法人の代表者をしていると、常に頭のどこかに資金繰りのことがあるでしょう。
手元に十分な資金がない、でも支払期限が迫っている場合融資の利用も検討しなければなりません。
融資先として銀行や信用金庫、政府系の日本政策金融公庫などいろいろな選択肢があります。
その中の一つに今回紹介するビジネスローンがあります。
ビジネスローンの特徴の一つに、融資実行まで早い点が挙げられます。
銀行融資が受けられるまでのつなぎ資金としてビジネスローンを利用している経営者も少なくありません。
ビジネスローンの融資はなぜ早いのか、早く融資を受けるためにどうすればいいかについてここで詳しく紹介します。
目次
ビジネスローンの融資は早いのか?
ビジネスローンの特色の一つに、融資スピードの早い点がしばしば挙げられます。
ほかの方法と比較して本当に早いのか、なぜ早く融資できるのかについてここで詳しく見ていきましょう。
ほかの主要な借り入れ方法と比較してみた
法人が融資を受ける手段として、ビジネスローンのほかにも日本政策金融公庫や銀行からの融資も選択肢として挙げられます。
日本政策金融公庫は創業時にも融資してもらえる、低金利で借り入れることができるとメリットもあります。
しかし審査スピードは決して早くありません。
まず申し込み受理から審査結果が出るまでに10日前後かかります。
さらに審査が出てから融資実行されるまでにプラス10日前後かかります。
つまりどんなに早くても3週間前後かかる計算です。
しかも繁忙期になると、さらに時間がかかってしまいます。
場合によっては2~3か月程度かかることもありますので、今すぐ借り入れたいという場合には不向きです。
銀行融資についても同様です。
法人の資金繰りというと銀行からの融資を連想する人も多いでしょう。
しかし銀行融資も実行されるまでにはそれなりに時間がかかります。
金融機関により若干違いがあるものの早くても1か月程度は期間が必要です。
時間がかかると日本政策金融公庫同様3か月程度かかってしまう場合も珍しくありません。
ビジネスローンの場合、上記2つの方法と比較して審査はかなり早くなっています。
どんなにかかっても1~2週間後には審査結果が出て、融資実行されるはずです。
特にノンバンク系のビジネスローンは審査のスピーディさで定評があります。
早いところだと最短即日融資に対応しているところもあるほどです。
急な出費で手持ちがない場合などは、ビジネスローンを活用するといいでしょう。
なぜビジネスローンは早い?
ビジネスローンの審査が早いのは、その手続きにあります。
銀行の場合、審査を受けるにあたっていろいろな書類を準備しなければなりません。
決算書や資金繰り表、事業計画書などを作成して提出します。
それら資料をチェックして会社の経営状態や財務状況を審査したうえで、融資するかどうかを判断します。
人の目で細かくチェックするので、どうしても審査に時間がかかってしまいます。
一方ビジネスローンではスコアリングシステムに基づき、融資の可否を判断しています。
スコアリングシステムとは、融資の申し込みがあった場合その人の信用力を数値化します。
いろいろな属性でそれぞれ点数をつけて、一定の基準を満たしているかどうかチェックするスタイルです。
スコアはこれまでの融資実績などのデータベースに基づき決められています。
必要事項をコンピューターに入力して、審査結果を出しています。
人の手ではなくコンピューターが診断するので、瞬時に結果が出るわけです。
ですから銀行融資などと比較して、ビジネスローンは早く借入できます。
審査の早いビジネスローンの特徴を解説
ビジネスローンは一般的に審査の早いことはすでに紹介しました。
しかしビジネスローンの中でも審査スピードには差があります。
審査の早いビジネスローンの特徴を見てみると、いくつかポイントがあります。
1.金利が高い
2.借入限度額が低い
3.借入できるのは1回きり
それぞれなぜ審査が早いのかについて解説していきます。
金利が高い
上限金利の高いビジネスローンは審査が早い傾向が見られます。
審査が早いのはそこまで詳しくチェックをしていないからです。
ということは債権回収できなくなるリスクも高いので、その保険として金利を高めに設定しているわけです。
上限金利が18%前後と利息制限法の上限金利ぎりぎりに設定しているようなビジネスローンは、審査スピードが速くなっていますし基準も甘めです。
ただし利息の支払い額が大きくなるので、早めに返済して負担を少しでも軽減するなどの対策が求められます。
借入限度額が低い
借入限度額を少なめに設定しているところは、審査スピードの早い可能性が高いのです。
審査が早いのはそれほど詳しく申込者の条件などをチェックしていないからです。
つまり融資リスクも高いので、それほど大きな金額を貸し付けることはできません。
ビジネスローンは銀行融資と比較して、そこまで多額の貸付は行っていません。
しかしその中でも1,000万円以上の融資に対応している商品もいくつか見られます。
一方貸付の上限を300~500万円と少額融資にしているビジネスローンもあります。
このような事業用の割には小口融資がメインのビジネスローンは審査基準が緩く、借入までのスピードの早い可能性が高いわけです。
ただし担保をつけないといけないビジネスローンの場合、この限りではありません。
債権回収できなくても担保を押さえればいいので、無担保と比較してリスキーではないからです。
もし何らかの資産を持っていて、早めにまとまった資金を借り入れたければこのような担保が必要なビジネスローンへの申し込みを検討しましょう。
借入できるのは1回きり
借入できるのが1回きりのビジネスローンのことを、証書貸付型と呼びます。
金銭消費貸借契約証書と呼ばれる契約書を作成し、融資するのが特徴です。
この手法では後々追加で借入をお願いすることはできません。
契約した段階で決められた返済額と金利、期間で融資するので途中で借入も増えません。
