自己破産は事業者には最悪の事態です。「自己破産したらビジネスローンは使えないの?」や「いつからビジネスローンを使えるようになる?」という疑問を持つ人もいます。ビジネスローンを使うには、審査を通過する必要があるために、自己破産という事故情報があると契約が厳しくなるでしょう。

ビジネスローンで自己破産はする?

ビジネスローンは中小企業が多用する資金調達法です。ネックとなるのは金利の高さであり、月々の返済が負担になる場合があります。金利は18パーセントという高金利の場合もあり、ビジネスローンの返済によって事業が悪化してしまうという事態も想定されます。まずは、自己破産の基本的な情報を見ていきます。

ビジネスローンとは?

ビジネス用の資金を調達する方法は、様々なものが想定されます。最も多用されているのは銀行の融資であり、信頼度の高い事業者はこうした方法を選択しています。そのほかにも地方自治体の補助金や公的金融機関の制度融資、あるいはノンバンクのビジネスローンなども有用な資金調達法です。その中でも若年層や起業したばかりの事業者が利用するのが、ビジネスローンと言われています。

ビジネスローンは事業用のローンであり、銀行の融資よりも審査のハードルが低いことでも知られています。中小企業にとって、ビジネスローンは事業用の資金に最適な資金調達法の一つです。その用途は運転資金や設備資金、他行への借り入れなどです。
ビジネスローンには銀行系とノンバンク系があり、しっかりと借り入れをして欲しい場合には銀行系のビジネスローンです。ノンバンク系のビジネスローンとは、消費者金融などが準備している金融商品です。ノンバンクというと無理な取り立てなどを不安に思う人もいるかもしれません。しかし、近年ではノンバンクの金融業者を規制する貸金業法が改正されたことで、こうした危険性は限りなく低くなります。

実績などがない場合には、銀行の融資よりもビジネスローンを選ぶ場合もあります。融資を受けるためには審査を通過しないといけないので、より審査が緩い傾向にあるビジネスローンが選ばれるのです。

メリットとデメリットは?

事業用のローンというのは、様々なメリットがあります。その一方で、デメリットもあるために、この2つの情報は知っておかなければなりません。

ビジネスローンのメリットと言えば、審査のスピードが早い事と審査が緩い事です。融資を受ける際には、審査というのが大きなハードルとなる場合も少なくありません。しかし、ビジネスローンであれば審査が緩くなっていて、チェック項目が少ないために入金までのスピードも早くなります。
特にノンバンクのビジネスローンであれば、即日入金を売りにしている金融機関もあります。そのため、このスピード感のある融資こそが、ビジネスローンにおける最大のメリットといえるでしょう。

デメリットは金利が高くなる傾向がある事です。銀行融資では0パーセント代の金利を設定している所もあります。しかし、銀行系のビジネスローンでは15パーセントまでの金利が認められていて開きがありますが、銀行融資よりも高い金利となっている場合がほとんどです。
ノンバンクであるとさらに高い金利となっていて18%の金利が認められています。金利は月々の返済に大きく影響し、金利が高ければ総返済額が高額になります。この金利の高さが最大のデメリットで、最大のネックとなるのです。

ビジネスローンで返済不能になる場合とは?

ビジネスローンで返済不能になる場合は、多くの要因が考えられます。一般的には、事業の収益悪化が主な原因となります。過剰な借り入れによって資金繰りがうまくいかなくなり、返済不能になってしまうのです。取引先の倒産や未払いなどの外的な要因も返済を不可能にしてしまいます。
ビジネスローンの高金利の影響によって、月々の返済額が経営を圧迫してしまうという事態も非常によくある例でしょう。一つの要因だけでなく、複数の要因が重なり合う事でビジネスローンの借り入れが自己破産を誘発してしまう場合があるのです。

自己破産したらビジネスローンを借りることができる?

自己破産したらビジネスローンを借りることができるのかも気になるでしょう。自己破産すると、銀行の融資などを受ける事は基本的にはできません。ある一定期間はブラックリストに載る事になり、信用情報を照会されると自己破産した事はすぐに分かってしまいます。そのため、資金調達の方法も限られることになります。ビジネスローンは審査がそれほど厳しくないですが、自己破産しても借り入れる事ができるのかは大きな悩みになってくるでしょう。

自己破産するとどうなる?

自己破産するとどうなるのかは知っておいた方がいいです。自己破産すると、まずは99万円を超える現金を持つ事はできません。さらに、処分したときに20万円以上の価値がある財産も没収されます。他にも様々な制限がかかりますが、ビジネスローンと関わりがある制限は信用情報に事故記録が残ってしまう事です。これはいわゆる「ブラックリスト」に載った状態を指します。これがビジネスローンを契約する際に、大きなネックになるのです。

ビジネスローンを借り入れする事はできる?

