女性経営者の増加が続く昨今。
東京商工リサーチが2019年12月に公開したデータによると、2018年の女性経営者数は全国で45万4961人。前年である2017年の41万1969人からおよそ3万3000人が増加した模様です。
おそらく2019年も増加したと考えられますが(データ公開は今年の12月)、今年は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、微増、もしくは減少に転じることも予想されます。それでも2014年の31万55人から2019年までの5年間で、およそ1.5倍に増加したことを示すデータからは、女性が経営者としてビジネスに参画する傾向が確実に高まっていることがわかります。
しかし当然ながら、経営者になったからといっても必ず成功するわけではありません。経営者として歩む道は険しく、高みに到達する前に、多くの女性経営者が挫折を経験し、道半ばで事業の継続を諦めざるを得なくなるケースは多々あります。
その一方で、被雇用者では味わえないような大きな成功を勝ち得る女性経営者がいることもまた事実。
では、どのような女性が経営者として成功しているのでしょうか。
最近では、弊社へご相談に訪れる女性経営者の方々も多くなりました。失敗を何度も繰り返したのちに、惜しくも事業をたたまれた方。事業を軌道に乗せ、今では年商数億円もの事業を展開されている方。
多くの女性経営者の方々との出会いを重ねた末、私たちは成功する女性経営者が、いくつかの共通点をお持ちであることに気づきました。
そこで今回は、「成功する女性経営者が持つ共通点」を4つご紹介します。そのどれもが決して特別な資質などではなく、ほんの少しの心構えや行動の変化で身につけられるものばかりですので、これから起業を考えている女性の方がいましたらぜひ参考にしてみてください。
目標の現実的な設定とアップデート
起業する、もしくは事業を承継するなど、経営者になるプロセスは様々ですが、自分が「経営者になる」と決断をされた時、どんな方でもまずは目指すべき目標を設定するものです。
ですが、気合が入りすぎているのでしょうか。はたまた「男性経営者には負けられない」という奮起でしょうか。たとえば「起業1ヶ月で年商 数百万円」など、いきなり非現実的な目標を立ててしまい、達成できないことが分かると、すぐに意気消沈してしまう方をチラホラ見かけます。
成功する女性経営者は、目標設定に対して非常に冷静かつ現実的です。
現実的に達成できそうな小さい目標を、細かく期限を区切ってコツコツと達成しながら、少しずつ大きな目標へとアップデートさせていくことで、確実な前進を続けようとされているように思えます。
もちろん事業や自身の将来的な展望として大胆な目標を設定しておくことは大切です。ただ、その大胆な目標だけに縛られてしまい、達成できそうにないからと、焦りや不安に駆られるような毎日を送っていれば、日々の仕事に対する集中力を失うなど、本末転倒の結果になってしまう可能性もあります。
小さな目標から、期限は細かく。今は何をすべきか、1ヶ月後にはどんなことなら達成できるかを考えながら、目標の設定とアップデートを繰り返すようにしてみましょう。
性別を理由にした言い訳をしない
弊社にご相談に訪れる女性経営者の方の中には、事業が上手くいかない理由として、「女性だからでしょうか・・・?」「やはり男性には勝てる気がしません・・・」などと、自身が女性であることを挙げる方がいます。
断言できるのは、ビジネスの世界に男性も女性も関係ないということ。
同じ世界で競い合う以上、性別は事業が不調に陥る言い訳にはなりません。
成功を収める女性起業家の方々は、女性であることを弱点だとは考えることなく、むしろ女性としての経験や視点、感性といった、女性だけが発揮できる強みを活かしながらビジネスの世界で勝負に臨むよう心がけています。
また当然ながら、仮に取引先とトラブルに発展した場合であっても、女性であることを言い訳にすれば許されるということもありません。
ビジネスの世界では、男性経営者も女性経営者も「ひとりのビジネスマンであり経営者」です。先頭に立って事業を進めていく以上、失敗やトラブルなど、どんな場面でも性別を理由にして嘆くことなく、常に「ひとりのビジネスマンで経営者」であることの自覚と責任感を持たなければなりません。
女性ならではの強みをビジネスに活かす
上記では、成功する女性経営者は「女性だけが発揮できる強み」を活かして勝負するよう心がけていると紹介しました。
女性には、男性ではなかなか得ることの難しい経験や知識、繊細な感性や女性ならではの細やかな視点が備わっているのではないでしょうか。
たとえば、女性専用の衣類の企画を進める場合、男性が女性のニーズを正確に把握することは難しいものですし、女性向けのメディアを立ち上げようとする場合であれば、“女心”を深く理解できていない男性が手がけても、そのメディアの魅力や価値が高まることはないでしょう。
このように、成功する女性経営者は「女性だけが発揮できる強み」を最大の武器としてビジネスに活かしているのです。
プライベートでも常にアンテナを張っている
成功する女性経営者の方は、仕事から解放されるプライベートにおいても、ビジネスのヒントを探し求めるためのアンテナを張り続けています。
とはいっても、仕事はオフなのですから、何も肩肘を張って身構えているわけではありません。
家族や友人、恋人などとの何気ない会話や、外出先で見かける他人の行動パターンやショッピングでのさりげない市場チェックなど、休日を自然体で過ごしながらも常に自身のビジネスに役立つ情報やトレンドの収拾に努めているものです。
一度、弊社のスタッフがとある雑貨店で休暇中の女性経営者のお客様とばったりお会いし、お声がけした際も「どうしていま人気のアノ商品じゃなくコノ商品が最前列に陳列されているのでしょうね・・・」と分析を試みておられました。
今回は、成功する女性経営者の方々が持つ共通点の中でも、特に顕著にみられる4つをご紹介しました。ご紹介した4つの共通点が、どれも特別な資質や才能などではなく、少しの心構えや行動の変化によって身につけられる簡単なマインドセットであることがお分かりいただけたかと思います。
これから起業を目指す女性の方や、経営が思うようにいかないと思い悩む女性経営者の方。ぜひとも今日から実践してみてください。