無担保融資は、不動産や債権などの資産を担保に設定しなくても受けられる融資を指します。
担保が必要な場合に比べて申し込みしやすいので、無担保融資での資金調達を検討している事業者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、無担保で事業資金を用意する方法や注意点について解説します。
無担保融資の活用法がわかるので、ぜひ参考にしてください。
目次
無担保で融資を受けるメリット
無担保で融資を受けるメリットは以下が挙げられます。
資金が早く調達できる
無担保融資は、担保が必要な融資に比べて早く借りられる傾向があります。
有担保融資は、本人の返済能力以外にも担保や保証人を審査する必要があるため、借入までに時間がかかってしまいます。
その点、無担保融資は担保や保証人に関する手続きがないので、急に資金が必要になった場合にも便利です。
事業資金をなるべく早く用意したい方は、無担保融資を検討してみてください。
Webで完結する
無担保融資にはすべての手続きがWebで完結するものもあり、そういったサービスを選べば窓口に出向く必要がありません。
Webで完結するサービスは時間や場所に問わず申し込みができるため、仕事で忙しい方にもおすすめです。
Web上で行える手続きには以下があります。
・申し込み
・借入
・返済
スマホやパソコンから手続きができて簡単なので、お店に行く時間がない方は無担保融資の申し込みをWebで行えるサービスを選びましょう。
必要な書類が少ない
無担保融資は提出する書類が少なく、借入までの準備が早くて簡単です。
通常の融資は、事業計画書や納税証明書など多数の書類の提出を求められるケースが多く、これらの書類を準備するだけでも時間がかかってしまいます。
しかし、無担保融資は通常の融資に比べて提出する書類が少ないので、無駄な労力がかかりません。
書類を準備する手間が省けるため、時間や労力を節約できるメリットがあります。
融資のハードルが低い
担保を用意しなければいけない有担保融資に比べ、無担保融資は申し込みのハードルが低いです。
有担保融資は不動産などを担保にする必要がありますが、すべての事業者が担保にできる資産を保有しているわけではありません。
担保にできる財産の例はこちらです。
・不動産
・車両
・債権
・現金
・有価証券
無担保融資は担保がなくても申し込めるので、小規模事業者など多くの人が利用できるメリットがあります。
資金の用途が基本的に自由
借入した資金の使い道の自由度が高い点も無担保融資のメリットです。
ローンによっては設備資金や運転資金にしか使えないものもあり、使い勝手が悪いと感じるかもしれません。
その点、無担保融資は用途を問わず使えるため、会社のトラブルやピンチなどに備えることができます。
お金の用途が限定されないので、事業の範囲であれば基本的に自由に使えて便利です。
無担保で融資を受けるデメリット
無担保で融資を受けるデメリットは以下が挙げられます。
金利が高めに設定されている
有担保の場合に比べて、無担保融資は金利が高めに設定されているケースが多いです。
無担保融資は担保を設定しないため、金融機関は金利を高くすることでお金を回収できなくなるリスクに備えます。
気軽に借入ができるメリットを考慮すると仕方がないと言えるでしょう。
多用すると利息がかさんで負担額が大きくなるため、借入前に返済計画を立てておくことをおすすめします。
限度額が低い場合が多い
無担保融資は、限度額が比較的低く設定されているケースが多いです。
金利が高い理由と同じく、限度額を低く設定することで未回収のリスク対策をします。
もし借入できても、利用可能額が不足していたら別の方法で資金調達しなければいけません。
必要額を事前に計算し、無担保融資で賄える範囲か確認しましょう。
借入できないケースがある
無担保融資は、契約者の支払能力によっては利用できない可能性があります。
担保という借入に対する保証がないため、金融機関は契約者の支払能力を判断するために信用情報などを確認します。
以下の場合は、借入を断られる可能性が高いです。
・ローンを滞納した経験がある
・未納の税金がある
・創業して1年に満たない事業者
金融機関も滞納するリスクが高い相手には無担保で借入しないという点に注意しましょう。
無担保融資で事業資金を用意する方法
無担保融資で事業資金を用意する方法には以下があります。
信用保証付き融資
信用保証付き融資は、信用保証協会を保証人として契約する融資です。
信用保証協会が貸し倒れのリスクを保証してくれるため、金融機関からの融資が受けやすくなります。
信用保証付き融資の特徴は以下です。
・保証料が別途かかる
・審査は信用保証協会と銀行の両方で行う
・無担保での保証限度額は基本的に8,000万円
・審査に時間がかかる
借入可能な期間が比較的長いため、長期的な返済計画を立てることが可能です。
プロパー融資
プロパー融資は、信用保証協会の保証を受けずに銀行と直接取引を行う融資を指します。
