福岡は人口も多く、会社が軌道に乗れば、しっかりとした経営が可能です。そのためには資金調達が重要であり、運転資金や設備資金などを融資してもらう事で会社を大きくすることも十分に可能です。福岡は金融機関も多く、メガバンクなどの大銀行はもちろん、ノンバンク系の金融機関も数多く進出しています。そこでこの記事では、福岡で法人融資をする時に知っておきたい事を解説していきましょう。

福岡の法人融資の概要

福岡は九州随一の経済規模を持ち、多くの法人が存在しています。そのため多くの融資制度があり、融資経験のない事業者には「何を基準に選んだらいいかわからない」という人や「どの金融機関で融資を受ければいいのか分からない」という人も少なくありません。ここでは、まず法人融資やどんな基準で選択するかを解説します。

法人融資とは?

法人融資は企業や団体などの法人が金融機関から資金を借り入れる事を指す言葉です。個人の借り入れとは区別され、その用途は事業用資金となっています。事業用資金とは運転資金などの資金繰り、成長などを促進するための設備投資、他行からの借り換えなどに使用されます。
福岡は大都市なので、法人融資の種類も豊富であり、銀行やノンバンク、市区町村の融資制度など様々な機関で借り入れることが想定されるでしょう。

一般的には以下のモノが法人融資の目的が挙げられます。

・ 事業資金の調達
・ 運転資金の確保
・ 設備投資の確保
・ 財務状況の改善

事業資金は起業するために必要となる費用です。また、ある企業が新しいプロジェクトのために必要とする場合や既存の事業を拡大するために必要となる場合も事業用資金と言えます。

運転資金の確保は企業にとっては重要です。運転資金とは日常でかかる資金であり、仕入れ代金や人件費、賃料、光熱費などがこれに当たります。
福岡は他の地方の都市と比べると東京ほどではないですが、事務所代や駐車場代なども高い傾向にあります。そのため、事業が軌道に乗るまでは運転資金を融資で賄うというケースも非常によくあるのです。

設備投資は企業を大きくするためには、欠かせない資金です。工場やオフィスの建設などはもちろん、製造業であれば新しい機械や設備の導入などもこうした資金に当たります。
これらの資金では融資金額が大きくなる傾向にあるため、借入期間も長期にわたる場合も多いです。この場合は金利も大きな問題となり、総返済額なども高額になるために返済不能に陥らないように注意が必要です。

財務状況の改善も法人融資で行う事があります。財務状況を悪化させる要因は様々に考えられますが、一般的には債務の返済が負担になっていたり、短期的なキャッシュフローに問題があったりすることが多いです。
これらを解決するために、他行からの借り換えや短期的なキャッシュフローの改善などに融資してもらった資金を使用します。これらの用途の場合には必要最低限の額を借りればよく、短期で借り入れが終了する場合もあります。

どれを選択したらいい?

法人融資の選択肢は多岐にわたります。初めて法人融資を検討する時には、どこから融資を受けるのが最適かで悩むことになるでしょう。
法人融資の選択肢は以下のようなものが考えられます。

・銀行融資
・信用金庫・信用組合からの融資
・ノンバンクからの融資
・クラウドファンディング
・企業間融資(P2Pレンディング)
これらの選択肢は福岡でも変わりません。特にクラウドファンディングや企業間融資(P2Pレンディング)は全国で共通しており、福岡だからと言って特別な手続きが必要というわけではありません。
銀行融資信用金庫・信用組合、ノンバンクからの融資では、金融機関によって手続きや金利、融資条件なども違います。こうした金融機関で借り入れる場合には、福岡にある金融機関による条件の違いなどをしっかりと理解する必要があるでしょう。

福岡の法人融資の制度

ここでは、福岡県が用意している中小企業に対する融資を紹介していきましょう。福岡県は事業活動に必要な資金の融資を促進する事で、県内の企業の近代化と経営基盤の安定を目指しています。そのために多くの融資制度を用意していて、対象となる事業者は手厚いサポートを受ける事ができます。特に福岡県では新たな事業を開拓する創業者に対する融資がしっかりとしています。
福岡県の創業融資は以下のモノがあります。

 ・福岡県の制度融資「新規開業資金」
 ・日本政策金融公庫の創業融資

福岡県の制度融資「新規開業資金」

福岡県の制度融資「新規開業資金」は、福岡県が行う低金利の貸付制度をつくり創業者支援です。これは金融機関に資金を一部預託するという形で、低金利を実現している創業融資制度となっています。銀行が取り扱っている金融商品となりますが、窓口は商工会議所です。他にも金融機関と県信用保証協会が連携しているため、安心して借り入れる事ができる融資です。
金利は1.3%ですが、55歳以上は1.2パーセントと年齢によって金利が違います。融資限度額は2000万円以内とされていて、返済期間は用途によって異なります。設備資金として使用する場合には10年以内、運転資金として使用するのであれば7年以内という返済期間となります。担保は不要で、保証人は原則代表者のみという事も事業を始めようとする者にとっては有益です。

デメリットとしては審査の期間が2か月程度かかる事であり、それほどのスピード感があるわけではありません。「新規開業資金」を受ける際には、しっかりとした準備期間を確保したうえで、書類を整えて申し込む必要があるでしょう。福岡県が提供している制度のために、安心して融資を受ける事ができます。

