法人の代表者にとって、頭を悩ませる問題のひとつが資金繰りです。売上が順調に伸びていても、手元の金が不足すると、仕入れや人件費、家賃などの支払いができず、経営が一気に厳しくなってしまいます。特に事業では、入金と支払いのタイミングがずれることも多く、黒字であっても資金不足で倒産する「黒字倒産」のリスクもあります。

もし手元資金が十分でない場合や支払期限が迫っている場合には、外部からの資金調達、つまり借り入れの検討が必要です。法人が利用できる融資には、銀行融資、日本政策金融公庫、自治体の制度融資、ビジネスローンなどさまざまな方法があります。それぞれ詳細を確認すると、審査や利率、融資までの期間、利用限度額などに違いがあります。たとえば銀行融資や住宅ローンの場合は、審査結果を踏まえて返済方法や限度額が決まりますし、カードローンやキャッシングはATMやスマホ、インターネットで24時間申込や振込が可能です。

初めて融資を利用するお客さまには、申込の案内や診断メニューが用意されており、年収や収入をもとに利用限度額を設定してもらえます。クレジットカードや消費者金融のサービスも、同様にwebや店舗で申込可能で、自由に返済方法を選ぶことができます。不要な費用や手数料、遅延損害金の管理方法についても、申込前に電話やメールで質問できるのが安心です。他社と比較する場合も、会員向けの詳細情報やフリー入力のフォームを利用すれば、リフォームローンや教育ローン、各種ローンの発行条件を確認できます。

制度融資や日本政策金融公庫の融資は、審査に時間がかかりますが、利率が比較的低く、長期の返済計画を立てやすい特徴があります。一方、ビジネスローンやカードローン、キャッシングなどは審査がスピーディで、ATMやweb、スマホで申込から振込まで24時間対応可能です。利用限度額や年収、返済回数を考慮して、必要な金額だけを借りることができます。

本記事では、法人が資金を借りる主な方法や、それぞれの特徴をわかりやすく案内しています。初めて融資を利用するお客さまでも、診断や申込メニューを活用すれば、自社の資金繰りに最適な方法を選べます。自由に返済方法を設定できるサービスや、不要な費用を抑えた利用方法も含め、各種ローンの詳細を確認して、健全な経営のための資金管理を行いましょう。

目次

パッと思いつく銀行融資

法人が融資を受ける場合、多くの経営者が連想するのは銀行融資ではないでしょうか。
銀行では最大数億円規模といった大型融資にも対応しています。
また金利も低く抑えられているので、返済負担も軽減できます。
しかし一方で審査が厳しいともいわれているので、注意しましょう。

必要書類を準備しよう

銀行融資を申し込む際には、多種多様な書類を提出しなければなりません。
銀行融資を検討する際には、早めに必要書類を用意しましょう。
具体的な書類については、申し込む金融機関に問い合わせてください。
しかし一般的には以下のような書類が必要になります。

・ 登記簿謄本
・ 決算書
・ 資金繰り表
・ 試算表
・ 借入状況一覧
・ 事業計画書
・ 確定申告書
・ 納税証明書
・ 印鑑証明書

そのほかにもたとえば建設業の場合には、手持工事明細表を提出するように求められるかもしれません。
さらに設備投資のための資金を融資してもらう際には、導入する設備の見積書を提出することもあるでしょう。

借りるコツ

銀行融資を受けるにあたって、まず検討したいのが、普段から取引のある金融機関への相談です。すでに口座の利用や入出金の履歴がある銀行であれば、企業の資金の流れをある程度把握しているため、初めて相談する金融機関よりも話が進みやすい傾向があります。日頃から付き合いのある金融機関がある場合は、まずその担当者に資金調達について相談してみるとよいでしょう。

そして、普段からお世話になっている担当者を通じて、融資の担当者を紹介してもらうと話はスムーズに進む可能性が高まります。担当者が自社の状況を理解していれば、社内でも説明しやすくなり、融資審査の際にもポジティブな材料になることがあります。いきなり融資の窓口に申し込むよりも、日頃の関係性を活かして進める方が、結果的に良い方向へ進みやすいケースも少なくありません。

