スピーディに融資が受けられるということで、法人代表者の中にはビジネスローンを資金繰りの手段として利用している人も多いでしょう。 ビジネスローンは借りやすいですが、いずれ返済しなければなりません。 もしこれから初めてビジネスローンを利用しようと思っているのであれば、返済に関することも理解しておくべきです。 今回は支払い回数や返済期間、無理なく返済するコツについて紹介しますので参考にしてください。

ビジネスローンの支払い回数の基本

ビジネスローンの支払い回数ですが、金融業者の指定する範囲内であれば自分で任意に設定できる商品が多いです。 ですから無理なく返済できるような支払い回数に設定できるわけです。

1~10年の返済期間が一般的

支払い回数は、金融機関によって設定されています。 支払い回数は金融機関によってまちまちですが、返済期間は最短で1年、最長で10年としている商品が多いです。 支払いは月に1回のペースというビジネスローンがほとんどです。 支払い回数はそれぞれ1年だと12回、10年になると120回となります。

最長は5~10年が多い

ビジネスローンの返済期間には上限が決められています。 上限も商品によって個別差がありますが、大体5~10年に設定されているのが一般的です。 支払い回数に換算すると60~120回となります。

長期返済にするメリット

金融機関の決めた範囲内であれば、自分たちで自由に支払い回数を決めることが可能です。 短期返済することもできれば、長期返済に設定することも可能です。 長期返済にするメリットとして大きいのは、月々の返済額を少なくできる点です。 支払い回数がおのずと多くなるので、頭割りすれば1回当たりの返済額を少なくでき、返済負担を軽減できるわけです。 実際にシミュレーションしてみましょう。 100万円を15.0%の金利で借入したと仮定します。 もし5年間・支払い回数60回で借り入れた場合、月々の返済額は23,790円です。 これが10年間・支払い回数120回で融資を受けた場合には、月々の支払額は16,133円になります。 月々7,500円以上支払い負担を軽減できます。 月々の支払額が少なくなれば、資金を返済以外に回すことが可能です。 事業拡大を検討している、設備投資に回すなど別で資金が必要であれば、返済期間は少し長めに設定しておくことも検討しましょう。

短期返済にするメリット

一方短期で完済する方法もあります。 短期返済にすることで、返済総額を少なくでき結局お得になるのがメリットです。 返済する際には利息の支払いが必要になり、返済期間が長くなると利息もより多く負担しなければならないからです。 こちらも実際にシミュレーションして比較しましょう。 今回も100万円を金利15.0%で借りた場合で仮定してみます。 もし5年間で完済を目指すのであれば、利息支払い含めた返済総額は1,427,396円です。 これが10年間の返済期間で設定すると、返済総額は1,936,019円になります。 返済総額が50万円以上も違ってくるわけです。 つまり50万円以上も余計に利息を支払わないといけなくなり、負担も大きくなってしまいます。 無駄に長期間の返済計画にしてしまうと、結局損するのは自分たちになります。 金融機関の公式ホームページやポータルサイトに返済シミュレーションが用意されています。 シミュレーションを使って、無理のない返済計画、できるだけ無駄なコストを負担しない支払い回数はどこなのかいろいろと検討してみるといいでしょう。

ビジネスローンの返済方法も理解しよう

ビジネスローンの返済計画を立てるにあたって、支払い回数のほかにも返済方法についても比較するといいでしょう。 主要な返済方法として、以下の3つが考えられます。 1.元利均等返済 2.元本一括返済 3.残高スライドリボルビング返済 返済方法によって、その特徴は異なります。 3つの返済方法の特徴を理解し、これから申し込もうと思っているビジネスローンはどの方法を採用しているかチェックしておきましょう。

元利均等返済

元利均等返済とは、月々の返済額が一定になる返済方法です。 決められた返済額の中に元本返済分と利息支払い分が両方含まれているのが特徴です。 最初のうちは利息支払い額の方が大きく、返済を繰り返していくと徐々に元本返済分の占める割合が大きくなります。 ビジネスローンのほかでも、住宅ローンでもしばしば採用されている返済方法です。 元利均等返済のメリットは、月々の支払額が一定である点です。 毎月決められた額を返済していけばいいので、資金のやりくりもしやすいでしょう。 しかし元利均等返済の場合、特に初期ですが利息の支払いの割合が大きくなかなか元本が減りません。 長期返済を検討している場合、支払総額が増えて結局損してしまう恐れも出てきます。