日本政策金融公庫の創業融資

日本政策金融公庫の創業融資も有用な資金調達法です。日本政策金融公庫には「新規開業資金」という制度があり、新創業融資制度と創業支援貸付利率特例制度を併用する事で創業資金としては大変助かる制度となっています。
金利は1.59パーセントから2.55パーセントであり、極めて低い金利を実現しています。融資限度額は3000万円以内となっていて、かなり高額な融資を可能としている事も魅力です。設備資金として使用する場合は20年以内で、運転資金として利用する場合には7年以内となっています。無担保で、無保証人となっていて、審査のハードルが低いことも特徴的です。

日本政策金融公庫は中小企業にとっては信頼のおける金融機関であり、低金利なので多くの企業が利用しています。日本政策金融公庫は創業資金に対して融資をする制度があり、「新規開業資金」や「新創業融資制度」、「創業支援貸付利率特例制度」といったものがあります。これらには適用条件などもあるために、自身の会社が融資の対象になっているかを調べる必要があります。福岡県の中でも福岡市だけが行う創業融資制度もあり、福岡のどこに住んでいるのかも融資を受ける際には重要となってきます。

福岡で銀行融資を受ける場合

福岡で銀行融資を受ける際にどんなタイプの融資があるのかを見ていきましょう。法人融資の中でも銀行からの融資が最も現実的です。ここでは福岡銀行を例にして、銀行融資を紹介していきましょう。銀行で融資を受ける際には、以下のモノを考える事ができます。

・ふくぎん不動産担保ローン「ロングリリーフ」
・ベストリリーフL(エル)
・不動産担保融資
・売掛債権担保融資
・機械担保ローン
・商用車活用ローン

ふくぎん不動産担保ローン「ロングリリーフ」

ふくぎん不動産担保ローン「ロングリリーフ」は福岡銀行における法人融資の看板商品と言えるでしょう。融資対象者は九州内で事業を営む法人であり、用途は転資金と設備資金などとなっています。100万円から5000万円となっていて、かなりの高額な融資も可能です。
返済期間も20年まで可能であり、長期的なサポート受ける事ができます。金利も3.975パーセントから10.975パーセントと幅広く設定しており、担保の資産価値や保証人の有無などによって設定されます。担保は不動産であり、その資産価値によって借り入れに関する様々な条件(金利、返済期間、融資額など)が決められます。

ベストリリーフL(エル)

ベストリリーフL(エル)は、SMBCコンシューマーファイナンス株式会社の保証を受けた場合のみ借り入れができるローンです。用途は運転資金・設備資金などとなっていて、事業融資として有用です。融資金額は30万円以上200万円以内となっていて、設備資金としては物足りないものがあります。金利は、14.6パーセントと高い設定なので、長期の借り入れになると総返済額となっています。

不動産担保融資

不動産担保融資は福岡銀行だけでなく、多くの銀行が用意しています。福岡銀行では不動産を所有している場合は、ふくぎん不動産担保ローン「ロングリリーフ」の利用も有効な資金調達法となります。しかし、こうした制度でなくても不動産担保融資はあります。不動産担保融資は億単位の融資もできる有益な資金調達法です。不動産担保融資は金利も低く、価値の高い不動産を有していれば、設備資金の融資としても最適となっています。こうした融資は福岡銀行以外の金融機関でも広く行われているでしょう。

売掛債権担保融資

売掛債権担保融資は売掛債権さえ持っていれば、融資してくれる制度です。福岡銀行でも用意されていて、福岡にある他の銀行でも用意されています。売掛債権の価値によって金利や融資額、返済期間が決定されていて、幅広い売掛債権が担保となりえます。売掛債権は一般的には信頼性の高い担保とされているので、金利が低くなる傾向になる事も覚えておいた方がいいでしょう。

機械担保ローン

機械担保ローンは、機会がある製造業者には非常に有益なローンです。所有している機械を担保に入れて、融資を受けるサービスを指しています。メガバンクなどでは用意されているローンで、機械担保ローンは金利が幅広く設定されています。資産価値の高い機械であれば金利が低く、それほどの価値がなければ金利が高くなります。

商用車活用ローン

商用車活用ローンは所有している車を担保として融資を受けるサービスです。融資金額は100万円以上で、車輌購入資金や事業資金などの用途のために、借り入る事ができます。
福岡銀行のサービスを例にすると、融資期間は7年と長期ではないにしてもある程度の期間の借り入れが可能です。一般的には、トラックやバス、トラクター、タンクローリー、清掃車、ワンボックスカーなど、商業用として使用されているあらゆる車種が対象となっています。

ノンバンクでの借り入れ

銀行の融資が何らかの理由で受けられない時には、ノンバンクで借り入れる事になります。ノンバンクとは消費者金融などの事を指し、ビジネスローンなどで融資を受ける事になるでしょう。こうしたノンバンクは金利が10パーセントを超える事もあり、月々の返済額が大きな負担になってしまう場合も少なくありません。また、銀行ほどの高額な融資ができないことも多く、数百万単位の融資になる事もネックとなります。借り入れを検討する際には、融資額や金利に注意して、短期での借り入れをするとそれほどの負担にもならずに資金調達ができます。

福岡の法人融資のまとめ

法人融資では様々な要因を考慮する必要があります。福岡は多くの融資制度があり、選択肢が多いだけにどれを選んだらいいか悩んでしまうという事もしばしばあります。メガバンクでの借り入れとノンバンクでの借り入れでは、条件(融資額、返済期間、申し込み手続き、必要書類、金利)などが違います。
しっかりと福岡で行われている融資制度を調べてれば、安心して資金調達ができるでしょう。その際には今回紹介した福岡の法人融資についての情報も参考にしてみて下さい。