また、自社の経営に関する情報を、普段から銀行の担当者に共有しておくこともおすすめです。例えば、現在の経営方針や事業の方向性、将来的なビジョンなどを伝えておくことで、金融機関側も企業の成長性や将来性を把握しやすくなります。さらに、売上の状況や新しい事業の取り組みなど、ビジネスの進捗を定期的に報告することで、担当者との信頼関係も深まっていくでしょう。担当者が企業のことをよく理解していればいるほど、融資担当者に紹介する際の説明もしやすくなります。

加えて、融資先として検討する金融機関についても考えておくことが大切です。一般的にはメガバンクよりも、地方銀行や信用金庫を利用するのがおすすめといわれています。メガバンクでも中小企業向けの融資商品は用意されていますが、どうしても大企業との取引が中心になりやすく、中小企業の場合は審査のハードルが高く感じられることもあります。

その一方で、地方銀行や信用金庫は地域密着型の営業を行っているケースが多く、地元企業との関係を大切にしているのが特徴です。地域経済の発展を支えることも金融機関の重要な役割のひとつであるため、地元の中小企業に対して積極的にサポートを行っているところも少なくありません。

もちろん金融機関にとって利益は重要ですが、それと同時に「地域企業を育てる」という使命も担っています。そのため、事業の将来性や成長の見込みがあると判断されれば、中小企業であっても前向きに融資を検討してくれる可能性があります。こうした特徴を理解したうえで、自社に合った金融機関と良好な関係を築いていくことが、スムーズな資金調達につながるでしょう。

創業支援が充実している日本政策金融公庫

日本政策金融公庫も法人向けの融資を行っています。
日本政策金融公庫は、2008年に設立された政府系の金融機関です。
民間の金融機関では賄いきれない機能をフォローすることが目的で設立されました。
そのため銀行融資に申し込んで断られてしまった法人でも、貸付を行ってくれる可能性があります。

充実した商品ラインナップ

民間の銀行の場合、法人向けの融資商品はそれほど多くありません。一般的には、プロパー融資や保証付き融資など、基本的に1~2種類程度の枠組みで提供されていることが多いといわれています。そのため、融資の仕組み自体は比較的シンプルでわかりやすい反面、企業ごとの細かな事情や要望に対して、柔軟に対応してもらいにくい側面もあります。たとえば、創業したばかりの企業や、業種特有の事情がある企業の場合、条件に合う商品が見つかりにくいケースもあるでしょう。

一方で、日本政策金融公庫の場合は、民間金融機関と比べて非常に多くの融資制度が用意されているのが特徴です。実際に提供されている融資商品は50種類以上にのぼり、企業の規模や業種、資金の用途、経営状況などに応じてさまざまな制度の中から選ぶことができます。このように豊富な選択肢があるため、その時々の経営状況や事業の内容に合った借り入れ方法を見つけやすい点が大きなメリットといえるでしょう。特に、創業間もない企業や資金調達の実績が少ない企業にとっては、利用しやすい制度が見つかる可能性があります。

日本政策金融公庫の融資制度は、大きく分けて3つの事業系統に分類されています。ひとつ目は、小規模事業者や 個人 事業主などを対象にした「国民生活事業」です。比較的少額の資金を必要とする事業者向けの制度が中心となっており、創業融資などもこの枠組みに含まれています。ふたつ目は、中小企業を対象とした「中小企業事業」で、事業拡大や設備投資など、より大きな資金ニーズに対応する制度が用意されています。そして三つ目が、農業や林業、漁業などの事業者を対象とした「農林水産事業」です。農林水産業の振興を目的とした融資制度が整備されており、業界特有の事情に配慮した資金調達が可能になっています。

これら3つの事業系統の中には、それぞれ15~20種類程度の融資制度が用意されており、合計すると50種類以上のラインナップになります。制度ごとに対象となる事業者や資金用途、融資条件などが異なるため、自社の状況に合った制度を選ぶことが重要です。

