山形県では、多くの事業者がビジネスローンを組んでいます。ビジネスローンは中小企業にとっては有用ですが、どんなものがあるかを知っておく必要があります。山形県は観光業や林業、農業、漁業などの事業者が多くいます。こうしたジャンルの事業者に手厚いサポートがある事も山形県の特徴です。この記事では、山形県のビジネスローンを解説していきましょう。
ビジネスローンとは?
ビジネスローンは資金調達法として、中小企業にとって心強い味方です。銀行の融資は企業にとって資金調達の第一候補ですが、審査が厳しいためになかなか融資を受ける事ができないという事業者も存在します。ここでは、ビジネスローンの概要をまとめていきましょう。
ビジネスローンはどんな金融商品か
ビジネスローンは、企業や個人事業主が事業用に借りる金融ローンです。その目的は事業拡大のための資金や光熱費や人件費などの運転資金、製造機器や製造ラインなどの調達に使う設備資金などに使用する事です。審査は各金融機関によって違いますが、銀行のプロパー融資よりも審査のハードルは低いことが特徴です。担保が必要な場合もありますが、無担保で借り入れできる場合が多い事は、若い起業家や創業間もない事業者にとっても助かるでしょう。
ビジネスローンのメリットとデメリットは何か
ビジネスローンのメリットは審査から融資までのスピードが早い事です。特にノンバンクのビジネスローンでは、即時入金を謳うローンもあるほどのスピード感を実現しています。これには審査のハードルが低い事という事も起因しますが、最も大きな理由はスコアリング審査を導入したからと言われています。スコアリング審査とは近年多くの金融機関が取り入れている審査方法です。
これは事業や個人の状況を数値的に判断する事によって、機械的に融資額や金利、返済額を決めるシステムとなっています。この方法であれば、しっかりとスピード感のある入金が可能になるのです。さらに、AIなどを導入した「AIスコアリング審査」を採用するノンバンクも増えており、さらなる審査精度のアップやスピーディーな審査も期待されています。
ビジネスローンのデメリットは、金利が高いことと融資額が低いことです。銀行の融資だと億単位の融資を受ける事ができ、金利も0パーセント台から5パーセントほどに押さえられる場合も多くなっています。ノンバンクのビジネスローンだと18パーセントまで金利が許されていて、100万円単位の融資が主なものとなっています。
銀行系の金利でも、通常の融資よりは高い金利が設定されるために、銀行の融資や自治体の制度融資などよりは金利が高いという事は覚悟しておかなければなりません。
ビジネスローンに必要な書類とは何か
ビジネスローンを申し込む時には、書類の提出が求められます。この書類を使って審査が行われるので、こうした書類は不備なく、内容も整理したうえで提出する必要があるのです。具体的には、必要な書類は銀行系とノンバンクで異なります。結論から言うと、ノンバンクの方が書類が少なく、銀行系では書類が多くなるという事です。
ノンバンクのケースでは、必要な書類が3種類ほどでいい場合もあります。銀行のビジネスローンはより厳格な傾向があるので、多い時には10種類ほどの書類の提出が必要な場合があります。そのため、借入の際には、しっかりと情報を集めて、どんな書類が必要かを把握しておく事が重要です。
また、ノンバンクでも銀行系のビジネスローンでも本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)と2~3年分の決算書が必要な事は共通しています。本人確認が必要である事は理解しやすいはずです。確定申告の状況が分かる決算書などが必要なのは、事業の状況を把握する必要があるからです。事業用資金という用途に使用するために、こうした書類の提出は必須となっています。
山形県のビジネスローンの特徴
山形県のビジネスローンの特徴を紹介していきましょう。東北地方の事業者に共通している事として、農業・観光業・製造業などの事業者が多く、山形県の事業者も例外ではありません。最も知られているのは地域密着型が多い事という事で、こうした特徴は借り入れをする際にも抑えておいた方がいいでしょう。
山形県のビジネスローンの特徴は以下の通りです。
・地域密着型の金融商品が多い
・農業・観光業・製造業に特化したローンが多い
・地方創生・地域活性化に向けた特別融資もある
・創業支援や中小企業向け融資が手厚い
・公的な支援融資が活用しやすい
・低金利での借り入れが可能なケースが多い
・自治体や県との連携が強い
地域密着型の金融商品が多い
山形県は首都圏から離れているために、地方銀行を使う機会も多くあります。山形銀行や荘内銀行、北日本銀行など、有力な地方銀行が営業をしています。その他にも、地元の信用金庫、農協などの金融機関もあるために、地域密着型の金融商品も多いのです。