自己破産した状態で、ビジネスローンを借り入れする事はできるのかは気になるところです。ビジネスローンには銀行系とノンバンク系があるという事は、この記事でも何度も言及していますが、この二つで自己破産に対しての対応が変わります。まずは銀行系の場合を解説しましょう。
結論から言うと、銀行系ビジネスローンは自己破産した状態では借りる事は難しいです。ビジネスローンが審査が緩いとは言っても、銀行系の場合には自己破産は審査を通過しない事も多いでしょう。銀行は自己破産や返済遅延などの経歴があるとビジネスローンであっても、厳しい対応を取ります。仮に契約できても金利を高くされたり、担保と保証人を要求される事は確実でしょう。

ノンバンク系では、各会社によって対応が違います。審査基準はそれぞれで用意しており、自己破産した状態で借り入れる場合にはノンバンクを選択する事になります。ノンバンク系は大手の消費者金融からそれほど知名度のない金融機関まで幅広いため、各会社ごとに調べてから申し込む必要があります。

借り入れできるビジネスローンは存在する?

借り入れできるビジネスローンはあるのでしょうか。実はノンバンクのビジネスローンでも、自己破産した状態では審査が通らないことが多いです。しかし、法律的には破産手続き後にローンを組む事は何の問題もありません。問題は金融機関側が、返済が滞った過去があるという事を重く見ているという事実です。一般的には銀行系の信用情報機関は破産後7年経過してから契約ができるようになります。その他の信用情報機関では5年となっていて、ノンバンクであっても最低でも自己破産が成立してから5年間はビジネスローンの契約は厳しいと言わざるを得ないでしょう。

ビジネスローンで自己破産を回避する方法

ビジネスローンで自己破産を回避する方法も知っておいた方がいいでしょう。自己破産してしまうのは資金繰りの悪化が大きな要因です。ビジネスローンで借り入れをしていると、自己破産のリスクは当然存在しています。自己破産するまでに経営が悪化するまでには兆候などもあり、そうしたサインを見逃さない事も重要です。
また回避する方法をしていれば、自己破産することなく事態を切り抜けることができるでしょう。ここからはビジネスローンで自己破産を回避する方法などを解説していきます。

リスケを申し込む

仮に、ビジネスローンの返済が滞ってしまう状況になったら、ビジネスローンを契約した記入機関に相談する事が最初にすることです。特に銀行からビジネスローンを借り入れている場合には、リスケに応じてもらえる可能性が高いのです。リスケとは返済スケジュールを見直す事で、月々の返済額を少なくしたり、返済期間を長く設定し直したりすることによって返済を可能にすることです。銀行側が最も恐れているのは自己破産されて、融資額を回収できない事です。そのために、完済を目指すためにリスケを行うのは、意外にも簡単に受け入れてもらえる事も少なくありません。

一方、ノンバンクでビジネスローンを組んでいる場合には、リスケは難しい場合も多くあります。ノンバンクは銀行ほどに親切な対応はしてくれない場合もあるので、リスケはノンバンクの場合は有効な手段とは言えません。しかし、リスケに応じてもらえないからと言って、自己破産に直結するわけではありません。そこで紹介するのが「借り換え」という方法です。

借り換え

「借り換え」は他の金融機関から資金を借り入れて、すべてを一括で返済してしまうという方法です。例えば、ビジネスローンの返済が滞ってしまう状況に陥ったとしましょう。その場合に、他の金融機関から返済できないビジネスローンを一括で返せる金額を、借り換えます。そして、一括で返した後に、自分の返済能力に合った条件で、新たに借り入れた金融機関に返していくのです。

この方法のメリットは、月々の返済額を少なくすることができる事でしょう。前に借りていたビジネスローンの時の返済条件を変えるのは、難しい場合もあります。借り換えをすれば、現在の返済能力で十分に返していける条件で借り入れることができます。突然の経営の悪化などで返済不能になった場合には、借り換えを実行する事によって資金を融資してもらいながら、事業に影響を与える事が無くなるのです。

専門家への相談

専門家への相談は、返済不能に陥った時にも有効な方法です。専門家とは銀行の融資担当者や会計士、ファイナンシャルプランナーの事を言います。返済に関する相談はプロの知識が必要となるために、こうした専門家の助言は有用です。専門家への相談をすることで、知らなかった融資制度や補助金などを知る事ができるので、事業をしっかりと進めてく上ではこうした専門家のアドバイスは、しっかりと聞いておいた方がいいでしょう。

返済遅延や返済不能という状況は、突然の経営の悪化だけでなく、外的な要因(国際情勢の不安定化、災害や天災の影響など)によっても左右されます。高額のビジネスローンを借り入れている場合には、銀行側も様々な方策を用意しているので、思い切って相談してみるとしっかりと対応してくれるという事も多いのです。
自己破産という事態に陥らないためにも、返済遅延という状態になった時の対処法は知っておいた方がいいでしょう。

ビジネスローンの自己破産のまとめ

ビジネスローンと自己破産の関係性は知っておいた方がいい事柄です。ビジネスローンを返済不能になると、自己破産のリスクが高まり、最悪ブラックリストに載ってしまう事になります。ビジネスローンは若年層でも借り入れる事がある金融商品のために、返済不能を甘く考えていると自己破産に繋がってしまいます。
自己破産は様々な影響を与えるために、破産に陥る前に対応する事が重要です。