ただし、これだけ多くの制度があると「どの融資に申し込めばよいのかわからない」と迷ってしまうこともあるかもしれません。そのような場合には、比較的利用しやすい「一般貸付」を検討するのもひとつの方法です。一般貸付は、多くの業種の中小企業が対象となっており、特別な条件がなくても申し込みやすい融資制度のひとつです。

資金の用途としては、日々の事業運営に必要な運転資金や、機械や設備の導入などに使う設備資金などが対象になります。運転資金や設備資金の場合は、最大4,800万円までの融資を受けることが可能です。また、特定設備資金の場合には、最大7,200万円まで借り入れができる仕組みになっています。

なお、特定設備資金とは、需要の増加に対応するために生産能力を大幅に拡大する必要がある場合や、新しい分野へ進出するために業種変更を行う場合など、大規模な設備投資が必要なケースで利用される資金です。事業拡大や新しいビジネスへの挑戦を考えている企業にとっては、重要な資金調達手段のひとつといえるでしょう。

このように、日本政策金融公庫には多様な融資制度が用意されています。制度の特徴を理解し、自社の事業内容や資金の目的に合ったものを選ぶことで、より効果的な資金調達が可能になります。

創業者向けの融資も

銀行融資を利用する場合、一般的には直近2~3期分の決算書の提出を求められます。金融機関は企業の財務状況や返済能力を確認したうえで融資の可否を判断するため、過去の業績を示す資料が重要になるからです。売上の推移や利益の状況、資金繰りの安定性などを確認し、貸し付けても問題がないかを慎重に審査します。

このような審査の仕組みがあるため、銀行融資は基本的に、すでに事業を開始しており、ある程度の業歴や実績がある企業を対象にしているケースが多くなります。つまり、これから起業しようとしている段階の事業者や、創業して間もない企業の場合、十分な決算実績がないために融資を受けにくいという現実があります。事業計画がしっかりしていても、過去のデータがないことを理由に、審査が厳しくなることも少なくありません。

一方で、日本政策金融公庫は、こうした創業期の事業者を積極的に支援している点が大きな特徴です。政府系の金融機関として、中小企業や小規模事業者の育成・支援を目的としているため、これから事業を始めようとしている人に対しても、比較的利用しやすい融資制度が用意されています。創業者向けの融資制度もいくつか整備されており、起業を目指す人にとって重要な資金調達の選択肢となっています。

創業者向けの融資制度としては、主に3つの代表的な制度があります。ひとつ目が「新創業融資制度」です。この制度は、事業を始めてから間もない人や、これから創業する人を対象にした融資制度で、事業開始からおおむね2期以内の事業者が対象となります。融資の上限額は3,000万円で、創業時の運転資金や設備資金など、幅広い用途に利用することが可能です。

二つ目は「新規開業資金」です。こちらは創業予定の人だけでなく、事業開始から7年以内の事業者も対象となっており、創業期から成長期にかけての資金調達をサポートする制度となっています。設備投資や事業拡大のための資金として利用でき、最大7,200万円までの融資に対応しています。

そして三つ目が「女性、若者/シニア起業家支援資金」です。この制度は、女性、35歳未満の若者、または55歳以上のシニアで新しく事業を始める人を対象とした融資制度です。多様な人材による起業を後押しする目的で設けられており、創業に必要な資金を支援する仕組みとなっています。こちらも最大7,200万円までの融資を受けることが可能で、事業の立ち上げや設備投資などに活用できます。

このように、日本政策金融公庫では創業者向けの融資制度が充実しており、起業を目指す人でも資金調達のチャンスがあります。起業したいという意欲や具体的な事業計画があれば、創業資金の不足を補う手段として活用できるでしょう。自己資金だけでは事業をスタートさせるのが難しい場合には、日本政策金融公庫の融資制度を検討してみることをおすすめします。

地方自治体の融資制度を活用

地方自治体で中小企業の資金繰りをサポートするための、融資制度を採用しているところもあります。
具体的には自治体が民間の金融機関や、信用保証協会と連携した融資制度のことです。
中小企業の応援が主な目的なので、借りやすい条件となっています。
自治体によって異なるものの、大体のところが金利は3%以内、借入期間も5年以上と長めに設定されています。
ただしすべての自治体で融資制度があるとは限りません。
事業所を管轄している自治体のホームページなどで情報を確認しましょう。

