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今回は「レンタルオフィス」と「シェアオフィス」についてご紹介します。
みなさまは、レンタルオフィスやシェアオフィスと聞いてどのようなイメージをお持ちになるでしょうか。
「自由に出向いて仕事ができる」、「賃料が不要」、「個人事業主やフリーランスの利用率が高そう」、「取引先や金融機関からの信用性に欠けそう」など様々などではないでしょうか。
レンタルオフィスやシェアオフィスは、高額なオフィス賃料を支払うことなく、オフィスとしての機能を利用できるほか、他社の従業員やフリーランスとの交流の場としても期待されていることから新たなビジネスチャンスを得られる可能性が高まるとして、今注目されているオフィス形態です。
また、新型コロナウイルスの影響もあり、多くの企業がリモートワークやテレワークを推進・導入したことで、働き方の多様化が進む昨今。
企業側は賃貸オフィスの契約を解除して、従業員それぞれが自由にスペースを選んで業務を進められるよう、レンタルオフィスやシェアオフィスの契約に移行する動きが顕著にみられます。
利便性の向上や固定費の削減にもつながるため、アフターコロナにおいても利用率が増加すると見込まれるレンタルオフィスとシェアオフィス。
では、それぞれの違いや利用によって生じるメリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
目次
レンタルオフィス
まずはレンタルオフィスです。
レンタルオフィスの最大の特徴は、利用する企業やフリーランスごとに個室が割り当てられるという点です。
フロア自体は他の利用者と共有することにはなりますが、個室が利用できるため、プライバシーやセキュリティ面の心配もありません。
デスクや椅子、PCモニターはもちろん、Wifiも完備されているので、入居後はすぐに仕事を開始することができます。
個室の規模は、利用するレンタルオフィスによって様々ですが、1人用から数十人まで利用できる個室が用意されている所もあります。
①メリット
初期費用が抑えられる
賃貸オフィスは、敷金や礼金、保証金といった諸々の初期費用が嵩み、契約時には6ヶ月〜12ヶ月分ほどの家賃を前もって準備しなければならないケースがほとんどです。
これに対し、レンタルオフィスの利用であれば初期費用が1〜2ヶ月分程度の家賃で済ませることができるため(敷金や礼金等が不要)、開業資金に余裕がない起業家やフリーランスの方も賃貸オフィスに比べれば無理なく契約を交わすことができます。
オフィス機器や備品の利用が自由
レンタルオフィスには、デスクや椅子のほかにも複合機などのOA機器が用意されるほか、ペンやホワイトボードといったオフィス用品もあり、これらは自由に利用することが可能です(一部有料の場合もあり)。
それぞれの機器や備品の購入費用を抑えられるという点でも、レンタルオフィスの利用がいかにコストを削減できるオフィス形態であるかが分かります。
法人登記が可能
レンタルオフィスでは、賃貸オフィスと同じように法人登記が可能です。そのため、事業資金の融資審査においても、大きな不利となることはありませんし、取引先からの信用度が落ちる心配もないといえるでしょう。
また個室であるレンタルオフィスでは、士業や不動産業といった専用スペースの設置が必須(許認可)となる業種でも問題なく開業できます。
②デメリット
利用料が割高になる場合も
初期費用こそ賃貸オフィスに比べて割安になりますが、利用するレンタルオフィスの立地によっては月々の利用料が賃貸オフィスの賃料に比べて割高になる場合があります。
特に東京や大阪の一等地に所在するレンタルオフィスは利用料も高額になるケースが多いといえます。
会議室の利用は予約制
レンタルオフィスには、会議室や会議スペースが設置されていますが、その多くは予約制。ですので、急な来客や会議が必要になった場合に対応するのが困難になるケースもあります。
シェアオフィス
続いてはシェアオフィスです。
レンタルオフィスとは異なり、シェアオフィスには利用者ごとに個室が用意されることはなく、フロアに設置されたデスクを利用するフリーアドレス制となっています。
簡易な仕切りやパテーションで区切られている場合もありますが、基本的には他の利用者と同じスペースを共有することになります。
そのため、プライバシーセキュリティ面はレンタルオフィスに比べて弱いといわざるをえず、機密書類などがあれば離席時に持ち歩くといった対策が不可欠です。
一方で、開かれた空間であることをうまく活用して、他の利用者と交流を図る人も多く、そこから新たなビジネスの展開につなげるといったケースも多々見られます。
また、シェアオフィスによっては雑務をはじめとするバックグラウンド業務の代行を依頼できる契約もあるため、人件費の削減にも効果的といえます。
①メリット
初期費用・利用料が割安
個室が割り当てられないという特徴から、賃貸オフィスはもちろん、前述したレンタルオフィスよりも初期費用を抑えられるほか、月々の利用料も割安です。
好立地でも安く利用可能
レンタルオフィスよりも割安で利用できるという点から、好立地でも比較的にコストを抑えて利用できます。
②デメリット
共有スペースのため雑音が気になる
個室が設置されていないシェアオフィスでは、PCのキーボード音や電話による会話といった雑音が目立ってしまいます。
そのため集中が必要な作業を行う際には、耳栓やノイズキャンセリング機能つきのヘッドフォンを着用するといった対策が必要になるでしょう。
融資審査に影響があるケースも
シェアオフィスの住所を使用しての法人登記は可能ですが、資金融資を提供する金融機関によっては、シェアオフィスの利用のみでは審査に影響を与えるケースもあるようです。
特に銀行や信用金庫などでは、シェアオフィスの利用のみの企業に対する信頼度は低くなりがちですので注意が必要です。
また、レンタルオフィスで可能であった、専用スペースの設置が必須となる業種の開業はできません。
多様化するオフィス形態
最近では、新型コロナウイルスの感染拡大がもたらしたインバウンド減少や東京オリンピックの延期などにより、空室率が上昇するホテルや旅館が増加しています。
そのような状況を打破するべく、空室をレンタルオフィスやシェアオフィスとして活用する宿泊業者が増加傾向にあり、オフィス形態の多様化は以前にも増して拡大しているといえます。
対して、東京や大阪などの大都市を中心に高額な賃貸オフィスは空室率が上昇しているようです。
このような要因からも、今後はコストの大幅な削減が期待できるレンタルオフィスやシェアオフィスの需要と設置数がより一層高まっていくといえるでしょう。