元本一括返済

元本一括返済とは、借入期間の満了日に元本を一気に返済するスタイルのことです。 ちなみにそれまでの期間は、決められた期日までに利息支払いだけする形になります。 ここで何度か取り上げた100万円を年利15.0%で借り入れて、1年後が満了日という借入契約を交わしたとします。 この場合、1年間は利息15万円を月々返済するだけです。 そして1年後満了日が訪れた時に、元本の100万円を一気に返済するわけです。 元本一括返済の場合、満了日が来るまでは元本返済の必要はありません。 利息の支払いだけなので、支出を必要最低限に抑制できます。 ただし元本を一括返済しなければなりません。 もしある程度まとまった額を借り入れた場合、前もって資金準備をしておく必要があるので注意してください。

残高スライドリボルビング返済

残高スライドリボルビング返済とは、残高に応じて月々の返済額が決まる方式のことです。 残高が少なくなると、月々の支払額も少なくなるので余裕をもって返済できます。 カードローンの返済方式で多く導入されている手法なので、カードローンの利用者はご存じかもしれません。 残高スライドリボルビング返済の魅力は、月々の返済額を少なく抑えられる点です。 残高にもよりますが月々数万円程度、残高によっては数千円の支払いでも構わないような商品も見られます。 ただし月々の返済額が少ないということは、完済までの支払い回数も増えてしまいます。 すると利息が膨らんで、結局返済負担が長期的にみれば大きくなってしまいます。

返済計画の立て方について解説

もし無理な返済計画を立ててしまうと、後々資金のやりくりが厳しくなったり、滞納したりする可能性もあります。 特に後者の滞納をしてしまうと、信用情報に傷がつき今後の融資で不利になりかねません。 そこで無理のない返済計画を慎重に立てる必要があります。 そのためには押さえておきたいポイントがいくつかありますので、ここで解説します。 ビジネスローンの借入を検討している、返済計画を模索するときに参考にしてみてください。

返済原資をどこから持ってくるか?

返済計画を立てるにあたって問題になるのは、月々いくらまでなら返せるかという問題です。 この部分を正しく算出していないと、返済計画がのちに立ちいかなくなる恐れが出てきます。 返済原資は当期純利益と減価償却費を加算すれば出てきます。 損益計算書の利益は売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益・税引後当期純利益の5段階で算出するでしょう。 この中でも最後の段階である税引後当期純利益をベースにして考えます。 税引後当期純利益とは、仕入れから税金まで必要なコストをすべて支払った後に残る純利益のことです。 ただし税引後当期純利益がそのまま会社に残っているとは限りません。 支払いでズレの生じている可能性があります。 その中でも主要な要因の一つとして、減価償却です。 減価償却とは法定耐用年数に応じて、分割して固定資産の価値を計上する方法のことです。 会社で使用する設備で、減価償却で処理するものは多いでしょう。 減価償却は設備を導入した初年度はキャッシュが少なくなり、2年目以降はキャッシュが多くなる傾向が見られます。 さらに売掛金や買掛金が会社によってはキャッシュのずれが大きくなる要因になりえます。 もし売掛金や買掛金が大きければ、この部分も想定してどの程度返済金を用意できるか検討しましょう。

運転資金も想定しておく

返済原資を算出すれば、より具体的な返済計画が立てられるでしょう。 しかし返済原資をそのまま全額返済に回せるかというと、決してそうではありません。 というのも会社運営するために欠かせないコストとして、運転資金があるからです。 運転資金をストックしておかないと、会社が資金ショートを起こし経営危機を招きかねません。 運転資金のことを想定する際に、忘れてはならないのが人件費などの固定費も含めておくことです。 会社運営を続けるためには人件費や事務所の賃料なども欠かせません。 どのくらい運転資金を手元に残しておくべきか、一律の正解はありません。 しかし一般的には3カ月分もしくは6カ月分が目安といわれているので、参考にしてください。 どの程度運転資金として手元に残すべきか、ベースはキャッシュの入ってくるタイミングです。 もし売掛金を1カ月後に回収できるのであれば、1カ月分の運転資金があれば、資金を回していけます。 しかしもし8カ月待たないと回収できなければ、8カ月分の運転資金を用意しなければなりません。 もう一つ運転資金の考え方として欠かせないのが、設備投資の問題です。 設備投資を検討しているのであれば、ある程度まとまった資金が必要になります。 自己資金だけで賄えない可能性もあるので、その場合には追加借り入れも検討する必要が出てくるでしょう。

ビジネスローンの支払い回数の相場は?

