開業資金の調達は、起業する時の大きな課題です。開業資金の調達をする方法は様々に存在しますが、どの方法を選べばいいのかは難しい選択となります。より効率的に開業資金を調達したければ、それらの資金調達法に関して情報を集めておいた方がいいでしょう。この記事では、開業資金の調達に関して解説していきましょう。
目次
開業資金の調達はどうする?
開業資金の調達は成功させるために知っておくべきポイントはいくつかあります。こうした事を知っておく事が、開業資金におけるリスクを最小化する事につながります。注意すべき点が分かれば、開業資金の調達に失敗する可能性は少なくできるため、こうした情報は重要です。
注意すべき点は、以下のポイントとなります。
・事業計画書の作成
・自己資金の割合
・資金調達の多様化
・借入額と返済計画
・金利と返済条件の確認
・助成金・補助金
ここでは、開業資金の調達を成功させるために知っておくべきポイントについて一つ一つ紹介していきます。
事業計画書の作成
事業計画書の作成は、開業資金を準備する上でも重要です。事業計画書がずさんだと、「開業資金としていくら必要なのか」や「事業の継続性は保てているか」を判断する事ができません。融資や投資によって開業資金を集めようとしている場合には、収益予測、ビジネスモデル、市場調査、競合分析といった様々な要素が必要となってきます。こうした事をアピールするためにも事業計画がしっかりと作られているかは、対外的に事業の健全性をアピールする上でも重要です。
自己資金の割合
自己資金の割合の高さは開業する上でも重要です。開業資金を準備する時に、どこまでが自己資本で、どこまでが外部からの出資なのかを考える必要があります。自己資本比率は実はかなり重要視されていて、開業資金の30~50パーセントが自己資本だと健全な会社と扱われるようになります。逆に自己資本の比率が低いと、経営に際してリスクがあると判断される可能性も高いので、注意が必要です。
資金調達の多様化
資金調達の多様化も意識した方がいいポイントです。複数の資金調達法を組み合わせる事で、リスクヘッジに繋がっています。自己資金と銀行融資などの割合を先述しましたが、自己比率100パーセントがいいというわけではありません。しっかりと分散する事で、資金不足のリスクを下げる事ができるのです。リスク分散は事業を進めていく上でも重要な概念なので、資金調達の多様化は重視されてきている概念です。
借入額と返済計画
借入額と返済計画のバランスは、事業を継続していく上でも重要です。開業資金として借入金を使った場合には、月々の返済が生まれます。この返済が大きな負担になり、経営が傾いてしまうというのもしばしば起こる事なのです。借入金を使う際には、返済計画を立てておくと経営への影響が少なくなります。開業資金を準備する時には、返済計画まで立てる事が長期のビジネスを成功させるポイントです。
金利と返済条件の確認
金利と返済条件の確認は怠ってはいけません。近年では、外的な要因によって金利の変動が行われる事も多くなっています。返済条件を設定した時に、固定金利と変動金利のどちらにしているかは確認しておく必要があります。国内外の為替市場が乱高下している時には、日銀の動向は注視されており、外的な要因によって市場が動いている事も注意が必要です。特に変動金利にしている時には、この返済条件を確認する事がリスクに振り回されないポイントとなります。
助成金・補助金
助成金・補助金のリスクも頭に入れておきましょう。助成金・補助金は返済する必要がない資金調達法として有用ですが、手続きが煩雑になるというリスクは知っておいた方がいいです。審査に数か月かかる可能性もあり、対象条件なども厳格な場合も少なくありません。受け取るまでのタイミングを逆算しなければ、開業資金の準備が遅延してしまう場合があります。
ここで見てきたように、開業資金の調達には様々なポイントがあります。慎重に計画を立てる事が重要で、自分に無理のない範囲で開業資金を集めていく事が大切です。開業前には様々なトラブルが発生する事もつきものなので、どんな状況でもしっかりと対応できるような柔軟性を備えておくことも重要となってきます。
開業資金の調達にはどんなものがある?