こうした金融機関は営業エリア内の情報を常に集めています。地域のニーズや産業特性などをしっかりと把握しているので、特別な融資プランも数多く扱っているのです。地域密着型のサポートを十分に活用するのが、地方で事業をするときには重要と言えます。地域の事業者の事情に詳しいというポイントを最大限に生かして、適切な融資相談も受けてくれるでしょう。
農業・観光業・製造業に特化したローンが多い
農業・観光業・製造業に特化したローンも山形県の特徴です。山形県は首都圏から離れており、自然を生かすような事業が多くあります。農業・観光業・製造業がジャンルとしては多く、金融機関もこうしたジャンルの事業者に対するローンを数多く準備しています。
山形県で事業をする人の中で、こうしたジャンルの事業を展開している人、あるいはしようとしている人には有用な金融商品が多いでしょう。もちろんそれ以外のジャンルに向けた融資がある場合もあるので、ビジネスローンの情報を金融機関のホームページなどで調べてみるといいでしょう。
地方創生・地域活性化に向けた特別融資もある
首都圏から離れているという事で、様々な制度を国や地方自治体も準備しています。特別融資はビジネスローンという名称で融資する場合もあれば、プロパー融資の形で融資する場合もあります。いずれの場合でも、地方創生・地域活性化に向けた特別融資は、かなり優遇された融資条件が特徴的です。
自治体との連携によるサポートがしっかりと受けられる事も特徴で、地方創生・地域活性化というキーワードは地方の事業者にとっては非常に大きな意味を持っています。一見するとビジネスにおいては不利とも思える「首都圏ではない」という事が、大きな強みになる事は覚えておいた方がいいでしょう。
創業支援や中小企業向け融資が手厚い
創業支援や中小企業向け融資が手厚い事は大きな特徴と言えます。山形県では自治体などが創業支援や中小企業の支援に積極的な一面があります。県内で事業を始める時にはしっかりとした融資が受けられるために、事業が軌道に乗りやすいという傾向を覚えておいた方がいいでしょう。こうした創業支援融資の特徴には、無担保・無保証での借り入れが可能な場合が多く、月々の返済額が少なくて済むというものがあります。
また、小規模な事業者を優遇している金融機関も多く、ニッチな事業を展開している場合にも安心して融資を受ける事ができます。
公的な支援融資が活用しやすい
首都圏から離れていると、マーケットが狭い事で上手くいかない場合もあります。こうした状況を是正する事によって、県や市町村、国の支援による公的融資制度が用意されています。事業や販路の拡大などのために活用する事もでき、通常のビジネスローンよりも条件のいい契約ができる場合もあります。ビジネスローンだけでなく、こうした融資制度を活用するというのも資金調達では重要です。
低金利での借り入れが可能なケースが多い
山形の金融機関では、低金利の商品が多いことが特徴です。都市部の金融機関は金利が高い場合も多く、こうした銀行よりも地方銀行の方が金利が低いという事も少なくないのです。低金利になれば、総返済額も下がるので、完済しやすいという利点があります。地域経済の活性化を目的としている地方銀行や信用金庫などは、ビジネスローンなどでも低金利を実現しているので、こうした金融機関のビジネスローンを優先して選択するといいでしょう。
また、返済期間なども長く設定できる場合もあります。メガバンクなどよりも事業の状況に合わせて相談する事ができる地方銀行の方が、返済期間や金利で融通が利く可能性が高くなっています。
自治体や県との連携が強い
山形県では自治体や県との連携が強いために、しっかりとしたサポートを受ける事ができます。仮にノンバンクのビジネスローンを借り入れて、返済不能になったとしても、自治体や県の制度融資を利用して借り換えをするという選択肢もあります。
また、地方の事業に合わせた制度融資も豊富で、担当者も親身になって相談に乗ってくれる場合も少なくありません。地元の事業者であれば優遇政策もあるなど、銀行やノンバンクだけでなく、自治体や県の制度やサポート、税制の優遇なども資金調達の際には確認しておくといいでしょう。
以上が山形県のビジネスローンの特徴です。大きなポイントは、地域密着型の金融機関が多いという事です。さらに資金調達の際にはビジネスローンだけじゃなく、様々な優遇制度を利用するというのも一つの手です。
様々な金融商品の条件を比較したうえで、公的支援を活用した資金調達の事業になっていれば、そちらを利用し、ビジネスローンの方があっていればそちらを利用するという使い方が最適でしょう。
山形県内のビジネスローンにはどんなものがある?