よって債権回収できる可能性が高いので、審査を早めに済ませてもそこまで危険性はないわけです。
ビジネスローンで早く融資を受けるためのコツ
ビジネスローンは審査がスピーディで融資までに時間がかかりません。
中には最短即日融資に対応しているところもあるほどです。
しかし即日融資など早く借り入れるためには申し込む側も工夫が必要です。
即日融資で借入するためには、以下のことを心がけてください。
1.必要書類を準備しておく
2.申し込みは正午前に
3.申し込みフォームは見直す
4.複数の候補を決めておく
5.前もってローンカードを作っておく
6.ほかの資金調達法も視野に入れる
それぞれなぜ必要なのかについてみていきますので、いざというときのために頭に入れておきましょう。
必要書類を準備しておく
ビジネスローンは銀行融資と比較して、必要書類は少ないのですがいくつか準備しておかないといけない資料があります。
申し込む前の段階で必要書類をフルセット用意しておくと、手続きがスムーズにはかどります。
必要書類はローン会社によって若干異なるところもあるかもしれません。
申し込もうと思っているローン会社のホームページにて、必要書類を確認しておきましょう。
しかし一般的に法人の場合、登記事項証明書と決算書、法人代表者の身分証明書が必要です。
決算書は原則2期分用意するというビジネスローンが多いので注意してください。
また設備資金の借入を希望する場合、その購入する設備の見積書や注文書が必要になるかもしれないのであらかじめ確認しておいてください。
申し込みは正午前に
申し込みをする際には正午前、できるだけ午前の早い段階で手続きを済ませるようにしてください。
即日融資の場合、貸付は銀行振り込みの形をとるのが一般的だからです。
ということは銀行での振込手続きが営業時間内に完了していないと、振込が反映されるのは翌営業日以降になってしまいます。
通常銀行の営業時間は平日15時には閉まってしまいますので、その時までに手続きが終わっていないといけません。
振り込み実行する前に振り込みの事務手続き、審査もありますので逆算すると正午以降に申し込むとスケジュール的に厳しくなります。
ただしネットバンキングを利用していて、こちらに振り込み可能なビジネスローンであれば午後以降でも即日融資に対応している可能性があります。
ネットバンクの場合、24時間・365日いつでも取引できるからです。
申し込みフォームは見直す
ビジネスローンの申し込み方法として、Web完結型のものもあります。
インターネットですべて手続きが完了するので、いちいち来店する必要もありません。
本業が忙しくて、なかなか店舗に顔を出せない人にとって重宝します。
Web申し込みの場合、ビジネスローンの公式サイトに申込フォームがあって、案内に従って必要事項を入力します。
必要事項をすべて入力したら、すぐに送信せずにその内容を確認しましょう。
というのももしかすると誤字・脱字があるかもしれないからです。
誤字脱字のせいで本人や法人の確認が取れないと電話による確認が必要になったり、その時点で審査落ちになったりする恐れがあります。
電話による確認も業者によっては後回しにされて、その間に銀行が閉まってしまうことも十分考えられます。
特にパソコンやスマホで申し込む場合、変換ミスでそのまま送信してしまうこともあり得ますので送信する前に申込内容に誤りがないかしっかり確認する習慣をつけましょう。
複数の候補を決めておく
特定のビジネスローンに申し込んで審査通過して、融資が受けられる保証はありません。
もしかすると審査落ちしてしまう可能性も想定して、別の候補も検討しておきましょう。
ただし複数のところに同時に申し込むのはお勧めできません。
逆に心証が悪くなってしまうからです。
審査時にローン会社は信用情報機関に問い合わせます。
もし複数に同時申し込みすると信用情報機関への照会が殺到してしまいます。
すると「お金によほど困っている」と判断されて、審査で否認する恐れがあるわけです。
ですからあらかじめ複数の候補を決めて、まず第1希望のローン会社に申し込みます。
そして第1希望のところの審査で借入できなければ、次のところという感じで進めていきましょう。
前もってローンカードを作っておく
ビジネスローンの中にはカードローンのように、ローンカードを発行するスタイルのところもあります。
ATMで借入や返済する形になります。
もし将来お金が必要になりそうであれば、あらかじめローンカードを作っておくといいでしょう。
そうすればいざお金が必要な時、すぐにATMで必要な現金を確保できます。
今はお金に困っていなくても、万が一のために余裕のある時に申し込むのも一考です。
ほかの資金調達法も視野に入れる
もしかするとどのビジネスローンでも資金調達できないというケースもあるかもしれません。
その時のために、ビジネスローン以外で資金調達できないか検討しておくといいでしょう。
具体的には家族や知人から借りられないか検討してみる、法人の代表者自身でカードローンを利用するなどです。
また売掛金があれば、ファクタリングを利用するのも一考です。
売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらって、現金を確保する方法です。
ファクタリングは審査がありません。
売掛債権がどのくらいあるのか、取引先に信用力があるかで買取の可否を判断します。
経済産業省でも推奨している方法なので試してみるといいでしょう。
ビジネスローンは審査が早いのが特徴!のまとめ
銀行融資や日本政策金融公庫の融資と比較して、ビジネスローンは審査がスピーディです。
即日融資に対応しているところもあるほどなので、急な出費ですぐに現金が必要な時に活用しましょう。
しかし即日融資でお金を借りるためには、こちら側もいろいろと準備する必要があります。
ここで紹介した即日融資でより確実に借り入れる方法を参考に、いざというときの資金調達法として活用しましょう。