銀行に対してノンバンクという言葉があります。言葉でわかるように銀行以外の存在をノンバンクといいますが、いったいどういう違いがあるのでしょうか?ここでは具体的なノンバンクとはどのような金融機関のことを指しているのか、銀行との違い、銀行に対してノンバンクのメリットやデメリットについて詳しく解説していきましょう。
目次
ノンバンクとは銀行以外の金融機関
ノンバンクとは、銀行以外の金融機関です。大きな特徴としてお金の融資はできても預貯金の扱いがありません。したがって銀行以外に預貯金ができる、信用金庫、信用組合、証券会社、労働金庫、農業協同組合などはノンバンクではなく銀行の仲間として扱われます。
ノンバンクの種類と、それぞれの特徴
ノンバンクにはどんな種類があるのでしょうか、一般的には「消費者金融」「クレジットカード会社」「信販会社」を三大ノンバンクと言いますが、その他にもノンバンクは存在します。
1.消費者金融
2.クレジットカード会社
3.信販会社
4.事業金融会社
5.証券担保ローン
6.リース会社
7.不動産担保会社
以下、ひとつずつ詳しくみていきましょう。
1.消費者金融
消費者金融は有名なノンバンクです。個人向けの小口融資を行う貸金業者で、20世紀のころはサラ金(サラリーマン金融)と呼ばれて、一時は社会問題化したこともあります。その後金融庁の指導などがあり、利息も利息制限法の上限金利まで抑えられました。上限金利は高いものの融資の速度は速く、インターネットなどで簡単に申し込めます。
2.クレジットカード会社
クレジットカード会社もノンバンクのひとつです。クレジットカードは、その場に現金がなくても商品等の代金を後払いにできる「販売信用」の方式をとっています。クレジットカードにもキャッシング機能があり、現金の融資が受けられますが、金利は消費者金融同様高めのところが多いです。
3.信販会社
信販会社も販売信用の方式をとっており、クレジットカード会社に似ていますが、業務範囲がことなり信販会社は様々な信用取引を行います。厳密には商品代金の建て替えということなので貸金業者ではありません。とはいえ貸金業の登録を受けているが現状で、信販会社のカードローンは、銀行のカードローン並みのところが多いです。
4.事業金融会社
三大ノンバンク会社は個人消費者がターゲットですが、事業金融会社は中小零細企業などに向け融資業務を行っている金融会社です。具体的には証書貸付、手形貸し付け、手形割引、債権買取のファクタリング等が業務内容です。
5.証券会社の証券担保ローン
証券会社に預かってもらっている株券などの有価証券を担保にして融資を受ける方法です。現金が必要な時に長期保有しておきたい株券などの売却をする必要がなく、融資が受けられます。利息は大変低いですが、最低の借入金額が数百万単位と大きいのが特徴です。
6.リース会社
リース会社は貸し出しという形で設備や製品を手渡し、毎月の使用料(リース料)で利益を得ています。リースは物件の賃借権なので厳密には融資とは違いますが、リース会社の中には主に法人向けに融資を行っています。利息はリース会社によって大きく異なります。
7.不動産担保会社
不動産担保会社ローンは、所有している不動産を担保に融資が受けられ、無担保ローンより金利が低く返済期間が長く設定できるというメリットがあります。担保にしても家に住み続けられますが、返済が難しいと判断されれば売却をしなければなりません。
ノンバンクと銀行の違い
ノンバンクと銀行とではどう違うのでしょうか?いくつかの違いがありますが、おおむね次のような項目の違いがあります。
1.適用される法律が違う
2.借入金の目的制限
3.総量規制の有無がある
4.融資スピードに違いがある
以下、詳しくみていきましょう。
1.適用される法律が違う
まず適用される法律が異なります。銀行は銀行法が適用されるのに対して、ノンバンクの場合は貸金業法が適用されます。
2.借入金の目的制限
