人口の減少や少子高齢化などの影響によって融資先や個人の預金額が減少を続け、多くの地方銀行が苦しい経営状況にあります。

金融庁も、地方銀行の健全性維持のための選択肢のひとつとして経営統合を推奨するなど、長年にわたって地域に根付き地域経済を支えてきた地方銀行の存在意義を再確認する時代が訪れています。

10年後にはおよそ6割が最終赤字に転じるといわれている地方銀行。年々、厳しさを増す地方銀行ですが、最近では融資や預金よりも積極的に販売を進めている金融商品があります。それが投資信託です。

長く続く超低金利などの影響はもとより、昨年から続く新型コロナがもたらしている経済不安も重なり、資産運用の需要が急速に高まっています。

投資信託は、数ある資産運用の中でも初心者が始めやすい手段といわれているため、融資や預金の新規開拓に大きな期待を持てない地方銀行が積極的に販売を進めることに納得がいきます。

では、投資信託とはどのような金融商品なのでしょうか。
基本的な仕組みのほか、メリット・デメリットについても解説していきます。

■投資信託とは?

投資信託とは?投資信託は、資金を投資の専門家に預けて運用を任せ、運用成果が得られれば、その収益から分配金が還元されるという金融商品です。

専門家は、多くの投資家から資金を集めて、ひとつの大きな資金としてまとめ、それを元手に投資・運用を行います。このような仕組みをファンドと呼びます。

投資の対象となるのは、株式や債券、不動産など様々で、ひとつの投資信託を購入すればこれらに分散投資ができるため、個別に投資を行うよりもリスクを散らせるという特長があります。

このように、投資に関する専門的な知識がなくても資産を運用できるほか、分散投資でリスクを抑えられる可能性が比較的高いことから、初心者でも始めやすい資産運用方法だといわれています。

■投資信託の仕組み

投資信託の仕組み投資信託を始める際は、いきなり専門家に資金を預けるのではなく、まずは販売会社が販売する投資信託を購入することになります。

この販売会社というのが銀行や証券会社です。

投資家は、投資信託を購入することによって、資金を「申込金」として販売会社に預けることになります。さらに預けられた申込金は信託銀行へと送られ、信託銀行によって管理されます。

資金が信託銀行に集められると、投資と運用の専門家である運用会社が指示を出し、信託銀行がその指示に従って投資を行います。

また、運用成果が得られた際に分配される分配金や運用期間の最終日に返還される償還金は信託銀行から販売会社へと渡り、そこから投資家へと配られます。

つまり、投資信託は専門家である運用会社が直接的に資金を集めて運用や収益の分配をするわけではなく、投資家と信託銀行の間を販売会社が仲介し、資金を管理する信託銀行が運用会社からの委託を受けて運用や分配をするという仕組みになっています。

■投資信託のメリット

投資信託のメリット・専門的な知識は不要

先にも述べた通り、投資信託では販売会社に資金を預ければ、あとは専門家である運用会社の判断で投資や運用が進められるため、前もって難しい知識を蓄える必要ありません。

・分散投資でリスクを軽減できる

投資信託では、基本的にひとつの投資対象にしぼって投資されることはなく、分散投資が行われます。

したがって、たとえば株で損失が生じた場合であっても、不動産投資の利益でその損失を補えるといった可能性も十分にあるため、単一の投資よりも損失リスクを軽減させることができます。

・選べる商品と少額からの投資額

販売会社が販売する投資信託の商品には、投資の対象や運用方針などが異なる様々なものが用意されているため、自身の希望や方針に応じて選択することができます。

また、販売額も大小あり、中には5000円ほどで購入できる商品もあるため、投資に多額の予算をかけられないといった人でも気軽に始められるほか、毎月一定額を積み立てていく計画的な投資も可能です。

■投資信託のデメリット

投資信託のデメリット・自由に投資対象を選べない

投資・運用を運用会社に任せられるというメリットがある反面、自身が希望する対象に自由に投資することはできません。

たとえば、株価の上昇が見込めそうな銘柄や、今後価値の上がりそうな不動産を見つけた場合であっても、運用会社に対して、それを購入する指示を出すことはできないということです。

投資と運用を委任するという性質上、時には自身の希望にそぐわない投資対象への出資になる場合もあることを理解しておかなければなりません。

・元本割れの可能性

投資信託には元本保証はありません。

したがって、運用会社の見誤りによって損失ばかりが生じた末に、運用期間の終了時には、元本を大きく割ってしまっているなどという結果も十分に考えられます。

ですので、「専門家に任せるから安心だ」という安易な考え方で多額の資金をいきなり投資するのは避け、定期的な結果を踏まえながら増資を行うよう心がけましょう。

■まとめ

まとめ以上が現在、地方銀行の各行が積極的に販売を進めている投資信託の解説です。

投資信託は、投資・運用の専門家に資金を任せて分散投資できるという安心感と、知識不足でも気軽に少額から資産運用を始められるというメリットがあります。

一方で、専門家に委任するからといっても、100%収益を得られるという保証はなく、場合によっては個人の投資と同じように元本割れに陥るリスクもはらんでいます。

リスクを最小限に抑えるためにも、まずは少ない投資額からスタートさせ、増資を希望する際には、定期的な結果に基づきながら冷静な判断を下すようにしましょう。