飲食店を運営していて、一時的に運転資金が不足することは十分あり得ます。
この場合、どこかから資金調達して資金繰りが円滑に進められるようにしなければなりません。
では飲食店の資金調達方法として、どのようなアプローチが考えられるかについてみていきます。
飲食店の資金調達方法の一つに、今回紹介するビジネスローンの利用も検討してみましょう。
慢性的な資金難に陥っている場合、どのように改善すればいいかも併せてみていくので参考にしてください。
目次
飲食店の運転資金の目安について解説
飲食店の運転資金に関して、「そんなに必要ない」という意見がしばしば見られます。
というのも飲食店は「日銭商売」といわれているからです。
確かに一般的なビジネスのような掛け売りではなく、その場で現金にて売り上げ確保できるので運転資金もあまり用意しなくてもいいのではないかと思われがちです。
しかしある程度の運転資金を確保しておかないと、資金繰りに苦しむ可能性があります。
すぐに経営は軌道に乗らない
飲食店を開業すれば、すぐにお客さんが集まって一定の売上が出るというのは間違いです。
開業してから経営が軌道に乗るまで、ある程度の時間がかかります。
日本政策金融公庫が「新たに飲食業を始めるみなさまへ 創業の手引き+」というものを発行しています。
この中で開業してから軌道に乗り始めるまでどのくらいの期間かかったか?に関するアンケート結果が出ています。
この中で「3カ月以内」と答えている飲食店は全体の1/4強にすぎませんでした。
一方半年以上かかっている飲食店は、全体の6割程度を占めています。
そこで日本政策金融公庫ではこの手引きの中で、開店してから半年程度は赤字になる可能性が高いのでそれを賄える分の運転資金を準備するように推奨しています。
3カ月分は融資で賄おう
飲食店が開業するにあたって、半年分の運転資金を全部銀行融資で賄うのは現実的には難しいでしょう。
今回紹介するビジネスローンの場合、借入出来ても後々の返済で苦しむかもしれません。
ビジネスローンの金利は高めに設定されているので、利息の支払いが大きくなるからです。
もしこれから飲食店を起業しようと思っているのであれば、半分すなわち3カ月分の運転資金は自己資金で賄いましょう。
そして残りの3カ月分を助成金や補助金、もしくは創業融資などで資金調達する形が好ましいです。
1カ月分のランニングコストもシミュレーションしておく
飲食店経営を始めると、いろいろな出費を強いられます。
そこで月間のランニングコストとして、どのくらいかかるのかあらかじめシミュレーションしておくといいでしょう。
どの程度の店の規模で運営するかで具体的な金額は変わってきます。
以下で紹介するのは、標準的な目安と考えてください。
飲食店運営で最も大きなシェアを占めるのは人件費と材料費です。
それぞれ売上に対して、人件費は25〜30%・材料費は30%くらいを占めると考えましょう。
続いてかかるのが家賃で、売上の10%が目安と想定しておきましょう。
他に水道光熱費が5〜8%、通信費・消耗品費が5%、広告費が3%といったところが相場です。
もし10坪程度のお店で15席あって、月の売上が150万円あったとします。
すると毎月のランニングコストは、120万円前後かかる計算になります。
このように結構な支出を強いられるわけです。
さらに場合によっては税金の支払いや自分の生活費もかかってくるので、売上次第では足が出てしまうこともあるかもしれません。
資金不足に陥った時のために、どんな資金調達方法があるかあらかじめ検討しておく必要があるわけです。
飲食店の主な資金調達方法
飲食店で資金不足に陥った場合、資金調達を検討しなければなりません。
資金調達方法は主な候補として、以下のような手法が考えられます。
1.銀行融資
2.日本政策金融公庫
3.制度融資
4.助成金
5.ファクタリング
6.カードローン
7.ビジネスローン
このように資金調達方法はいろいろとあります。
それぞれ、異なる特徴があるので自分たちにはどれが最適か慎重に判断してください。
銀行融資