信用保証付き融資と比べて銀行が抱えるリスクが高いため、プロパー融資を受ける際は信頼関係を構築することが重要です。
プロパー融資の特徴は以下です。
・金利が比較的低め
・限度額は銀行が決定するため決まっていない
・審査が厳しいため限られた企業しか融資を受けられない
・初めての利用だと審査に時間がかかる場合がある
審査が厳しい分、プロパー融資を受けられると企業の信用度が高まり、その他の資金調達でも有利になります。
日本政策金融公庫から借入する
日本政策金融公庫は、中小企業や小規模事業者の事業を支援することを目的とする政策金融機関で、政府が100%出資しています。
無担保で受けられる融資制度がたくさんあり、自分に合ったものを選ぶことが可能です。
日本政策金融公庫から借入するメリット
・低金利で融資を受けられる
・銀行より審査が通りやすい
・決算書など書類の提出が必要
ただし、中小企業向けのため、会社の規模によっては融資を受けられない点に注意しましょう。
ノンバンクのビジネスローン
ノンバンクのビジネスローンは、民間の金融機関に申し込む事業用のローンです。
審査が通りやすく、銀行の融資などより圧倒的に早く資金調達ができます。
ノンバンクのビジネスローンの特徴は以下です。
・最短即日で資金調達できる
・必要な書類が比較的少ない
・金利が比較的高め
・限度額がやや低め
急いで事業資金を用意したい方は、ノンバンクのビジネスローンを検討してみてください。
キャッシング
キャッシングは、クレジットカードのキャッシング枠で借入することを指します。
クレジットカード発行時にキャッシング枠を申し込んでおけば、いざというときにATMから借入ができて便利です。
キャッシングの特徴は以下です。
・最短即日で利用できる
・金利が高め
・限度額が低め
・資金の使途が自由
ローンなどと比べると限度額が低いため、利用する前に必要額を明確にしておきましょう。
法人向けカードローン
法人向けカードローンは金融機関が提供するサービスで、事業資金の借入ができます。
キャッシングより金利が低く利用枠が大きい傾向があるため、キャッシングでの借入金が足りない場合に検討しましょう。
カードローンの特徴は以下です。
・最短即日で利用できる
・返済プランが設定できる
・限度額は支払能力に応じて変わる
銀行が提供している個人向けのカードローンは事業に使う資金の借入はできないことが多いため、間違えないようにしてください。
フリーローン・目的別ローン
フリーローンと目的別ローンは、どちらも制約があるローンです。
使い道が限定されるかわりに金利を低く抑えることができます。
フリーローン・目的別ローンの特徴は以下です。
・金利が低め
・審査に時間がかかる場合がある
・借入金の用途の申告や使途証明書が必要
他の方法よりルールが厳しいので、使い勝手が悪いと感じるかもしれません。
事業資金を無担保融資で調達する際の注意点
事業資金を無担保融資で調達する際に注意すべき点を解説します。
必要最低限の利用にとどめる
無担保融資は借入のハードルが低くだれでも利用しやすいですが、使いすぎには注意が必要です。
必要額を詳細に把握することで、無担保融資の利用を必要最低限に抑えましょう。
借入しすぎてしまう場合は、融資以外で資金調達するのも一つの手です。
・知人から借りる
・ファクタリング(売掛金の債権買取)
・クラウドファンディング
本当に必要な資金か検討してから借入を行いましょう。
計画的に返済する
無担保融資は、返済計画を立てて着実にお金を返す必要があります。
無担保融資は他の融資に比べて金利が高いため、長期間借りると利息が想像以上に高額になりやすいです。
計算が苦手な方は、返済についてシミュレーションができるWebサイトもあるので活用しましょう。
借入する前から返済の見通しを持っておくことで、計画的な返済が可能になります。
延滞するとペナルティがある
支払期日までに返済できないと、利用が停止されたり遅延損害金が発生するので注意しましょう。
無担保融資は気軽に借入できるため、無計画に借入を繰り返して延滞するリスクがあります。
遅延損害金は滞納額に延滞日数に応じた金額が加算され、利息と同様に早めに返さないと支払いが高額になるので要注意です。
一度利用停止されると返済するまで借入ができないので、早い段階で滞納を解決する必要があります。
無担保の融資で事業資金を調達するポイントのまとめ
担保にできる財産を持たない事業者にとって、無担保融資は事業資金の調達に便利です。
保証人も必要なく気軽に使えるので、事業資金の工面に困った際は無担保融資を利用しましょう。
ただし、無担保融資はだれでも利用しやすい反面、使いすぎには注意が必要です。
必要な分だけ計画的に借入することで、無担保融資を上手に活用しましょう。
無担保融資以外にも、ファクタリングなど他の資金調達方法を併用することも可能です。
今回紹介した内容を参考に、最適な事業資金の調達方法を検討してみてください。