょう。条件が整えば低金利で大口の資金調達が可能です。もし条件の対象外であったり、審査に落ちたりする場合は従来の融資や資金調達方法で資金を得るようにしましょう。