資金調達と聞いて、多くの人が真っ先に浮かぶのが銀行融資でしょう。
銀行融資は借入限度額が多めなので、設備投資などまとまった資金を調達する際には重宝します。
また低金利なので、利息支払いの負担も軽減されます。
しかし低金利な分、経営が堅調な業者を厳選して貸し出す傾向が見られます。
審査基準が厳しいので、業歴が浅く実績に乏しい飲食店にはなかなか貸し出さない傾向が見られます。
信用力が若干足りない場合には、信用保証協会の保証をつければ融資の受けられる可能性があります。
信用保証協会は融資時に保証してくれる公的機関で、小規模事業者や中小企業が借入する際にサポートしてくれます。
たとえ債務者が返済不能状態に陥っても、信用保証協会が代位弁済してくれるので銀行としても不良債権化のリスクが低くなります。
審査に通りやすくなりますが、保証料がかかるのはデメリットです。
保証料は借入額の0.5〜2%といったところが相場です。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫からの公的融資を受けるのも、飲食店が資金調達する際の選択肢の一つです。
銀行融資などの場合、これから開業する、もしくはまだ開業間もない飲食店への融資は消極的です。
返済されるかどうか、未知数なところが大きいからです。
日本政策金融公庫は、開業資金の融資にも積極的です。
日本政策金融公庫で飲食店が融資を受ける際には、中小企業強化資金がおすすめです。
中小企業強化資金は7億2,000万円までの融資に対応している制度です。
まとまった資金調達ができるかもしれませんし、低金利なので利息負担も必要最小限に抑えられます。
1〜2%の金利ですし、特別利率が適用されれば1%を切る利率で借入も可能です。
ただし融資までに時間がかかる点は留意しなければなりません。
面談なども必要で、融資実行されるまで1カ月程度かかるのが一般的です。
その間の資金繰りをどうするかも、併せて検討する必要が出てきます。
制度融資
自治体によっては、制度融資を提供している場合もあります。
制度融資を受けるためには、一定の条件をクリアしなければなりません。
しかしもし当てはまるのであれば、こちらも活用してみるといいでしょう。
制度融資は好条件で借入できるのがメリットです。
低金利で長期借入に対応しているので、無理のない返済計画が立てられます。
ただし制度融資は自治体によってやっていたりやっていなかったり、内容も違ったりするので注意してください。
一例として、東京都の「女性若者シニア創業サポート」というものを提供しています。
文字通り、女性や若者、シニアを対象にした創業サポート制度です。
女性、39歳以下もしくは55歳以上の男性、都内で創業予定、もしくは創業5年未満の方が対象です。
こちらの制度融資は、ただ単にお金を貸し出すだけではありません。
信用金庫・信用組合とアドバイザーが連携して飲食店経営のサポートを行ってくれます。
飲食店経営のノウハウがなく、実際開業したけれども思うように売上が上がらない時に相談できるのは心強いでしょう。
助成金
助成金や補助金を使って、資金調達するのも一つの方法です。
助成金や補助金は借入ではないので、のちに返済義務がありません。
もし利用できる助成金や補助金制度があれば、どんどん活用すべきです。
飲食店の場合、キャリアアップ助成金を利用するケースが多いです。
キャリアアップ助成金は正社員登用すると、助成金が交付される制度を指します。
詳しく見ていくと最初は契約社員として採用して、6カ月後に正社員に登用します。
さらにその従業員が正社員として働きだして6カ月後に、助成金取得の資格が得られます。
このような助成金や補助金が募集されていないか、最新情報をチェックしてみてください。
ファクタリング
ファクタリングとは、お手持ちの売掛債権を買取に出して現金化する方法です。
債権を売却する形なので、借金ではありません。
よって返済義務はありません。
売掛金は通常1〜2カ月しないと回収できない場合が多いです。
その前に現金化することで、資金繰りを円滑にしようというわけです。