自治体が一部を負担する

自治体が実施している融資制度の大きな特徴として挙げられるのが、自治体が融資の仕組みに関わり、資金面や信用面で中小企業を支援している点です。多くの場合、自治体・金融機関・信用保証協会が連携する形で制度が設計されており、自治体が利子の一部を補助したり、信用保証料の負担を軽減したりする仕組みになっています。このようなサポートがあるため、通常の銀行融資と比べて中小企業でも利用しやすくなっているのが特徴です。

また、自治体が制度の一部を支援していることから、比較的長い借入期間が設定されているケースも多く見られます。借入期間が長くなると、1回あたりの返済額を抑えることができるため、企業にとって資金繰りの負担が軽減されるというメリットがあります。特に設備投資などでまとまった資金が必要な場合でも、返済期間を長く設定できれば、日々の経営に大きな影響を与えずに返済を続けることが可能になります。

さらに、自治体の制度融資は地域の企業を支援する目的で設けられているため、地元の中小企業や小規模事業者にとって利用しやすい制度が多く用意されています。地域の産業振興や雇用創出を目的としていることから、企業の成長や新しい取り組みを後押しする内容になっているケースも少なくありません。

具体的な例として、東京都では中小企業向けの制度融資が数多く用意されています。東京都の制度融資の概要を確認すると、比較的高額な資金調達にも対応していることがわかります。たとえば、働き方改革を推進している企業や、テレワークの導入を進めている企業、さらにはDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む企業などを対象とした支援制度では、最大で2億8,000万円までの融資が可能となっています。

このように億単位の資金調達に対応している制度もあり、企業が事業拡大や設備投資を行う際の大きな支援となっています。さらに、融資期間も比較的長く設定されており、最長15年程度の返済期間が認められている制度もあります。返済期間が長ければ月々の返済額を抑えることができるため、多額の融資であっても無理のない返済計画を立てやすくなる点が魅力です。

このように自治体の制度融資は、民間金融機関の融資と比べても条件面で利用しやすい場合が多く、中小企業にとって重要な資金調達手段のひとつといえます。事業の拡大や新しい取り組みを検討している場合には、自社が所在する自治体でどのような融資制度が用意されているのか、一度確認してみるとよいでしょう。自治体によって内容や条件は異なるため、自社に合った制度が見つかる可能性もあります。

公的機関から借りる際の注意点

日本政策金融公庫や自治体の制度融資など、公的機関による融資を利用する際には、融資までにある程度の時間がかかる点に注意が必要です。これらの融資制度は、中小企業や創業者を支援する目的で比較的有利な条件が設定されていることが多い一方で、審査のプロセスがしっかりと設けられているため、すぐに資金を受け取れるわけではありません。

一般的な流れとしては、まず申し込みを行い、その後に担当者との面談が実施されます。面談では、事業内容や資金の使い道、今後の事業計画、返済の見通しなどについて詳しく確認されます。そのうえで提出された書類やヒアリング内容をもとに審査が行われ、最終的に融資の可否が判断される仕組みです。このようにいくつかの段階を経て審査が進むため、どうしても一定の時間が必要になります。

実際には、申し込みから審査、そして融資実行までには、早くても数週間、一般的にはおおよそ1か月程度かかるケースが多いといわれています。書類の準備や面談の日程調整などもあるため、タイミングによってはそれ以上の時間がかかることも考えられます。そのため、資金調達を検討する際には、ある程度余裕をもって手続きを進めることが大切です。

一方で、「すぐに支払いが必要」「急な資金不足が発生した」といった状況では、公的融資だけに頼るのは難しい場合もあります。もし資金を緊急で用意しなければならない場合には、民間の金融機関やビジネスローンなど、よりスピーディーに資金調達できる方法を検討する必要があるでしょう。