開業資金調達にはどんなものがあるのかを見ていきましょう。開業資金をどれだけ用意できるかで、その会社がうまくいくかは変わってくるでしょう。開業資金の調達は様々な方法が考えられるため、それぞれの特性は知っておく必要があります。
一般的に、開業資金の調達には以下のモノが考えられます。
・自己資金
・家族や友人からの借り入れ
・公的融資・助成金
・クラウドファンディング
・ファクタリング
・リース・クレジットカード
・エンジェル投資家・ベンチャーキャピタル
こうした資金調達法は専門的な知識が必要なものもありますが、全く必要がないものもあります。
ビジネスの規模や性質、リスク許容度、自己資金の状況など、様々な要素を比較したうえで、自分にピッタリと合う資金調達法を選ぶ事が重要です。ここでは、開業資金の調達方法について一つ一つ紹介していきます。
自己資金
自己資金は、開業資金を調達する最も基本的な方法です。自己資金とは自分自身で資金を調達する事で、外部からの資金を使わないため、倒産する時などにもリスクが少ないとされています。なぜなら、外部からの投資家などの関わりがないために、資産のコントロールが失われるリスクが無くなるからです。自己資金で開業資金を用意できる事業者は、なるべく開業資金を自己資金から出す事が重要です。
家族や友人からの借り入れ
家族や友人からの借り入れは自己資金で用意できない場合に選択される方法です。こうした資金源を使った場合には、事実上、自己資金で用意したとみなすことができます。しかし、こうした借り入れ方法は、リスクも少なくありません。借り入れの際には、しっかりと返済に関する取り決めをしておいた方がいいでしょう。人間関係に影響を与えるリスクも背負ってしまうために、家族や友人などに負担をかける可能性がある方法を避ける事業者も数多くいるのも事実です。
銀行融資
銀行融資で事業資金を調達するのは一般的な方法です。事業計画書や収支計画などを準備した上で、審査を受ける事になります。金利などは低いですが、利息が付くことは覚悟しておく必要があります。また、有担保の融資だと高額の借り入れもできますが、担保を回収されてしまう可能性も少なくありません。銀行の融資は審査に時間がかかったり、書類に不備があれば再提出したりする事もあるために注意が必要です。
公的融資・助成金
公的融資・助成金も開業資金として使用できます。国や地方自治体が用意している制度融資は、低金利で審査も緩いという特徴があります。中には無利子での融資もあり、かなり有用な資金調達法です。また、政府や地方自治体、公的な金融機関が扱っている助成金は返済なしの場合もあるので、この制度を利用すれば、しっかりとした開業資金を準備する事ができます。特に、日本政策金融公庫や地方自治体は長期のサポートをしてくれるために、多くの事業者が利用を検討しています。
クラウドファンディング
クラウドファンディングは近年注目されている資金調達法です。インターネットを使った方法であり、少額に寄付を募って目標額を集めるという制度です。リターンなども準備していると、高額の寄付金を集める事ができます。
多くの人が協力してくれる場合には億単位の金額が集まる事もあるために、非常に有益な資金調達と言えるでしょう。世界的にもこうした資金調達法は注目されていて、数万円から数億円という幅広い資金調達ができる方法です。
エンジェル投資家・ベンチャーキャピタル
エンジェル投資家やベンチャーキャピタルは、出資を募る方法です。市事業に成長可能性があれば、個人のエンジェル投資家やベンチャーキャピタルが出資してくれるというのが、この資金調達法となっています。成長が見込めるビジネスプランであれば、しっかりとした融資額が見込めます。
彼らのメリットは資金を出資する代わりに、リターンとして配当金があるという点です。株式や事業の一部の権利を譲渡する事によって、開業資金をしっかりと調達する事ができるのです。この方法は専門家の協力が必要な場合も多いので、金融の知識がある人に相談する事も重要です。
ファクタリング
ファクタリングは、金融の知識がある人が選択する資金調達法です。これは売掛金を持っている事業者が実行する資金調達法です。ファクタリングは売掛金をファクタリング会社に譲渡し、早期の現金化をする方法を指しています。
これはいわゆる「前倒し」であり、即座に資金が欲しい場合には有効な方法です。しかし、金融の知識がなければファクタリング会社を使う事を避ける傾向にあります。リスクもあると考えている人も多いですが、実は売掛金をファクタリングで現金化する方法にリスクはあまりないのです。デメリットとしては手数料がとられてしまい、売掛金の価値の9割程度の現金しか手に入りません。実はファクタリング会社というのは、非常に有効な資金調達法であると言えます。
リース・クレジットカード
リース・クレジットカードなどは、開業資金を調達する上でも使用できます。リースは購入するのではなく、設備などをレンタルする方法です。資金そのものを調達するのではなく、低額で設備を調達する事で開業資金を節約する事ができます。なるべく、開業資金を抑える事は、経営にとってはかなり有用な方法となっています。
また、クレジットカードを利用して、資金を使って設備や機器を準備する事も有効です。開業資金をこうした方法で調達する、節約するという事は、長期で事業を進めていく上でも欠かせない工夫となっています。
開業資金の調達のまとめ
開業資金の調達は、どれだけの資金を集めたいかによって変化します。担保の有無やスピード感、返済能力など様々な要因が、開業資金の調達を左右する事になるのです。そのため、それぞれの資金調達法のメリットやデメリットをしっかりと理解する必要があるでしょう。
この記事で紹介した開業資金の調達を参考にして、開業資金の調達をご検討ください。