しかし売掛金全額現金化できるわけではなく、手数料として2〜3割ファクタリング会社に取られてしまう点は理解しておきましょう。
また売掛金がなければ利用できない点にも留意しなければなりません。
飲食店の場合、現金取引が多いので元々ファクタリングが利用できないお店も多いでしょう。
カードローン
個人事業主向けのカードローンを利用するのも一考です。
カードローンの場合、最短即日融資にも対応しているので今すぐに現金が必要な時に重宝します。
また限度額の範囲であれば、何度でも繰り返し借入できるのもメリットです。
しかし総量規制の対象になる可能性があるので注意しましょう。
消費者金融など貸金業者のカードローンを利用する際に適用され、自分の年収の1/3を超えて借入できません。
よってまとまった資金調達するのには不向きといえます。
またカードローンの中には、事業性資金として利用できない商品もありますので注意が必要です。
ビジネスローン
急な出費で今すぐに資金調達する必要があるときに重宝するのがビジネスローンです。
最短即日融資を受けられる商品も少なくありません。
ビジネスローンは事業性資金であれば、運転資金や設備投資など用途は自由です。
また総量規制の対象外なので、収入の1/3を超えた融資を受けることも可能です。
銀行融資と比較して審査が甘めなので、銀行融資で資金調達できなかった飲食店のオーナーにもおすすめです。
ただし金利は高めなので、注意しましょう。
上限金利は15%前後が一般的なので、返済期間が長期化すると利息の支払いも大きくなります。
飲食店の資金調達でビジネスローンがおすすめな理由
飲食店を運営していて一時的に資金不足に陥ったのであれば、ビジネスローンを利用するのも一考です。
なぜビジネスローンがおすすめなのか、主な理由を以下で詳しく解説します。
自己資金なしでも借り入れ可能
ビジネスローンは原則、無担保・無保証人で借入可能です。
自己資金や資産を持たなくても借入できるので、気軽に申し込みできます。
ビジネスローンはどの商品でも300〜500万円程度の融資を行っています。
商品によっては1,000万円以上の融資に対応しているものもあるほどです。
これだけのまとまった金額を借り入れることができれば、当面の飲食店の運転資金は確保できるはずです。
審査は甘め
ビジネスローンは全体的な傾向として、審査は甘めに設定されているのもおすすめの理由です。
銀行融資と比較して、審査は緩いといわれています。
銀行融資に申し込んだけれども審査で否決された飲食店経営者でも、ビジネスローンなら借り入れできたといった話もしばしば聞かれます。
元々ビジネスローンは銀行融資の受けられなかった事業者向けのローンとして登場しました。
よって銀行融資よりも審査を甘めにして、借り入れやすくされているわけです。
ただし審査が甘いといっても、それなりの基準は設けられています。
過去ローンの返済でトラブルになったことがある、飲食店の経営状況が相当悪ければ審査落ちの可能性がある点も理解しておきましょう。
審査がスピーディ
ビジネスローンの特徴として、審査がスピーディな点も見逃せないところです。
日本政策金融公庫や銀行融資の場合、1カ月以上融資までに時間がかかることも珍しくありません。
一方ビジネスローンの場合、せいぜいかかっても1週間から10日後には融資実行されるはずです。
中には最短即日で融資してくれるような商品もあるほどです。
「当て込んでいた入金が遅れているけれども支払いの期日が迫っている…」
「銀行融資で入金されるまでのつなぎ資金が必要」
このような時にビジネスローンを活用すれば、当座の資金繰りを乗り越えられます。
オンライン完結の商品もある
飲食店経営していると、日中はずっとお店にいないといけないという代表者の方も多いでしょう。
銀行融資などの場合、銀行に行って融資の相談をお願いしないといけないのでスケジュール的に無理という方もいるかもしれません。
一方ビジネスローンの場合、オンライン完結のところもあるので利用しやすいといえます。
Web上で申し込みでき、契約手続きもオンラインで完結するものも見られます。