このように、日本政策金融公庫や自治体の制度融資は、金利や条件の面で魅力的な制度が多い反面、スピード面では即日や数日で資金を受け取ることは難しいのが実情です。条件の良い融資であるほど審査が丁寧に行われる傾向があるため、「時間に余裕がある資金調達」に向いていると考えておくとよいでしょう。資金の必要なタイミングを見極めながら、最適な借入方法を選ぶことが重要です。

融資までスピーディなビジネスローン

法人経営をしていると「今すぐに資金が必要」という事態もあるでしょう。
売掛回収が当初の予定通りにいかず支払期限が迫っている、急な出費が発生したなどです。
そういった時にはビジネスローンで借り入れるのがおすすめです。
先に紹介した3つの方法と比較して、圧倒的に借りるまでの期間を短縮できます。

審査がスピーディ

ビジネスローンの魅力として、特に注目されているのが審査スピードの速さです。資金調達の方法はいくつかありますが、日本政策金融公庫などの公的融資や銀行融資の場合、申し込みから融資実行までに時間がかかるのが一般的です。書類審査や面談、社内での審査手続きなどが必要になるため、早くても1か月前後かかるケースが多いでしょう。

その点、ビジネスローンは審査や手続きのスピードを重視している商品が多く、比較的短期間で資金を調達できるのが特徴です。銀行系のビジネスローンであれば、申し込みから3~5営業日程度で融資が実行されるケースもあります。必要書類も比較的少なく、オンラインで申し込みができるサービスも増えているため、スピーディーに手続きを進めやすくなっています。

さらに、ビジネスローンは銀行だけでなく、ノンバンク系の金融会社でも取り扱われています。ノンバンクの場合、審査のスピードを重視しているサービスも多く、中には最短即日で融資に対応しているところもあります。急な支払いが発生した場合や、予想外の資金不足が起きた場合など、「とにかく早く現金が必要」という状況では、ビジネスローンが有力な選択肢になるでしょう。

このようなスピード感のある資金調達が可能なことから、ビジネスローンを当座の資金確保の手段として活用している法人も少なくありません。例えば、長期的な資金調達は銀行融資で行う予定でも、実際に融資が実行されるまでには時間がかかることがあります。その間の資金繰りを乗り切るために、ビジネスローンを一時的に利用するというケースも見られます。

このような使い方は「つなぎ融資」と呼ばれることもあり、銀行融資など本格的な資金調達が実行されるまでの短期間だけ利用する方法です。資金繰りを安定させるうえでは、こうした柔軟な資金調達手段を知っておくことも重要といえるでしょう。

ただし、ビジネスローンはスピード面で優れている一方で、公的融資や銀行融資と比べると金利が高めに設定されていることもあります。そのため、利用する際には資金の用途や返済計画をしっかり考え、短期間の資金ニーズに合わせて活用することが大切です。スピードと条件のバランスを見ながら、自社にとって最適な資金調達方法を選ぶようにしましょう。

審査基準は甘め

ビジネスローンは、銀行融資などと比較すると審査が比較的柔軟に設定されている点が特徴です。銀行融資の場合は、決算内容や財務状況、事業の安定性などが厳しくチェックされるため、条件によっては融資を断られてしまうこともあります。しかし、銀行融資では審査に通らなかった企業でも、ビジネスローンであれば借り入れができたというケースは珍しくありません。

そもそもビジネスローンは、銀行からの融資を受けにくい中小企業や小規模事業者の資金ニーズに対応するために提供されている金融商品です。そのため、銀行融資よりも審査基準がやや柔軟に設定されていることが多く、設立間もない企業や財務面に多少の課題がある企業でも利用できる可能性があります。また、決算書だけでなく、現在の売上状況や事業の将来性などを考慮して審査されるケースもあり、資金調達の選択肢の一つとして活用されています。

ただし、審査が比較的通りやすいというメリットがある一方で、注意しておきたいのが金利の高さです。ビジネスローンはスピードや審査の柔軟性を重視している分、銀行融資や公的融資と比べると金利が高めに設定されている傾向があります。