銀行の場合は借入金の目的に制限がかかる場合が多く、不動産ローン、自動車ローンなど目的に応じて融資金額や利息などが細かく決まっていることが多く、事業や投機目的で利用するのは原則不可です。しかしノンバンクのカードローンの場合は目的という縛りがないことが多く、基本的に自由に利用できます。
3.総量規制の有無がある
総量規制とは貸金業者から融資が受けられる金額の上限を規制する貸金業法上の法律で、借りすぎを防ぐ狙いがあります。ノンバンクはこの適用を受け年収の3分の1以内という規定があります。しかし、銀行ローンは銀行法の範疇になるので総量規制は適用されません。
4.融資スピードに違いがある
融資を申し込んでからのスピードとは大きな違いがあります。銀行の場合は申し込んでからの審査に数日以上の時間がかかりますが、ノンバンクの場合、特に消費者金融であれば申し込んでからの審査がとても早く、即日融資のところが多く、急にお金が必要な時には大変便利です。
ノンバンクを利用するメリット
次に、銀行に対してノンバンクを利用するメリットを確認しましょう。いくつかありますが主に、次のメリットがあります。
1.審査スピードが早く資金調達が早い
2.借入に必要な書類が銀行系より少ない傾向
3.審査の基準が銀行系より柔軟である
それでは、ひとつずつ詳しくみていきましょう。
1.審査スピードが早く資金調達が早い
ノンバンク最大のメリットは審査スピードです。銀行ならいくら早くても申し込んで即日融資ということはまずありません。ノンバンクはインターネットを使いパソコンのブラウザやスマホなどのアプリを使えばすぐに申し込めてすぐに融資が受けられます。
2.借入に必要な書類が銀行系より少ない傾向
ノンバンクは、借り入れに必要な書類も銀行系より少ない傾向があります。銀行で融資を受ける場合には、融資の内容にもよりますが本人確認書類のほか、資金繰り表や事業計画書などの書類を提示して、融資したお金が確実に回収できるかどうかをチェックするのに対してノンバンクは審査スピードが早い分、特に融資金額が低い場合は必要な書類が本人確認など少ない傾向なのが特徴です。
3.審査の基準が銀行系より柔軟である
ノンバンクは審査の基準が銀行系よりも柔軟と言われています。理由はノンバンクの金融機関が独自の基準で担保の評価を行うためです。そのため一般的に銀行よりも融資条件が低く、仮に銀行で融資が断られてもノンバンクでは融資が受けられる可能性があります。
ノンバンクを利用するデメリット
しかし、ノンバンクは銀行に比べてデメリットも存在します。
1.銀行系と比べて金利が高い傾向にある
2.借入限度額が銀行系より低い
上記2点について詳しくみていきましょう。
1.銀行系と比べて金利が高い傾向にある
ノンバンクは銀行系と比べて金利が高いです。申込者の属性や取引内容などにもよりますが、はじめての場合は利息制限の上限ギリギリのところが多いのが特徴です。それは銀行よりも審査が柔軟であることにも関係しており、利息を高く設定していることにより貸し倒れなどのリスクを分散しているとも言えます。
2.借入限度額が銀行系より低い
ノンバンクは銀行系よりも借入限度額が低い場合が多いです。銀行であれば条件次第で億単位の融資を受けられる場合もありますが、消費者金融の場合は数百万が借入限度額に設定されています。さらに高額の場合は審査も厳しめになる傾向があるので、小口での融資には向いていますが、大口融資には不向きです。
銀行とノンバンクの違いまとめ
銀行とノンバンクの違いは銀行に対してノンバンクは預貯金業務を行っておらず、融資を専門に行っている企業を指します。貸金業法の管理に置かれているノンバンクは、一般的に銀行よりも金利が高い、借入限度額が低いなどのデメリットもありますが、銀行で融資が断わられてもノンバンクでは融資が受けられたり、即日融資などの対応を行っていたりするので、急な出費が出た時にはとても重宝します。