来店の必要がないので、営業中お店を開けられないオーナーでも利用できます。
ただしビジネスローンの中には申し込み手続きはWeb上で完結するけれども、契約時には来店しないといけないものも見られます。
すべてのプロセスをWebで完結できる商品か、申し込む前に確認しましょう。
飲食店がビジネスローンを利用する際の注意点
急な出費で持ち合わせのないときなど、審査がスピーディで最短即日融資の受けられるビジネスローンの利用がおすすめです。
しかし飲食店がビジネスローンを利用するにあたって、注意すべきポイントがあります。
ビジネスローンに申し込むにあたっての注意点についてまとめましたので、利用する前に以下の項目を確認しておきましょう。
金利は高め
他の法人の資金調達法と比較して、ビジネスローンは金利が高めに設定されている点には注意したほうがいいでしょう。
ビジネスローンの金利の相場を見てみると、2〜18%といったところです。
とくに初めて利用する際にはまだ信用力がないので、上限金利かそれに近い利率が適用されます。
18%前後の金利になると、利息の負担もなかなか大きいといえます。
ちなみにほかの飲食店の資金調達する主要な手段の銀行融資の場合、1〜4%程度です。
日本政策金融公庫は上限金利が1%台で、条件次第では1%を切る金利で借入できる場合もあります。
こうしてみると、ビジネスローンはかなりの高利であることがわかります。
もしビジネスローンで借り入れたら、入金があれば優先的に返済資金にあてましょう。
返済期間を短くできれば、利息の支払いも少なく抑えられるからです。
融資限度額は少なめ
ビジネスローンの融資限度額を見てみると、ノンバンクの場合300〜500万円を上限としているものが多いです。
銀行系のビジネスローンでもせいぜい1,000万円程度が限度額です。
日本政策金融公庫の場合、数千万円の貸し出しに対応しています。
制度によっては数億円単位の融資も可能なものもあるほどです。
銀行融資も数億円の大型融資に対応しているものが多いです。
ビジネスローンは事業性資金の中では、小口融資が主な使い道と考えておきましょう。
運転資金や銀行融資が受けられるまでのつなぎ融資として、主に使われます。
一方設備資金のような大型の機械の購入費用で借入したければ、銀行融資や日本政策金融公庫からの公的融資を検討しましょう。
銀行融資でマイナスになる可能性
ビジネスローンの借入は、決算関係の書類に明記しなければなりません。
銀行融資を受ける際に、ビジネスローンの借入があると担当者の心証を損ねかねません。
ビジネスローンは銀行融資よりも審査が甘めであることは、すでに紹介しました。
そのようなビジネスローンを利用しているのは「よほど資金繰りが苦しいのでは?」や「銀行融資が受けられないからビジネスローンを使ったのではないか?」と思われてしまいます。
もし銀行融資でまとまった額を借り入れたければ、銀行に相談する前にビジネスローンの返済を進めておくといいでしょう。
ビジネスローンで借り入れても完済できていれば、資金繰りが苦しいのではないかと銀行の担当者が懸念することもなくなります。
担保や保証人を求められる可能性
別項で紹介したようにビジネスローンは原則、担保や保証人なしでも借り入れ可能です。
しかし条件次第では、担保や保証人をつけないと借入できない場合もありますので注意しましょう。
担保や保証人をつけないといけないのは、好条件で融資しているビジネスローンです。
低金利でまとまった資金を融資しているビジネスローンの場合、不動産を担保として出さなければならないかもしれません。
また審査が当落線上の微妙なところにいる人の場合、借入の条件として担保や保証人を出すよう求められる可能性もあります。
担保や保証人が不要なビジネスローンでも、担保や保証人をつけることで利用の難易度が下がる場合もあります。
もし差し出すことのできる不動産などの資産や第三者の保証人を有しているなら、担保や保証人をつけると持ち掛けてみるといいでしょう。
飲食店の資金繰りがうまくいかない理由とは?
