弊社のブログでは、これまで主に経営者の方々に向けた情報発信を行ってきましたが、今回は少し視点を変え、これから独立・起業を目指す方々に向けたテーマに沿ってお話ししていきたいと思います。スタートアップを志す方や、副業から将来的な独立を考えている方にとっても、実際に役立つ内容となるよう構成しています。
現在、正社員やアルバイトといった雇用形態を問わず、「雇われる立場」にある方の中には、いつかは自分の力で事業を始めたい、起業家として独立したいと考えている方も少なくないでしょう。すでに開業を見据えて準備を始めている方や、アイデアを温めながら情報収集を進めている方もいるかもしれません。
独立や起業は、組織の制約から解放され、自由な働き方や意思決定ができる点が大きな魅力です。しかしその一方で、事業の運営・管理・資金繰りといったすべてを自分自身で背負うことになります。経営や事業の最高責任者としての立場になる以上、売上が上がらない、仕事が取れないといった状況が続けば、その責任は誰にも転嫁できません。
特に起業初期は、資金や人脈、実績が十分でないケースが多く、想定以上の費用がかかることや、計画通りに進まないリスクも存在します。そのため、独立や起業を始める際には、「自由への憧れ」だけで判断するのではなく、仕事を継続的に獲得し続けるための対策や仕組みを事前に考えておくことが非常に重要です。
実際に、十分な事業計画を立てずに起業した結果、集客や営業がうまくいかず、短期間で撤退してしまったケースも数多く見られます。「やってみなければ分からない」という姿勢も大切ですが、同時に不安やリスクを把握し、専門家や支援サービスを上手に活用することが成功への近道となります。最近では、無料で利用できる起業支援サービスや情報サイト、起業家向けのサービス一覧なども充実しており、どこから始めるべきかを見極めやすくなっています。
また、副業として小さく始めることでリスクを抑えながら経験を積み、徐々に事業化していくという選択肢もあります。自分に合った始め方や資金計画、管理方法を選ぶことが、独立後の安定につながります。
では、独立や起業を実際に始めたあと、「仕事がない状況をどう回避し、どのように仕事を増やしていくのか」。次章では、起業初期に多くの方が直面する課題を整理しながら、具体的な考え方や活用できるサービス、実践的な対策について詳しく紹介していきます。
「仕事」があるところには必ず「人」が存在する

当然のことではありますが、「仕事」があるところには必ず「人」が存在します。裏を返せば、人との関わり合いを失ってしまえば、仕事の発生源そのものを失うことになり、結果として仕事が途絶えてしまう可能性が高くなるということです。独立や起業を目指すうえでは、この現実を正しく知ることが重要だといえるでしょう。
最近では、人と直接顔を合わせることなく、インターネット上でのみ取引が完結するビジネスも数多く登場しています。リモートワークやオンライン完結型のサービスなど、働き方の選択肢が広がったことは事実です。しかし、本当に仕事が成立している背景を見てみると、その先には必ず「人」が存在し、誰かの課題やニーズを取りに行っている構造があります。つまり、「人と関わらずに仕事を続ける」という考え方そのものが、実は現実的ではないケースも多いのです。
だからこそ、どのようなビジネスを展開するにしても、仕事がない状況を回避し、安定して取り続けるためには、自分の周りにどれだけ多くの人を集められるかが大きなポイントになります。ただし、最初から無理に最大限の人脈を築こうとする必要はありません。初期段階では目標を明確にし、最小限の行動からやっ てみることが大切です。
人との関係づくりも同様で、低いハードルから学びを得ながら少しずつ力を蓄えていくことで、将来的な見通しが立てやすくなります。無理をして背伸びをするよりも、自分に合った方法で人との接点を増やし続けることが、結果的に大きな成果へとつながっていくのです。
「仕事」と「人との関わり合い」は深いつながりがある

大成功を収めて巨万の富を得た起業家は国内にも数多く存在しますが、そうした成功者は例外なく、ありとあらゆる分野にとてつもなく幅広い人脈を築いている点が共通しています。これは才能や運だけの話ではなく、事業を成長させるための重要なステップを着実に踏んできた結果だといえるでしょう。
もちろん、その人脈のすべてが直接仕事を受ける関係にあるわけではありません。しかし、なぜ成功している者ほど人とのつながりを大切にしているのかを知っ ていくと、「仕事」と「人との関わり合い」が切っても切り離せない関係性であることが、さまざまな事例やデータからも説明できます。情報を得る、課題や問題を見つける、次のビジネスチャンスを生み出すといった場面は、多くの場合、人とのやり取りの中で生まれているのです。
そのため、独立や起業を目指す方の中には、「人付き合いが苦手」「人間関係から解放されたい」という思いを持つ時もあるかもしれませんが、事業の主体者として仕事を確保し、収入を上げていく立場になる以上、人脈づくりを避けて通ることはできません。むしろ、安心して事業を続けるためのリスク回避の手段として、人とのつながりを計画的に持つことが重要になります。
実際、多くの起業家は事業計画書の中に、人脈づくりや情報発信のやり方を掲載し、どのように人を増え していくかを明確にしています。学ぶ姿勢を持ち、必要な人を見つけ、少しずつやることを積み重ねていくことが、結果として最大の成果を得る近道だといえるでしょう。
仕事につながる人脈構築の効果的な方法