ビジネスローンを実際に利用した法人経営者が支払い回数をどうしたか、アンケートを取ったところがあります。 大手銀行が、中小企業の経営者210人に対してビジネスローンに関する調査を行いました。 その結果、ビジネスローンの返済期間は3年以上が33.8%で1~3年が20.0%となりました。 個人事業主208人に対しても同様の調査を行ったのですが、3年以上が28.1%で6カ月から1年未満が25.0%でした。 こうしてみると、3年以上の返済期間に設定している法人が多いことがわかります。 無理のない返済計画を立てるためには、時間的に余裕を持った方がいいのかもしれません。

後悔のないビジネスローン活用のポイントを紹介

ビジネスローンで借り入れたはいいけれども、返済がうまくいかなければ意味がありません。 そこでビジネスローンを後悔なく利用するために意識しておきたいポイントについて、ここでは見ていきます。 ポイントとして、以下の部分を意識したほうがいいです。 1.事業の黒字化を最優先 2.長期借入なら低金利のビジネスローンを 3.返済計画を具体的に立てる なぜこれらのポイントが大切なのか、以下で詳しく見ていきます。

事業の黒字化を最優先

ビジネスローンで資金調達したら、有効活用することを最優先に考えてください。 ビジネスローンで借入するのは、そもそも事業を安定させることが目的だったはずです。 そこで資金の融資を受けたら、どうやれば事業で安定した収益を出せるかをよく考えることです。 そのためには黒字化のための施策を社内でしっかり検討することです。 利益を最大化するのはもちろんのことですが、支出の部分で無駄な出費をしていないか見直してみましょう。

長期借入なら低金利のビジネスローンを

まとまった資金を借り入れるのであれば、無理なく返済するために支払い回数を増やすことが重要です。 長期借入を検討する際には、できるだけ金利の低い商品を探しましょう。 ビジネスローンの場合、まとまった資金の借入になることも少なくありません。 ですから利率がちょっと違うだけでも、返済総額がかなり変わってくる可能性が高いです。 ここでも何度か紹介した、100万円の借入を金利15.0%で借り入れた場合をシミュレーションしてみましょう。 例えば5年間借り入れた場合の返済総額は、1,427,400円でした。 これが1%アップして16.0%で借り入れた場合、そのほかの条件は全く一緒でも返済総額は1,459,080円になってしまいます。 3万円以上の負担アップです。 法人の場合、1000万円を超える大きな額の借入申し込みも珍しくありません。 そうなれば、利率1%の違いが大きな返済総額になって跳ね返ってくる可能性もあります。 ビジネスローンは金融機関からノンバンクまで、幅広い業者が取り扱っている商品です。 一般的な傾向として、ノンバンクと比較すると金融機関の方が金利は低めです。 もし長期借入を検討しているのであれば、金融機関の提供するビジネスローンの中から候補を絞り込んでいきましょう。 銀行系ビジネスローンは、金利は5~10%といったところが相場です。 一方ノンバンク系は10~15%前後が相場ですから、数パーセント銀行の方が低めです。 ただし銀行系ビジネスローンは金利が低い分、審査難易度は高めです。 また融資までに何日かかかる可能性もあります。 もし今すぐお金が必要であれば、即日融資にも対応しているところもあるノンバンク系のビジネスローンに申し込むことも視野に入れておきましょう。

返済計画を具体的に立てる

無理なく返済するためには、あらかじめ返済計画をしっかり立てることも重要なことです。 ビジネスローンの返済シミュレーションを活用して、返済期間と毎月の返済額、返済総額を確認することです。 借り入れる前に、自分たちのキャッシュフローがどのようになっているか見直しましょう。 そのうえで、月々いくらまでであれば返済資金を用意できるかチェックしてください。 キャッシュフローを見直す際には、どこか無駄なコストを圧縮できないかも検討しましょう。 無駄なコストをカットすることで、返済資金をアップできるからです。

まとめ:支払い回数を検討する際には慎重に

ビジネスローンで当座の資金繰りはしのげても、返済できなければ元も子もありません。 ビジネスローンを利用する際には必要な借入額だけでなく、どうすれば無理のない返済ができるかシミュレーションしておくことも大事です。 借り入れたお金をどこに充てて、どうやって利益を上げるのかを十分検討してください。 また日々のキャッシュフローを見直して、月々どれだけ返済資金に充てられるかを算出したうえで支払い回数を決めていきましょう。 そうすれば、返済資金に窮するような緊急事態に陥ることもないでしょう。