例えば、銀行融資や日本政策金融公庫などの公的融資の場合、上限金利でもおおむね3~4%程度に設定されていることが多いとされています。これに対してビジネスローンでは、銀行系の商品であっても金利が年14~15%程度になることもあります。さらに、ノンバンク系のビジネスローンの場合は、法律上の上限に近い金利が設定されているケースもあり、年18%前後を上限としている商品も少なくありません。

このように金利が高くなると、借入期間が長くなるほど利息の負担も大きくなっていきます。特に長期間利用すると、元本以上に利息の支払いが増えてしまう可能性もあるため、利用する際には注意が必要です。そのため、ビジネスローンは短期間の資金不足を補うための手段として活用し、借り入れを行った場合はできるだけ早めに返済を進めていくことが望ましいといえるでしょう。

ビジネスローンは、スピードや審査の柔軟性という大きなメリットがある一方で、金利面では負担が大きくなりやすいという特徴があります。こうしたメリットとデメリットを理解したうえで、自社の資金状況や返済計画に合わせて上手に活用することが重要です。

借りる以外の方法で資金調達する

資金が足りない、そうなったら借りるしかないと考える法人の代表者の方も、多いかもしれません。
しかし資金調達する方法は、何も借りる方法に限った話ではありません。
今回紹介するファクタリングは、売掛債権を現金化することで必要な資金を確保する手段です。

ファクタリングとは?

商売をするうえで、商品やサービスを納品したタイミングでそのまま報酬を受け取るケースは、実際にはそれほど多くありません。多くの企業間取引では、いったん売掛金として債権を持ち、後日まとめて支払いを受ける「掛け取引」が一般的です。取引先との契約条件によって異なりますが、支払いサイトは30日~60日程度、つまり1~2か月後に設定されていることも少なくありません。

このような仕組みは企業間取引では当たり前のものですが、資金繰りの面では負担になることもあります。売上としては確定しているにもかかわらず、実際に現金が入ってくるのは数週間から数か月先になるためです。その一方で、仕入れ代金や人件費、家賃、外注費などの支払いは、期日になれば待ってくれません。売上はあるのに手元の現金が不足してしまう、いわゆる「資金繰りのギャップ」が発生することも珍しくないのです。

こうした状況を解消する手段として活用されているのが、ファクタリングです。ファクタリングとは、企業が保有している売掛債権を取引先から回収するのではなく、ファクタリング会社に買い取ってもらうことで、早期に現金化する資金調達方法です。売掛金の支払い期日を待つ必要がなくなるため、資金繰りを改善する手段として注目されています。

通常であれば1~2か月先に入金される売掛金でも、ファクタリングを利用すれば早い段階で現金を受け取ることができます。これにより、仕入れや人件費などの支払いに充てる資金を確保しやすくなり、資金繰りをスムーズに進めることが可能になります。特に、売上は安定しているものの入金サイトが長い企業や、急な資金需要が発生した企業にとっては、有効な資金調達の手段といえるでしょう。

また、ファクタリングは融資とは異なり、借り入れではない点も特徴の一つです。あくまで売掛債権を売却する取引であるため、負債として計上されないケースが多く、財務バランスへの影響を抑えながら資金を確保できる場合もあります。このような特徴から、銀行融資などと併用しながら資金繰りを調整する企業も増えています。

売掛金の入金までの時間が長いと、どうしても資金繰りが不安定になりがちです。そうした場合には、ファクタリングのような資金調達手段を上手に活用することで、より安定した経営を目指すことができるでしょう。

借金ではない

ファクタリングは、あくまで保有している売掛債権を早期に現金化する手法であり、銀行融資やビジネスローンのようにお金を「借りる」わけではありません。そのため、現金化した資金を後日返済する必要はなく、返済義務が発生しない点が大きな特徴です。

さらに、ファクタリングを利用した事実は信用情報に記録されません。銀行やノンバンクの審査において「借入」として扱われることがないため、将来的な融資審査に悪影響を与える心配も少ないのです。

会計上もファクタリングで得た資金は売掛金の現金化として処理されるため、負債として計上されません。つまり、借入金のように貸借対照表上の負債額が増えることもなく、財務状況を悪化させずに資金を確保できるのです。