では、仕事につながる人脈を構築するにはどうすればよいのでしょうか。
その方法としてまず考えられるのは、とにかく外へと繰り出すこと。
とは言っても、自身の事業に関連する企業を一件一件回って挨拶回りをするといった行為は、相手からすると迷惑に思われる可能性が非常に高いですし、何よりも互いに仕事モードの状態では、コミュニケーションは固くなりがちで仕事につながるような柔軟な関係性を築くのは難しいものです。
その上、前述した「人付き合いが苦手」な方にとってはあまりにもハードルの高い行為でしょう。
そこで考えたいのがビジネスセミナーや異業種交流会への参加。こういった場には同じ志を持った人たちが集まる場であり、情報交換や直接的なビジネスにつながるやりとりも交わせ可能性が高いものです。
そしてもうひとつは、カウンター式のカフェやバーに頻繁に出入りしてみること。
実はカウンター席に座った人同士が互いの仕事の話で盛り上がり、ビジネスにつながるといったケースは非常に多くみられるものです。
どうしてもビジネス感覚がつきまとう挨拶回りや異業種交流会への参加に比べると、お互いがリラックスした状態でコミュニケーションを交わせる飲食店での出会いは距離感も縮まりやすく、人脈構築には最適な手段のひとつだといえるでしょう。
また、外出するだけでなくSNSの積極的な活用も、もちろん効果的な方法のひとつ。
これまでは「見る専門」だったという人も、同じ起業家やフリーランスといった人たちへコメントやメッセージを送るなどすれば、簡単に繋がりを築けるのがSNSのメリットです。
まとめ

本記事では、独立や起業を目指す方、スタートアップや副業から将来的な開業を考えている方に向けて、「仕事がない状況を回避し、収益を継続的に生み出すために何が不可欠なのか」という点を中心に解説してきました。
結論として強調したいのは、独立や創業の成否は、アイデアや商品だけで決まるものではないということです。
どれほど優れたスキルやノウハウを持っていても、それを必要とする人に正しく提供できなければ、安定した収入にはつながりません。そのため、自己理解を深め、自分がどの業種で、どのような価値を提供できるのかを明確にすることが、正しいスタートを切るための第一歩となります。
会社員時代との違いを理解し、事前準備を徹底する
会社員として働いていた前と後では、仕事の発生原因や責任の所在が大きく異なります。
会社員であれば、仕事は組織から与えられ、運営や会計、法的手続きの多くを会社が担ってくれます。しかし、個人事業主として独立した瞬間から、事業運営・資金管理・確定申告・保険・会計・税務といったすべてを自分で行う責任が発生します。
この違いを理解せずに勢いだけで始めてしまうと、「思った以上にコストがかかる」「手続きが分からない」「トラブルが起きた」といった課題に直面し、後悔するケースも少なくありません。
だからこそ、創業前の段階で、必要な費用はいくらか、補助金の対象になるか、税理士への依頼が必要かなどを事前に調査し、しっかりとプランを立てることが重要です。
初期は「小規模・慎重」が成功の鍵
独立や起業の初期段階では、無理な投資を行わず、負担を抑える意識が不可欠です。
いきなり大きく拡大しようとせず、副業として小さく始める、固定費を抑えた運営を行うなど、段階的に進めることが結果的に安定につながります。
実際、多くの成功事例では、「小規模でスタートし、実績と経験を積みながら拡大する」という流れが共通しています。
なぜなら、初期は収益が不安定になりやすく、想定外の支出が発生することも多いためです。家族の理解を得ながら、生活とのバランスを考えることも欠かせません。
「人」との関係が収益を生む仕組みを理解する
本記事で繰り返しお伝えしてきた通り、仕事があるところには必ず人が存在します。
人脈づくりは苦手、できれば一人で完結する仕事がしたいと考える方もいるでしょう。しかし、実際には、仕事の多くは「紹介」「口コミ」「信頼の積み重ね」によって生まれています。
ビジネスセミナー、異業種交流会、SNS、メディア発信など、それぞれのツールや場には役割があります。
重要なのは、自分に合った方法を選び、継続的に行動すること。
一度やって終わりではなく、常に分析し、改善し、行い続ける姿勢が、長期的な収益と安定を実現します。
行動し、学び、考え続けることが成功につながる
独立や起業に「絶対にうまくいく方法」はありません。
しかし、失敗する原因には共通点があります。それは、「調査不足」「準備不足」「行動不足」です。
正しい情報を学び、専門家の意見を受けること。
自分なりの戦略を立て、目的を明確にし、実行すること。
そして、結果を振り返り、次に活かすこと。
この一連の仕組みを徹底できるかどうかが、事業を継続できるかどうかを分ける分岐点となります。
そのために、今すぐできること
・自分のアイデアや強みを書き出す
・どんな人に、どんな商品・サービスを提供したいか考える
・必要な手続きや費用を整理する
・小さくても行動を起こす
これらを実際に行うことで、独立や起業は「漠然とした不安」から「実現可能な選択肢」へと変わっていきます。
挑戦しなければ、収益は生まれません。
しかし、準備なく挑戦すれば、後悔につながる可能性も高くなります。
だからこそ、事前準備を怠らず、慎重に、しかし確実に一歩ずつ進んでいきましょう。
それが、独立・起業を成功へと導く、最も堅実で良い方法なのです。





