ビジネスローンは審査落ちしないという印象が強く、銀行融資などと比べて金利が高い分、審査に通りやすいと言われています。しかしビジネスローンで審査落ちすることは十分に考えられることで油断はできません。実際にビジネスローンで審査落ちするパターンにはどのようなものがあるのか紹介し、落ちないための対策やビジネスローン以外の資金調達方法について解説していきましょう。

ビジネスローンでも審査に落ちることがある

ビジネスローンは一般的な銀行での融資の審査が落ちる人でも資金調達ができる手段として人気がありますが、ビジネスローンだから審査に確実に通るわけではありません。激甘という噂も嘘で、申込者や事業内容に問題があれば審査に落ちます。

ビジネスローンで申込者が原因で審査が落ちる理由

ビジネスローンで審査に落ちる理由にはどのようなものがあるでしょうか?申込者の個人的な原因で落ちるパターンを列挙しました。

1.書類に不備・虚偽がある
2.スコアリングシステムの対象外
3.複数社に連続して申し込んだ場合
4.対象年齢から外れている
5.銀行系ビジネスローンに申し込んだ
6.希望額が大きすぎる
7.過去の信用情報に傷がついている

上記、7つの理由についてひとつずつ見てみましょう。

1.書類に不備・虚偽がある

申し込みに必要な書類に不備があったり、内容に虚偽があったりすると審査に落ちる可能性が高くなります。書類の提出前、最初に基本情報などを入力する登録フォームでの記載間違いでも落ちる可能性があるので注意しましょう。

2.スコアリングシステムの対象外

ビジネスローンは融資を希望する申込者の信用度をスコア化するスコアリングシステムの数値によって審査の可否や融資枠や金利と言った内容を決めます。融資ができる程の信用性がないと判断されれば審査に落ちます。

3.複数社に連続して申し込んだ場合

どうしても融資を早く受けたいからとビジネスローンを複数社同時に申し込んでしまう人がいますが、これは悪手です。複数同時に申し込んだという情報が金融機関に入ってしまうと、返済能力に疑問符が持たれてしまい、審査に悪影響を及ぼします。

4.対象年齢から外れている

ビジネスローンに限らず融資には対象年齢があり、未成年や70歳を過ぎていると、一部を除く金融機関での融資が受けられません。対象年齢から外れているとそれだけで審査に落ちます。

5.銀行系ビジネスローンに申し込んだ

ビジネスローンには銀行系とノンバンク系があります。一般的に銀行系のビジネスローンのほうが審査が厳しめと言われており、銀行系に申し込むと審査に落ちやすい傾向があります。

6.希望額が大きすぎる

ビジネスローンの希望額は銀行融資ほどでないにしても数百万程度に設定しています。とはいえ、実績がない場合にこの金額で融資を受けるのは難しく、金融機関が定めた金額以下になる場合が多いです。そのため、希望額が高すぎると審査から除外される確率が高くなります。

7.過去の信用情報に傷がついている

いわゆるブラックリストと呼ばれているものです。過去に金融事故を起こしたりした記録が残っていると、基本的に融資の対象外となり審査に落ちます。

ビジネスローンで事業内容に原因があって審査に落ちる理由

申込者個人ではなく、事業内容などのチェックで審査に落ちる場合もあります。

1.税金の滞納がある
2.赤字決算である
3.返済能力に疑問を持たれた
4.事業計画があいまいである
5.開業して間もない

次の5点についてひとつずつ見ていきましょう。

1.税金の滞納がある

事業で融資を受けようとする場合、前提として義務である税金を納めていることが大事になってきています。税金を滞納している状態であることがわかれば、審査が厳しくなり落ちる可能性が高いです。

2.赤字決算である

銀行融資ほど厳しくないにしてもビジネスローンでも企業が黒字で成長する可能性がある場合に融資を行いやすいので、赤字決算の場合は当然厳しいです。中には赤字でも融資可能というところはありますが、選択肢は限られてしまいます。

3.返済能力に疑問を持たれた

融資する相手は、金利をつけて確実に返済してくれる相手というのが前提なので、事業内容を見て返済してもらえる見込みがないと判断されると審査に落ちやすいです。

4.事業計画があいまいである

事業資金を融資するビジネスローンの場合は、事業そのものの可能性を審査対象にします。事業計画があいまいであれば、やはり返済の可能性に疑問符を持たれてしまうので審査に落ちやすいです。

5.開業して間もない

ビジネスローンの種類にもよりますが、最初の確定申告(決算)を迎えていない場合は審査が厳しいことが多いです。どうしても初年度の実績がわかる書類で返済能力をチェックするので、開業して間もない場合はビジネスローンに落ちる可能性があります。