一時的なものならいいのですが、飲食店の中には慢性的な資金不足の状況に陥っているところもあるでしょう。
もし繰り返しビジネスローンで借入すると、金利が高いので返済もきつくなってきます。
もし繰り返し資金繰りがうまくいかないのなら、何か根本的な問題があるからです。
飲食店で資金繰りが慢性的に悪化する原因として、以下のような要素が考えられます。
1.キャッシュフローについて正確に理解していない
2.入金と支払いのタイミングが悪い
3.売上見込みの見通しが甘い
4.コストがかかりすぎ
5.無理な事業拡大
以下でそれぞれ詳しく見ていきますので、何か当てはまるものはないか一回経営を見直してみましょう。
キャッシュフローについて正確に理解していない
資金繰りは入ってくるお金が出ていくお金よりも多ければ、問題ありません。
逆に出ていくお金の方が入ってくるお金よりも多ければ、資金繰りが立ち行かなくなります。
お金の流れ、すなわちキャッシュフローをきちんと理解していないと資金繰りがうまくいきません。
そこでも資金繰りが慢性的に苦しければ、お店のキャッシュフローをきちんと見直してみましょう。
具体的には「いついくらお金が出入りしているか?」と見える化することです。
そうすれば、どこに資金繰りを悪化させている要因があるか見えてきます。
また売り上げがどのくらいになると資金繰り悪化するかのラインも明確になります。
キャッシュフローを見直したら、今後の資金繰り予定表も併せて作成しましょう。
そうすれば、運転資金が不足するタイミングがわかるので前もって資金調達を行うなどの対策もとれます。
入金と支払いのタイミングが悪い
売上がそれなりにあって、支出よりも多ければ、本来なら資金繰りは悪化しません。
しかし中には売り上げはそれなりにあるけれども資金ショートしてしまう、黒字倒産と呼ばれる事例もあります。
収支上は黒字なのになぜ倒産してしまうのか、それは入金と支払いのタイミングが合っていないからです。
支払いのタイミングが入金よりも早ければ、手元に資金が残らないので資金繰りはどうしても悪化します。
もし売り上げが出ているのに資金繰りが厳しければ、入金と支払いのタイミングを見直しましょう。
もし支払いより入金が後になっているのであれば、入金を前倒しにする、支払いを先延ばしにするなどの交渉を取引先に持ち掛けましょう。
現金商売が主の飲食店は、キャッシュフローをこれまであまり意識してこなかったという経営者も多いかもしれません。
しかし今後飲食店でも、キャッシュレス決済がどんどん普及するとみられています。
キャッシュレス決済の場合、実際にお金が入ってくるのが1カ月先という事態も増えてくるでしょう。
もしタイミングがうまくいっていないのであれば、資金繰りが円滑になるようにスケジュール調整してください。
しかし取引先の事情もあるので、関係が悪化しないように細心の注意を払って交渉することも大事です。
売上見込みの見通しが甘い
資金繰りの悪化している飲食店を見てみると、想定よりも売り上げが出ていないというパターンは案外多いです。
開店直後はご祝儀でお客さんが来たけれども落ち着いてしまった、常連客がほかのお店に流れてしまったなど要因はさまざまです。
もし客足が鈍くなっているのであれば、何か原因があるはずです。
どこに問題があるのか検証し、原因に合わせた対策を講じる必要があります。
新規顧客の確保、リピーターを増やすなど売り上げを伸ばす方法を検討しなければなりません。
コストがかかりすぎ
もし資金繰りで苦しんでいるのなら、コストカットできないか検討しましょう。
資金繰りに悩んでいる飲食店を見てみると、コストをかけすぎているお店は少なくありません。
特に注意したいのが、FLRコストです。
「Food(原価)」「Labor(人件費)」「Rent(家賃)」の頭文字をとったものです。
飲食店の適性コストの目安は原価が30%、人件費20〜30%、家賃10〜20%以内といわれています。
もしFLRコストが売り上げの70%以内に収まっていなければ、コストカットを考えるべきです。
飲食店の場合、人件費や家賃などの固定費が大きいので赤字になりやすい業種といわれています。
コストをこまめに見直して、健全な経営を目指すように心がけましょう。
無理な事業拡大
飲食店が事業拡大する際に、資金繰りが悪化しやすいといわれています。
出店数を増やして利益拡大を狙うのはいいのですが、十分な計画やシミュレーションをしないとうまくいかない可能性があります。
事業拡大するときには設備投資や店舗の確保など、まとまった資金が出ていきます。
にもかかわらず思うような収益が確保できないと、一気に経営悪化することもあり得ます。
事業拡大する際には、事前リサーチを入念に行ったほうがいいでしょう。
またビジネスローンなど融資を受ける際には、綿密かつ無理のない返済計画を立てておくことも重要です。
飲食店がキャッシュフロー改善するためには?