こうした特性から、ファクタリングは資金繰りの改善や当座資金の確保に有効な手段となります。売上は確定しているものの、入金までに時間がかかる場合や、急な資金需要が発生した場合に、安心して利用できる仕組みといえるでしょう。

即日現金化も可能

ファクタリングの大きな魅力のひとつは、手続きのスピーディさです。中には申し込み当日に現金化してくれるサービスもあり、急な支出や資金不足に対応する際に非常に役立ちます。銀行融資やビジネスローンのように、審査や書類手続きに数週間~数か月かかることを考えると、即日で現金を確保できる点は大きなメリットです。

また、銀行融資やビジネスローンで審査に落ちてしまった場合でも、ファクタリングは利用できる可能性があります。銀行系の融資は、会社や代表者の信用力、財務状況などを重視して融資の可否が判断されます。しかし、ファクタリングの場合は「売掛債権そのもの」を審査対象とするのが大きな違いです。審査では、売掛債権が確実に回収できるか、売掛先の企業の信用力や支払い能力が十分かどうかが判断基準となります。そのため、自社の財務状況に問題があっても、売掛先がしっかりしていれば現金化できる可能性があります。

もちろん、売掛先の企業が倒産して債権を回収できなくなるリスクもゼロではありません。しかし、ファクタリングの場合、売掛債権を買い取ったファクタリング会社がリスクを引き受けるため、利用者自身が代わりに返済する義務はありません。銀行融資のように借入金として返済のプレッシャーがかかることもないため、安心して利用できる資金調達手段といえます。

このように、スピードと柔軟性の両方を兼ね備えたファクタリングは、急な資金ニーズや銀行融資では対応できない状況において非常に有効な手段となります。

ファクタリングは結局損する

ファクタリングで売掛債権を現金化する際には、注意しておきたい点があります。それは、売掛債権の全額がそのまま手元に入るわけではないということです。ファクタリング会社は売掛債権を買い取る代わりに手数料を差し引く仕組みになっています。これは、ファクタリング会社がサービスを提供するための利益であり、また債権回収に伴うリスクや手間をカバーするためでもあります。そのため、手数料がかかることは避けられません。

手数料の金額は、利用するファクタリング会社や契約内容によって大きく異なります。一般的には、売掛金の2%程度から始まる場合もありますが、業界や債権の性質、回収リスクの高さなどによって、20%や30%程度を手数料として差し引かれるケースも存在します。特に、取引先の信用力が低い場合や、短期間での現金化を希望する場合には、手数料が高めに設定されることが多いといわれています。

また、ファクタリングの手数料は固定ではなく、契約するタイミングや債権の額、期間などによって変動することがあります。そのため、利用を検討する際には、複数のファクタリング会社で条件を比較し、手数料の負担が自社の資金計画にどの程度影響するかを事前に確認することが重要です。手数料の割合によっては、現金化によるメリットが薄れてしまう場合もあるため、単純に早く資金を得られるという点だけで判断するのは危険です。

さらに、ファクタリングの手数料は経費として計上できる場合もありますが、会社の資金繰りや利益計算に与える影響を理解しておくことも大切です。短期的に資金を確保できる便利な手段である一方、コスト面も考慮して計画的に利用する必要があります。

つまり、ファクタリングは売掛金を早く現金化できるメリットがありますが、同時に手数料というコストが発生する点を理解したうえで活用することが重要です。契約前に手数料率や条件をしっかり確認し、自社にとって最も有利な方法を選ぶことが、資金繰りを円滑に進めるうえで欠かせません。

融資は麻薬?お金を借りる際の注意点

資金繰りに行き詰った場合、ここで紹介した融資サービスを活用することは有効な選択肢のひとつです。銀行融資やビジネスローン、ファクタリングなど、各種ローンやサービスを計画的に組み合わせれば、短期的な資金不足を解消することができます。つなぎ融資として利用すれば、長期融資が実行されるまでの当座資金を確保することも可能です。