山形県内のビジネスローンにはどんなものがあるのかも見ていきましょう。山形県には地方銀行も存在しており、様々な金融商品があります。金融機関のビジネスローン以外にも、制度融資などもあるので、そうした事も活用した方がいいでしょう。
山形県内のビジネスローンには以下のモノがあります。
・山形銀行のビジネスローン
・荘内銀行のビジネスローン
・北日本銀行のビジネスローン
・山形県信用保証協会を利用した保証付き融資
・山形県中小企業振興公社の融資制度
山形銀行のビジネスローン
山形銀行のビジネスローンを見ていきましょう。山形銀行は山形県を営業エリアとする地方銀行です。山形銀行では中小企業経営者・個人事業主へのサポートを心掛けており、様々な融資を用意しています。山形銀行のビジネスローンは無担保・第三者保証人不要と謳われていて、担保などに不安がある場合でも借り入れができます。特に有用なのは、ビジネスローン「ステップアップ」です。「ステップアップ」では最大の融資額が5000万円であり、返済期間も10年と長期にわたるサポートを受ける事ができます。
荘内銀行のビジネスローン
荘内銀行のビジネスローンを紹介しましょう。株式会社・荘内銀行は山形県に本店を置く地方銀行で、「荘銀」の愛称で知られています。例として、この銀行が準備しているビジネスローンは「〈荘銀〉ローン ビジネスべんリッチS」を見ていきましょう。このビジネスローンは、申込書・見積書がいらないという借り入れが簡単な商品となっています。
ビジネスローンの特徴としては最大ご融資額300万円で、担保も保証員も要らないという事です。新規開業の事業者でもしっかりとした融資を受ける事ができるために、利用を検討する事業者も多くいます。
北日本銀行のビジネスローン
東北を中心に営業エリアを持っている北日本銀行のビジネスローンを見ておきましょう。北日本銀行のビジネスローンの中では「ビジネスカードローン」という商品が最も有用でしょう。ビジネスローンはカードローンであり、カード1枚で借り入れから返済までが自由に行う事ができます。融資限度額は2000万円で、気軽に資金調達ができるという事です。休日でも借り入れする事ができ、キャッシュコーナーで利用できるために、急に現金が必要になった場合でも有用なローンです。
山形県信用保証協会を利用した保証付き融資
ビジネスローンの中には、保証人付きでないと融資してくれないものもあります。その際に利用できるのが山形県信用保証協会ですが、この保証人制度は保証付き融資に広く使用できます。保証人が見つからない場合には、保証協会に保証を依頼する事によって保証付き融資を受ける事ができます。ビジネスローンだけじゃなく、他の制度融資やビジネスローン、カードローンなどに使用できる場合もあるので、組合各支店又は担当者に連絡する事で申し込む事が可能です。
山形県中小企業振興公社の融資制度
ビジネスローン以外の選択肢としては、山形県商工業振興資金融資制度もあります。山形県中小企業振興公社は、県内企業の経営の安定と競争力の強化を目的としています。山形県を営業地域としている事業者にとっては、この制度は使わない手はありません。
地域経済の活性化を目的にしているために、融資金額も返済額も金利も事業者にとって良心的なものとなっています。取扱金融機関としては山形銀行や荘内銀行、きらやか銀行など多くの銀行があるために、窓口で相談するとこの制度を受ける事ができます。
山形県のビジネスローンのまとめ
この記事で紹介したように山形県のビジネスローンには、様々なものがあります。山形県のビジネスローンには地域密着型のモノも多く、手厚い融資が受けられるために中小企業にとっては心強い金融商品も多くあるのです。農業・観光業・製造業など、様々なジャンルの事業者にも対応できるビジネスローンが豊富な事も魅力となっています。
地方特有のビジネスローンも存在するので、この記事の情報も参考にして山形県でのビジネスローンをご検討下さい。