慢性的に資金繰りに窮しているのは、キャッシュフローに問題があるからかもしれません。
キャッシュフローの改善には、いろいろと対策があります。
主な改善策として、以下のようなものが考えられます。
1.クレジット決済を見直す
2.キャッシュレス決済の活用
3.利益率の高い商品を推す
それぞれなぜキャッシュフローの改善に役立つのかについて、以下で詳しく解説します。
以下で紹介する対策でできるものがあれば、早速取り入れてみましょう。
クレジット決済を見直す
飲食店の中にはクレジット決済を導入しているところもあるでしょう。
現金管理が不要なので、作業効率の向上が見込めます。
しかしデメリットもあって、クレジット決済の場合実際に売り上げが入金されるのは2〜3カ月後になってしまうのもざらです。
もしクレジット決済が多く、入金が遅れていることで資金繰りが悪化しているのであれば、いったんクレジット決済を休止にしてみましょう。
そうすれば現金払いのお客さんが増え、資金繰りが好転する可能性があります。
クレジット決済ができないと、お客さんにとっては利便性が悪化するのでマイナスかもしれません。
お客さんも多少離れるかもしれませんが、経営破綻するよりはよっぽどましとも考えられます。
キャッシュレス決済の活用
クレジット決済のほかにも、キャッシュレス決済の方法は増えてきています。
電子マネーやQRコード、スマホ決済などを普段から利用している人も増えてきています。
クレジット決済だと数カ月後になりますが、電子マネーやQRコードの場合、最短翌日に入金されるものも見られます。
現金払いとほとんど同じような感じで入金されるので、キャッシュフローはかなり改善されます。
クレジット決済を休止しても、電子マネーやQRコードによる支払いを提供すれば、お客さんもそれほど利便性が悪化したとは思わないでしょう。
現金管理も必要なくなり、経理作業も簡素化できます。
利益率の高い商品を推す
飲食店でメニューを提供しているでしょうが、商品メニューのレイアウトを見直すのも一つの方法です。
多くの飲食店ではすべてのメニューを同じように掲載しているのではありませんか?
もし当てはまるなら、「おすすめ商品」として利益率の高い商品を目立つように記載しましょう。
そうすればお客さんも利益率の高い商品をオーダーする機会が多くなり、効率的に収益を上げられるようになります。
また人気商品を「当店人気ベスト3」のような形で別項にて掲載すれば、注文も増えます。
人気メニューの原料が無駄にならずに済み、廃棄率を減少できます。
コスト圧縮によって、キャッシュフローの改善効果が見込めます。
飲食店のビジネスローンについてのまとめ
飲食店は現金商売がメインで、営業すればそれなりにお金が入ってきます。
ですから常日頃、あまりキャッシュフローに強い関心を持たない経営者もいるようです。
しかし今後キャッシュレス決済がどんどん普及するので、その場で現金が手元に入らない事態も十分想定できます。
その結果、キャッシュフローが悪化して資金繰りが立ち行かなくなることもありうる話です。
資金不足に陥った時のために、資金調達方法を検討しましょう。
特に今すぐに現金が必要といったひっ迫した事態の際には、最短即日融資の受けられるビジネスローンはおすすめです。
金利は高めですが、今日中に現金を確保しなければならない時にはビジネスローンをうまく活用してみてください。