ただし、「お金に困ったら借りればいい」と安易に考えるのは非常に危険です。よく「融資は麻薬である」といわれるように、借入を繰り返すことで返済負担が膨らみ、資金繰りがさらに厳しくなるリスクがあります。必要以上に借りると、利息負担が増えたり、経営判断の自由が制限されたりする可能性もあります。融資は便利ですが、ブラックな返済状況にならないよう、必ず計画的に活用することが重要です。

また、法人だけでなく個人として資金調達を検討する場合や、家族や親からのサポートを受ける方法もあります。ただし、個人間融資や知人・親族からの借入の場合は、返済トラブルやいわゆる借りパクなどのリスクにも注意が必要です。融資に依存せず、返済計画を立てたうえで必要な金額を借りる姿勢を持つことが、経営者にとって絶対に大切なポイントです。

次第に依存する経営者も

「融資は麻薬」と表現されるのは、お金を借りることに依存してしまう経営者が少なくないためです。一度融資を受けられると、資金に困ったときにまた借りるというサイクルが生まれやすく、次第に借入が習慣化してしまうリスクがあります。

最初は、融資を受けられるかどうか、借りたお金をきちんと返せるか、といった不安や緊張を抱えながら申し込む経営者がほとんどです。この緊張感があることで、資金の使い道や返済計画を慎重に考えるきっかけにもなります。しかし、融資を何度も利用するうちに、その緊張感は徐々に薄れていきます。

たとえば、少し資金繰りが厳しいと感じたら借りる、もう少し余裕があるから追加で借りても大丈夫、といった判断を繰り返すうちに、借金の残高はいつのまにか膨らんでしまうことがあります。最初は返済に無理のない金額だったはずが、気が付けばかなりの額に達してしまい、資金繰りの負担が大きくなるという事態も起こり得ます。

つまり、融資は便利な資金調達手段である一方で、依存すると経営に大きなリスクをもたらすことがあります。借入を行う際には、必要な金額や返済計画を明確にし、むやみに繰り返さないことが重要です。資金繰りの安定を優先しつつ、融資はあくまで計画的に利用する、という意識を持つことが経営者にとって非常に大切です。

貸し出す側の事情も考えよう

借入額がどんどん膨らむ話を聞くと、「銀行の担当者が適正な額でストップをかけてくれるのでは」と考える経営者もいるかもしれません。しかし、実際には銀行が 必ず しもその会社の返済能力や必要資金だけを基準に貸し付けを制限するとは限りません。

その理由のひとつは、銀行自身も貸付によって利益を得る仕組みになっているからです。銀行は「その法人にとって適正な必要額」ではなく、「銀行が融資可能な額」を基準に融資を行うことがあります。さらに、銀行マンには融資額や新規案件のノルマが課せられている場合もあり、結果として返済能力を超える貸し出しが行われるケースも存在します。

こうした背景があるため、経営者自身が自社の資金ニーズや返済計画を明確に持たず、銀行に言われるがまま借り入れてしまうと、知らず知らずのうちに借金が膨らんでしまうリスクがあります。融資を受ける際には、銀行の提案をただ受け入れるのではなく、本当に必要な資金はいくらなのか、どの程度まで借りることが無理なく返済できるのかを意識することが重要です。

つまり、融資を安全に活用するためには、銀行の判断に頼るだけでなく、経営者自身が資金の必要性と返済能力を冷静に見極め、計画的に借入を行う姿勢が欠かせません。これが「借りすぎ」を防ぎ、健全な資金繰りを維持するポイントとなります。

融資サービスを利用して借りるときについてのまとめ

事業を営んでいると、資金繰りが厳しくなることもあるかもしれません。
そういった時に、法人向けの融資サービスは数多くとあるので活用しましょう。

融資方法はここで紹介したように、さまざまな選択肢があります。
融資額や金利、融資期間など条件もさまざまです。
借りる目的やいつまでに支払わないといけないのかなどを考えて、自分たちにベストの融資先を見つけましょう。

ただしお金を借りられても、借りすぎには注意が必要です。
返済する際には利息の支払いも加味されるので、本当に事業を続けるために必要なお金だけを借りるように心がけましょう。