ビジネスローンの審査に落ちない対策とは

ビジネスローンの審査に落ちると資金計画に大きな影響が出てしまいますので、審査に落ちない対策を考える必要があります。

1.返済能力を証明できる事業計画を作る
2.借入希望額を最小限にする
3.ノンバンク系ビジネスローンを申し込む
4.担保や保証人を用意

上記、4つの対策についてひとつずつ見ていきましょう。

1.返済能力を証明できる事業計画を作る

ビジネスローンの場合は、事業性資金なので事業計画を作成して提出することはとても重要です。なかでも毎月の返済額をきっちりと支払えることを文章などで明記した資料を提出し、その内容に無理がないと判断されれば審査落ちの可能性が低くなります。

2.借入希望額を最小限にする

借入希望額は、申し込もうとしている金融商品の限度額ギリギリに設定すると審査に落ちやすくなります。金利も高いので借入希望額はできるだけ低めに設定し、早い段階ですべて完済してから新たに借りる。あるいは銀行など利息の低い金融機関に申し込むような考えを持ちましょう。

3.ノンバンク系ビジネスローンを申し込む

ビジネスローンは、銀行系とノンバンク系がありますが、相対的にノンバンク系ビジネスローンのほうが審査が簡潔なことがあり審査に通りやすいです。但しその分銀行系より金利が高めです。

4.担保や保証人を用意

ビジネスローンのメリットの一つに無担保無保証がありますが、この場合はどうしても返済が滞った時の対策が取りにくい為、審査が厳しめになります。仮に担保になるものや保証人になってくれる人がいるのなら、あえて担保や保証人を使って融資を申し込むと、無いよりも審査が緩めになります。

ビジネスローンで審査に落ちた場合の対策

ビジネスローンを申し込んでも、残念ながら審査に落ちた場合はどうすればよいでしょう。

1.他社に申し込み
2.今まで取引のない金融機関に相談
3.個人のカードローンを利用
4.助成金や補助金の利用
5.不動産を担保に融資
6.有価証券を担保に融資
7.クラウドファンディングなどで出資してもらう
8.手形割引で現金化
9.ファクタリングを利用

上記に示した通り、ビジネスローンで落ちても様々な資金調達方法があるので、それを活用することになります。詳しくみていきましょう。

1.他社に申し込み

ビジネスローンに1社申し込んで落ちただけなら、別のビジネスローンの金融機関に申し込んでみましょう。落ちた理由が申込時の入力ミスなどだった場合は、別のビジネスローンだと通る可能性があります。銀行系に申し込んでいたらノンバンク系に申し込むと審査内容が異なります。

2.今まで取引のない金融機関に相談

今まで全く取引の無い金融機関に思い切って相談する方法があります。いきなりの申し込みではなくまず担当者にあって事情を説明し、事業計画などを添えて粘り強く交渉すれば、意外に良い結果になる可能性があります。

3.個人のカードローンを利用

個人名義のカードローンを利用して資金調達を行います。金利も高く融資可能額も知れていますが、一時的にしのぐ際にはとても便利です。

4.助成金や補助金の利用

資金調達を急がない場合は、助成金や補助金利用という方法があります。特に事業を拡大、新しいビジネスのために資金を求めるのなら、しっかりとした事業計画書を該当する助成金・補助金事業に申し込めば、審査に通る可能性があります。

5.不動産を担保に融資

無担保無利息のビジネスローンに落ちたら、担保を用意して融資してもらうと審査が通りやすくなります。不動産担保の場合、不動産価格は比較的安定していて借りやすいので、所有していたら大いに活用できます。

6.有価証券を担保に融資

同様に株券などの有価証券を有していた場合に担保にして融資を受けることも可能です。売却する方法もありますが、融資ができれば、株主としての権利は所持したままなので、株主優待などが受けられます。

7.クラウドファンディングなどで出資してもらう

しっかりとした事業計画、目標があれば融資ではなく出資という手段があります。出資なら直接的な返済の必要はありません。最近はネット上でクラウドファンディングという方法で出資を求めやすくなっているので、選択肢のひとつとして活用できます。

8.手形割引で現金化

受取手形を持っていれば期日前に手形割引で現金化できます。割引料は発生しますが、融資では無く返済の必要はありません。

9.ファクタリングを利用

売掛債権を現金化できるファクタリングも非常に便利な資金調達方法です。手数料を払う必要はありますが、資産の内容が変わるだけでバランスシートの改善にもつながり、選択肢のひとつとして活用できます。

ビジネスローンで審査に落ちたのまとめ

ビジネスローンで審査に落ちた場合、落ちた理由を把握しておく必要があります。審査落ちの理由に該当する項目があれば、それを改善してから再度申し込めば通る可能性があります。また、ビジネスローン以外にも資金調達の方法は数多くあるので、他の選択肢の利用も考えてみましょう。